試合経過

    1R

 ゴングと同時に猪木はスライディングするようにしてキックを飛ばした。アリはこの奇襲攻撃をステップバックでかわす。もう1度、スライディングしてのキックを打つが空を切り、そのまま寝た態勢でアリの足を狙ってキックを打つという展開となる。2分55秒、猪木は寝たままの態勢から右のローキックをアリの左足にクリーンヒットさせた。猪木が立っていたのは僅か14秒だった。


    2R

 猪木はクラウチング・スタイルからローキックを打ち、寝たままの姿勢に。アリはその攻撃をステップバックでかわすという展開。2分15秒、猪木はスタンディングから飛び蹴りを放つが、かわされる。この攻撃は反則であり、レフェリーから注意を受ける猪木が立っていたのは67秒。双方とも有効打はなし。


    3R

 猪木は上半身を起こして座り込むようなポジションをとった。蹴ろうとしてやめるケースが目立った。1分過ぎ、猪木は再び、寝ころんだ態勢からキック。アリの左ヒザにかすり傷が浮かび上がった。猪木が立っていたのは38秒。


    4R

 猪木はスタンディングから倒れるような形でハイキックを放つ。そのまま寝た態勢からのローキックでアリをコーナーにつめることに成功。アリはトップロープにつかまり宙ぶらりんの状態になって足をバタつかせる。ここでレフェリーがブレークする。この攻防が2度あった。猪木が立っていたのは79秒。


    5R

 53秒、猪木がスライディングしてのローキックをクリーンヒットさせ、アリはヒザをつくようにしてダウン。その後も何度かローキックをヒットさせ、猪木優位の展開だった。猪木が立っていたのは75秒。


    6R

 1分2秒、猪木のローキックでアリがバランスを崩す。猪木は寝ころんだまま左足を引っかけるような形で飛ばす。その足をアリがキャッチ。そのままもつれて初めてグラウンドでの攻防に。猪木はアリの左足首を固めにいくが、アリは猪木をひっくり返そうと抵抗。無理と分かるとロープに逃げるそのとき猪木は右ヒジをアリの顔面に落とした。反射的に出た攻撃だったが、この反則にアリ陣営は騒然となる。猪木が立っていたのは65秒。ヒジ打ちで減点1を取られた。


    7R

 アリがこの試合初めて軽いシャブを見せる。猪木はスライディングしてのローキックでアリは尻もちをつくようにダウン。猪木は95秒と半分以上立っていた。


    8R

 ラウンド開始前、アリ陣営のアピールで、猪木はリングシューズの先端をテーピングする。あまり意味のないテーピングに思える。またも猪木はスライディングしてのキック。アリはそれをかわすという展開。猪木が立っていたのは76秒。ローブローを取られて減点1。


    9R

 33秒から1分36秒まで猪木は1分以上スタンディング・ポジションで戦った。右のローキックで3発の有効打があったと思われる。


   10R

 猪木のローキックによるダメージで、アリの左ヒザの周囲がやや紫色に変色し、腫れ出していた。アリは初めて左ジャブを猪木の左側頭部にヒットさせたが、ダメージを与えるようなパンチではなかった。猪木は初めてタックルを見せ、アリを大いに慌てさせた。猪木が立っていたのは73秒。


   11R

 猪木は再びスライディングキックの攻撃。アリはその足をつかんで引っ張るというしぐさを見せた。2分55秒、猪木がいつものように飛び込んでスライディングキックを出したとき、アリはカウンターの左ストレートを放ったが、猪木の顔面はとらえられず右肩にヒットした。猪木が立っていたのは89秒。


   12R

 防御の態勢になったアリに、猪木は容赦なくローキックを放ち、10発のクリーンヒットを奪う。猪木が立っていたのは、101秒。


   13R

 猪木は立ったままタックルを狙う作戦に出る。アリの左ジャブが猪木の顔面に初めてクリーンヒットした。猪木は急所蹴りの反則で減点1を取られた。


   14R

 猪木は2分43秒も立ったまま戦い、左ストレートも見せたが、両者とも手詰まりになったようで、ともに有効打はなかった。


   15R

 両者とも一定の距離を保ったまま思うように攻撃が出せない。猪木はローキック、アリはジャブを何度か放つが、決定打のないままゴング。猪木が立っていたのは126秒。