My Weekly Journal 第1編集室時事対談時事対談・2007未曾有の国難

 
     
〔2007/年末・緊急提言〕  〜    〔2008/年始・緊急提言〕 

                        未曾有の国難!  

                日本丸の舵取り//・・・ 日本版/ニューディール政策 

          新・日本列島改造//・・・ 高速道路建設より 〔人間の巣〕 の建設へ

   軍事・安全保障//・・・その、大局展望は 

                         index.1019.1.jpg (2310 バイト)    

  トップページHot SpotMenu最新のアップロード                                     政治部長 :   青木 昌一

 INDEX                               

 プロローグ      ・・・“日本丸の舵取りは”・・・ 2007.12.8  
 No.1 〔1〕“緊急展開”の発動/道路建設よりは、〔人間の巣〕の建設を 2007.12.8  
 No.2       21世紀・維新・・・そして、日本版/ニューディール政策  2007.12.8
 No.3       日本国民・・・世界市民・・・がリード  2007.12.8
 No.4 〔2〕 軍事/安全保障・・・その、大局展望  2007.12.25
 No.5       ミサイル防衛構想

        対弾道ミサイル・・・SM3PAC3の空虚

2007.12.25
No.6  〔3〕 テロとの戦いとは、何か?

        グローバル化=富の寡占を、超える時代

2007.12.25  
No.7 〔4〕“文明の選択”第2弾 世界軍縮・・・その、平和の配当は  2007.12.25
No.8       熱運搬/巨大・エネルギー の文明から、 

        情報運搬/微細・エネルギー の文明へ・・・>

2007.12.25  
No.9      <自衛隊の縮小・・・抜本的再編成・・・

  戦力/災害救助/バイオハザード・科学危機対応の3部門に>

2007.12.25  
No.10      国民・世界市民が・・・新しい文明をリードする時代  2007.12.25
                                                  推敲完了 2007.12.30  
No.11  〔5〕 国民生活・・・政治/文化/社会の再構築  2008年へ 

  

  プロローグ                


「お久しぶりです!
政治部長青木昌一です!

  いよいよ...日本の社会がおかしくなってきました。社会の崩壊を、ヒシヒシと感じる

ようになりました。同時に、構造的・貧困深刻化しています。もはや、非常事態と言っ

ても、過言ではないでしょう。抜本的・行動計画を示す時です。“日本丸の舵取り”が、

定的に重要な局面が来ています。

  そこで、今回は...理論研究員/秋月茜さんと、My Weekly Journal津田・編

集長軍事担当/大川慶三郎、そして シンクタンク・赤い彗星/社会派・研

員/菊地良治さんに参加していただきました。

  この5人で、とりあえず、抜本的・行動計画を検討してみます...“日本丸の進路”を、

私たちなりに、大胆に切り開いてみようと思います...どうぞ、ご期待下さい。今後の

動計画に、必ず役立つものと自負しています...」

  〔1〕 “緊急展開”の発動/    

       道路建設よりは、 〔人間の巣〕 の建設を

         

「まず...」青木が、眼鏡に手を当てた。「津田・編集長と、秋月茜さんから...“緊急

提言”の準備があるということなので...それを、お願いします...」

「はい...」津田が、重々しくうなづいた。「日本は今...構造的大改革が求められて

います...これまでも議論を重ねて来ていますので、皆さんには簡潔に、要点を絞りこ

んだ意見を伺いたいと思います。

  それでは、茜さん、お願いします...【2007/年末・緊急提言】という事ですね、」

「はい!」茜が、ノートパソコンに目を移した。「ともかく、非常事態という事ですわ!

  現在...道路特定財源による、高速道路の延長整備が議論されていますが...こ

れはあまりにも近視眼的な、バラまき的・景気対策でしかありません...“人口減少”

“車離れ”が進行している日本では、これ以上の高速道路整備は、誰が見ても無用の長

です...こんなことに60兆円前後もの、血税を注ぎ込むべきではありません」

道路特定財源は...」津田が言った。「時限立法切れの、国民の血税だということです

ね...これで、まさに、ムダ高速道路を作ろうとしています...

  ムダな道路いう言葉に、反発する政治家もいますが、“脱・車社会”が到来しようとし

ている現実を見れば、まぎれもなくムダな道路でしょう。これ以上の車を走らせようとする

こと自体、“地球温暖化対策”にも、“地球環境の復元”にも反するものでしょう」

「はい!そう思いますわ!

  緊急・景気対策であるならば...将来展望の広がる、〔人間の巣〕全国展開こそ、

緊急に実施すべき、大公共事業ですわ...地方、そして疎地に、〔人間の巣〕を展

することにより...〔農業の再生/自給自足社会〕を推進し、“脱・エネルギー社会”

より、“地球温暖化対策”でも、世界をもリードすることになりますわ」

「そうですねえ...

  高速道路の延長整備では、世界にアピールするものは何もありませんねえ。国内的

にも、交通の利便性が多少良くなる程度でしょう」

「はい!

  〔人間の巣〕の展開なら...コンパクト〔未来型都市/高機能空間〕により...課

題となっている社会福祉問題も、発展的に解消されて行きます。社会システムの抜本改

が可能ですわ」

「うーむ...」津田が、顎に手を当てた。「今こそ、将来展望が必須な時です...

  しかし、政府・与党には、30年後の青写真がまるでないですね。自民党住宅土地

調査会“200年住宅ビジョン”という構想をまとめていますが、200年の耐久性を持つ

住宅ということなら、〔千年都市/人間の巣〕の方が、よほど頑丈なわけです」

「はい!」茜が、厳しい表情でうなづいた。「ええと...

  私たちの、緊急・景気対策/大・公共事業では...その着地点は、〔人間の巣〕

〔自給自足社会〕吸収されることになります。そこに、“自然との共生”という、新しい

価値観が実現されます。高速道路の延長整備では着地点がありませんわ」

  津田がうなづいた。

「ともかく...何度も言うことですが...

  気候変動に対する、社会インフラの再構成という課題も、〔人間の巣〕によって克服さ

れますわ。〔人間の巣〕は、あらゆる“自然災害を克服”します。また、“脱・原子力”をも

可能にします。“感染症対策”でも、理想的な防波堤を提供しますわ。“時代的・大不安”

のつのっている国民に対して、“万能型・防護力”を提供します」

「そうですね...

  緊急・景気対策で、大・公共事業をしたいのであれば...高速道路の延長整備では

なく、〔人間の巣〕/〔自給自足社会〕基盤整備こそ、実施するべきでしょう。この方

が、はるかに大きな土木事業であり、農業基盤整備であり、あらゆる産業に波及する

会インフラの整備になります...

  そして、その着地点は...〔人間の巣〕で吸収されるわけですね、」

「はい!」茜が、強くうなづいた。「“人類文明の第3ステージ”スタートになりますわ!

〔極楽浄土/パラダイス〕スタートですわ!」

「ふむ...」津田が、腕組みをした。

「今、国民に必要なのは、将来展望のある、“安定した社会の器”です!

  まず、自給自足型の農業と、食料自給率の向上です。国民を、分散型〔人間の巣〕

に収容し...“自然災害/食料危機/感染症/世界経済の破綻”から、国民を守り抜

いて行く、“安定した社会の器”こそ必要です。それが、政治行政の、現在やるべき仕

事ではないでしょうか...

  “天下りバンク”や、“政治資金規正法”や、“防衛省の汚職”“厚生省の汚職”“豪

華・議員宿舎の建設”“総選挙の対策や駆け引き”などは、本来の“政治とは言えない

仕事”ばかりです。

  政治家は、いったい国会議事堂で、何をやっているのでしょうか?それこそ、“政治漫

才”をやっているのでしょうか...?」

「うーむ...」津田が、頭をかしげた。「もっともな指摘です...

  それにしても...今、“真の危機”とは...安全保障政策や、弾道ミサイルではない

という事ですね...軍事力は、防衛省“汚職の温床”でしかないようですねえ。ありも

しない“バーチャル危機”を作り出し、“覇権”というゲームにしがみつき、自分たちの

在意義を強調しているだけです...

  ま、この問題は...軍事担当大川の専門分野ですがね...」

  大川慶三郎が、ほくそ笑んでうなづいた。

「でも、その通りだと思いますわ...」茜が、両コブシを握りしめた。「少なくとも...

  道路特定財源で、高速道路の延長整備をするのであれば、〔人間の巣〕を展開する

べきです。この方が、国家・国民のためですわ。そして、“地球温暖化対策”で、国際的

責務をも果たすことになります。

  高速道路は、作ってしまえば、それでおしまいですわ。後は、空っぽの高速道路が残

るだけです。〔人間の巣〕のように、子孫に残していける〔千年都市〕にはなりません。

国土を破壊するのみです。有益なものは何も残りませんわ。

  どちらが、国民にとって良いものか、非常に明白です。これでも、道路を作るというの

であれば、選挙で、“国民の真意”を問うべきですわ」

「うーむ...

  “人も車も減少”している日本では...ともかく、これ以上の高速道路は、無用の長

でしょう。ただ、日本の国土を荒らすのみですねえ。国土交通省は、いったい日本の

国土というものを、どのように考えているのでしょうか。

  それこそ、真剣に、日本の国土のことを考えているとは思えませんねえ」

「うーん...」茜が、頬に手を当て、首をかしげた。「農林水産省もそうですわ...

  日本の農業を破壊し、農村を破壊し、その上食料自給率を39%という、危機的状況

にしました。これは自民党・長期政権の、“失政”ということもありますけど...」

「うーむ...

  厚生労働省も同じですねえ...基本的な所で、国民と対立する構造があります。本

当に、国家・国民のために仕事をしているのかという所があります...

  それから、“少子化対策”などという、陳腐な政策は推進するし...肝心なことはやら

なくて...公金は使い込むし...ムダ“特殊法人/独立行政法人”整理しないです

ねえ...その上、“天下り”“渡り鳥”ですか...」

ヤクザ暴力団のようですわ...それよりも、始末が悪いのかしら...?」

「うーむ...

  あえて言わせてもらえば...“国家に巣食うガン細胞”ですねえ...官僚の中にも、

善良な細胞があるわけでしょうが、それが霞んでしまっています。およそ、自浄作用は期

待できないでしょう。

  こうなれば、社会保険庁のように...“官僚全体を一時解雇”して、“新品の行政シ

ステム”の中に、再雇用するしかないのかも知れません。これぐらい徹底しなければ、

民の気持ちは治まらないでしょう。1度、コンセントを抜いて、“新品のシステム”を導入

し、再度電源を入れるという事です。つまり、“リセット”ですね...

  今のままの旧式・バージョンでは、ヤクザ日本社会を取り仕切っているようなもので

す。自分たちは、堂々と悪事/インチキをやり、さらに国民を弾圧しているわけですから

ねえ。こんなことは、もう時代が許さないということです。新品に変える必要があります」

はい!NHK“解体・再編成”と同じですね!」

「そう言えば、NHKもそうでしたねえ...

  日本は、国家上流域で、“白昼堂々の悪事”がまかり通る国家になってしまいました。

“ヤクザまがいの政治・行政”だから、この非常事態でも、高速道路の延長整備などとい

う意見が、まかり通るわけです...まさに、“白昼堂々の・モラルハザード国家”になって

しまいました」

 

「はい...」茜が、ノートパソコンをのぞいた。「ええと...話を戻しますが...

  メガロポリスや、地方の諸都市においても...〔人間の巣〕を展開して欲しいと思い

ます。ここでは、メガロポリス・都市の内部に、〔人間の巣型・災対策拠点〕を展開し

て欲しいと思います。

  この構想は、メガロポリス・都市に、大きな安定要素を付加するものになりますわ。

間の巣〕高度機能を、都市部分移植する形で、推進して欲しいと思います。逃げ場

のない、“大震災/大火災対策”として、緊急展開することを、強く提唱します。

  まず...多目的ホール公共施設などを、〔人間の巣・タイプ〕とし...“万能型・防

護力”を配置すれば...都市地域での安全性が格段に向上します。メガロポリス・都市

に、“豊かさ・便利さ”の追求とは別に、“危機管理”という視点を導入することを、強く提

唱します」

「うーむ...

  それなら...都市再開発というものも、将来展望が開けますね。メガロポリスでの

大地震が、何時あってもおかしくないと警告されています。これは、早急に展開・整備

て欲しいですね。

  〔人間の巣型・災害対策拠点〕が展開すれば...多くの被災市民の命が救われる

でしょう...膨大な被災市民の、安心の拠り所となります。これは、障害となる要素は何

もなく、すぐにも実施できる“大震災対策”だと思います。

  私たちは、これまでに...《災害救助船隊の創設》を提唱し、“海からの大震災対策”

を考察してきましたが...〔人間の巣型・災害対策拠点〕を合わせれば、メガロポリス・

都市における大震災対策としては、一応万全なものになるわけですね」

「はい!一刻も早く、実施して欲しいですわ!」

 

21世紀・維新 ・・・ そして、日本版/ニューディール政策

        

  茜が、じっとノートパソコンをのぞき込み...顔を上げた。

「ええ...

  私たちの、緊急・景気対策/大・公共事業は...アメリカ“ニューディール政策”

ような、大・国家プロジェクトになるのかも知れません...

  私たちは、〔人間の巣〕の展開を、〔21世紀・維新〕とも表現しているわけですが、

質的な部分では、“ニューディール政策”のように推進されるのかも知れません...」

「ウーム...」津田が、うなった。「これは...総選挙の争点として、国民の真意を仰ぎ

たいですねえ...」

「はい...そう思います...

  田中角栄・元首相は、“日本列島改造論”を提唱したことで有名ですが...高速道路

の延長整備というのは...まさにこの“日本列島改造論”パラダイムの中にあります

ところが、“地球温暖化”が深刻な現在、人類文明はそれとは逆の方向に歩み出してい

ますわ。

  “文明の折り返し”では...まさに逆の方向の...“新/日本列島改造論”が必要

になって来ました。つまり、〔人間の巣〕の展開であり...〔21世紀・維新〕であり...

日本版/ニューディール政策”の推進ということになります...

  高速道路の延長整備というのは、この“文明の折り返しとは逆行”するものです。この

ムダは、絶対に許されない性質のものです。それを推進しようとしている政府・与党は、

選挙の時に、国民にどう説明するつもりでしょうか。国民は、騙されないと思いますわ」

「なるほど...」津田が、脚を組み上げた。「日本版/ニューディール政策”ですか、」

イメージとして、ですわ...高速道路の延長整備より、日本版/ニューディール政策”

が必要な時です...〔人間の巣〕を展開するべきです...」

“ニューディール政策”というのは...

  アメリカ大統領/フランクリン・ルーズベルト が...1929年に始まった、世界恐慌

 を克服するために行った、一連の経済政策ですねえ...1929年10月24日/木曜

日...ニューヨーク株式市場(/ウォール街)株価が大暴落し、歴史的な世界恐慌 が始

まりました...

  “ニューディール政策”は成功しましたが...結局、それが、第2次世界大戦へと続い

て行ったわけですねえ...この〔人間の巣〕の展開も、日本だけが成功してもだめです

ねえ...まあ、構造的には単純なものですから、世界展開は難しくはないと思います

「そうですね...その点は、心配ないと思います...

  ともかく、閉塞状況に陥っている日本は...〔明治維新〕と...“ニューディール政

策”を合わせたような...〔人間の巣〕の大展開が必要だと考えています。“ニューディ

ール政策”で有名なのは、“テネシー川総合開発(TVA)などの大規模・公共事業です。

  今、それに当たるのが...〔人間の巣〕・・・〔自給自足社会〕の大展開ですわ。“文

明の折り返し/反・グローバル化”は、ある意味では、当時のブロック経済と似ている

か知れませんね」

「確かに...人類文明は今、分散化を必要としています...ブロック経済というよりは、

自給自足への回帰ですがね、」

「はい...

  ともかく...日本〔維新〕必須の状況です...成功した、〔明治維新〕“ニュー

ディール政策”を合わせたような、大変革を必要としています。建国以来の、国家秩序の

大混乱となっています...

  それを引き起こしたのは、政治・行政・マスコミですが、“慣習法”までがズタズタに破

されています。でも、その復元プログラムは、〔人間の巣〕の展開の中に、〔21世紀・

維新〕として包含されていますわ

「ふーむ...こうしたプログラムが、実際に動き出せばいいのですが...」

「...」

 

日本国民・・・世界市民・・・がリード

           

「ええ...」茜が、赤いメモ帳の方を眺めた。「話を進めましょう...

  こうした日本版/ニューディール政策”が...世界規模で展開されれば...“地球

温暖化”は食い止められるかも知れません。なんとか、地球環境激変・沈没は、免れ

可能性は残ります。そこまで対策が徹底すれば、軟着陸が可能と...希望的に推測

しています。

  ええ...まさに日本は、その水先案内の位置にいるという事ですわ...日本におけ

る、いわゆる“負け組”/サイレント・マジョリティー(声なき多数)こそ、そのエネルギー源にな

っているものと思われます。何故なら、ともかくこの日本の現状は、何としても打開しなけ

ればならないからです。それが、巨大なエネルギー源になっています」

「ふむ、」

「とりあえず...

  60兆円前後道路特定財源継続され...本当に、高速道路の延長整備に注ぎ

込まれるのであれば...この大・公共事業は、〔人間の巣〕の展開に振り向けられるべ

きです。これならば、国民も納得するのではないでしょうか...

  ともかく、選挙国民の真意を問うべきすわ...ムダ高速道路の延長整備では、

政権の政策は、大敗北を喫することになるでしょう。この国の将来を決定するのは、まさ

国民なのですわ...

  政治は、30年後日本の将来展望/世界展望を話題にしていませんが、こんなこと

がいつまでも続くはずがありません。将来の青写真を示し、それに責任を持つことが、

治本来の仕事ですから、必ず焦点として俎上(そじょう/まな板の上)にのぼって来ますわ」

「この〔国民主権の行使〕は、必ず参加して欲しいですねえ...特に、若者は...」

「はい...

  そして、もし仮に...政治がなかなか動かない場合でも...国民が、直接、動き出せ

ばいいのです。若者が、《過疎地に緊急避難》し、“旗印”を立て、“自給自足農業”を始

めればいいのですわ...そこから、〔人間の巣〕シフトして行くことになります...

二段構えという事ですか、」

「はい!」茜が、強くうなづき、微笑した。「そうですわ!

  〔人間の巣〕/〔自給自足社会〕は...そもそもが、大資本世界経済から離脱

て、自立するシステムだということですわ...国家プロジェクト大資本がなくても、“有

意の人々”が集まり、“自己完結できる事業”なのです...

  “負け組”が...経済至上主義の場から離脱・脱落して...独立独歩するシステム

のですわ。これが、強みです。これが、世界経済の破綻から、“国民を防護”します。これ

は、あらゆる国共通していますわ...

  それぞれが、バラバラでいいのです...適正な規模でまとまり、“自給自足農業”を展

開し...“手作り”...で〔人間の巣〕の作り上げ、自己完結できるシステムなのです。

そして、“スローフード/スローライフ”の生活を始めればいいのです。

  生態系の中では...アリハチも...こうやって、“自分たちの巣”を作っているわけ

ですわ。〔人間の巣〕も同様です...政治行政に頼らなくても、遂行可能なのです。こ

れは、昔から行われている、“新しい町づくり”という、伝統的な文化でもあるのです。

  若者の行動/開拓者精神に、期待しています...いずれは、若者の世代がやって来

るわけですから、」

「なるほど、」

「つまり...」茜が、口元に微笑を浮かべた。「それゆえに...

  モラルハザードに陥っている、政治・行政・マスコミを、国民がリードしていけるわけで

す...“負け組”や、“サイレント・マジョリティー”が、日本の各所〔人間の巣〕の展開

し、〔21世紀・維新〕リードして行けるわけです...

  うなれば、当然...行政組織政治も、付いて来ざるをえません。それこそ、存在

意味を失ってしまうからですわ。私たちは、何時までも待ってはいられないのです...現

在、日本は、非常事態だという事です...国民の緊急避難は、“自給自足農業”と、〔人

間の巣〕の展開だという事です...この方向で、間違いはないはずです!」

「うむ...まず、国民が...行動を起こすという事ですね、」

「はい!

  若者《過疎地に集合》し、“旗印”を立て...“自給自足農業”を展開し、具体的・行

動を起すという事です。それから、その理念を整理統合して行けばいいのです。その頃

には、政治行政も動き出します。それこそ、存在意味を失ってしまうからですわ...」

「うむ!

  それから...国家プロジェクトが、“日本版/ニューディール政策”として動き出し...

水先案内の日本が動き出せば...世界規模で展開して行くという事ですね...人類文

が、“脱・エネルギー社会”として、新しいステージへと移行するということですねえ、」

「はい!」

COP・13(国連気候変動会合/インドネシア/バリ島)混乱していますが...

  ともかく、〔世界市民〕は、“手作り”〔人間の巣〕の展開して行くという事ですね...

〔世界市民・レベル〕で、まず〔人間の巣〕を作り始めるという事ですね。それが、〔全て

の問題解決の方程式〕であり、“万能型・防護力”を発揮するという事ですねえ...」

「はい、」

「最近の、バングラディシュの大水害や、そこのガンジス川の水位の上昇は、もはや構造

なものでしょう...これも、〔人間の巣〕の展開して行く以外に、妙案がないように思

います。

  日本でも、気候変動による自然災害が、これまでの社会インフラでは耐えられなくなく

なってきました。アメリカ“巨大ハリケーン・カトリーナ”もそうですね。世界各地大干

ばつや、熱波もそうでしょう。これらに耐えられるのは、〔人間の巣〕だけなのでしょう。

  自民党“200年住宅ビジョン”では、頑丈な住宅を作ろうとしているようですが、気候

変動の猛威には耐えられないでしょうねえ...」

「はい...個人住宅ではダメですわ...地下/半地下〔人間の巣〕が必要です。そ

して、“文明の折り返し”が必要ですわ」

「うーむ、」

全てのカギは...

  日本の国民...日本“サイレント・マジョリティーが握っているように思われます。

“このままの日本ではいけない”と思っている...まさに大多数の...善良な日本国民

が、運命的なカギを握っているように思います...

  日本の、〔人間の巣〕の展開が...それへの行動力が...まさに、閉塞状況“地

球温暖化対策”の、打開策になると思われます...COP・13目標数値とは別に、ま

ず、各国が1個の、〔人間の巣〕を造ることを提唱します...このぐらいのことなら、すぐ

にも合意が出来ると思いますわ...

  そして、それは、〔世界市民・レベル〕でもかまいません...ともかく“第1歩”

み出して欲しいと切望します...それぐらいのことは、〔世界市民・レベル〕でも、できる

はずですから、」

「まず、“第1歩”ですか、」

「はい!」

      house5.114.2.jpg (1340 バイト)       

「うーむ...

  よく分りました...ともかく、国民が...正しい方向へ、整然と動くことが必要なわけ

ですねえ...それが、日本世界の、閉塞状況を動かすと...」

「はい!」茜が、両手を固く握りしめた。「そう思いますわ!

  レーザー光線のように、弱い光コヒーレント(/位相・振幅そろっていること)収束して行くこ

とがことが、大威力を発揮します。太陽光線のような弱い光でも、集まると、地上最大の

エネルギー源になります。そして、それが収束すると、全てのものを貫通する大威力を持

ちますわ」

「なるほど、」津田が、うなづいた。

「ええと...」茜が、ノートパソコンをのぞいた。「ともかく...

  “核爆弾”も、“軍産複合体”も、“未来型・殺人兵器”も...この、“民主主義の意思/

民のエネルギー”で打ち砕いて行くことは可能です。そして、人類文明分散化して行

けば、大量破壊兵器というような観念そのものが、消滅して行きます。

  文明分散化して行けば、そんなことは不可能になるからです...巨大構造一極

支配というようなものがあるから、大量破壊兵器というような観念が生れるのです。人類

が、かつてのように分散化していれば、そうした大量破壊兵器は存在しなくなりま

す。意味の無いものになるからです」

「うむ!」

「私たちは、多様性・複雑化ベクトルの中にありますが...日本社会の流れを、正し

い方向転換して行くということです...国民意識/行動の、コヒーレント収束が必要

です。それが、民主主義の威力になります。

  “サイレント・マジョリティーの...太陽光線のような希薄な力/希薄なエネルギー

を、収束して行くことが大事です。それが、何よりの急務となって来ました」

「うーむ...」津田が、ガッチリと両手を組んだ。

「私たちは、そのために...公共放送・NHK“解体・再編成”が必要だと主張してき

ました。でも、こうした動きと同時に、若者行動を起こして欲しいと思います。ここは、

“自由度”の高い、“将来世代”を担う若者に、まず行動を起こして欲しいと思いますわ」

「はい!」津田が、大きくうなづいた。「ええ...

  あらためて言いいますが...〔人間の巣〕は、〔全ての問題解決の方程式〕だという

事ですね...〔世界市民・レベル〕においても、まず“第1歩”を、踏み出して欲しいと思

います...〔人間の巣〕/〔自給自足社会〕を展開して行くことが、“現在ある全ての問

題解決”糸口になります。

  それから...〔明治維新〕を達成した日本の若者に...まず、大いに期待したいと

思います!」

 

  〔2〕 軍事/安全保障・・・ その、大局的展望は

               

「さて...」青木が言った。「次は、軍事担当大川さんにお願いします...今、日本

“自衛隊/安全保障/・・・国際貢献”では...一体、何が問題なのでしょうか?」

「そうですなあ...」大川が、片手をポケットに突っ込み、天井を見上げた。「まず...

  来年/2008年あたりから...世界標準は、“経済発展=経済至上主義”から、“エ

/温暖化対策/文明の存続”シフトして行くだろうという事ですな...」

「それは...」青木も、背広のポケットに手を突っ込んだ。「当ホームページの、統一見

です...“経済至上主義”と言うのは、“市場原理=経済市場主義”でもあるわけです

ね」

「そうですな...」大川がうなづいた。「そのような中で...

  世界の軍事バランスが、どのような座標を占めて行くかという事です。世界標準が、

“エコ/温暖化対策/文明の存続”シフトする中で、“軍事組織/軍需産業”というも

のが、宙に浮いた存在になって来ると思います...

  〔世界市民の動向〕は...世界軍縮/脱・軍事支配へ流れて行くと思われます

「そうなって欲しいものですわ、」茜が、アゴを突き出し、頭をかしげた。

「ハハ...」大川が、顔を崩した。「そうですな...

  さて...それを、世界最大・最強アメリカ“軍産複合体”が、座視しているかどう

かという事です...また、何ができて、何ができないか...どういう方向へ流れて行くの

、ということです...

  軍事産業が存在するのは、もちろんアメリカばかりではありません。世界中の国々

作っています。日本にも、軍事産業は存在します。小銃から、対空機関砲自走榴弾

戦車戦闘機護衛艦=巡洋艦まで生産しています。ただ、“武器輸出3原則”で縛

られていて、輸出はされていませんが...」

「そうですね...」茜が、反対側に頭をかしげた。

「しかし、アメリカ軍事産業は、他の国々とは規模がまるで違います...

  このアメリカ“軍産複合体”を動かせるのは、唯一、アメリカの民主主義でしょう...

それと、〔世界市民〕脱・軍事力の動向です...そうした、大きな流れに対し、巨大

資本も、ただ座視しているわけではないでしょう...

  私は、経済のことは詳しくは分りませんが...脱・軍事力は、現・世界体制そのもの

を揺るがすことになります...しかし、それなしには、“温暖化対策”は成就しないでしょ

う。アメリカ【京都議定書】を離脱したのは、そういう背景があるのでしょうな。それゆえ

に、経済発展=市場主義から、“エコ/文明の存続”へ、文明シフトする必要がある

わけです...」

「はい...」茜が、体をのり出した。「そうですね...

  私たちは、〔人間の巣〕に続く...“地球温暖化対策”・・・第2弾>として...“文

明の選択”・・・《世界中の軍産複合体を昇華!》を提唱しています。これも、人類文明

大きな選択=文明史的決断になると思います。私たちは、ここを乗り越えて行かなけ

ればなりませんわ。

  〔世界市民〕にとって...世界中に展開する膨大な軍事力は、今や“巨大な不要物

巨大なお荷物”になって来たという事です...巨大軍事組織は、すでに時代的役割

を完全に終了したと思います。

  単なる、人類社会の負担になっています。“地球温暖化対策”にとっても、大きな負担

になっています。〔世界市民〕は、“地球温暖化対策”と並行して、世界軍縮でも大きな

流れを作っていくべきですわ。これは、表裏一体の関係にあります」

「そうですね...」青木が、椅子の上で体を動かした。「何にしても、世界軍縮全人類

にとって、積年の願いです...

  また、“文明の第3ステージ”へ移行するには、まさに不要物だということでしょう。

は、それぞれの社会へ帰り、〔人間の巣〕の展開に貢献して欲しと思います。〔人

の巣〕は、非常に懐の深い社会的器です。

  難題なのは、政治・経済に深く根をおろしている、軍需産業の方でしょう...そして、

現・世界体制既得権を持つ、巨大資本でしょうね。富の寡占と闘うのは、〔世界市民〕

動向ということになります...」

「そうですな...」大川が言った。「まさに、その通りでしょう...

  問題は、一般兵士よりも、現・世界体制膨大な既得権の方です...ちなみに、核兵

拡散の方向にあります...核兵器保有国も、この既得権はなかなか手放さないで

しょう。この、理想と現実のギャップを、どうするかということですな...

  富の寡占は、“文明の第2ステージ”200年余りで、巨大なものとなり、地球表層

席巻してしまっています。そして、市場経済は、まさに中国インドなどで、日の出の勢

です...これを止めることは、まず困難でしょう...」

「しかし...」青木が、腕組みをした。「あの“ベルリンの壁(東西冷戦構造の象徴/1989年11月9

日、東西のベルリン市民によって粉砕)も、〔世界市民〕良識の圧力で崩壊したわけです。それ

で、核戦略下東西冷戦構造時代が、終焉に向かって動いたわけです

  ヨーロッパから...ワルシャワ条約軍NATO軍が対峙する、膨大な軍事力が消失

したのです...そしてアメリカは、その巨大軍事力を、“不安定の弧”と規定したアジア

へ振り向けて来たわけですね。

  しかし、巨大な軍事力の介入は、むしろアジアを不安定にしているのではないでしょう

か...?」

「結果的に...」大川が、椅子の背に体を起こした。「そう言えるかも知れませんな...

  アメリカは、中国の軍備増強の抑えにしようとしたのでしょうが...むしろ、極東より

も、中東パレスチナイラクイランアフガンの方が、非常に不安定になっています。

  この地域には、さらに...トルコのイラクへの越境攻撃複数の国に広がるクルド族

の問題イランの核開発問題...そして、核保有国でもある、パキスタンの政情不安定

などがありますねえ...ブット元首相暗殺され、政局安定のカギを失い、ますます

が深まるでしょう...」

アルカイダだという話もありますね...確認情報ではありませんが...」

「うーむ...」

トルコのイラクへの越境攻撃も、」青木が言った。「目が離せない状況ですね、」

「まあ、この地域は、いじくるほど混乱が拡大する様相ですな...まさに、アメリカも手を

焼いていますな...この地域は、イスラム文化圏の中に、キリスト文化が介入している

という構図もあるわけです...

  仏教文化圏にある日本としては、アメリカの軍事力に歩調を合わせるのではなく、“絶

対平和主義”で貢献できる道を模索すべきでしょうな...軍事介入では、解決しません

なあ...」

「私たちは...」青木が言った。「この地域には、紛争解決という意味でも、安定した〔人

間の巣〕を展開し...社会を安定化するべきだと提唱しています。ともかく、無辜(むこ)

民衆を、“万能型・防護力”で防護するべきでしょう...

  まず、最も単純な形で、〔人間の巣〕を展開することです。非常に強固な、小単位

給自足社会を展開し、“平和の砦”として行くことです...これは、コンクリートと、と、

農作地で展開できます」

「はい!」茜が、強くうなづいた。「紛争解決という意味では...この地域にこそ、〔人間

の巣〕が必要と思われますわ...社会を、自給自足で安定化することが、最も効果があ

ると思います...〔人間の巣〕は、無辜の民“万能型・防護力”で、固く防護しますわ」

「そうです!」青木が言った。

 

「さて...」大川が言った。「一方...

  いわゆる“不安定の弧”の、南部アジアから東部アジアラインは...スリランカの内

ミャンマーの軍政問題台湾海峡問題北朝鮮問題ですかね...今の所、いずれも

ホットな大紛争という状況にはありません。この地域の特徴は、経済活動が大きく伸びて

いるということです...

  しかし...朝鮮半島北緯38度線/休戦ラインは、東西冷戦構造の終焉でも氷解

しなかった、いわゆる凍結戦線です...現在も、国連軍が駐留し、大軍事力が対峙して

います。凍結が、いささか緩んでいるとはいえ、雪崩が起こる危険はあります。

  ご存知のように、北朝鮮核爆弾・保有問題が絡んで来ていますな。また、北朝鮮

ノドン・ミサイルは、周辺国に、チンピラのナイフのような脅威を与えています...ええ、こ

の国の民衆も、独裁政権下で、極度の弾圧を受けています...」

「いったい、」茜が言った。「どうしたらいいのでしょうか?」

「うーむ...ともかく、独裁政権が続いている限り、問題解決は難しいでしょうねえ。最後

には、平和的解決としては、“金・王朝の亡命”ということになるのでしょうか...亡命

受け入れ先としては、やはり中国でしょうか...

  まあ、これは、南側の韓国の意向を尊重しなければなりません。また、歴史的に日本

にも責任のあることですから、全面的に支援するべきでしょう。ま、ここは、“6カ国会議”

の推移を見守るしかないでしょう...」

「はい...」

「それから...台湾海峡問題ですかね...

  ここは、台湾の軍事力中国人民解放軍が、台湾海峡をはさんで、緊張関係にありま

す。これは、朝鮮半島38度線とは違い、双方とも最高レベルの軍事力が対峙してい

ます。台湾の背後には、グアム島の米軍在日米軍、そして、おそらく、〔自衛隊〕も噛

んで来る問題でしょう...

  しかし、アメリカ日本も、中国とは経済面での相互依存関係を深めていますな。これ

は基本的には、“中国がどう出るか”という問題だけです。中国内部共産党指導体制

と、メンツの問題ということでしょう。

  中国は、膨大な中国人民解放軍タガをしめておくには、適度な緊張感と、が必要

なのでしょう...中国人民解放軍の、存在意味が無くなってしまうからです。中国

備増強というのも...その前進が停止してしまえば...自転車がひっくり返ってしまう

からでしょう...

  まあ...アメリカ“軍産複合体”と、状況は同質かも知れませんなあ...また、

〔自衛隊〕にしても...敵のアテもないのに、90式・重戦車を生産し...戦車戦の

訓練に汗を流している状況です...〔世界軍縮〕は、不可避の状況ですな...」

 

ミサイル防衛構想対弾道ミサイル・・・SM3PAC3の空虚

                      house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「で...」青木が言った。「日本の進むべき道は...?」

「当然...〔自衛隊〕縮小...抜本的・再編成でしょう...

  日本丸の進路としては、“独自の国際平和戦略”を展開することです。アメリカ中国

“覇権競争”に対しては、“絶対平和主義”を展開するということでしょう。つまり、〔世

界軍縮〕に、大きく舵を切って行くということです」

「はい、」茜がうなづいた。「それが、“平和憲法”の理念ですね、」

「そうです...」大川が言った。「これは一面では...中国の思うツボですが...

  文明は、いずれにしても、“反・グローバル化”...分散化して行くということです。

は、〔人間の巣〕の展開し、自給自足社会/〔極楽浄土〕の展開で...安定化して行

くということです」

「はい...」青木がうなづいた。「では、次に...台湾海峡問題は、どう対処しますか、」

「うーむ...目先の、戦術的レベルで考えれば、色々あるでしょう...

  しかし、それは、結局は“覇権競争”の道です...台湾海峡は、そっとしておくのがい

いでしょうな...“エコ/文明の存続”という新しいパラダイムが...極東アジア安定

して行くのを待つのがいいでしょう。

  高杉・塾長の言うように...生態系空間の、多様性・複雑化ベクトルの中で、人口

13億の中国は、分裂して行くでしょう...私も、そう思いますな...それは、避けられ

ないでしょう。

  そもそも、巨大中国という形態に、メリットはなくなったということです...〔人間の巣〕

の展開による、分散化・自給自足化が、巨大中国軟着陸の道でしょう。それが、13億

の人民のためだと思いますねえ...

  共産主義も、現在進んでいる市場主義も...それぞれの〔人間の巣〕の中に押し込

め、その小単位で、好きなようにやらせればいいのです。そうすれば、不満は出ないは

ずです。そして、その全細胞各臓器となり、1つの中国という人格を形成してもいいわ

けです」

「そうですね、」茜がうなづいた。

「では...」青木が言った。「展望としては...沖縄から、米軍基地は無くなるのがいい

と...?」

「そういうことです...

  〔自衛隊基地〕も、縮小するべきでしょう...軍事力そのものが、無用の長物になり

つつあります...台湾海峡でも、軍事力が消失し...〔人間の巣〕の展開による、分散

の方向に行くことを期待します」

「そうですね、」茜がうなづいた。「〔世界軍縮〕ですね...」

           wpe6B.jpg (8881 バイト)   wpe69.jpg (70430 バイト)      house5.114.2.jpg (1340 バイト)  

「つい先日...」青木が言った。「この2007年年末になって...

  ハワイで、日本イージス艦/“こんごう”が、スタンダードミサイル/SM3発射実

に成功した聞いています...こういう動きは、どうなのでしょうか?」

「うーむ...

  あの実験は...“こんごう”から垂直発射したSM3が...ダミー・ミサイルを、高度

100km以上大気圏外/宇宙空間で、迎撃に成功したものですな...一応、成功し

ましたが、これは単なるセレモニーでしょう...

  このSM3が射ち漏らした敵・弾道ミサイルを、PAC3で迎撃するという、2段構えにな

ります...これが、いわゆる“ミサイル防衛構想”というヤツです。これを共同開発し、導

入していのは日本だけですな。これは、間違いなく、“新たな覇権”のための“戦争玩具”

でしょう...これを、日米で共同開発しています...

  “世界軍縮”としては...まず、この流れを止めるべきでしょうな...これは、日本に

も重大な責任があります...政治・行政がこれを推進するのであれば、主権者/国民

阻止して行かなければなりません。この流れを阻止できるのは、日本国民だけなので

す...」

「で...」青木が言った。「非常に高価なものなのでしょう?」

「そうですな...

  SM3は、現在の開発段階で...1発15億前後のミサイルと聞いています...ま

あ、システムですから、厳密にミサイル1発ということではありませんが、ミサイル数に換

算するとそれぐらい高価なミサイルということになるようです。

  それをイージス艦に搭載するわけですが、何発搭載するかは軍事機密でしょう...ま

あ、垂直発射システムキャニスターの数を推定すれば、おおよその見当はつきますが

ね。それが、さらに“こんごう”以外のイージス艦にも順次配備されます。また、改良され

つつ更新して行くのでしょう。

  非常に、微妙な電子戦のシステムという側面を持ちます。したがって、改良されつつ、

値段も跳ね上がって行くでしょう...PAC3と合わせ、“ミサイル防衛システム”が実際

に配備されるとなれば、数兆〜数十兆円にも膨れ上がるのでしょうか...

  しかも、効果の方は、はなはだ疑問という代物です。アメリカの軍事専門家筋でも、

略的に言ってにムダだと断言している人もいますが...私も同意見ですな、」

  茜が、コクリとうなづいた。

「そもそも...

  北朝鮮ノドン・ミサイルと、空中で相殺するには、あまりにも高価ミサイルです。北朝

は、200発のノドン・ミサイルを配備したと言われますが、こんな高価代物を、日本も

200発配備するつもりでしょうか...400発配備したら、日本400発配備するつもり

でしょうか...それと、PAC3の方の配備もありますねえ...つまり、射ち漏らす可能

もあり、と認めているわけです...

  北朝鮮が...めくらましを含めて、1000発用意したと宣言したら、どうするつもりなの

でしょうかねえ。兵器には、質よりも量ということもあるのです。実際にやりあったら、負

けるでしょう...

  また、それなら...ノドン配備をやめたと宣言したら...これは、ムダということなの

でしょうか...つまり、“ミサイル防衛システム”というのは、戦略的な中身空っぽなの

です」

「こういうものに対しては、」青木が言った。「まさに、“万能型・防護力”である、〔人間の

巣〕の方がいいわけですね、」

「その通りです...ノドン配備には、“万能型・防護力”で対処べきでしょう...

  第一に...何故、北朝鮮が、日本ミサイルを射ち込んで来るのでしょうか。その理

由がありません。また、そうした理由があるのなら、政治レベルで話し合えばいいわけで

す。ミサイル空中で相殺するというのは、まさに傲慢でしょう。

  カナダは、これは軍拡になるとして、最初から反対し、参加していませんな...〔自衛

隊〕も、今後は縮小抜本的・再編成は必至です。“ミサイル防衛構想”からも、早急に

撤退するべきでしょう」

  茜がうなづいた。

“こんごう”は、SM3を搭載し、すぐにも実戦配備につくようです...

  PAC3の配備と合わせて、反対運動を強めて行くべきでしょう。この“ミサイル防衛構

想”は、国際世論からも浮き上がった存在です。したがって、日本の反対運動は、“世界

軍縮”大きな効果を持ちますな...決定的と言ってもいいでしょう...日本は、そうい

う位置にいるのです...」

「うーむ...」青木が言った。「かつての学生運動のように...若者の大行動力に期待

したいですね。若者が大挙して参加すれば、大きく変わって来ます。格差社会で、苦しい

日常はありますが、大きな目標のために行動して欲しいと思います。

  もちろん、全世代にわたって行動して欲しいわけですね。そうした意味では、かつて

生運動をした団塊の世代が、停年退職になり、フリーになりますね。団塊の世代というの

は、やりかたをしっていますから、」

「はい、」茜が言った。「でも...シビリアンコントロール〔自衛隊〕が、どうしてこんなに

積極的なのでしょうか?」

政府/与党連合の政策だからでしょう...」大川が言った。「資金を、湯水のように拠

出しているのは、日本政府です...まあ、そんなムダな金は無いはずですがねえ...

貿易面での、報復措置が怖いのでしょうかな...しかし、いずれにしても、日本は自立

し、毅然とした国家になるべきでしょう」

「そうですね、」茜が言った。

衆議院選挙が近いようです...」青木が、眼で笑った。「さて、そこで...

  国民の側としては...軍備縮小自衛隊再編ミサイル防衛構想からの撤退

も、争点として要求するべきでしょう...“ミサイル防衛構想”を漫然と進める限り、与党

連合の展望は、国民の反発を招くのは必至です。ともかく、軍拡では話になりません。

  くり返しになりますが...“ミサイル防衛構想”を推進し、“温暖化対策”も推進すると

いうのは、政策として矛盾します。そんな選択は、あり得ないわけです。全体として、

府与党既存の戦略というものは、総崩れの観があります...あとは、野党の力量

しょう」

「はい!」    

  〔3〕 テロとの戦いとは、何か? 

   “グローバル化=富の寡占”を、超える時代 

      house5.114.2.jpg (1340 バイト)wpe67.jpg (34558 バイト)       house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「さて...」大川が、天井を見た。「東西冷戦構造時代、以降...

  いわゆる世界制覇で...“1人勝ち”したのは、アメリカと言われています...その、

アメリカの動向が、“世界軍縮”大きなカギになりますな...アメリカ“軍産複合体”

は、さらに進んだ未来型・個人装備/未来型・軍事組織/未来型・大型兵器の開発を進

めています。

  そんな未来型・兵器体系を、“覇権競争”紛争地域に投入して来たら、既存の戦略・

戦術が一変すると言わています...まあ、一部ではすでに投入されていますがね。

テロ部隊も、非常にハイテク化された部隊が投入されていますな...」

「そうですねえ、」青木がうなづいた。

第1次世界大戦/西部戦線では、塹壕戦線戦車が踏みつぶし...第2次世界大戦

では、要塞線空挺部隊が飛び越えました...イラク戦争では、海上艦船から発射され

GPS誘導/トマホーク・巡航ミサイルは、内陸/バクダッドの軍事拠点を、ピンポイン

ト攻撃で潰しました...

  近未来型の戦争では、さらに衛星情報が多用されます。そして、無人化して行くでしょ

う。レーザー砲の登場も、戦術を一変させると言われます。戦闘・戦争ゲームは、どんど

エスカレートして行きます...

  一方...各種の大量破壊兵器や、遺伝子兵器に、無辜(むこ)の民が晒されて行くこと

にもなるでしょう...人類文明は、そうした未来社会でいいのかという事です。“地球温

暖化”の時代に...こんなことが許される状況か...ということです」

「はい...」茜が、神妙な顔でうなづいた。

「このまま、軍事システムが進化して行けば...やがて無人化した軍隊が、人類文明

支配するすることになるでしょう。そうした軍事産業を維持するために、富の寡占がさら

に進むでしょう。

  弱者は、武力で抑えつけられ、過酷な労働を強いられ、奴隷化が進行して行くでしょう

な...〔世界市民〕は、一律に、軍事的弾圧を受けることになりかねません...こうした

文明構造/世界構造/社会構造で、誰が得をすのでしょうか?おそらく、軍事産業/

死の商人だけでしょう...

  実は...現在でも、そうした傾向が顕著になっています...巨大軍事力が、実質的

に、人類文明を支配しています。これが、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革

命”の、終着点でした。核戦略体制が、その象徴だったのでしょうな...

  この“文明の第2ステージ”の延長線上で、未来社会を考えれば、SFドラマにも描か

れているような、“宇宙戦争”“宇宙冒険”などの世界観になるのでしょう...そんな

来社会で、いいのかということです...」

「つまり...」茜が、頭をかしげた。「そこで...“文明の第3ステージ”への、シフトが始

まっているということですね...人類の、文明史ストーリイステージ・アップして、“物の

領域の延長”ではなく、“心の領域との統合”へ向かうと...?」

「まあ...」大川が、口に手を当てた。「それは...理論研究員の、茜さんの方が詳し

いでしょう...私は、軍事担当です...

  ともかく、軍事組織というものは、経済原理と同じです。それ自体が、ダイナミックに波

し、自己組織化して、存在維持をはかります。そして、軍事支配し、膨張します。これ

は、経済原理による経済支配と似ています。放置しておけば、地球表層環境を破壊して

でも、膨張を続けます。核戦略体系の存在が、それを証明しています...」

「うーん...」茜が言った。「それでは、文明が進んでも何にもなりませんわ...文明の

本質は、野生のままですね...それは、〔理想郷〕ではありませんわ...

  “文明の第3ステージ/意識・情報革命”の、より高いステージへ上がっていくために

は、〔世界軍縮〕は、必須の条件ということですね、」

「そうです...」大川が、うなづいた。「したがって...

  今、現在が、非常に大事な分岐点だということです。“文明の第2ステージ”延長線

の方向へ進めば、未来型・闘争社会構造化して行くでしょう...世界全体は、野生の

まま泥沼化し、容易なことでは脱出できないでしょう。

  下手をすれば、破滅です。核戦略時代の、“絶望の再来”です。あの当時と、同じ轍を

踏むという事ですな。しかも、人間精神弱体化した現在では、未来型戦争への閾値(い

きち/しきいち)は、非常に低いという事です。

  核戦略下東西冷戦時代には、米ソのホットラインが保持されていました...両陣営

が、しっかりとしていました。それで、ギリギリ偶発戦争を回避していました。しかし、現

在では国際テロ組織北朝鮮のような国家が、核爆弾に手を伸ばしています。

  それが、さらに無数に拡散して行くようになれば、大量破壊兵器使用の回避は、お

よそ絶望的だということです。大量破壊兵器の材料は、プルトニウム高濃度ウラン

けではありません。

  生物兵器化学兵器の材料となると、それこそ管理は不可能です。生物兵器では、

分子生物学遺伝子工学が使われ、核兵器以上の脅威になりますねえ...バイオハ

ザードは、被害の予測がつきません...」

「うーん...」茜が、頬に手を当てた。

「したがって...

  今、現在...世界中の軍事力を一掃し、“覇権主義”を超えることです。“文明の第3

ステージ”ステージ・アップして行く、最大のチャンスですな...」

「そうですね...」茜が、唇に手をやった。

「もし、このチャンスを逃したら...

  地球生態系が崩壊するのを承知の上で...再び、核戦略時代と同様の、チキン・ゲ

ームを始めることになります。そして今度は、大量破壊兵器使用の閾値は、極めい低い

という事です。核爆弾生物兵器化学兵器遺伝子兵器が使用され...一方では、

事衛星レーザー砲が、地上社会軍事的圧力を加えることになりますなあ...」

「はい...宇宙から来るレーザー砲は、回避できませんね?」

「うーむ...

  まだ、その実態というのは分りませんが...回避不可能でしょうな...まあ、そうした

未来兵器に対しても、〔人間の巣〕は、“万能型・防護力”を発揮しますがね...しかし、

外へ出れば、ピンポイント攻撃も可能でしょう...このまま、軍拡が続けば、そうした

事支配は、もうそこに見えて来ているということです。

  そうした圧倒的な軍事支配に対し、大量破壊兵器によるテロ攻撃が考えられるという

ことです。おそらく、確実に使用されるでしょう。そうなれば、文明は泥沼化します。人々

はそれに対処しようとし、さらに兵器を開発し、守備攻撃を進化させます。冷戦構造時

も、そうでしたが...」

「はい...」

地球生態系を...数十回も絶滅させる、大量の核弾頭ミサイルが...冗談ではなく、

実際に、臨戦態勢に入ってたわけです...地下核サイロ車載・発射基地原子力潜

水艦が、大陸間弾道ミサイル発射命令が待っていた時代です。

  人類は、本当にそんなバカなことを、実際にやっていたわけです...まあ、信じられな

い話ですな...」

「今でも...」茜が言った。「それは、機能しているわけですね?」

「まあ、そうです...

  それは今でも、核保有国で機能しています。ただ、東西冷戦構造が消滅していますか

ら、偶発的な核戦争の可能性は、非常に低くなっています。核弾頭も、その多くは分解

処理されています。原子力潜水艦の多くも、今はスクラップになっていますな...

  イラク戦争で使われた、アメリカトマホーク・巡航ミサイルも...核弾頭通常弾頭

共用型です。本来は核攻撃用に開発されたものです。初期開発型では、デジタルマッ

プを搭載して、地形との相関を読み取って行くものでした。それがより精密な、GPS誘導

に切り替えられているようですな...

  その通常弾頭・巡航ミサイルが...海上艦船から発射され、イラク/バクダッド攻撃

の火蓋(ひぶた)を切ったわけです...今でも、アメリカ軍事力を象徴する1つが、この

マホーク・巡航ミサイルでしょう。

  爆撃機からも、潜水艦の魚雷発射管からも射ち出せます。そして、GPS誘導世界

中のあらゆる座標を、核弾頭通常弾頭精密攻撃できます。その高価なミサイル

費期限のきたものが、大量にバクダッドに射込んだのかも知れません...

  弾薬ミサイル、それから核爆弾のようなものも、消費期限というものがあるのです。

今、冷戦構造時代の核爆弾に、消費期限が来ています。食料品の消費期限などとは多

少異なりますが、火薬やシステムが劣化してしまうのでしょう。それを、新しいものに

するべきかどうかが、核保有国で議論されていますがね...」

「むろん、」青木が言った。「核爆弾などは、無用の長物でしょう」

  大川が、うなづいた。

                  house5.114.2.jpg (1340 バイト)

日本国会論戦では...」青木が言った。「簡単に、“テロとの戦い”などと言っていま

すが、一方的勝利というのは、構造的に難しいわけですか?」

「うーん...そうなのかしら?」茜も言った。

「いいですか...」大川が、片手を立てた。「圧倒的な強者...

  例えば、アメリカなどに、無差別に反撃するには...大量破壊兵器/・・・核爆弾・化

学兵器・生物兵器を、テロ的・ゲリラ的に使うのが、最も有効な手段なのです。かつて、

アメリカ自身がやったような、都市無差別爆撃/ジュウタン爆撃の、ゲリラ戦法ような

ものです」

かつての戦争は、そうでした...」青木が言った。「クラウゼヴィッツ殲滅(せんめつ)

に示されているように、都市爆撃が行われていました」

「そうです...

  大量破壊兵器利用価値というのは...実は、圧倒的な強者に対する、弱者側

ゲリラ戦にこそあるのです...弱者側も、あらゆる手段を使うということです。それ

を、無防備都市に向けて来るということです。

  パキスタンブット元首相暗殺でもそうですが、最も脆弱(ぜいじゃく)で、最も効果のあ

る所に、テロを仕掛けてきます。しかも、自爆するわけです。防ぐのは、非常に難しいで

しょう」

「はい、」

「また、テロ集団が...

  広島長崎のような原爆被害を、少人数で引き起こせる時代になったということです。

しかも、科学技術は今後ますます加速します...アルカイダのような国際テロ組織

も、核爆弾を持つことが可能になったと...マスコミなどでも、広く言われていますな、」

「うーん...やはり、対策は難しいのでしょうか?」茜が聞いた。

「非常に難しいでしょう...

  小型核爆弾は、ミサイル弾頭にする必要はないのです。小荷物として、社会の中に紛

れ込ませればいいわけです。その方が、はるかに簡単で、秘匿性(ひとくせい)が高いので

す。生物・化学兵器は、さらに容易ですな。したがって、テロの側に非常に有利であり、

抑え込むのが難しいのです」

アメリカが、」茜が言った。「躍起になるわけですね、」

核兵器拡散している現在、まさにこうしたシナリオが、現実に進行しています...

  アメリ“テロとの戦い”を強調していますし、日本もそれに追随しようとしています。

しかし、これは圧倒的な強者の、“弱者側の抵抗の弾圧”という側面もあるのです。日本

としても、ここで立ち止まり、国際テロ組織とは何なのかを、冷静に分析する余裕を持ち

たいものですな...」

「でも、テロは放置しておけませんわ」

「もちろん、そうです...そうなのですが、強者の側の論理もおかしいのです...

  未来型兵器も、放置しておけば...近いうちには、軍事衛星のレーザー砲が、地球を

周回する時代になるでしょう。これは、トマホーク・巡航ミサイルのように、巡航速度で飛

して行くものではありません。宇宙空間から、瞬時に攻撃できます。

  仮に、最新鋭のイージス艦でも...レーザー砲宇宙空間から攻撃されたら、洋上で

すから、防御のしようがありません...これは、戦略体系を一変させるものです。こんな

ものに監視されていたら、のんびりと船旅もできません。

  同様のことが、現在も行われているわけです。アメリカをはじめとする核保有国は、自

核爆弾を保有しながら、イラクイラン北朝鮮核爆弾を保有しようとしたら、それ

危険野蛮なことだと言っているわけです。自らも、粛々と核軍縮を進めた上で言うべ

きことでしょう」

「はい、」

「しかし、まあ...

  軍事衛星は、国際テロ組織の監視を、さらに強化して行くでしょう。やがて、レーザー

が搭載されれば、間髪をいれず、宇宙空間からの攻撃もあるでしょう。そして.こうした

ものに対抗するために、アルカイダ大量破壊兵器を使うわけです...」

「うーん...」

「どんどんエスカレートして行ってしまうわけです...

  追う側も、追われる側も、必死でしょう...日本の国会論戦のように、ロクでもない

治資金問題防衛省の汚職で、“政治漫才”をやっているわけではありません。まあ、そ

れはそれで、毒にも薬にもならないわけで、無害ですがねえ...

  しかし...アルカイダは、何故、テロをやるのかということです。そろそろ日本の国会

も、真剣に考えなくてはいけませんな。私は、むろん、テロ組織の肩を持つ気は、毛頭あ

りません。しかし、これを回避するには、何が必要かということです...」

「うーん...テロは、それを議論させようとしているわけですね...」

「まあ、そうです...

  テロで、圧倒的な軍事力転覆できるわけではありません...テロは、抵抗の象徴

いうことでしょう...そして、そんな、世界構造があるということです...

  “自爆テロ”などは、弱者の戦法です。決死の抵抗です。今後、未来型・軍事組織が世

界を席巻するようになれば...おそらく、“大量破壊兵器・テロ”との戦いになるでしょう。

“都市が1つ消滅するような攻防戦”になります。

  そして、トマホーク・巡航ミサイル軍事衛星搭載のレーザー砲でも、その対処は難し

いということです...ならば、何をすべきかということです...この、“地球温暖化”が進

行する中で...」

「うーん...」茜が、手を組んだ。「はい...」

「もちろん...

  こうした大犯罪行為や...無辜(むこ)の民衆を傷つける行為は...絶対に容認できる

ものではありません。また、テロという犯罪に屈するわけにもいきません...そんなこと

は、分りきったことです...

  しかし単純に、“テロとの戦い”割り切り、叩き潰せうという戦法では...その行き着

く果ては、大量破壊兵器ゲリラ戦的使用と言うことになるわけですな...アメリカは、

これを非常に恐れているわけです...」

「はい、」

      wpeD.jpg (10922 バイト)      

2001年9月11日“9.11テロ同時多発テロ”は、アメリカの心臓部を、ハイジャッ

ク旅客機で、同時多発的自爆攻撃を仕掛けたものです。これは、非常な恐怖でしょう。

日本人も犠牲になっていますし、世界中から非難がわきあがりました...

  しかし、彼等は、何故そんな事をしたのでしょうか...その理由は、それほど議論さ

れなかったようですな...日本でも、本格的な議論にはなりませんでした。それで、“テ

ロ・特措法”“イラク特措法”自衛隊の海外派遣となったわけです。今でも、その議論

は欠け落ちています...

  単純なことですが...まず、“テロの目的は何だったのか?”という事を考えなけれ

は、根本問題は解決しないでしょう...ここに、“テロ回避のカギ”があります...むろ

ん、アメリカも、考えなかったわけではないでしょう...そして、日本は、確かに、あまり

考えなかったでしょう...」

「そうですね...」

ブッシュ大統領は...

  “9.11テロ同時多発テロ”反撃する形で、アフガンイラクに、“テロとの戦い”

いう掃討作戦を始めました。しかし、そのいずれも泥沼化し、ベトナム化しているわけで

すな...一般民衆をも巻き込んでいますな...掃討する側にも、甚大な犠牲が出てい

ます。アメリカ軍でも、“9.11テロ同時多発テロ”を上回る、戦死者が出ています」

「はい...」茜が、固く両手を結んだ。「一連の全ての犠牲者に、哀悼の意を捧げたいと

思います...」

「そうですな...」

                house5.114.2.jpg (1340 バイト)    wpe69.jpg (27792 バイト)  wpeD.jpg (8229 バイト)  

イラクも、アフガンも...」大川が言った。「ベトナム化していますな...

  そのベトナム戦争では、世界最強のアメリカ軍が、大敗北しているわけですねえ...

サイゴン沖に待機させていた米空母に、ヘリで脱出して行く米軍の光景は、今でも鮮明

に覚えています。ヘリにしがみついていた、民間服のベトナム人の姿が、目に浮かびま

す...

  おそらく、南ベトナム側の軍人か、その協力者だったのでしょう...戦闘爆撃機に守

られた、ギリギリの脱出だったようです...めったに見ることのできない、歴史的な光景

でした...ようやく、テレビ映像の時代になり、まさに戦場が、日本のお茶の間で見られ

た時代でした...」

「まあ...」青木が苦笑した。「ずいぶん昔の話ですね、」

「そうですな...ベトナム戦争は、ずいぶん昔の話ですが、鮮明に記憶しています...

  当時のマクナマラ国防長官のもと、最大53万5000千人にも膨れ上がったアメリカ軍

でしたが...それがベトコン(南ベトナム民族解放戦線)北ベトナム軍に敗れ、撤収して行く

姿は、無条件降伏した日本と重ね合わせ、印象的でした。

  アメリカ軍が脱出し、空っぽになったサイゴン市内に、ドッとがベトコン押し寄せ、サイ

ゴンは陥落したわけです。それから、南ベトナム/首都サイゴンは、北ベトナム大統領

の名前である、ホーチミンと改称されました。南北が統一され、またベトナムとなったわ

けです...現在、地図でもそうなっていますな」

「はい、」茜が、うなづいた。

「さて...」大川が、口を手で押さえた。「アフガンでも、イラクでも...アメリカ同じ道

をたどっるのでしょうか...

  いや、私が言いたいのは...この種の紛争には、勝利は難しいという事です...

量破壊兵器によるテロがなくても、なかなか勝利は難しいという事です...アメリカは、

経験として、それをよく知っていたはずですがね。

  サイゴンが陥落したのは、1975年です。その後、1979年には、ソ連軍アフガン

進駐しています。これは、陸路からに進駐でした。しかし、これもベトナム化し、失敗して

います...まあ、ひと口にベトナム化と言っても、色々ありますがね...」

「それでは、どうしたらいいのかしら?」

「うーむ...

  ベトナム戦争は、東西冷戦構造の中で進行したものですが...現在行われている

“テロとの戦い”は、イスラム文化圏との軋轢といった様相があります。この軋轢は、か

つての十字軍の遠征の頃からあるわけです。簡単に答えの出る問題ではないでしょう。

  しかし、現在活発化しているテロの目的は、何処にあるのかという事を、本格的に分

することは大事です。どうも、我々日本人にとってもそうですが、そのあたりがボンヤリ

としていて、テロ行為のみが強調されています。これは、マスメディアがしっかりと伝える

べきなのでしょう」

「そうですね、」

イタリアドイツ、そして日本が敗北したのは、第2次世界大戦型の戦争です...非常

明確に敗北しています。共に世界の列強で、雌雄を決する戦いでした。

  しかし、それ以降の戦争というのは、その多くは民族解放型の紛争であり、ゲリラ戦

す。旧・ユーゴスラビア一連の内紛も、この種の戦争です。スッキリと武力解決するの

は難しいですな...

  ブッシュ大統領の父/初代のブッシュ大統領が...最初のイラク戦争/湾岸戦争

勝利を収めた時は、国家の激突型でした。いわば、第2次世界大戦型の戦争だったわ

けです。その時の詰めが、非常に甘いものでした。その時、もっとうまく処理することは、

可能だったはずです。

  しかし、第2次のイラク戦争では、当初から泥沼化が予測されていたわけです。各部

族が、グチャグチャになることが予想されていました。こうした戦争では、勝利が非常に

難しいということです。その上に、大義名分曖昧でしたねえ。湾岸戦争のように、明確

イラク軍クウェート侵攻というようなことがなかったのです。

  つまり、やるべき戦争ではなかったのでしょう...アメリカは、そのことを知っていたは

ずです。しかし、“軍産複合体”の後押しがあったのでしょうな...アメリカ世界一

“軍産複合体”存在すること自体が、イラクの混乱を作り出したとも言えます。そういう

側面もあるということですな...」

「はい...」

「今後も...

  “軍産複合体”存在すること自体が、アメリカ“テロとの戦い”を続けさせて行くこと

になるでしょう。小泉・元首相は、そんなアメリカ子分になりたがっていたようですな。

それが、日本の進路として、“面舵(おもかじ/右へ舵を切る)を切ったわけです。〔自衛隊〕とし

ての、初めての海外活動となったわけです。

  また...当時の額賀・防衛庁長官/現・財務大臣は、“日米同盟が新たな段階に

入った”と、ぶち上げたわけです...津田・編集長はこれに対し、防衛庁長官罷免

べきだ、とコメントしていましたな、」

  津田が、無言でうなづいた。

「うーん...」茜が、両手を合わせた。「圧倒的強者による...構造的支配...それに

対するテロ...そして、“テロとの戦い”になるということですね...根本的な、解決法

は...?」

「やはり...」大川が言った。「世界構造的なものですから、“文明の折り返し”というこ

とになるのでしょうかね...先進国の富の収奪...文明の融合...グローバル化の暴

ということがあります...

  したがって、“反・グローバル化”...分散化...そして、何よりも“世界軍縮”という

方向でしょう...」

市場原理...」茜が言った。「経済発展=スピード=世界の縮小...こうした世界構

造のパラダイムが、“折り返し”に来ているということですね...そして、“エコ/文明の

存続”が、世界標準になって行くということですね、」

「そうですな...」大川が言った。「具体的には...

  〔人間の巣〕を展開し...分散化した〔人間の巣〕で、それぞれの社会が、文化的

活力を取り戻していくということでしょう...構造的搾取や、宗教的・民族的・文化的抑

のない、スローな世界構造を作り上げて行くということでしょう」

「はい...〔人間の巣〕は、そうした未来型“存在の器”ですわ...

  家族のような緩やかな存在でいいのです。それが、どのぐらいの規模連結形態をと

るかは、今後の研究にゆだねます。試行錯誤の時間は、たっぷりとありますわ」

日本では...」青木が言った。「高速道路の延長整備を計画したり、リニア新幹線の建

設計画がありますが...スピード/経済性の追求の時代は、すでに終局に来ていると

いうことですね」

「そうですね、」茜がうなづいた。「まだ惰性で、ピード追及時代が続いていますが、すで

スローな社会構造へのターンが始まっていますわ...“若者の車離れ”も進んでいま

す。産業構造でも、その準備が必要ということですね」

「ともかく...」大川が言った。「軍事・担当者として言えば...

  分散化した〔人間の巣〕は...大量破壊兵器や、バイオハザード軍事的圧力など

に対しても、“万能型・防護力”を発揮するということですな。そして、未来型・軍事力に対

しても、分散化した自給自足社会/低生産性ですから、支配してもあまり意味がないで

すねえ...

  社会単位が小さく、自主独立で、硬い防護力を持っているということですな。その上、

アイデンティティーが非常に強い社会単位です。支配するのは難しいでしょうな...そう

いう世界構造/社会構造に、ステージ・アップさせて行くということですな、」

「そうですね、」茜がうなづいた。「〔人間の巣のパラダイム〕は...“専守防衛”の意味

でも、間違ったものではないと言うことですね...当面は、気候変動による自然災害

最大の課題になりそうですが、“万能型・防護力”を遺憾なく発揮すると思います」

「まあ、贔屓(ひいき)目ではなく...現在の閉そく状況【問題解決の方程式】でしょう」

「はい、」茜が、こぼれるように微笑んだ。

            house5.114.2.jpg (1340 バイト)        

「ええと、」茜が、ノートパソコンの方に目を移した。「話を進めましょうか...」

  大川がうなづいて、自分のモニターをのぞいた。

「さて...ええ...

  圧倒的な軍事力/最大の“軍産複合体”を持つアメリカですが...アメリカ1国だけ

で、“覇権主義”を振り回しても、それで世界が動くという状況ではありません。もちろん、

核兵器は使用できません。それこそ、“温暖化対策”どころの話ではなくなります。つまり

この状況は、かつての“核の手詰まり”と同じ状況なのでしょう...

  したがって、巨大軍事力というのは、使えない代物でなのです。また、高度情報社会

になりましたから、巨大軍事力は、常に国内世論・国際世論監視下にあるということで

す。そうした意味でも、使えない代物になりました。つまり、解体して行かざるを得ないと

いうことです」

「はい...」茜が、唇を引き結んだ。

「まず、なによりも...

  巨大軍事力を維持するには、莫大な資金が必要だという事です。当然、その経済的

効果が求められます...在日米軍基地でも、沖縄・海兵隊のグアム移転でも、莫大な

協力金が求められるのは、そうした所から来ています」

「いわゆる...暴力団組織の、“みかじめ料の大型版”ようなものかしら?」

「その通りでしょう...軍事力は、莫大な消費をする一方で、生産活動をするわけではあ

りません。武威で、支配するだけです。それが巨大なものになるほど、多くの上納金を必

要とするということです...それを支えているのが、世界構造的富の収奪です...」

「国際テロ組織は、それに反発しているわけですね?」

「そうでしょう...

  さて、日本ですが...東西冷戦構造が終焉した現在、アメリカ軍プレゼンス(軍事的駐

留)に、それだけの意味価値があるのかということですな...“ミサイル防衛構想”にし

ても、それに値する敵・ミサイルは、どこに存在するのかということです

  が存在しないのに、防衛システムだけが、どんどん巨大化しています...ヘリ空母

“ひゅうが”の建造も...空中給油機“KC767”の導入も...イージス艦“こんごう”

スタンダードミサイル/SM3の搭載も...パトリオットミサイル/PAC3の配備も、肝

心のが存在しないのです。

  しかし、それに引きずられるように、〔自衛隊〕を統括する防衛庁が、防衛省へ格上げ

されました。が、肝心の敵が存在しないということですなあ...まさに、〔自衛隊〕

備増強...防衛庁から防衛省へ格上げは、ピエロのようですねえ...

  テロに対応するのに、本来、こんな重装備...そして防衛庁防衛省への昇格は必

要ないのです。ヘリにしても、対戦車ミサイルを搭載したAH1SAH64などの高価

ものをそろえるよりは、汎用性の高いヘリの方がよほど効果的なのでしょう...」

「はい、」

「そこで、格好の悪者に仕立て上げられたのが、北朝鮮というわけですなあ...

  しかし、それはチンピラ程度のワルでしょう...テポドンノドンが、それほどの脅威

なのかということです。かつての、ソ連ICBM(大陸間弾道ミサイル)に比べれば、比較になら

ないほどお粗末なものです。

  中国にも核弾道ミサイルは存在しますが、それが日本に射込まれるという状況にはあ

りません。イデオロギー対立は、すでに冷戦構造の終焉で決着が付いているからです。

その意味では、ロシア核弾道ミサイルも同じですな...」

「はい、」

「したがって、〔自衛隊〕の、縮小・再編成は、必至でしょう...

  戦争玩具につぎ込む莫大な税金は、国民福祉のためにこそ使うべきでしょう。それで

は、国防が心配というのであれば、“日本版/ニューディール政策”を推進し、“万能型・

防護力”〔人間の巣〕を展開するべきです...これは、まさに“専守防衛”です...」

「はい...」茜がうなづいた。「アメリカも、変わって来たと言われますわ...

  イラクからの撤兵圧力も強まっているようですわ...それから、“大型ハリケーン・カト

リーナ”の来襲以来...“地球温暖化”に対する世論も変わってきたと言われます...

ゴア・前副大統領ノーベル平和賞の受賞もありました...

  インドネシア/バリ島/COP13(国連気候変動枠組み条約/第13回締約国会議)で...ゴアさん

は、来年の大統領選挙で、アメリカは変わると約束しましたわ...選挙ですから、結果

は分りませんが、アメリカでも、そうした“エコ/文明の存続”の流れが、大勢力になっ

て来ているということですわ」

「ま、そうですな...」

「ええと...」茜が、ノートパソコンをチラリと見た。「“大型ハリケーン・カトリーナ”が...

  アメリカ/南東部に上陸したのは、2005年8月の末でした...フロリダ半島に上陸

後、メキシコ湾に抜けていますね...それから、ニューオーリンズのあルイジアナ州

再上陸していますわ...あの時は、日本でも連日報道されたので、よく覚えています」

「うーむ...2年前のことですか...」

「はい...それから、アメリカは変わったのかしら?...どうなのかしら?」

アメリカは大きな国です...しかも、外から見ていたのでは、なかなか分かりませんな

あ...」

「はい...

  確かに、日本からでは、分らない所がりますわ...BSE(牛海綿状脳症)問題でも、日本

への牛肉輸出問題でも、非常に保守的な顔が顕在化しています...アメリカン・スタン

ダードが、世界標準では無くなったことは確かですわ。【京都議定書】からの離脱もそう

ですし...ともかく、広い国ですね...」

「うーむ...アメリカも、ゆとりが無くなってきたのでしょう...

  ともかく、巨大軍事組織というものは、膨大な金食い虫だということですねえ。実質的

には、もう無用の長物なのです。ところが、経済成長してきた中国が、軍備増強していま

す。アメリカ“覇権主義”の相手をしようとしています。

  まあ、その意味で、わずかな使い道が残されたということでしょうか...大極的な枠

組みでは...」

「はい...

  “地球温暖化対策”でも、“覇権主義”という点でも...大国/中国の動向が、世界の

焦点になって来ました...アメリカ中国でへという2つの大国が、世界の枠組み作り

ネックになっています...

  “世界軍縮”でも、“地球温暖化対策”でも、アメリカ中国ボトルネックとなって来て

います...ラムネ瓶のガラス玉のように、ボトルネックに引っ掛かって、そこに転がって

います...いずれも、国内事情なのかしら...?」

キッシンジャー博士(元米国務長官)も言っていましたが...

  基本的に、中国大陸国家です...どう見ても、海洋国家ではないですねえ...

空母を持ち、本格的な外洋艦隊を持ったとしても、それほどの大艦隊を持つことは

ないと思いますな...

  しかも人類文明が、“折り返し”へ向かうということが必至となれば、早晩ブレーキが

かかって来るでしょう...当面、南シナ海/南沙諸島海底資源などでは、うるさくなっ

て来るでしょう...それと、東シナ海では、日本との間でガス田開発・問題がありますか

ね...そこには、一応、乗り出してくるでしょう...

  それ以後は...文明構造が大きく変貌して行くというのが...まあ、我々の予測とい

うことになります...尖閣諸島・問題も、韓国との間の竹島・問題も、ロシアとの間の

方領土・問題も...“文明折り返し”の中で、熱が冷めて行くと思います。

  分散化...〔人間の巣のパラダイム〕の中で...大自然の中の風景として還元され

て行くと思います...」

「はい...」茜がうなづいた。

                     house5.114.2.jpg (1340 バイト)    

「ええ...」青木が、眼鏡を押し上げた。「ともかく...

  〔世界市民〕は...〔人間の巣〕を展開し...自給自足社会/・・・“スローフード/ス

ローライフ”へ向かうという事が、“エコ/文明の存続”の条件ということですね...

  これ以上の“開発・発展/市場原理・スピード化”というのは、地球生態系パンク

るということです...政治ばかりでなく、開発途上の技術も、大きくを切っていく必要が

あるでしょう」

「はい...」茜が、青木の方にうなづいた。「新しい世界標準・・・“エコ/文明の存続”

は、基本的にスロー運搬/・・・分散化の方向だという事ですね...航空機よりは、船舶

の方向だということですね...それだけでも、地球は広くなります...

  それで大川さん...日本は今後、実際に、〔自衛隊〕縮小させて行くということです

ね?縮小・再編成していくということですね?」

「もちろんです。それしかないでしょう...

  現在、〔自衛隊〕軍備増強の方向にあります...小泉・元首相は、時代の大局を読

み違えていましたな...理想社会の建設/・・・文明の存続という視点を見落としていま

した。多くの改革に手を付けましたが、面舵/・・・右舵を切ったのは“失政”でしょう...

失敗しても“許される”間違いと、“許されない”間違いというものがありますなあ...」

小泉・元首相は、豹変し、国民を裏切りました...」青木が言った。「これも、許されな

いことですねえ、」

「そうですな...

  冷戦構造の終結以後、世界は軍縮大きな流れの中にあります。しかし、武器市場

依然活発ですし、核兵器拡散しています。大軍事力の衝突というシナリオは終わり

ましたが、細かな紛争はむしろ拡大しています...

  こうした状況下で、理想社会の建設の、政治の舵取りを誤ったということです。その

局を見誤ったから...急速な“地球温暖化”という新しい要素が入ってきた時、〔自衛隊

の海外派遣〕や、“ミサイル防衛構想”などという、間の抜けた政策が残ってしまったわ

けです。今、日本の政治はそこで苦労しています...

  イージス艦“こんごう”の、スタンダードミサイル/SM3の配備というのも、いかにも

間の抜けたものです。PAC3の配備もそうです。こんな戦争玩具血税を湯水のように

投入する政策は、早急に見直すべきでしょう」

「結局の所...」青木が言った。「“ミサイル防衛構想”などというものは、実質的に空洞

して行くのでしょうか...P3C対潜哨戒機も、ソ連・原潜が消えた今、大量に余ってし

まいましたねえ。“ミサイル防衛構想”も、同じ道をたどるのでしょうか?」

「そうですな...

  たまに、北朝鮮テポドンノドンでも射ち上げてくれれば...しばらくの間は“空騒

ぎ”ができるでしょう...しかし、もし、大量のノドンで攻撃されたら、戦略的にも意味の

無いものです。“ミサイル防衛構想”は、実質的に空洞化して行くでしょう」

「はい、」茜がうなづいた。

「いずれにしても...

  現在の世界軍事バランスは、長くは続かないでしょうな。世界中に展開しているアメリ

カ軍も、資金的維持が困難になるでしょう。“地球温暖化”で、世界標準“エコ/文

明の存続”へシフトして行くということも、大きな要因になるでしょうな」

30年後に、」青木が言った。「どのような世界になっているかという事を、日本の政治家

は真剣に考えなくてはいけませんねえ...また、どのような地球社会になっていて欲し

いかという事です...

  そのことを俎上に乗せなければ、全ては川下の泡のように、瑣末(さまつ/取るに足りない)

問題になってしまいます。現在の日本の政治状況は、まさにそんな状況ですな」

「はい!」茜がうなづいた。「すぐに、“北海道/洞爺湖サミット”になりますわ...

  私たちとしては、是非、〔人間の巣〕の展開を打ち出して欲しいと思います。それを、

日本第1歩を踏み出して欲しいと思っています。でも、その前に、総選挙になるのかし

ら...“洞爺湖サミット”の後という話もありますが...

  いずれにしても、真剣に30年後を見据え国家の将来像を示して欲しいですわ。それ

“政権選択の選挙”にして欲しいと思います...このことは、前・参議院選挙でも提

唱したことですわ」

「まあ...」青木が、ため息をついた。「相変わらず日本は、“政治漫才”をやっています

ねえ...しかも、国家の将来像を示していません...そのために、政治が国民から乖

し、空転していますねえ...」

「うーん...」茜が、自分の腕を強くつかんだ。

 

  〔4〕 文明の選択・・・ 第2弾 

      世界軍縮・・・  その、平和の配当は!  

             house5.114.2.jpg (1340 バイト) 

「話を整理したいと思いますが...」青木が、大川に言った。「現実問題として、世界の

軍事バランスは、どのように推移しますか?」

「そうですな...

  まず、“覇権の舞台”は...アメリカ軍スウィング戦略で...ヨーロッパNATO軍

ワルシャワ条約軍の対峙から、アジアに移って来ました。しかし、アジアにおいても、

ーロッパと同様、そんなものは無い方がいいという事でしょう...

  ともかく、世界の枠組みが、非常に流動化しています。米軍の再編成で、在日米軍基

位置づけも、大きく変わって来ています。それに加え、“地球温暖化”で、再編成途

米軍は、再・再編成が迫られているというのが...私の認識です。

  当然、〔自衛隊〕も、再・再編成が迫られるでしょう...〔陸・海・空〕を越えた、再編

が必要になります」

「うーむ...そう言うことですか、」

在日米軍基地・反対運動も、“世界軍縮”要石となってきました。“世界軍縮”にとっ

て、その影響力が増大しています。いや、まさに日本が、その当事国になっているという

ことです。

  アジアスウィングしてきたアメリカ軍にとって、安定した先進国在日米軍基地とい

うのは、扇の要の位置にあります。地理的にも、経済文化的にも、アジアにおいて戦略

拠点となっているからです。ここで反対を強めれば、“世界軍縮”に大きく踏み出すこと

になります」

グアム...さらに、ハワイのラインまで...後退するという事は?」

アジアにとって、アメリカ軍のプレゼンスというものは、まだ意味のあるものでしょう。そ

うした中で、日本は、“独自の国際平和戦略”を取って行くということですな...まあ、

アメリカ軍ハワイまでの後退を求めるのであれば、アジア安全保障の枠組みをどう

するのかという問題があるわけです。

  また、アメリカ軍アジアでのプレゼンスは...アメリカにとって、どんなメリットがある

のかということです...この問題は、“反・グローバル化”“エコ/文明の存続”〔人

間の巣のパラダイム〕で、乗り越えて行けるものと考えています」

「なるほど...」

中国も、北京オリンピック上海(しゃんはい)万博とあります...

  今後は、確実に、世界共通の枠組みの中に入って来るでしょう。上海万博の後は、

制が流動化があると思われますが、我々としては、〔人間の巣〕を展開することで、軟着

陸は可能と考えています...中国は、何としても、軟着陸してもらわなくては困ります」

「はい...」茜が頭をかしげた。「心配ないのかも知れませんわ...今後は中国も、

界の安定への貢献が求められて来ます...もちろん、中国自身のためですわ...」

「そうですなあ...

  “地球温暖化”は、良い意味で、こうした流れを促進して行くと思います。世界標準

“エコ/文明の存続”へシフトして行くことは、間違いないでしょう...世界軍事バラン

は、“世界軍縮”の方向は、絶対なのです...」

「そうですね、」青木が言った。

 

熱運搬/巨大・エネルギー の文明から 、

            情報運搬/微細・エネルギー の文明へ・・・>

                   house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「確かに...」青木が、モニターを見ながら言った。「文明のステージが...大きな流動

に入っていますエネルギーも、単純“熱運搬のエネルギー”から、微細“情報運

搬のエネルギー”に移ってきた観があります。

  別な言い方をすれば...“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”“熱運搬

/巨大・エネルギー”から、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”“情報運搬/微

細・エネルギー”へシフトして行くようです。

  こうした分類から言えば、核爆弾原子炉/原発というのは、“熱運搬/巨大・エネ

ルギー”の典型でしょう。これは、“文明の第2ステージ”/“20世紀の遺物”ということに

なります。本来、生態系では、こんな粗野巨大・エネルギーでは運行していないわけで

す。生態系はもっと精緻ソフトな、微細・エネルギーで波動しいています。

  粗野巨大・エネルギーは、生態系破壊しているように思います...人類文明は、

いよいよ“文明の第3ステージへと、足を踏み入れているということでしょう」

「うーん...」茜が、感心して、2度うなづいた。「非常に、うまい表現ですわ...失礼で

すが、政治担当の青木さんを、見直しましたわ...確かに、その通りです」

「はは...」青木が満面で笑った。「そうですか...茜さんに見直されて、光栄です。こ

れは、前から思っていたことなのです」

「うーん...そうなのですよね...

  確かに...“産業革命時代”の、粗野粗雑“熱運搬・エネルギー”/巨大・エネル

から...“情報革命時代”の、意味世界の構成資する、精緻ソフト“情報運

搬・エネルギー”/微細エネルギーへの...文明史的シフトという事ですね。確かに、そ

うした側面があります。意味世界を構成する、別の側面が見えて来たということですわ」

「さすがに、茜さんです」青木が言った。「私がひとこと言えば、そのずっと先まで見通し

てしまうわけですねえ、」

「私の専門領域ですわ...」茜が、口元を崩した。「うーん...そうですね...

  そこに、“文明のステージ”の、本質的な違いがあるようですわ...文明の第3ステ

ージ/意識・情報革命”は、生態系と共生する、深遠ソフト・エネルギーの時代なので

すわ...」

「そうかも知れませんな...」大川が、ポケットに手を突っ込んだ。「そこで、我々は...

  粗野で、野暮な...核爆弾も、原子炉/原発も、地雷やクラスター爆弾なども、今ま

さに、廃棄しようと画策しているわけです...“覇権主義”と同様に、これらもまた“20世

紀の遺物”と言う事なのでしょう...

  また、そうした粗雑エネルギーを扱い、命を傷つける兵器産業というものも、“20世

紀の遺物”と言う事でしょうな...この延長線上に未来社会を築くのではなく、文明の

第3ステージ”へシフトして行くべきなのでしょう...」

〔人間の巣〕は...」茜が、力をこめて言った。「これらの、“20世紀の遺物”を越えて

行く...機能/能力を内包していますわ...単純な構造ですが、粗暴で、危険なエネ

ルギー時代を乗り越えていく、“未来社会の器”ですわ...

  全ての自然災害や、バイオハザード核エネルギー...大量破壊兵器をも、凌駕して

行くことを可能にします...そして、〔人間の巣〕は、自給自足農業社会を安定化して

行きます。〔極楽浄土〕の、基盤整備が進むということでしょう...」

「うーむ...」青木がうなづいた。

<自衛隊の・・・縮小/抜本的再編成・・・ 

 戦力/災害救助/バイオハザード・科学危機対応/の3部門に、>

  wpe12.jpg (16005 バイト)house5.114.2.jpg (1340 バイト)   wpe67.jpg (34558 バイト)      

「さて...」青木が、モニターをのぞいた。「政治的には...

  2007年の終盤に入り...オーストラリアに、11年ぶりの政権交代がありました。ど

うやらアジアでも、風向きが変わってきたようです。それから来年は、アメリカ大統領

選挙があります。アメリカは、今から沸騰していますねえ...

  それから、北京オリンピックと、“北海道/洞爺湖サミット”もあります...おっと、順序

は逆になりますか...それと、日本の総選挙もあります。忙しい年になりそうです。世界

標準も、スピード/経済発展から、“エコ/文明の存続”へシフトして行くでしょう...

  2008年は、確かに、世界の枠組みが大きく変動する、潮目の年となるかも知れませ

ん。防衛省/〔自衛隊〕は...スキャンダル戦力の玩具化で、まさにぶっ潰れそうで

すが、今後、どういう流れなるのでしょうか。〔自衛隊〕縮小・再編成は、実現しそうで

すか?」

「ともかく...」大川が言った。「縮小・再編成は必至でしょう...

  一方...我々としては“温暖化対策”と並行して、“世界軍縮”を盛り上げて行く必

要があります。在日米軍基地“ミサイル防衛構想”反対を強め、“世界軍縮”を達成

して行く必要があります。

  日本は、その要石/キーストーンの位置にいますな...ここでもまさに、要石の位置

にいるわけです。そして、アメリカもまた、そうした大きな波が起っているようです。アメリ

中国も、変わっていくでしょう。そのことで、国際テロ組織も、変わっていくでしょう」

「はい、」

「茜さんの言うように...

  軍事力・軍需産業というのは、膨大なムダでしょう...また、膨大な非生産的なCO

をまき散らしています...私は、軍事担当ですが、巨大軍事力そのものが、“20世紀

の遺物”だと断言しておきましょう...“温暖化対策”の中で、時代錯の様相が、ます

ます濃厚になって来ました」

「はい!」茜がうなづいた。「グローバル化した、狭い地球の中で、まるでガリバーが動い

ているようですわ...ガリバーは、必要ありませんわ」

「はは...」青木が笑った。

「で...」大川が言った。「〔自衛隊〕は、どうするかという話ですが...

  前にも言いましたが、〔自衛隊〕〔戦力/災害救助/バイオハザード・科学危機

対応〕3部門に再編成していくのがいいと考えています...〔陸・解・空〕を超えた、

抜本的な再編成です。その上で、大機動力をどのように活用し、国家・国民防人(さきもり)

になるかということでしょうな」

「大川さんが、そう言うのなら...」青木が、顔を崩した。「私としては、大歓迎です...

  大川さんの意見を聞きたいと思っていましたが...実質的にも、国民に分かりやす

い、時代にあった大機動力に変貌して行くということですね。真に、国家・国民防人とな

るということでしょう。こうした流れは、自衛隊創設以来、初めてではないでしょうか...」

「ええ、」茜も、うなづいた。「そうですね...それで、国民はどうしたらいいのでしょう?

何もしなければ、ことは進みませんわ、」

「うーむ...そこがポイントですな...

  いいですか...日本人の多くは、それと気づいていない観がありますが...日本の

動向が、ここでも水先案内になります...くり返しますが、日本“独自の国際平和戦

略”もう1歩踏み出すということでしょう。

  それは“世界軍縮”に、決定的な影響を与えることになります...オーストラリアが、

“エコ/温暖化対策/文明の存続”へ大きく反転したようにです。日本の、“絶対平和

主義”への主張は、世界を変えますな...」

「それで、」青木が言った。「世界の軍事バランスは、どうなるのでしょう?」

「いずれにしても、です...

  “世界軍縮”に、大きく舵を切っていくということしょう...そうすれば、アジア・太平洋

地域において、“絶対平和主義”で、“強力な連携”が成立してきます。これこそが、前・

戦争に対する、明確な謝罪になります。モヤモヤしたものが、スッキリするでしょう...

  そのために、憲法9条を含む“平和憲法”を持ったわけです...占領軍/GHQ(連合軍

総司令部)の下で作成された“平和憲法”です...アメリカから、文句の出るはずもありませ

ん...“ショウ・ザ・フラッグ”だの、“ブーツ・ザ・グラウンド”だのと、アメリカ号令をか

けられるいわれもありません...

  まあ...イージス艦軍事・極秘データが、郵便で配達され、それが教材に使うよう

“しまりの無い状態”ですが...ともかく、〔自衛隊/サムライ集団〕として、しっかり

国民の側に立って、自立して欲しいと思いますな、」

「うーん...」茜がうなづいた。「はい...

  経済的・利害対立を超え...日本が率先して...“共生の道”へ踏み出す時ですわ

アジアにおいて、先進国である日本が...水先案内として...その第1歩を踏み出す

べきです。こうした斬新な政策こそ、日本新たな活力を与えると思います...

  ヨーロッパが、EU(欧州連合)としてまとまっているように、アジアでも“覇権主義”を超え、

“絶対平和主義”連携して行く時ですわ。“経済”ではなく、“理念”として歩み出すべ

きですわ...それが、“エコ/文明存続”本流になります」

「それができるのは...」青木が言った。「まさに、日本だけですねえ...ぶっ壊れてい

ますが、確かに、要石の位置にいますね」

「はい!」

「うーむ...」大川が、天井を見上げた。

 

国民・世界市民が・・・  新しい文明をリードする時代

              

「まず...」腕組みをしていた津田が、ゆっくりと口を開いた。「環境技術を...経済原

理で提供しようなどとは言わずに...積極的に提供して行くことでしょう...結局それ

が、日本のためでもあるのです...

  茜さんの言うように...日本は、“共生の道”へ大きく踏み出すべきでしょう。経済原

から見れば、バカなことですが、もう、そうした時代ではなくなるということですねえ、」

「はい!」茜が、津田の方にうなづいた。「日本は、食料自給率を向上し...“自立して

安定”するべきですわ...そのためのアイテムとして...日本版/ニューディール政

で、〔人間の巣〕を大展開するべきだと思います。

  環境技術は、経済に換算するのではなく、文明の精華として、“地球温暖化対策”

貢献するべきです。経済競争のど真ん中にいる人たちには、青臭い提案かも知れませ

んが、やがて市場主義の時代終息して行きますわ。環境技術も、富と交換すれば消

えてしまいますが、“地球温暖化対策”として貢献すれば、民族の誇りとして残ります」

「その通りでしょう...」津田が、肩をかしげた。「日本としては...

  経済的・依存関係を増大するのではなく...分散化自立することが大事でしょう。そ

うした、安定したアジアを作ることです...ここでは、経済発展よりも、“エコ/文明の存

族”という世界標準が重要になります。経済発展などしなくても、“豊かで安定した社会”

実現可能です。この方向が、次の、“文明の第3ステージ”ということになります」

「はい!」茜が、しっかりとうなづいた。「ええと...

  いずれにしても、“覇権競争”のための巨大軍事力などは、必要のないものですね。

本の政治は、“憲法改正”だの、“安全保障”だのと“空騒ぎ”をしていますが、そんなも

のは、一昔前二昔前の状況だという事ですね...そうですわね、大川さん...?」

「ま...」大川が、ほくそ笑んだ。「乱暴な言い草ですが...一口に言ってしまえば、そ

の通りでしょう...

  防衛庁“省”への昇格も、そのとたんに大スキャンダルですなあ...まあ、何もかも

が、目指すべき時代の本流から、大きく外れています...茜さんに習って、遠慮なく言

いますが、日本政治・行政は、“壮大な空騒ぎ”をやっていますな。“政治漫才”をやっ

ています...“お笑い”には、もう国民ウンザリしていますな...

  マスコミも、ふざけているのか、実力が無くなったのか、支離滅裂になって来ましたな

あ...真剣に物事を考えている人もいるわけですが、関節に力が入らなくなってきまし

たねえ...」

公共放送・NHKも、」青木が言った。「国会政治がぶんどってしまいました。国営放

にするつもりでしょうかねえ。それなら、“浄財”は拠出しなくていいわけです。膨大なイ

ンフラは、国民に返還するべきでしょう」

「そうしたら、」茜が言った。「“解体・再編成”ができますね...

  国民にとっても、民主主義にとっても、公共放送は必要ですわ。文化・教育面は、文部

科学省の管轄でもいいわけですわ...公共放送国民が、“浄財を拠出”し、国民の権

を守るために創出したものです。

  国民の側に偏っていていいのですわ。それが、反対に政治家経済人がかき回し

て、“運営委員会”“経営委員会”に変えてしまいました。今、医療福祉問題年金問

薬害問題等でも、国民の権利が極度に蹂躙されています。これは、国民の側に立つ

べきNHKが機能していないからですわ」

「相変わらず...」青木が言った。「茜さんは、NHKには厳しいですね」

〔国民主権発動の場〕を奪ったことは、モラルハザード社会原点ですわ!いい番組

を作るとかの問題ではありません!“浄財を拠出”して設立・運営しているという、本来の

役目放棄しているということが問題なのです!」

「そうですな...」大川が、片手を上げた。「ともかく、日本は、国民がおとなしいので、お

かしなことを色々やっています...

  かつて...“日本の英語教育”などもそうでした...ピントのズレた所で、我々は熾烈

な受験勉強をやらされたものです...ハハ...文部省も、なことをするものですな。3

年、6年と猛勉強させ、“誰ひとり話せない”という、“バカな英語教育”を、漫然と強いて

来たわけです...“おかしい!”と思わなかったことが、むしろ不思議です...

  グローバル化時代になり、ようやく、“これは変だ!”国民が言い出したわけです。

本の官僚優秀だと自画自賛していますが、こんな問題がゴロゴロありますなあ...

害問題や、年金問題を取り上げるまでもなくです。日本官僚組織は、国民を弾圧して、

楽しんでいるのでしょうかねえ、」

「その通りですわ!」茜が、ニッと笑った。「国民が、しっかりと覚醒していることが、何よ

りも必要な時代になりました!政治家官僚に、任せきりにはしないことですわ!あの

人たちは、何をやっているのかしら!」

「まあ、それは...」津田が、茜を抑えるように言った。「社会派・研員/菊地良治さ

にも参加してもらい、次の国民生活・・・政治/文化/社会の再構築でやって

もらいましょう」

「はい...」茜が、両手を握りしめた。

                      house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「さて...」大川が言った。「まとめになりますが...

  日本は、“独自の国際平和戦略”を展開して行くという事ことですな...軍事的な意

で言えば、そのための“専守防衛のアイテム”として、〔人間の巣〕があるという事で

す。これは“平和憲法”の下の、“絶対平和主義”と、非常によく合致した形態です...

  〔人間の巣〕は、“ミサイル防衛システム”よりも格段に安く...シンプルな構造です。

その上で、格段に高い防護能力を持ちます。しかも、特定のミサイルではなく、あらゆる

ものに対応する“万能型・防護力”です。あらゆる意味で、〔日本国民/世界市民〕

するものになるでしょう」

「はい!」茜が、コクリとうなづいた。

「やはり、」青木が、眼鏡に手をかけた。「〔人間の巣〕は...

  この閉塞時代の、〔全ての問題解決の方程式〕だという事ですか...道路特定財源

だけでなく、ミサイル防衛の財源も投入できるわけですねえ。まあ、日本の防衛産業/

軍需産業は困るでしょうが、時代の潮流ということでしょう」

「そうですね、」茜が言った。「それから...

  既存の社会インフラ整備の財源も、全て、〔人間の巣〕に投入できるはずですわ。

本版/ニューディール政策”が動き出せば、日本必ず再生するはずです。問題は、そ

れを推進する、政治力が存在しないということですわ。今の所は...

  ですから、そのスタートを、若者の行動力に期待したいと思います...」

若者が...」青木が言った。「次の時代/自らの時代を、どのように築いて行くかという

ことですねえ、」

「いずれ、若者の時代になって行くのですわ、」

「ええと...」大川が言った。「いいですか...

  ともかく、グローバル化した中の...“武装国家対立”世界構造ではなく...分散

の中での...“平和的・自給自足”世界構造を...何としても、構築して行かなけ

ればなりません...

  日本においても、徳川・幕藩体制においては、300諸藩がいずれも武士階級を持ち、

それぞれが軍事力を持っていました。それが、明治政府によって廃藩置県となり、全・武

装解除断行されたわけです。そして、日本は1つにまとまりました。一元的な、平和社

に移行できたわけです。

  今...世界レベルでも、“世界政府”により、全・武装解除断行されるべき時でしょ

う...その〔平和の配当〕で、“温暖化対策”を進展させ...〔極楽浄土/パラダイス〕

を実現することは、きわめて容易のように思いますな。進むべき道は、はっきりとしていま

す」

「はい!」茜が、明るくうなづいた。「そうですね...

  “世界軍縮”は、“地球温暖化対策”でも、莫大な効果があるはずですわ。そればかり

ではなく、〔平和の配当〕があるわけですね。今度こそは、東西冷戦構造の終焉時とは

異なり、〔莫大な平和の配当〕が予想されます...

  私たちは〔人間の巣〕に続いて...地球温暖化対策/文明の選択・・・第2弾>

として...《世界中の軍産複合体の昇華!》を提唱しています。これに、〔莫大な平和

の配当〕という、オマケがつくわけですわ。〔極楽浄土/パラダイス〕は、もう〔世界市

民〕足元まで来ているという事ですわ」

「うーむ...」津田が、顎にコブシを当てた。「あとは、〔世界市民〕が...その方向へ向

かって、“強く踏み出す”という事でしょう。ただし、のんびりとしている時間はありません

ねえ、」

「はい!」茜が、唇を引き結んだ。

 

  〔5〕 国民生活・・・政治/文化/社会の、再構築 

                

「ええ、青木昌一です。

  ご静聴ありがとうございました。2007年も年の瀬が迫って来ま

した。これよりは、 〔2008/年始・緊急提言〕 へ移行します。

  2008年は、いよいよ“行動の年”です。私たちも、頑張ります。

どうぞ、ご期待下さい...」