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神々の死に絶えた海

 

神々の死に絶えた海、

その浜辺で

砂のようにさらさらと落ちてゆく光の時間。

白い衣の天使たちが

そして何ものでもないものたちが

夢の形をゆっくりと還元している。

 

けれど耳を澄ますがいい!

かつて存在者たちの表面をうねり巡った

ゴーゴーという時間の流れが

不可解な世界の向こうから

聞こえてくるに違いない。

粘土でできたトルソたちの声が

記号たちで埋め尽くされた大地の上に

滲み出してくるに違いない。

 

でも誰もいない。

荒々しい闘争の声は

絶対者に突き当たって砕け、

原初の混沌への回帰が

蜃気楼の中でタブローとなって凝集している。

 

ぼくは海に向かって叫んだ。

ぼくは静まり返った大気に向かって叫んだ。

ぼくは空虚へと途方もなく開かれている

気高い宇宙に向かって叫んだ。

すると奇怪な捩れたフォルムが

均質なブルーの中で

二つに割れた。

絶対の日に。

 

1988.2.11 / 2016.6.28改訂)

 

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向殿充浩(こうでんみつひろ) / 第2詩集『青ざめた鳥たち』