主役の座を追われて久しいMS−DOSですが,定型業務の専用端末や機器組み込み型の分野では幅広い需要を持っています。
この要因の一つには,MS-Windowsがユーザーインタフェイスの統合という大号令の元,いわゆるWindowsの作法を強力に推進している弊害が現れていると思われます。
Windwosでいろいろなアプリケーションを利用する場合には,この統合は無くてはならないモノですが,こと専用端末になると話が違ってきます。
その端末のオペレータは,専用のアプリケーションしか触らない可能性が高いからです。
例えば,テンキーしか触らないオペレータには,Tabキーで項目移動したりマウスでクリックしたりという作業はじゃまなキー操作でしかありません。
もちろんDOSのインタフェイスを奨励しているわけではありません。
Windowsの方が,遥かに初心者に優しい画面を作成することが出来るでしょうが,キー入力の速さが要求されるプロまで同じようにカバーできるかというと?マークが付くことが多く,単純なDOS画面の方がよい場合も多いと思います。
逆にDOSでは困難な点というのは,以下のことがあります。
特に640KBの壁は,非常に大きい壁です。
- メモリが640KBまでしか利用できない。
- シングルタスクである。
- 通信環境が弱い(というか無いに等しい)。
通信(LAN)環境を考えたとき,NetWareだとかLan-Maneger等のネットワークOSが必要とするプロトコルスタックを積み上げると,日本語環境の場合には残りが400Kとかになってしまう場合があります(特にPC−98)。
こうなると,例えばVisual Basic for MS-DOSのような道具立てでプログラムを作成すると自体が不可能になってしまいます。
またシングルタスクを克服するために,いろいろな方法が考えられてきましたが,いつの間にかWindowsの嵐の中に見えなくなってしまいました。
リアルタイムOSと呼ばれるものも,プログラミングの難しさ(これを言うとマルチタスクは全部ですが)やハヤリのビジュアルな環境からは取り残されていて,今のままでの復活というのは難しいでしょう。
ユーザから見てもプログラマから見ても,軽くて表現力があって使いやすい/作りやすいっていうのがあれば何の問題もないのでしょうがねぇ。
果たしてマイクロソフトが捨て去ろうとしているこのOSは,今後どのような道を歩むのでしょうか?
マイクロソフトは,現在のMS-DOSのバージョンで開発を打ち止めにするとアナウンスしました。
マイクロソフトのサイトでも,MS-DOSの話が出てくるのは,テクニカルサポートくらいではないでしょうか。
確かにビジネスとして,もうMS-DOSにうま味はないでしょうが,マイクロソフトが開発中止を宣言したことで,逆にいろんな動きが出ているのは大歓迎したいです。
マイクロソフトのMS-DOSがらみとしては,Windows95をMS-DOS7として使っちゃおう,というプロジェクトがあるようです。
今更ながらですが,アスキーからオフィシャルコースウェア(MS-DOS 6.2 Step by Step)も出てるんですよね(調べてみるもんだ)。
NECは常にMS-DOSを98に移植するという作業をしてきました。
今は,この部隊はどうなってるんでしょうかねぇ...
やはりWindowsの移植をしてるのでしょうか?...って冗談ですってば ^_^;
いわゆるMS-DOSよりも新しいDOSですが,基本的なところに変わりはありません。
新たなコマンドがいくつか付け加えられています。
最近では携帯端末のDOSには,こちらが付いてる場合が多いですよね。
DOS7の2000年問題対応版としてPC DOS 2000が発売されてます。
この機能の説明の中で,『メモリー・サイズを削減し、軽やかに』っていうのがありますが,大幅に書き換えたんでしょうかねぇ...
DR-DOSのような,ネットワークへの強化という点がないのがちょっと不満なのでした(何と言っても,FEPと日本語ドライバを入れると,動かせるアプリの制限がキツイもんな)。
[追記:1998/11/19]
いわゆるDOS互換BOX(DOS窓)のことで,WIndows3.1/95/NTと,今のところ全てのWindowsに付属しています。
でも,当然の事ながら,全てのDOSアプリ/ユーティリティが走る訳ではありません。
Caldera社から分離独立したLineo社のDR-DOS(OpenDOSから,元の原型となっていたDR-DOSに名称が戻りました)は,ノベル社から買い取ったDR-DOSがベースになっています。
ターゲットとしては,機器組み込み分野と言うことで,次期ROM-DOSの候補かもしれません。実際にDR-DOSがデビューするのは'97の春と言うことですが,日本語FEPがそのまま動作するようだと,日本でも採用されるかもしれないですね。
- DR-DOSの特長としては,以下のことがあるようです。
- インターネット対応
ソースの公開バージョンがある
[追 記]
1997/02/03からOpenDOS 7.01のダウンロードが開始されたようです。
ドキュメント等はもう少し先のようですね。
[追記:1997/02/11]
ZDNet Newsのアンカーデスクに黄泉の国から蘇ったDOS?という記事が載っていました。
組み込み用途にJavaを使うことが増えている(流行っている)ようですが,環境が整えばDOSだと思うんだけどなぁ...
[追記:1998/07/22]
現在,名称がDR-DOSに戻り,Versionも7.02になってます。
特筆すべき点として,ブラウザ(DR-WebSpyder Beta 3)が動作するようになったことが挙げられます。
DOS上のブラウザとしては,IBMのWebBoyというのがありましたが(1997/03/18のお知らせ参照),見たところWebBoyのような制限(例えばFrameが使えない等)としては,Javaに対応していない(記述がない),当然のことながらActiveXはダメ,くらいで,普通に作られたページならあまり問題がない(各種のプラグインは無理でしょうが),と思われます。
JavaでNCとか,CEでNCとかっていう話より,DOSでブラウザ使ってクライアント・サーバという方に,一瞬現実味を感じてしまったのでした。
複数のブラウザが同時に動くのかどうか,どの程度のパフォーマンスなのか,Fontはどうなるのか等,非常に気になりますよね(誰か使ってみませんか f(^o^; )。
[追記:1998/05/05]
Calderaは,Linux系のCaldera SYSTEMS,Inc.と組み込みDOS系のCaldera THIN CLIENTS,Inc.の2つに分社されました。DR-DOSの扱いは,もちろんTHIN CLIENTSになります。
[追記:1998/11/19]
DOSについての質問メールをいただいたので,久しぶりの更新です (^^;
Caldera THIN CLIENTS,Inc.は,あっという間に組込用途のLineo Inc.になって,組込 Linuxを推進してますが,いまだにDR-DOSも 健在です(現在のバージョンは,DR DOS 7.03)。
[追記:2000/10/04]
まったく1からのコーディングで新しいMS-DOSを作ってしまおう!っていうプロジェクトです。
これなら,今まで公開されてないMS-DOSの機能のいくつかも確定することでしょう (^-^)
The Free-DOS Projectの総本山は,Sunsiteにあります。
FreeBSDのように継続して発展していくことを祈ってます。
The Free-DOS Projectの公式なサイトは,こちら(The FreeDOS Project Home Page)に移転したようです。
[追加:1997/10/10]
BTRONを自らの手で作ってしまおう!という人たちの集まりです。
開発環境まで整備されれば何とかなるのでは,と期待しています。
PC-UNIXの一方の雄,Japan Linux Users Group(JLUG)のホームページです。
この他にも,日本語化情報満載のThe Linux JF Homepages in Japaneseも見逃せません。
PC-UNIXのもう一方の雄のページです。
こちらには,まだ触手を延ばしてません。
Windows互換のフリー環境を構築するグループのようです。
果たして,これを日本語化する人たちが現れるのでしょうか?
プロジェクトは順調に進み,どうやらβ版がダウンロードできるようになっています。
もしかして,大化けしたりするんでしょうか?[追加:1997/10/10]
このホームページだけでは,何とも分かりません。
MLが主体のようです。
もうCPMなんて言葉を聞いても,懐かしいっていうイメージしか無いんですが,どうなんでしょう。
まだまだ現役なんでしょうか?
今でも、ちょっとしたバッチ処理を走らせたい場合などは、DOSの方が簡単で、信頼性もそこそこ確保できていることが多いと思ってるんだよなぁ。
UIが無ければ、昔作ったDOS/NetWare+Btriveのシステムと、今のWindows+Oracleを比べても...
確かにNetに関した部分はDOSはWindowsの足元にも及ばないのだけど。
もともとMSのサポートなど受けたことも無いので、今更ながらなんですが、Insideシリーズにはお世話になったので、著作権者様、どうかPDF化して無償公開して下さい(場所くらいはお貸し出来ます)。