赤信号を見落として死亡事故を起こした場合の刑事責任

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2015.3.27mf更新

弁護士河原崎弘

質問:赤信号見落とし死亡事故

私の息子は、普通乗用車を運転し、夕方6時頃、道路幅約10m(車道)の道路を、時速約60kmで走行していました。ところが、赤信号を見落とし、青信号で横断歩道を横断中の歩行者に気付くのが遅れ、ブレーキを踏んだが間に合わず、道路中央付近で、衝突し、死亡させてしまいました。
息子は逮捕され、起訴後、200万円の保釈金で保釈されました。
どのような判決が予想されるでしょうか。
父親は、弁護士会で、有料(5250円)の法律相談を受けました。

回答

死亡という重大な結果が発生し、前方注視義務、信号見落としの過失が重なっています。被害者の遺族と示談が成立すれば、執行猶予が付く可能性はあります。示談が成立しなくても、任意保険の対人無制限保険であれば、示談成立の見込みがあるので、同じです。後で、示談が成立する蓋然性が高いからです。被害者から嘆願書を書いてもらえれば、ほぼ、確実に執行猶予が付きます。嘆願書とは、被疑者あるいは被告人の刑事処分を軽くしてくれと趣旨の文書です。
示談が成立していない場合は、2年6月程度の禁固の実刑も覚悟する必要があります。反省の程度、示談の努力の程度、示談の成立の見込み(任意保険の対人無制限保険)が重要な要素になるでしょう。
諦めずに、示談の努力、情状をよくする努力が必要です。

関連相談:死亡事故

私の息子も、時速50kmで走行中赤信号見落としで、15m手前で、青信号で歩道を渡っていた被害者に気が付き、はね、被害者は死亡しました。息子は逮捕されました。150万円の保釈金で釈放されましたが、裁判では、禁錮3年10月を求刑され、判決は、禁錮2年の実刑でした。 車は対人無制限の任意保険に加入していましたが、被害者は、日本で働いている中国人(26歳)であるため、保険会社は、3000万円の示談金を提示し、まだ、示談ができていません。
控訴し、再度、150万円で保釈されました。今後、どのようにしたら、よいですか。

回答

控訴してよいでしょう。しかし、最近は、交通犯罪に対して裁判所は厳しい態度です。保険会社に対し、早く示談するよう促し、示談金にプラスして賠償金を支払い、被害者から嘆願書をもらえるよう努力したら、いかがでしょう。
被害者は中国人でも、日本で働ける期間は日本人と同じレベルの補償をすべきです。保険会社は、自賠責保険の金額を提示しており、この提示はけんかを売っているようなものですね。最低でも、4000万円くらいの提案をするよう求めてください。
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