「MM−HPNR1」(2008/02/22)
{商品紹介}

        ノイズキャンセリングヘッドフォン
        「MM−HPNR1」

        サンワサプライ
        定価    ¥6825(税込み)
        売価    ¥3480(税・送料込み)

http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=MM-HPNR1

        ■形式:ダイナミック型(ステレオ)
        ■使用ユニット:口径30mm
        ■周波数特性:20〜17000Hz
        ■インピーダンス:32±10%Ω
        ■感度レベル:121dB±5dB(ON)、115dB±5dB(OFF)
        ■雑音制圧度:-15dB(MAX)
        ■電源:単4乾電池×1
        ■電池持続時間:連続再生約23時間(アルカリ乾電池使用時)
        ■プラグ:3.5mmステレオミニ(L型金メッキ)
        ■ケーブル長:約1.6m
        ■重量:約146g
        ■付属品:キャリングポーチ、航空機用アダプター、取扱説明書、保証書

周辺の騒音を逆位相の音を使って消してしまう機能が付いたヘッドフォンである。
同種の物としては、以前SONYのMDR-NC22を紹介している。
どう言うものであるかの説明は省略して、この製品の違いや感想を書いていこう。

NC22を持っているのになぜまた買ったかというと、
・耳に入れるタイプは取り外しが面倒
・もっと強力なノイズキャンセル能力のが欲しかった
ということである。言うまでもなく、会社のサル共対策のためである。

NC22とこれの一番大きな違いは、それがイヤホンみたいに耳に入れるタイプであったのに対し、
これは頭の上からかける、普通のヘッドフォンの形であるということにある。
耳に入れるタイプは取り外しがちょっと面倒で、無理に引き抜くと空気圧の関係で
耳に大きな音が入って鼓膜が痛くなる。
会社で使っているとどうしても時々外さなくてはならない時があり、
これが結構面倒に思えていたのである。

耳に入れるタイプはその構造上、物理的にも音の遮蔽性が高い。
耳に入れるだけで、周囲の音が聞こえにくくなるのだ。
しかし普通の、正確にはオープンエアー型というそもそも外に音を逃がすようになっている
タイプでは自ずとその能力は下がる。はっきり言えば、物理的遮蔽能力はかなり低い。
これでノイズキャンセルするには、ノイズキャンセル機能そのものが優秀でなくてはならない。

そういう観点でこの製品を聞いた時は、確かに良く出来ていると思う。
オープンエアーなのにNC22並のキャンセル力がある。
これは正直驚いた。付けただけの時には殆どキャンセルされてなかったから。
「周辺騒音を1/4にする」という謳い文句は嘘ではない。

がしかし、良いと思ったのはここまで。
結局この製品は10分も使わなかった。なぜかというと「兎にも角にも音が悪い」からである。

ドンシャリ、要するに低音と高音だけが強い音なのである。
私はこういう音が大嫌い。
残念ながら、最近の安い歌謡曲はこういう作りの物がある。
以前聞かせてもらったモーニング娘。などはまさにそうで、
おそらくは、出来の悪いラジカセで聞いた時にいい音に聞こえるように調整してあるのだろうと思う。
そういう機器では低音と高音が落ちがちなので、あえてそれを強くすると。
もしくは、今の若い連中の耳がこういう変な音に慣れているかだ。
ヘッドフォンステレオの性で。
とにかくこういう音では長時間聞けない。
少なくとも、うちの標準ヘッドフォンであるSENNHEISER HD580は
もちろん、NC22共あまりに違いすぎる。

音響機器には(他の製品もそうなんだけど)「エージング期間」というものが必要である。
特にスピーカーやヘッドフォンでは、最初は振動板の動きが悪いので、
大音量で長時間なら仕込むことで動きが良くなって、音質が良くなることがある。
ということで、MM-HPNR1も12時間以上鳴らしこんだ。
PCで最大音量でリピートさせながら音楽を鳴らしたのである。

が、結果は同じ。
全然改善されない。

正確に書くと、このヘッドフォンはノイズキャンセルOFFでも音が聞こえるようになっているのだが、
その状態での音はわりとましになった。少なくとも聞くに堪える。値段なりの音。
ところが、ONにするととたんにだめになる。ノイズキャンセル機能自体が音付けをしている証拠である。
この音は聞けない。

しかも、ONにすると盛大に大きなホワイトノイズが聞こえる。
NC22でも聞こえていたが、それよりずっと大きい。
NC22では音楽があればノイズは気にならなくなったが、こちらはそれでも気になる。

じゃあ、OFFで使えばいいかもしれないが、それでは買った意味がないし、
OFFではかなり音量が下がる。半分以下の音量に聞こえる。
音量を上げれば良さそうだが、ONとOFFで音量が違うというのは実利用上困る。
サルどもが居ない時などは電池を持たすためにOFFにしたいのに、
その都度音量調節が必要ではやってられないからだ。
NC22ではON/OFFで殆ど音量差はない。

ということで、結局利用することを断念して箱に戻したのであった。
いくら大値引きされているとはいえ、フィギアの1体も買えそうな値段を出してこれではあかん。

        お勧め度        35%

久々の金返せクラス。
メーカーのホームページにユーザーレポートがあったので、同じような内容を書いておいた。
削除されるかもしれないけど(2008/04/11確認の結果、掲載されてなかった)、
メーカーには猛省して欲しいからね。

見た目も値段なり(そう悪くはない)し、装着感もまあまあだし、ノイズキャンセルOFF時はましなのにもったいない。
音付けがないように調整して作り直せ。
そのときはモニターになってやるから送ってこい!・・・等と書いておく。
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