2013.01.03

      歩いて近くの行者山に登って眼下の景色を見ながらお握りを食べてから、太光寺和氣殿ホールで映画を見た。上映は今日で3回目であるが、結構聴衆が集まった。何となく新興宗教の雰囲気があった。映画の前に太光寺が気仙沼で海上供養をした時の映像が流された。このお寺はなかなか新しい試みをやる。この場所でもいろいろな催し物が開かれている。まず、その太光寺の副住職さんが最初に挨拶をした。背が高くて指も長い。なかなか存在感がある。本住職は比叡山に籠っているそうである。

      映画は白鳥哲監督の「祈り」である。パンフレットを見てドラマ仕立てのオカルトかと思ったが、ドキュメンタリーであった。主役は筑波大学名誉教授の村上和雄という人で生理学が専門のようである。若い頃に牛の脳下垂体を集めて高血圧に関係する酵素レニンを見つけてその遺伝子を解読した人である。最近では、「心と遺伝子研究会」というのを主催していて、心の持ちようで実際に遺伝子の発現が変わる、というデータを出している。まあ、楽天的になれば生命維持の遺伝子が発現しやすくなり、ストレスがかかれば防衛機構が働いて抑制される、ということで、現在ではある程度確立している。

      そこまでは良いが、話は更に発展して、祈りが他の人の身体にまで影響を与えるということである。どうも米国で実証データが出たという話になっている。これは眉唾ものである。最後の方はちょっと嫌になったが一応我慢して見た。世界を救うためには人口の1%の平方根で、8,000人程度が集中して祈ればよいということである。その為の協会「地球を癒す会」を白鳥哲が立ち上げたそうであって、映画が終わった後にその話があった。祈る事は別に悪い事でもないが、こういう組織になってしまうと、組織の内外の差別感情が芽生えてしまうものであって、それはやりきれない。
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