今夜はどこに泊まろうか、決まっていない。オホーツク海に面したキャンプ場がポツリ
とあった。多分斜里町峰浜キャンプ場だと思うのだが。。。シーズンオフの平日とあっ
て、一人もいない。日もとっぷり暮れていたので管理人さんもいない。海からの風をヒ
ューヒュー受けながら、ここで夕食だけ済ませることにした。夕食を作っていたら、おじ
さんが一人出てきた。奥にテントを張っていたらしい。この方は茨城から来たらしい。
”茨城付近では、豪雨の影響で全然魚が釣れないから、とうとうここまで来てしまった。”
と、あっけらかんと言われ、ぎょっとする。そのうちに、地元おじさんが管理人代理で見
回りにきた。夕食だけと話し、入場料300円だけ払う。
”これから知床横断道路を通って今夜中に羅臼まで向かう。”
と話したら、
”ここで泊まってけ、これから行くなんて無茶だ！クマがでるぞ〜。”
と、引き留められた。数日前、走っていた車が、クマに潰されてしまったらしい。こんな
話しを聞かされて、私はさらに不安になる。やめようよ〜。結局、コウメイさんに
”大丈夫だ。ゆっくり行けば”
と押し切られてしまった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　茨城のおじさんが、持っていたカラフトマスを分けてくれた。こんなに大きいんだ。明
日は自分たちも釣るぞ〜！と、やる気が倍増（＾＾；この日は、野菜炒めと焼きマス、ご
飯で済ます。手早く片付け、19時過ぎキャンプ場を後にした。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　海岸沿いに334号線を進む。途中、オシンコシン滝を通り過ぎたが、暗くて何も分か
らない。走る車もほとんどない。私は助手席で、頭をクマでいっぱいにしておびえてい
た。家の明りが遠くに見えて、少しほっとする。ウトロ温泉の集落だった。昼間なら、な
ーんてことない静かなところなのでしょうけれど、真っ暗で初めての道だからこわくて
仕方がなかった（あらっ。私だけ？）

　いよいよ、知床横断道路に入る。広くて、きれいな舗装道路だったので良かった。良
かった。ほそーい、がたがた＆くねくね道を想像していたので。。。ヘッドライトをハイビ
ームにし、ゆっくり進む。動物を驚かせないように。カーブ脇の草むらで鹿とご対面。ト
ンッ、トンッ、トンッと軽やかに森に入っていった。鹿とはこの道では３回会うことが出来
た。最後は立派な角をもった雄鹿と出会って感激。熊には出会わず、無事羅臼温泉ま
で下りた。今夜はここの駐車場で泊まることにした。

　14時間かかったロングラン、車も疲れたことでしょうね。お疲れさま！シュラフに入っ
た途端、２人とも眠りに落ちてしまった。