タイトル 雲霧仁左衛門
放映年 1995年
放映話数 全15話
山崎努主演バージョン。何故か、全15話のうち12話までしか地上波で放映されなかった幻の名作。時代劇専門チャンネルで、やっと日の目を見た

共演:石橋連司、池上季実子、中村敦夫、本田博太郎、西田健、丹波哲郎ほか

情に厚く、また切れ者でもある上司、山田藤兵衛。強面なのがまた頼もしい

 フジテレビが制作する時代劇は秀作が多いが、本作も大変によくできている。何と言っても配役が絶妙。主演の山崎努さんを筆頭に、小頭役の石橋連司さん、盗賊改の長官の中村敦夫さん。他にも本田博太郎さん、鷲生功さんなど個性派揃い
 中でも盗賊改の与力で、長官の右腕、山田藤兵衛を演じる西田健さん。なんでも、「キング・オブ・2サス(2時間サスペンス)」だそうだ(笑)時代劇でも、現代劇でもよくキレている、灰汁の強い役を演じては天下一品の俳優さんである。その西田さんが、部下思いの、熱い心をもった山田藤兵衛を、すごく素敵に演じている
 よく、悪役の方が、たとえば川合伸旺さん(ご存知、悪代官。我が家では川合さんのことを「御前様」と呼んでいた)とかが、いい人そうな役を演じていると、(いつ豹変するんだろう…)という妙なわくわく感があって、悪に転じれば(やっぱり!)と思うし、そのままいい人だったら(やられたな…)と思う。なんだか二度おいしい感じがする。原作を読んでなければ、西田さん演じる山田藤兵衛もそんな感じで見ていたかもしれない。目の上のシャドウが濃くって、声が渋くって、ちょっと強面なのだから
 4月は「雲霧仁左衛門祭り」で、他にも松方弘樹バージョンと萬屋錦之助バージョン(両作とも長編)も放送。原作を読んで、それぞれ見比べるのが楽しいのでおすすめだ
 ちなみに、西田健さん御本人はファンをたいせつにする、とってもナイスな方。もっと知りたい人はここへアクセスして下さい(ご本人も山田藤兵衛は大好きな役だそうです)