2026.01.02

    元旦のウィーンフィルニューイヤーコンサートを録画で観た。リズムの乗りがさすがと言う感じ。ウィーンフィルのビオラ奏者と結婚して8年になる中谷美紀が出てきて印象に残った。そうそうこれはハプスブルグ帝国末期の華やかな時代。古き良きヨーロッパの伝統。日本で言えば江戸時代後半位、爛熟した文化。やがて近代の主役たち(イギリス、フランス、ドイツ)に圧倒されてしまう。江戸の文化も明治維新の近代化で圧倒されてしまったのであった。しかし、いずれも文化の基層に根付いている。その後現在に至るまで、近代化の勢いは止まることなく、全ての事象を一つの原理に従わせようとしているように見える。およそ原理とか理論とかいうものは、本質的でない事象を統計データに置き換えることによって、階層化された理論体系の下部に追いやり、人々の関心から遠ざけてしまおうとする。けれども、人々の心は主観的であり具体的な生き物なので、その本質的でないとされる現実を生きている。だから、いくら論理的に説明されても、納得しないのである。論理よりも、伝統に従ってしまう。理論は常に体感として語られなければ浸透しない。

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