2022.02.14
『ぼくは しんだ じぶんで しんだ 谷川俊太郎と死の絵本』

・・なかなか面白いドキュメントを観た。谷川俊太郎の絵本が出来るまでの2年間。少年の自死を扱っている。

・・企画は2人、谷川さんに依頼して一年かけて詩が出来て、彼がイラストレーター合田里美さんを選んだ。そこからやり取りして中身がどんどん変わる。

・・孤独というと社会的孤独というのが常識かもしれないが、宇宙的孤独というのもある。子供のころふと考える。宇宙の中での自分の位置づけが在るのか無いのか?

・・死んだ少年が語るという形式で絵本が出来ている。死んだ理由は判らない。絵本の意味も判らない。けれども判ることが全てではない。判らないけれども存在する、ということを大事にしたい、という。読者が安易に判ってしまわないように敢えて意味を削ぎ落す、という彼のやり方が実に興味深い。

・・判らないけれども存在する、その大事なものに出会うためには、判るべきものを判ることで削ぎ落していかなくてはならない。研究というのはそういうものかもしれない。

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