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疾駆する風たちに
求道者たちが舞う広大な平原で
太古の風たちがきらめくように駆け抜ける。
大地に刻印された始源的な霊感に
存在の根拠を失った者たちの無数のまなざしが注ぎ込まれ、
硬直した石たちの像は
無言のまま月明かりを浴びている。
ぼくが突き崩した土くれたちの声は
研ぎ澄まされた大気の中に拡散している。
冷たい張り詰めた気の中で
透徹した笑いを湛える石たちの列。
目覚めているのか、
求道者たちの奏でる韻律に頭を垂れている者たちよ、
耳を澄ましているのか、
天空の涯てでの神々の戦いを見上げている者たちよ。
きらめくような燐光を発し、
この宇宙に共鳴する無数の風たち。
その風の中を駆け抜ける
トキの断片を打ち砕くなにものでもない者たち。
ぼくは太古の石を奏で、
名もなき者たちのために碑文を刻み、
沈黙する遊星の荒々しい鼓動を
孤独な求道者の一人として
祭壇の上に鳴り響かせる。
漆黒の暗闇に放たれる一条の発光、
けれど、それは、ぼくたちを一瞬のうちに置き去りにして
未知なるものたちの中へと疾駆する。
砂塵を舞い上げて、
静寂を積み重ねる瞬間を飛び越えて。
(2010.3.30 / 2026.1.15改訂)
[付記]
この詩の一部で、長屋和哉さんの CD『ILLUMINATIONS』に付いていたノートに載っている言葉や表現を流用させていただいています。
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向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第5詩集『疾駆する風たちに』