18.10.29.
N響のフルート4人によるコンサートを聴きに行った。エリザベト音大である。時間があったので、前以って、蕎麦「とんぼ」立町店でとろろとか天ぷら等を付けて蕎麦を食べた。美味しかった。N響の4人というのは、神田寛明、甲斐雅之、中村淳二、梶川真歩である。もう1人いるそうであるが都合が悪かったらしい。神田、甲斐が年寄で第一奏者、中村、梶川はまだそれぞれ3年目と1年目で第二奏者である。

・・・最初は、F.ジャンジャンという人の「スキーシンフォニー」。4人で素早い半音階をのべつ幕なしに吹奏して、スキーの滑降や回転を表現している。よくもまあ吹くもんだと思った。それにしても合っているのが不思議である。

二曲目は F.クーラウの「四重奏 op.103 の第一楽章」これも結構難しそうな曲で、クーラウらしい大仰な感じ。

次は「楽しみ二重奏」とあって、中村−梶川がピッコロ2本でボルティモアの曲をやった。ピッコロの素朴な感じの音色を生かしている。

神田−甲斐では、フィリーデマン・バッハの有名なデュエットを演奏した。これは良く知っているのでバランス的に完璧とは行かない感じもした。

前半最後は ドビュッシーのピアノデュオの「小組曲」から「小舟にて」と「バレー」を神田さんが編曲したもので、雰囲気が良く出ていて素晴らしかった。

後半は、まずチャイコフスキーの交響曲4番第3楽章「ピッツィカート・オスティナート」と、リムスキー=コルサコフの交響組曲「シエラザード」より第3楽章「若い王子と王女」の神田編曲版。いやはや素晴らしい。さすがプロという感じ。

最後はボザの「夏山の一日」で題名の通り夏山で起きた一日の出来事を彷彿とさせる。

アンコールはまず、ベートーヴェンの9つの交響曲からの抜粋で1分位の曲。ユーモラス。

最後のアンコールはヴェルディの「プロヴァンスの山と海」に広島カープ応援歌を挟んだもの。これも素晴らしいし、ユーモアのセンスもある。

・・・これくらいのレベルになると、奏者の個性が音に出てくる。ソロのパートの時によく判るのだが、一つの音や一つのフレーズをどういう風に吹くか、音の伸び具合とか、そういった処で「これはこの人の音」という感じの魅力が出てくる。梶川さんの思いっきりの良い流麗な表現が新鮮でとても良かった。
 
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