青春13階段

             「その時、Y氏は・・・」(その7)

 私と、Y氏の付き合いは長いものです。よく有楽町のK喫茶店や、ガード下のヤキトリ屋
さんで彼の子供のころの話を聞かされたものでした。
最近は特に過ぎ去った思い出をたどっているようです。「今や将来に思いはないのか。」と
聞くと「それにも格別な思いがある。」とのことですが、将来の話になると若干肩が落ちる
のが気掛かりであります。・・・・そんな、彼の思い出話の中で印象に残ったところを照会
していきます。
「暇な人は気休めに読んで下さい。・・・・・」

 「春なのにお別れですか。♪−−」ZOWのメンバーさんも卒業、入社と新たな人生をス
タートされたなどの方が多いんではないかと思います。
 (ここ当面、景気がよくないので卒業される方は受難な世代になりそうですね)
 Y氏の学校の話の中でおもしろいものがありましたので、いつもは会話形式でまとめてい
ましたが、Y氏になり変わって以下まとめてみました。
 (それは、ナーンとトイレにまつわる話であります。)

 小学生のころ、学校で「うん」がしたくなると、休み時間にトイレに恥ずかしくていけな
かったんです。休み時間は、トイレが男女で分かれていなくて、女の子も男の子もトイレし
ているものがたくさんいた。もちろん「オシッコ」はぜんぜん普通の欲求ですから、恥ずか
しい気はおきないのですが、みんなの目のまえで、女の子が入る方のトイレに入る勇気が湧
きませんでした。
 だから、休み時間に「うん」をするときは、ドキドキ。誰もいない時を見計らってサーッ
と女の子の方へ入る。誰かいた場合は、オシッコだけで我慢。そして授業時間中我慢できな
くなったら、先生に「おなかが痛い」と言って、急いでトイレまで駆け足、女の子用に入っ
て・・・ドーン・・・・・。いやはや、大変でした。(みなさんは、そんな経験はありませ
んか。・・・Y氏のように気の弱い人はいないでしょうね。)

 ところで、学校の裏は麦畑があって、その土手は、生徒たちが蛙を解剖した後、蛙の遺骸
を埋める恰好の墓場となりました。僕のクラスは竹組でしたが、桃組には威勢のいい悪餓鬼
のS君がおりまして、同学年では、今でいう番長格で、喧嘩が朝飯まえ、まわりから恐れら
れていました。ある日、僕は一人で蛙の墓を見に行きました。そうしたら、麦畑の麦が風も
ないのに揺れていたので、そちらを見ると、ナーンと番長格のS君が「うん」をしていたの
です。あとから、意地悪されるといけないので、気がつかない振りをしてその場を離れまし
たが、あんなに強い男でも女の子のトイレに入るのが恥ずかしいいのか、自分とそう変わら
ないんだなとおかしさが込み上げてきました。
 それから、何十年もたち、世の中で威張りくさる奴を何人もみてまいりましたが、そのつ
どこの思い出が頭に浮かび、おかしさとともに相手に対して軽い軽蔑の気持ちが込み上げて
くるのでした。

 中学時代にはブラスバンドに入っていましたが、音楽室のとなりに小部屋があって、ある
日、ナーンと「うん」がしてあったのです。そういえば、中学の時もトイレは男女別ではな
かった。(高校時代は男子校でいままで述べたような経験はなかった。)
 今の小学校はどうなっているのだろうか、男子と女子で分かれているのでしょうか。??
?・・・(知りたいね。)
 分かれてないとすると、女の子は二刀流であるからして問題ないが、男の子は欲求により
分かれるであり、「うん」をする時の恥ずかしさ(プライバシー保護?)は小学生において
もあるのであるから、なんとか気を使わないで安心してできる環境を作る必要があるんでは
ないか。

 Y氏の話を聴きながら、私も同感だナーと思うとともに、10年まえXと外国へ旅行した
ときのトイレのことを思い出しました。なんと「うん」のほうにドアがなくて、お尻から上
がまる見えになってしまうのです。旅行中、途中で「うん」をもよおすことがなかったので
良かったのですが、Xはそれから海外旅行は行きたくないといっています。女性の方もそう
であったのかわかりませんが。国により「うん」に対する意識もそうとう違うのだなアとつ
くづく思い知らされました。
 また、Y氏のおやじさんの戦争中の話ですが、南方で輸送船に乗っていた父は、「うん」
をするときは、同僚と一緒に船縁からお尻を出してやっていたそうです。これはとても気持
ちがいいんでしょうね。(女の子はいませんしネー。)

(今日はちょっと汚い話になりました。)

       (次回へつづく)
                        DE 7L3・・・(浦和市)
 

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