2月3日(月):
      Epson のネットPC na03mini は今となっては性能が時代遅れで、windows10 を入れても牛歩の速度になって、使い物にならない。当初から windows7 starter が入っている。windows7 のサポートが終了したので Linux mint を入れてみた。こういうケースが増えてくるだろうと思うので、誰かの参考になるかもしれないと思い、ここに記録しておく。まずは、windows7 、元々使っていた内蔵 HDD にクローンコピーをした。 Linux mint は ver.19.3 が 32bit の最後で、2023年までサポートが続くらしい。日本語入力も付いている。処理の軽い方の mate にして、インストールメディアを USB に作った。 unetbootin というソフトでやる。これでまずは OS の試用である。na03mini の boot 設定でちょっと戸惑った。F2 で BIOS 設定に入り、harddisk を選択したあと、usbharddisk を選択し、メディアのメーカー名からまた選択する。試用モードではまだ日本語で書くことができないようである。

      Linux mint をインストールした。名前、ユーザー名(仮に KKK とする)、コンピューター名を入れる。いろいろつついていたらいつの間にかマウスが左利き用になっていてしばらく困った。またタッチパッドの制御ソフトが入っていないから止められない。ネットワークでファイル共有するのは簡単ではなさそうである。どうも samba という windows グループに組み込むソフトを使うのが普通らしい。ネットでいろいろ調べているのだが、古いバージョン用の記事が多くて、当てはまらない。多少コマンドラインも使う必要がありそうである。まあ焦らず暇を見てやろうと思う。大いに役立った記事は『初めての Linux(http://ondyrsjc.blog.jp/archives/1003569233.html)である。ほとんどこの通りにすればよい。

      Linux フォルダーの共有には、ソフトウェアーマネージャーで caja share というソフトを探してインストールすると、フォルダーの右クリックに共有設定という項目が出来るので、設定する。パッケージマネージャーで samba をインストールすると、windows 側から共有ファイルが使えるようになったが、まだ書き換えはできない。逆(Windows 側の共有ファイルを Linux で見る)はまだできない。次に Thunderbird でメールの設定を行っていると、突然フリーズした。面倒なので、Ctrl+Alt+Del で強制シャットダウンした。ネットで調べてみると、Linux mint では良くあることらしい。これはちょっと対策しておいた方が良いかもしれない。再度起動してみると、フリーズしていた筈なのに、既にメールサーバーからメールをダウンロードし始めていた。どういうことだろう?

      Epson プリンター EP-710A のドライバーをインストールした。Epson のホームページには、表向き Windows と Mac 用しか置いていない。Linux Epson で検索すると出てくる。ダウンロードしたのをインストールしても使えなくて、改めてプリンターの設定から新しいプリンターとして入れなくてはならないようである。スキャナーの方も同様にインストールしようとしたが、ファイルからやっても何もやってくれないようであったので、マニュアルに従って、コンソールから打ち込んでインストールした。初めてコンソールを使った。ld でカレントディレクトリーの中身が判るので、cd ./サブディレクトリー名 として辿っていって、インストーラーを起動する。./install.sh である。ライブラリーはインストールした筈だが、使えていない。ソフトウェアー管理から epson で検索すると、別のインク管理ソフトが見つかったので、インストールしておいた。

      タッチパッドが ON になっていて邪魔だったので、BIOS 設定で無効にした。無線 LAN の方は ON になったままだし、設定してやると一応 ON になるのだが、実際上は機能していない。以前メモリーを 2GB に交換したときに壊れたのである。windows とのファイル共有はどうも不安定なので、結局 dropbox を入れた。なお、USB型の無線LAN 端末、I/O DATA airport G300U を使っていたので、差し込むと ドライバーが最初から入っているみたいで、そのまま使えた。

    WINHQ をインストールすると、どうも WINDOWS のアプリがそのまま使えるみたいである。現在のバージョンは 5.0。ソフトウェアーの管理からインストールすると 4.05 になるようである。ソフトウェアー管理から wine をインストールした。早速 windows で常用している予約録音ソフトの srec を入れて使ってみたら動いた。NoEditor はインストールできたが、開くファイル拡張子との関連付けがうまくいかない。直接パスを指定しても動かないのでやめた。

    全角入力モードでは、スペースキーで全角が入ってしまう。これを半角スペースで入れるように設定したいと思って、ネットで調べたら、mozc-utls-gui という設定ソフトをインストールすれば良いことが判った。https://gato.intaa.net/archives/5076。早速パッケージ管理から入れて、出てきた mozc 設定メニューから設定できた。

      wikipediaより: Mozc とは、Google 日本語入力のオープンソース版である。これは2010年5月11日に Google 日本語入力を Google Chrome OS に移植するために必要な部分をオープンソースしたものである。オープンソース版の Mozc と Google 日本語入力との大きな違いは、Mozc は日本語変換エンジンでありこれを用いて日本語入力を行うには ibus、uim、Fcitx のようなインプットメソッドを別途インストールする必要がある点である。また Google 日本語入力の売りであるインターネット上の語句を収集して生成される変換辞書を使わず、代わりに Mozc プロジェクトが作成した変換辞書を使う点も異なる。変換辞書などを含めた完全にオープンソース化に対応しないのは、インターネットから収集してきたデータが変換辞書として使われている関係上、SEO 対策に悪用されないようにするためであるという。

      NoEditor のホームページやインストール途中での文字化けがあるので、他のを探してみた。行間隔を調整できるフリー版という条件で言えば、EmEditor、MKEditor、Terapad、Mery、Mint が見つかった。いずれも検索置換はできる。前者3つは箱型選択ができる。前者2つと Mery では印刷設定でも行間を変えられる。Mint は インストール不要である。EmEditor は昔使っていたが、有料化されてからやめた。選択肢は MKEditor あるいは Mery ということになった。MKEditor をインストールした。使えるが、やはり関係付けがうまく行かない。MKEditor のショートカットを作ったので、そのプロパティからリンク先をコピーして、コマンドで設定した。env WINEPREFIX="/home/KKK/.wine" wine C:\\Program\ Files\\MKEditor\\MKEditor.exe である。これでファイルをダブルクリックすると、MKEditor は確かに起動したのだが、ファイルを見つけられないというエラーがでる。gnome-control-gui から関係付けができるということなので、パッケージマネージャーからインストールした。コンソールから起動すると、空っぽの window しか出てこない。調べると設定しなくてはならないらしい。export XDG_CURRENT_DESKTOP=GNOME とやると中身が出てくるようになった。しかし、出来る設定は、元々の設定だけであった。やはり関連付けが無いと、起動が面倒である。結局普段使いは Linux の medit を使っている。他、Mery は本文は大丈夫だが、設定画面の文字がほとんど豆腐文字になる。どうも特殊なフォントらしい。Mint も試したが、これは本文の方が豆腐文字で設定画面が正常である。wine で使うフォントについては調べなくてはならないということで、.wine の下を辿って、font フォルダーを調べるとあまり入っていない(4つしかない!)ことに気づいた。もう一度 winetricks からフォントを入れ直したら豆腐文字が正常化した。 winetricks は1セットづつインストールするのだが、そうすると、以前インストールしたフォントセットにはチェックが入らないからそれがアンインストールされてしまうようである。

      いろいろと用語が出てくる。なかなか覚えられない。Gnome というのは Gui 全体のシステムのことらしい。GNU Network Object Model Environment の略号。mate では ver.2、cinnamon が ver.3 らしい。Nautilus というのはその上で動くファイルマネージャー(windows での explorer に相当)である。cinnamon ではその派生である Nemo、mate ではその派生である Caja が使われている。

      Geany という開発環境を入れた。下記の記述を見つけて行間隔調整をやってみた。マニュアルにも書いてある。0;0 というのは文字の上下のスペース高さである。filetypes.common が追加の設定を定義するファイルである。フォルダーには filetype.README があって、説明してある。だが、だめだった。実行すると、同じファイルが追加されるだけだった。
『やっとGeanyの行間設定の方法を見つけました。
/root/.config/geany/filedefs/filetypes.commonsu
90行目辺り(バージョンによって違う)
line_height=0;0;false;false
Geanyのツール → 設定ファイル → filetypes.common
で開けます。』

      結局 NoEditor がフォント問題もなくインストールできたので、もっぱらそれを使うことにした。
 windowsPC との samba による共有が不安定だと思ったのだが、大丈夫だった。windows 側からもファイルの追加や書き込み変更保存が出来る。けれども、windows の explorer の左側のツリー画面の公開フォルダーへとファイルをドラッグでコピーをしようとすると禁止マークが出てきてできないところが普通のフォルダーとは違う。公開フォルダーを開いておいてから、その画面にドラッグすれば普通にファイルのコピーができる。何とも奇妙ではある。ともあれ、こうして windows 側から貼り付けられたファイルは Linux 側では鍵マークが付く。ファイルの所有者ではないから、アクセス権の設定が変えられない。書き込みができないということになっている。Linux 側で書き込むと保存はできないが、別名で保存は出来る。アクセス権を変えるのはファイルの所有者である windows 側でできる。逆に linux 側で入れたファイルを windows 側で開くと警告が出て書き込み可能なファイルに変えられる。まあ要するに Linux の方がアクセス権について厳格なだけのようである。

      windows アプリの関係付けができたので、txt ファイルをダブルクリックするだけで windows アプリの NoEditor で開けるようになった。https://ubuntuforums.org/archive/index.php/t-1460914.html に書いてあったことからファイルの右クリックでアプリを指定するときのコマンドとして、デスクトップにあるショートカットのプロパティーから得られるアプリへのパスの後に、wine で作られたフォルダーのドライブ名(これは wine の設定ファイルから取得する。ここでは K:)を使って、%f を入れる。具体的には、env WINEPREFIX="/home/KKK/.wine" wine C:\\Program\ Files\\Yokka\\NoEditor\\NoEditor.exe K:%f となる。%f だけは MSDOS から推定して僕も試していたのだが、駄目だったのである。解釈するに、windows アプリは windows 流のパス表現しか認識しないために、K: に相当するパス表現が Linux 流になると開くべきファイルが見つからないということなのだろう。ただし、上記の Forum によれば、ファイルの関係付けが書かれているという ~/.local/share/applications/ にある wine-extension-txt.desktop というファイルの中身が変わる筈なのだが、notepad.exe で開くようになっていて変わっていない。だから、右クリックで開くアプリの登録名が env となっていて、変更できないままである。

      Linux の MEditor、windows の MKeditor は MDIで、今まで開いたファイルがタブとして残る。比較するには良いが、書くにはちょっとうっとうしい。NoEditor は SDI なので、スッキリしている。多数のファイルを同時に開くと別の window になる。Mery と Mint はいずれもSDIで縦書き対応であるが、Mint の方は90度回転するだけで、縦書きとは言えない。残すとすれば、NoEditor と Mery だろう。

      写真の加工のために linux の GIMP を入れたのだが、これは windows の PhotoShop 対応で、機能が多すぎて使いこなせない。windows で使っていた JTrim のような必要最低限のソフトが Linux にはない(強いて言えば pinta が近い)ので、これも wine の下に入れた。実行ファイルを直接適当なフォルダーに置くだけである。最初の実行時に右クリックで、wine windows プログラムローダーで開いておけば、次回からは普通に使える。

      JTrim.exe へのランチャーをマニュアル(初めてのLinux)通りに作ってみたが応答無し。ネットで検索すると、Crtl Shift で実行ファイルをデスクトップにドラッグして離すということなので、やってみたら、ショートカットが出来た。他。ソフトリンクとかハードリンクとかいうのがあったが、コンソールでやるようである。実行ファイルの右クリックでも make link というのがあって、これが多分そうなのだろう。

      ともあれ、これで殆ど元の windows 7 starter と変わらなくなった。もっとも速度も変わらない。windows ソフトの立ち上がりはやや遅いようである。

<<追加 02.20>>
・・Windows でのメールソフトから最近の受信メールを Linux でのメールソフト(Thunderbird)にコピーした。export できる形式は2種類あって、一つは個別メール毎で、.eml となる。もう一つはまとめて UNIX mbox 形式である。拡張子は無し。保存形式はいずれも txt の筈だが、どうもメールの encode によってはテキストエディターで文字化けしてしまう部分がある。要はいろんな encode が混ざることになるからかもしれない。この辺はいろいろ試みたが、全てのメールを読むようなテキストエディターは無い。export した mbox ファイルを Linux の Thunderbird に読み込む為に、ImportExportTools NG というアドオンを入れてみた。import にはやや時間がかかるようであるが、文字化けせずに読める。

・・ネットラジオの録音では windows では MooO 録音ソフトを使っていたが、Linux で相当するような簡単なアプリは無いようである。MooO を wine で Linux にインストールしてみたが、うまく動かない。音声データ加工ソフトの Audacityを入れてみたが、どうやらマイク経由で録音しているようである。Pulseaudio (音声設定を行うアプリ:別途ソフトウェアー管理からインストールする)の設定タブを見ると、アナログ入出力となっているが、これは、通常マイク入力とスピーカー出力のことである。これをアナログ出力のみに設定すれば、入力装置のタブで、内部オーディオアナログステレオが消えて、Monitor of 内部オーディオアナログステレオだけが残る。この状態で録音すれば、パソコン側の音量調整に関係なく、アプリの出力音声だけが録音される。

  <目次へ>  <一つ前へ>    <次へ>