『ブルーポールズ』第１巻向殿

向殿充浩のホームページ

トップお知らせ・トピックス自己紹介・経歴作品技術者として活動・経歴写真集お問い合わせ先その他

【第１巻】-まえがき/あらすじ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：：

【まえがき】

　この物語の構想が浮かんだのは、南アフリカの詩人マジシ・クネーネの『アフリカ創世の神話』を読んだ時でした。１９９５年頃、４０歳頃のことです。そして、この神話の描く世界と、私がもっともすばらしい文学作品と考えているインドの古代叙事詩『マハーバーラタ』の世界とが混然と私の心の中で絡み合う中から、この『ブルーポールズ』の構想が生まれてきました。ある意味、この『ブルーポールズ』の描く世界は、『マハーバーラタ』の世界観を色濃く反映していると考えています。

　この物語を書き始めた当初、３巻の構成で１０年で書き上げたいと考えました。途中、まったく筆が進まず、ほとんど１年何もしなかった時期などもありましたが、概ね１０年でほぼ３巻構成の形を整えることができました。ただ、今も改訂を続けています。

（2017年1月9日掲載 / 最新改訂2021年7月28日）

【あらすじ】

　前回の創造が帰滅した四十三億二千万年後、神々の父ヴァーサヴァが新たな創造を行うことを決意する。ヴァーサヴァは、宇宙の三賢神であるバルマン師、ウダヤ師、マーシュ師に協力を求めるが、三賢神はそれぞれ創造の危険性について警告を発する。だが、ヴァーサヴァはそれを無視し、創造を開始する。ヴァーサヴァは、三賢神、妻のエフタ、三神の子供シュリー、ウツ、ユビュとともに創造の儀式を行い、創造を護るための七本のブルーポールを打ち立てる。しかし、七本目のブルーポールはこの創造を危険視するナユタの神通力によって折られる。

　だが、ともかく創造は開始された。世界は最初は順調に展開したが、人間が増え始めると、人間の限界が見え始め、さまざまな諍いが起こるようになる。そして、地上にある人間が発した神を呪う声によって、宇宙の淵に眠っていた破壊の神ムチャリンダが目覚める。ムチャリンダは創造を破壊すべく、大軍を仕立ててヴァーサヴァの館へと進軍する。一方、ナユタは創造を護り、正しい道に導く必要があると考え、宇宙の涯てからヴァーサヴァの館へやってくる。

　この危機の状況の中、ヴァーサヴァの息子ウトゥは、ムチャリンダの考えを支持して父親を裏切る。また、末娘のユビュは、バルマン師の勧めに従ってナユタのもとに行き、ナユタが折った七本目のブルーポールをナユタが手に入れる手助けをする。その後、ユビュは、ウダヤ師とともに地上に降りて地上の状況を目の当たりにし、地上から帰るとマーシュ師の館に赴く。一方のナユタは創造の在り方を巡ってヴァーサヴァと意見が合わず、ムチャリンダと一戦を交えた後、ヴァーサヴァの館を去ってマーシュ師の館に赴く。

　ヴァーサヴァの館では、ムチャリンダとヴァーサヴァとの間で決戦が行われる。ヴァーサヴァ側は、長女のシュリーとバルマン師が奮戦するが、結局、ヴァーサヴァはムチャリンダに屈し、森に引退する。

　次の戦いは、創造の破壊か擁護かを巡って、ナユタとムチャリンダの間で争われる。戦いの前、ユビュはナタラーヤ聖仙を訪ね、２つの神器、マーダナとタンカーラを授かる。また、ナユタはヴィカルナ聖仙を訪ね、ムチャリンダの無敵の神器ジャイバを打ち破る神器サーンチャバを授かる。

　ナユタ軍のいるマーシュ師の館に、ムチャリンダは大軍を擁して押し寄せるが、ナユタ側はムチャリンダ陣営のウトゥ、ヤンバーを倒す。しかし、ムチャリンダ軍もナユタ陣営のバルマン師を倒す。この危機に、ついにユビュが立ち上がり、黄金の鎧兜に身を固めて戦場に赴く。ユビュは神器マーダナとブルーポールを手に奮戦し、ついにムチャリンダ陣営のルガルバンダを倒す。ムチャリンダは不利な戦局を打開するために、無敵の神器ジャイバによってユビュを倒そうとするが、ジャイバはナユタの神器サーンチャバによって打ち砕かれ、ここに大勢が決する。ムチャリンダは戦局が不利なことを見てとって、マーシュ師の館から去ってゆく。

（2017年1月9日掲載 / 最新改訂2021年7月28日）

戻る

トップお知らせ・トピックス自己紹介・経歴作品技術者として活動・経歴写真集お問い合わせ先その他

向殿充浩 （こうでんみつひろ） / 神話『ブルーポールズ』第１巻