DVDレコーダで誤消去した内容を復活することに成功するまでの経過
- <恐怖の「全消去」>
帰宅したばかりの疲れた頭で、某DVDレコーダに予約録画済みのDVD-Rを「ファイナライズ」しようとして、誤って「全消去」を選んでしまい、確認画面でも指の記憶で即、左カーソル移動し「はい」を選んでしまったが時既に遅し。(笑うことなかれ、頭がぼけていると、指が滑ってしまうことはあり得ないことではない。「ファイナライズ」のすぐ下にある「全消去」を選んでも、画面の説明文以外に全く変わるところが無いというこの操作設計は改善すべきでは?パイオニア機は初代モデルから、再度「本当にいいですか?」ときいてくる。このようなフェイルセーフ設計は必須。画面の色も、背景を赤色にするなど一工夫あってもいいはず。)
- さて、「消去しています...」の画面を見た瞬間、頭が「!!!」になったまま固まるほか無い状況。しかし、消去しても、目次にあたるデータを消去しただけでデータ自体が消えた訳ではないことはわかっているから、パソコンで何とかしよう、とすぐに思い立ち、それにはファイナライズがまず必要、と考えたが、「ファイナライズ」はもう選択できなくなっている。(DVD-Videoは、最低容量に満たないと規格外になるためと思われる。すでにディスク容量に対し目一杯録画していたので、新たに録画して対処する訳にもいかない。)
- さあ大変だ、通常では認識さえできないボリュームを、ファイル復活の対象にできるツールはあるのか?と、本気のネット検索が始まった。
- <復活用ソフトウエア検索>
たいていのファイル復活ソフトは、ハードディスクやメモリーカード等を対象とし、読めないといっても、何らかの階層型の、コンピュータ用のファイルシステムで記録された媒体を対象としている。CDやDVDを扱えるものもいくつか存在するが、結局、DVDのUDFに対応するばかりでなく、通常ではマウントさえできない状態のものでも読める唯一に近いものと思われる、強力なソフトウエアが、Windowsで走る「IsoBuster」。Google等で「UDF Viewer Mac rescue」といったキーワードで探すと、トップに推薦文がたくさん出てくる。
当方、Macユーザのため、VirtualPC(for Mac 7.0.1。Ver.4時代からのアップグレードのため、非サポートながら引き続きWindows98SEのディスクイメージ上で走らせる。)を介して使用。
- <IsoBuster>
このソフトは、とにかくドライブにディスクが存在すれば、アイコンが表示され、基本的にアイコン上右クリック(Macからはctrl+クリック)でコンテクストメニューからの機能選択の形で操作する。ファイル構造にかかわらずとにかくセクタデータを全部もしくはセクタ範囲指定で抽出できるというソフト。Ver.2でBD、HD DVDにも対応した。
「Find missing UDF Files and Folders」でスキャンしたり、「Sector View」で直接セクタ内のデータを目で見られる。このSector Viewを見るとわかるのだが、Extract Session 1(あるいはTrack 01からExtract Track 01)でデータ吸い上げを行うたびに、抽出するデータの頭の開始位置が変わっているようで、ある場合には、いかにもデータ始まりですという雰囲気で、DVDレコーダの機種名などが見られるときもあった。しかし大概は、正しい先頭位置を見誤っていると思われるランダムな列となる。
- なぜ何度も抽出を試すかというと、1度ではなかなかうまくいかないから。当方、Windows98のボリュームはわずか1GBのため、データの保管場所を別に作る必要があり、DVD2枚分ほどのディスクイメージを、OSX付属の「ディスクユーティリティ」でMS-DOSフォーマットで作成したものを共有させてここに書き出したが、それを別の場所にFinderでコピーしようとしても数分間かかるので、初期に上記の一旦うまくできたと思われるものもバックアップせず消去してしまったこともあり、数十回のトライアルを強いられた。
- (この段落のみ処理中に書いた原稿) 上記Extractメニューで吸い出されたファイルは、拡張子が「.tao」(track at onceの略らしい)。映像ファイルの処理に慣れた”通”の人なら、すぐ理解して、何でも無く処理できるのでしょうが、僕には単に、中身はMPEG2のmuxed(=multiplexed:スムーズな再生のために映像と音声のデータを細切れに混在して1つのファイルにされた)fileであるということしか知らず、QuickTimePlayerや各種ムービー関係ソフトいずれでも開けず。Roxio社の「Toast」(メーカーのページ/Amazon商品ページ
)のビデオのタブにドラッグ&ドロップしてみたら、認識してくれた。サムネイルも表示され、つまみをドラッグして中身を行き来できる。しかし「編集...」ボタンを押しても、何か小さなファイルを保存させるだけで、何もできない。とりあえずそのまま変換しようとして、ディスクイメージ書き出しを始めても、準備中の段階でエラーで落ちる。DV形式書き出しを試すと、少しずつ進行バーが動く。しかし終了後開いてみると、数秒ずつ繰り返しの画面と、ノイズばかりの音声。 - (補足2005.11.5)Mac用でも、Data Rescue(メーカーのページ/Amazon商品ページ
)や、File Salvage(メーカーのページ/Amazon商品ページ
)などがあるようです。File Salvageは対応するファイル形式のみ復旧をサポート(上記taoファイルは含まれず、本件目的には不適)、Data Rescue
はファイル階層も復元とのこと。ただし既述のようにDVD-Videoでも可能かどうかは不明。 - <データ変換ソフトウエアの探索>
ここで、再び、ムービーの形式変換のソフトの探索に入り、「MPEG Streamclip」というすばらしいツールを見つけた。(もとはMacOS X用だったがWindows用も登場)ソフト内で再生するには、MPEG-2再生コンポーネント(AppleStoreの検索窓でMPEG-2再生と入れる)を利用する。(今回の作業には、画面が見えないとやりようがないので、必須。) - このMPEG Streamclipを試していてわかったことは、上記のToast
にドロップしたとき、サムネイル画面が欠け無く表示され、画面をクリックして出てくるスクロールつまみをつまんでスクロールができる、という状態であって初めて、正常に処理可能ということ。(上記の、初期の成功ファイルを保存していれば・・と悔やまれた。)
- そうやってなんとか使えそうな形で吸い出したtaoファイルを開こうとすると、Warning: the stream may have timecode breaks.という警告が出るのは当然なので気にせずOKを押して継続、「Fix Timecode Breaks...」を行うと、修復される。(ここでも、不適切なファイルだと引っかかる場合があるかもしれない。)
- あとは、必要部分を選択して保存、Toast
等を使ってDVDに焼き付けて完了。(このMPEG Streamclipをビューアとして使ってもいいかとも思う。通常muxed fileは、QuickTimePlayer等では音声が出ないところ、このソフトウエアでは出る!ので。)
- なお、今回はDVD-Rだったが、DVD-RWのVRモード等、消去動作を行って上書きをした場合には実際の物理的記録順が再生の順序と異なってくる形式では、取り出し後の組み立てが大変と思われる。
- 何故これだけの情熱を持って食い下がって救出を図ったかというと、失った主要な番組が、ハロモニのモー娘。新メンバー決定でつんく♂が自宅へ最終審査に、の回だったから。
ほかに、放送大学特別講義で、「秀吉が見た能」と題し、江戸以前の能楽を復元した経過を紹介した番組等もありましたが。
このページへは、DVDデータ復活に関する検索で来られた方がほとんどと思いますが、下記Blog(メディアチェック)でもメディア(記録メディアと放送・通信メディアの双方)に関してのコメントをしております。(お役に立つかわかりませんが、感想文と、メディア業界の方々への主張を主にしております。)
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