向殿充浩のホームページ


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無音の領域に

 

窓の外でたなびく

残光の中の雲の帯、

忌まわしい虚構と

捻じ曲がった奇怪なフォルム。

 

はるけさを呼び起こし、

漂う音に光を投げつけ、

でも、色のついた石を並べるだけの

錯乱と幻惑。

 

祈祷の言葉を失った赤ら顔の祭師と

不気味な記号を書き連ねるだけの占星術師。

潮騒のざわめきの向こうの無音の領域で、

けれど、ただ泥をこねるだけの青ざめた神。

 

石の上に響く雨の音、

仮借なく理不尽で

官能的なパラドックスと

少女たちの堅い蕾。

 

瓦礫を積んだ船が

時間の割れ目を渡っている。

無音の領域で。

 

2015.9.14

 

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向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第5詩集『疾駆する風たちに』