2019.04.14
今日は、エリザベト音大で、高木綾子のコンサートである。去年の公開レッスンの時と比べて随分ほっそりとしていた。ダイエットしたのかもしれない。

      前半は、G.ショッカーの『後悔と決心』、A.カゼッラの『シシリエンヌとブリュレスク』、T.ベームの『グランドポロネーズ Op.16』、後半は、M.ラヴェル、ヴィーゼ編の『タフニスとクロエより”パントマイム”』、R.シューマンの『3つのロマンス』、A.ジョリヴェの『リノスの歌』、アンコールは、村松崇継の『Earth』

      一番良かったのは M.ラヴェルの曲。魅せられた。それはともかく、高木綾子の演奏には昔に比べて深みと情愛みたいなものが感じられた。子供を育てているからだろうか?まあ、何しろ音だけで充分魅力的である。何処が違うのだろうか、といろいろ考えたのだが、どうみても、これは息の使い方である。とにかく一息で一フレーズという感じで、音を組み合わせるという感じではなくて、一つ一つに精一杯意味を込めて一息に歌っている。息継ぎですら一つの表現になっている。ホール全体に響き渡る、というだけではなくて、音の表情で訴えかける。そういう意味で、中島みゆきの歌唱とも似ている。それと、ピアノの坂野伊都子も素晴らしかった。吹き方で気になったのは、吹きながら顔を横に振る事で、こうすると多分息の出る方向が左右に振れると思うのだが、これは音色をコントロールしているのだろうか?
 
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