向殿充浩のホームページ


トップ 経歴 トピックス・近況など 文学作品 技術者として活動 有機デバイスコンサルティング お問い合わせ先 その他


 

石に刻まれた小さな夢

 

 

石に刻まれた小さな夢。

あやふやなものへのまなざしと

錆びついて軋む鉄の板。

窓から見える異質の時間と

一瞬だけ透明になった存在の核心への道。

 

決して真実に突き当たらない沈黙の夜と

閉じ込められていた声が漏れてくる小さな空。

何ものも生み出すことのない流浪者たちの

かき乱された大気の底での徒労に等しい試み。

 

でも空の上では、

奇怪な神々の祝宴で、

創造と混沌が胎動している。

玉砂利を踏む菩薩たちと

夢を食い荒らす小さな生き物たち。

豊饒の吉兆が氾濫する

泥に埋もれた大地は

けれど、恍惚とした狂気に満ちている。

 

蜃気楼の中の描かれなかった一枚のタブロー。

小さな夢が砕けるだけのこの大地に

ぼくが刻印する言葉にならない石たちの声。

 

 

2015.9.14

 

戻る

 


トップ 経歴 トピックス・近況など 文学作品 技術者として活動 有機デバイスコンサルティング お問い合わせ先 その他



Copyright © 2021-2026 Mitsuhiro Koden. All Rights Reserved. 無断転載を禁じます。

向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第6詩集『石に刻まれた小さな夢』