2017.07.11
「ムーミン絵本の世界展」を観てきた。絵本は小説を子供向けに漫画化したものだが、トーヴェ・ヤンソンが死んだ後も、リーナ&サミ・カーラ夫妻が次々と描いて行った。その原画展である。ヤンソンの描いた絵を参考にして組み合わせて色づけをしている。ミーの生い立ちや性格を主題としたものが3つあって、これによってミーが有名になったのであろう。ついついいろいろなグッズを買ってしまった。絵本だからまあ可愛いのではあるが、それだけではない、何か感じるものがある。それは登場者が非常に個性的で、特定の人生観を戯画化したようなものだからであり、しかもそれだけ異なった人生観の持ち主達が集まって面白い調和が出来上がっている、という処である。この社会の多様性の楽しさこそがヤンソンの世界なのだろうし、それは当時の政治情勢の裏返しになっているからこそ、何かしら不気味な香りすら感じるのである。21世紀の現在と近未来から見るとあながち遠い世界でもない。
<目次へ>  <一つ前へ>    <次へ>