イギリスのホンダ車

はじめに

 こちらでも日本車は多数活躍している。特に、ホンダ車に焦点を当て、その 普及度について報告したい。「なぜにホンダ車?」と聞かれると、「日本で アコードに乗っているから、ホンダ車に自然と目が行く」というだけのことである。 筆者は本田技研工業(株)関係者ではないことを、いちおうお断りしておく。

 文中に「先代」「現行」などの言葉が出てくるが、執筆時の 2001 年 6 月 20 日 現在が基準である。

シティ、ロゴ

 このクラスのホンダ車は、まだ見たことがない。 英国ホンダの web ページを見る限り、 ロゴはこちらでも売られていたようなのだが、競合するクルマに対して、勝ち目が なかったのであろう。

シビック、コンチェルト

 イギリスで見かけるホンダ車のうち、もっとも多いのがこのクラスである。特に、 先代シビック(EK 系)と同世代と思われる 5 ドア車が多い。これは、日本では 売られていないタイプである。同系の、ワゴンもけっこう見かける。古い方では、 「ワンダーシビック(AG/AH/AT 系)」と呼ばれた時代のものも、まだかなり 走っている。この世代の 4 ドアセダンには、「Ballade」の名前が与えられていた。 EF、EG 系も多い。3 ドア、4 ドアともに見られる。面白いところでは、EF 系の シビック・シャトルも見られる。

 コンチェルトは、5 ドア車の方が圧倒的に多い。ローバーの当時の 200、400 シリーズと兄弟車であり、遠目には区別できない。コンチェルトの 4 ドア車は、 こちらでは「Sonata」と命名されている。日本で「ドマーニ」と呼ばれたモデルは、 こちらでは売られていなかったようだが、EK (?) シビック 5 ドア車の前期型は、 初代ドマーニと同じ顔をしているのが興味深い。ことによると、この世代の シビック 5 ドア車は、EK ではなく EG と同一のシャシなのかもしれない。

Civic (Wonder 3 door) Civic (Wonder 4 door)
いわゆる「ワンダーシビック」。4 ドアの車名は「Ballade」であるが。

Civic (EF 3 door) Civic (EF 5 door)
EF 系シビック。

Civic (EG 3 door) Civic (EG coupe)
EG 系シビック。

Civic (EK 3 door) Civic (EK 4 door) Civic (EK? 5 door)
EK 系シビックと、シビック 5 ドア車。

Concerto
コンチェルト。

CR-X

 こちらの人は、小さいスポーツカーが好きなようである。EF 系の CR-X は、 まだときどき見かけることができる。「デルソル」になってからのものも、 けっこう多い。ごくまれに、日本でいう初代バラード CRX を見かける。

インテグラ

 古いのと新しいのと、両極端である。日本で、「クイント・インテグラ」と 呼ばれたモデルは、5 ドア車をまだかなり見かける。しかし、次の世代は皆無。 新しい方になると、現行(DC 系)のインテグラタイプ R(3 ドア)が存在している。 日本とは異なり、四つ目のヘッドライトを持っている。タイプ R 以外の 現行インテグラは、個人輸入車を除いて見たことがない。

Integra Integra Type R
インテグラ。

アコード

 このクルマも多い。日本でもよく売れた CA 系は、まだまだ現役で存在している。 リトラクタブルヘッドライトのものも、固定式ヘッドライトのものもある。 面白いところでは、エアロデッキがまだけっこう走っている。その次の代、CB 系も 多い。先代の、CD 系のアコードセダンは、この国では売られておらず、 その代わりに、日本で言うアスコット・イノーバと同一のボディを持つセダンが、 アコードとして売られていた。5 ドア車もあるようだ。現行型も、日本とは異なる、 いわゆる欧州仕様が売られている。4 ドアに加えて、5 ドアがラインナップされて おり、実際、街中で見かけるのも 5 ドア車の方が多い。Type R というスポーツ モデルもあるのだが、実物はまだ目にしたことはない。

 アコードワゴンも、日本で言う先々代(CB 系)および先代(CE 系)のものを 見かけるが、この国で英国ホンダが売っていたものかは不明である。アコード クーペはあまり見かけない。現行のものはアメリカ向けと同じデザインと思われる。 先々代(CB 系)、先代(CD 系)のクーペも、少数ながら存在する。

Accord (2nd Generation) Accord (CA 4 door) Accord (Aerodeck)
2 代目、3 代目(CA 系)アコード。

Accord (CB 4 door) Accord (CB coupe)
CB 系アコード。これらの他に、ワゴンも存在する。

Accord (Ascot Innova type) Accord (Ascot Innova type)
先代アコード。日本のアスコット・イノーバと同一ボディのようだが、ピラード・ ハードトップではなく、ドアに窓枠のあるセダンである。

Accord (CF 4 door) Accord (CF 5 door)
現行型(CF 系)アコード。2 枚目の写真は 5 ドア車。

プレリュード

 日本でいう 2 代目(初めてリトラクタブルヘッドライトを採用したモデル) あたりから見かける。3 代目、4 代目、5 代目まで、数はそう多くはないものの、 継続して売られていたようだ。

Prelude (3rd Generation) Prelude (4th Generation) Prelude (5th Generation)
3、4、5 代目プレリュード。

レジェンド

 さすがに数は多くない。日本で言う初代のセダン、2 代目のクーペ、3 代目の セダンを、それぞれ 1 台ずつ見かけた程度である。

S2000

 今までに、3 回、見かけた。

NSX

 この国では、見たことなし。売られてはいるのであるが。

HR-V、CR-V

 意外に多いのが、HR-V である。なにか、イギリス人の心をとらえるものが あるのだろうか。

 CR-V、これも多い。面白いのは、警察車両や救急車(!)として使われている 場合があることである。

Legend (Coupe) CR-V
レジェンドと CR-V。

輸入車

 ビート、4 代目プレリュード、先代アコードセダン、初代インスパイア、 インテグラなどの例を発見している。ナンバープレートの形が異なっていたり、 左ハンドルだったりするので、イギリス向けに作られたクルマではないと 判断可能である。おそらく、個人ベースで原産国から持ってきたのだと うかがわれる。実際、日本から先々代(EG 系)シビックフェリオを持ってきた人を 知っている。

Beat (Japan) Prelude (Japan)
日本からの輸入車。ビートのタイヤは、K-Grid であった。プレリュードの 後部バンパーには「ホンダベルノ○○」のステッカーが貼られていた。

Integra (US) Accord (US)
アメリカからの輸入車。アキュラ・インテグラとアコード。


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