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夢の破片に

 

秋の日の美しい光の下で、

透明な風がぼくたちの上を吹き過ぎていた。

野に広がるススキの穂が

軽やかになびいていた。

 

夢の破片をリュックに放り込んで歩いてきたぼくたちは

誰もいない野の中で、

空から降り注ぐ小さな響きに

耳を傾けた。

 

この野の向こうには、

さまざまな情念の氾濫する世界、

清新の光を失った世界が広がっているかもしれなない。

でも、秋の光の下では、

コスモスの可憐さや虫たちの小さな吐息、

山々に広がる赤や黄色の色鮮やかな色彩が

ぼくたちの心を冷ましてくれた。

 

小さな池のほとりに腰を下ろし、

ふとリュックから夢の破片を取り出してみると

不思議な鼓動を耳にすることができた。

 

未知なるものへのまなざしが

真っ青な空に共鳴する秋の一日。

山から降りてくるひんやりとした風が、

ぼくたちの心の中で舞い踊っていた。

 

2015.9.12

 

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向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第5詩集『疾駆する風たちに』