青春13階段

         「その時、Y氏は・・・」(その13)最終回

 私と、Y氏の付き合いは長いものです。よく有楽町のK喫茶店や、ガード下のヤキトリ
屋さんで彼の子供のころの話を聞かされたものでした。
最近は特に過ぎ去った思い出をたどっているようです。「今や将来に思いはないのか?」
と聞くと「それにも格別な思いがある。」とのことですが、将来の話になると若干肩が落
ちるのが気掛かりであります。・・・・
そんな、彼の思い出話の中で印象に残ったところを照会していきます。
「暇な人は気休めに読んで下さい。・・・・・」

 しばらくY氏と会わないでいたら、7月となりました。
有楽町のガード下「京華園」でふたりそろって一杯飲むのも暑いなあという感じで、あま
りY氏の話も頭に残らないようになりました。
 だんだんY氏は昔の話をしなくなりました。
もうおもしろい話はあまりないということです。
 前回に引き続きでた話は・・・
(1)中学時代のブラスバンドの話。
   楽器が揃ってなくて1年生のときは楽器が与えられず、譜面台のセットなど先輩の
  世話をした話。今では考えられませんね・・・
(2)ダンスパーテーの話
   青年会のダンスパーテーで初めてダンスをした。パートナーを選ぶときの微妙な男
  ごころの話。
   そして、ダンスして本能的に興奮したおんな(二人)のタイプについて・・・
  (これは、もうすこし詳しく書けばおもしろかったな・・・)
(3)詩との出会いとメンバーの自殺
   Y氏はG県の生まれで、萩原朔太郎など詩人が多くでていたこと。。また、詩をや
  る友人、I氏との出会いがあったこと。
   I氏と新宿の「詩学の会」に参加して自分の無力なことを感じたこと。メンバーの
  少女が詩集を残して自殺したことなど。。
(4)自転車からオートバイの話。
   子供用の自転車を買ってもらえなかったので、親父の自転車で練習して乗れるよう
  になったこと・・オートバイ(50CC)の中古を乗り回して生活圏がぐーと広がっ
  たことなど・・・・

 などでありました。

 これで、このシリーズはおしまいとしたいと思います。
話のネタが乏しくなってきたこと。。また、Y氏が6日からS県K市へ転勤して、例の
ガード下でそう頻繁に会えなくなるためであります。

 Y氏と会ったのは2年3か月まえ、桜の季節でありました。そのときY氏はS県U市か
転勤してきたばかりでありました。Y氏はそのS県へ再びもどるのであります。
 Y氏はこの2年間で傷んだ翼を癒し・・また、戦地へ向け発艦していきます。

  4日の晩にいつものところでやきとりをつまみに送別会となります。
  Y氏の今後のますますのご健勝を望んでやみません。
  その時、Y氏は。・・・そして今、Y氏は。・・・・・


    (おしまい。)

                    DE 7L3・・・(浦和市)

P.S   昔を思い出し昔をなつかしむのはおじさんになった証であるといわれます。
     しかし・・たまには振り返って今の自分の成長過程を再評価することが今後の
     ためにも必要ではないかと思います。
      自分がどんな関わりで生まれてきたのか・・親や友人などから何を感じ学ん
     できたのか・・
      そして・・自分の今の性格、能力がどのように形成されてきたのか・・・
     大切なものは・・なんなのか・・・

     長いあいだありがとうごさいました。


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