タイトル 桃太郎侍
放映年 1976〜81年
放映話数 全258話
高橋英樹の代表作。「ひと〜つ人世の生血を啜り、ふた〜つ不埒な悪行三昧、みっつ醜い浮世の鬼を、退治てくれよ桃太郎!」の決め台詞と、「ほ〜のぼ〜のと、ほのぼのと〜」という、実にほのぼのした(笑)三波春男の主題歌でお馴染の痛快娯楽時代劇

共演:野川由美子、山城新伍、西川峰子ほか

笑うとかわいい英樹さんだが、決めの時は顔中力が入っている。「ふんっ」という息遣いが聞こえてくる

 最近はバラエティに司会にと、ジャンルを越えて活躍中の高橋英樹さんだが、やはり時代劇である。すんごく体格がいい彼が、めちゃめちゃ力のはいった立ち回りをすると迫力満点である。おまけに顔が派手である。ものすごく派手な衣装にもちっとも負けていない。衣装もきんきら、お顔もぴかぴか、くどいくらいである
 玉川つばめ役の野川由美子さんとの掛け合いも楽しく(野川由美子さんは「長七郎江戸日記」にも両国の瓦版屋『夢楽堂』の女主人おれん役で御出演。桃さんといい、長さんといい派手な着物が似合う不幸な生い立ちの男(ついでに家柄もいい)に弱いのか?)つばめ太夫が死ぬところでは思わずほろりときた
 それにしても…旗本退屈男は旗本で屋敷があるからいいとしても、桃太郎も長七郎も居候である。立ち回りの時にゴージャスな衣装を身に纏っているが(それも毎回違ったりする)それはどこに仕舞ってあるのか?薄いぺらぺらな着物ではない。やたら、豪華で場所をとるような仕立てだ。と、子供心につまらぬことを考えながら毎週見ていた。
 薄絹を纏い、鼓の音とともに現われ、決め台詞を言いながら鬼の面を取る…昔、ほいちょいプロが本の中で「ひと〜つ人世の生血を啜り、ふた〜つ不埒な悪行三昧、みっつ醜い浮世の鬼…」という台詞の途中で桃太郎が斬られたら、斬られた桃太郎こそ、危ない変な奴だと書いていた。う〜ん、たしかに…いきなり人の家の庭先で、派手な着物で鬼の面をかぶり、うろうろしている…あ、怪しすぎるぞ、桃太郎