2017.07.22
午後から流川教会での「栗田智子ヴァイオリンコンサート」に行って来た。暑いので銀山町からのんびりと歩いた。コンビニでしばらく涼んで、途中パン屋でパンを買って、川縁で食べてから行った。

・・・ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団というヨーロッパでトップクラスのオケに入っている人で、流川教会の会員というから、多分広島出身なのだろう。前半はバッハのヴァイオリンソロのパルティータ2番。これはなかなかのものだった。素直で清潔感すら感じる。技術が実に正確である。この曲は楽譜通りに弾けば感動を与えるような気がする。その辺がフルートソロのパルティータとは違うと思う。最後のシャコンヌは出だしがややテンポの迷いがあったように感じたが、変奏を重ねる内に無我の境地に入った感じで、珍しく人間的な感情を露わにしたバッハの深い悲しみが感極まって、最後に力強いリズムで克服され、静謐なテーマに戻る。素晴らしかった。音響としては、長い残響ではなくて、高い音に艶が出るような響きである。ヴァイオリンの音が綺麗に軟らかく響く。

後半はシューマンの2番のヴァイオリンソナタであった。ピアニストはやはりアムステルダムで活躍している早瀬恵理という人である。いつも一緒にやっているのだろうか。ただ、ピアノの響きがドローンとした感じで動きが良く聞こえない感じがして、そのせいか、ちょっと息が合っていない処も感じられた。ベヒシュタインだからか、ホールのせいか、置き場所の問題なのか、演奏の問題なのか?

アンコールはシューマンの「オーボエの為のロマンス」の第二楽章。これはなかなか良かった。この人は多分シューマンが好きなのだろう。
<目次へ>  <一つ前へ>    <次へ>