2018.02.18
JRで海田市まで乗って、安芸区民文化センタースタジオで、昭和57年生まれの3人による演奏会『Cinq-Sept-Reunion』を聴いた。副題がトリコロールな音楽、ということでフランス音楽である。プログラムが面白そうなので出かけたのである。3人というのはフルート根石照久、ソプラノ平福知夏、ピアノ土門華奈子である。

      最初はシャミナードの「ポートレート」という曲で、僕は知らなかったのだがソプラノとフルートとピアノの組み合わせでは結構有名な曲らしい。とても女性的な優しさに満ちた曲。

      2曲目はピアノソロでドビュッシーの『前奏曲集』から「亜麻色の髪の乙女」「パックの踊り」「ミンストレル」。これはきちんとした演奏で好感が持てた。音の世界が拡がる感じ。

      3曲目はラヴェルの「シエラザード」で、これには歌詞と平福さん自身の和訳が配布されて、力が入っているなあと思った。読んでみてなかなか良い詩だったので期待していたのだが、どうもフランス語がそれらしく聞こえない。子音が明瞭でない。日本語で歌う方が良いのでないか、とも思った。

      4曲目はドリーヴのオペラ『ラクメ』より「花の二重奏」で、これも知らなかった。片方のソプラノをフルートで代行するのだが、ちょっと不自然かなあ、と思う。

      5曲目はフルートとピアノで、ギドーニの「ジャジー・フルート・チャレンジ」。根石さんがフランスのフルートコンヴェンション会場で買った楽譜で、買うときに作曲者が居てサインしてもらったということである。テクニシャンの根石さんらしい演奏で、なかなか楽しかったが、もう少しジャズの香りがすると良かったかなあ、と思う。

      6曲目はベネディクトの「ジプシーと鳥」、6曲目はドリーヴの「夜鳴きうぐいす」で初めて聞く曲。どちらもフルートが鳥のさえずりで、それを真似るようにソプラノが歌い出すと、フルートがその周囲を飛び回る感じで、なかなか楽しかった。

      アンコールはビショップの「見よ優しいひばりよ」で、これもなかなか面白かった。やはりフルートとソプラノの関係は鳥と少女というのが自然だなあ、と思った。
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