9月10日(木) 釧路川をカヌーで 前編

”どうも!どうも!”

 現われたカヌーの先生は、40才代くらいのおじさんの沼田さん。カヌーショップを経営し
普段は競技用カヌーを何十年と続けているとのこと。年式は違うけれど、愛車が同じサ
ーフがだったことからすぐに打ち解けてしまう。沼田さんの車の上にカナディアンカヌーが
乗せてある。私たちも乗せてもらい、糖路湖までGo!
カヌー絵
    さすが、地元民。吹っ飛ぶようなスピードで走っていた。後部座席の私たちは、右に左
に揺れながら風をビュンビュン受けながらこれからのカヌーの旅を楽しみにしていた。

 糖路湖から達古武沼まで約8キロの区間を、2時間ほどかけて釧路川を下る。糖路湖
にもキャンプ場がある。風が吹く度、くぬぎの木からどんぐりがころころ落ちてくる。しばし
3人で上を見つめる。。。ここは芝生の地面で、良い感覚で木が立っている。湖からの涼
しい風が通り抜け、ここのキャンプ場も良さそうだった。

 沼田さんは一人でカヌーをかついで車から降ろしてしまった。こつがあるのでしょうね。
3人で岸まで持っていったとき、あんなに重かったのに。前半分を湖に入れ、前はコウメ
イさん、私はまんなかでお茶係り(^^;後ろは沼田さんの順で乗り込む。

 今日は快晴で、寒くもなく暑くもなく、絶好の”カヌー日和”だった。湖の水面に、黒い水
草のようなものが浮いていた。近づいて観察。
”これ、菱(ひし)だよ。お寺の飾りの模様で使われているでしょ”

塘路湖写真

 う〜ん、確かにこの5角形はお寺でよく見る。睡蓮のように、茎を水中で伸ばし、水面に
5角形に分かれ葉と花を浮かせていた。よく見ると実が葉の上にのっている。とても不思
議な形で、いつまで眺めていても飽きない。。。角度によって牛の顔、天狗の顔にもみえ
る。沢山拾って家に持ち帰り、ニスを塗った。

 湖を抜け、釧路川に入る。1週間前の豪雨で、水位が2m近くも上がったという。半分下
がったが、まだ80cm高いという。両岸の草や木の幹を見ると、水に浸かっていたところ
が泥の色になっている。廻りは静かで、漕ぐときの水の音しか聞こえないが、夏のシーズ
ン中は銀座通りになってしまうらしい。

 途中、線路の小さな鉄橋をくぐる。この線路は、日本一遅い列車”ノロッコ号”が走ってい
る。ノロッコ号がカヌーを見つけると、ノロッコ号の方がその場で停車して、カヌーに向かっ
て乗客共々手を振ってくれるという。
”これがまた恥ずかしいんだよ〜”

カヌー写真1

 幸い?私たちは出会わなかった。この時期限定で、お座敷列車も用意しているらしいの
で、ノロッコ号で湿原を廻るのも楽しいかも。

 柳が水面近く斜めに生え出している。柳の木緑色の葉がさらさら揺れて涼しい。

”これこれ〜”
沼田さんが、柳にはえている黄色がかったきのこを指差した。ヤナギタケと言われていて
エリンギを歯応えよくしたもののようなきのこでおいしいそうだ。カヌーを近づけ、収穫す
る。どうして食べるのか聞いて見ると
”分からん。”

柳茸写真

 ええっ??今夜のスパゲティにでも入れて見ようかな?それにしてもテキトーなガイドさ
んだなぁ。。。と笑ってしまった。本人もテキトーです。なんて自称していましたけれど。毎日
このような環境で生活しているけれど、花の名前、木の名前は覚えようとしていないそうだ。
名前は他人に伝えるためものだから、それをみて”きれいだなー”と思っているだけで私は
充分だと言っていた。確かに。。。

 ヘアピンカーブにさしかかると、釧路本線の線路のすぐ脇にでる。ちょうど1両編成の電
車が走ってきた。運転手が私たちを見つけてお愛想に汽笛を鳴らしてくれた。この辺で約
1時間。前のコウメイさんは結構汗をかいている。前後ろが漕いでいる真ん中で、私は優
雅にビデオ片手にカヌーからの眺めを楽しんでいた。

電車写真
 
 

indexhomebacknext