QUIET SUN
Phil Manzanera

 ご存知ロキシー・ミュージックのギタリスト、フィル・マンザネラですが、彼は71年にロキシーに参加する以前に学生バンドを発展させた形でクワイエット・サンというバンドを組んでいました。そのクワイエット・サンこそカンタベリー・シーンを知る上で欠かせないバンドで、彼らはソフトマシーンから多大な影響をうけツアーにも同行していたそうですが、チャンスに恵まれずデモ・テープを録音しただけで解散してしまったのです。しかしフィル・マンザネラがロキシー在籍中の74年にソロ・アルバム「Daimond Head」を録音するかたわら昔の仲間を集めてもう1枚作ってしまったのがクワイエット・サンの「Mainstream」なのです。メンバーにはマッチング・モールに参加していたビル・マコーミックにチャールズ・ヘイワードとデイヴ・ジャレットという強力なもので、マンザネラのこのグループへの熱い思いが感じられる。
 その後のフィル・マンザネラは83年に解散するロキシー・ミュージックのギタリストして活躍しながらも、ソロ名義と801名義で数枚のアルバムを発表。ロキシー解散後は、アンディ・マッケイらとエクスプローラーズを結成するも1年で解散。その後、ジョン・ウェットンとウェットン/マンザネラなるユニットを結成し2枚のアルバムを発表。その後またマッケイと組んでマンザネラ&マッケイ名義でアルバムを2枚発表。90年代に入ると、彼のルーツ(51年コロンビアでラテン系の父と南アフリカ出身の母の間に生まれその後キューバへ移り住んでいる)ともいえるキューバ、ラテン系のサウンドを追求するようになり、最近ではラテン系アーティストのプロデュース業も盛んに行っている。そんな中、99年に自己のルーツ見つめ直したかのようなソロ・アルバム「Vozero」、01年「801 latino」を発表し、同年ロキシー・ミュージックの再結成ツアーに参加する。そして04年「6pm」05年「50 minutes later」と最近の活発な活動にも目が離せない。

QUIET SUN「MAINSTREAM」

今となっては幻のバンド。チャールズ・ヘイワードの叩き出すリズムが刺激的で、ライヴ感覚溢れるジャズ・ロック的なサウンドは当時としてはかなりアヴァンギャルドなものだったと思われるカッコイイ・サウンドです。ロキシーのイーノも参加。
[1975 E.G. Records]

Phil Manzanera「Daimond Head」

1曲目「Frontera」でロバート・ワイアットの歌が聴け、2曲目のタイトル曲は名曲だしQUIET SUNから801への橋渡し的な内容ですが、ポップかつプログレッシブ内容が素晴らしい傑作です。

[1975 E.G. Records]

801「801 Live」

ビートルズやキンクスの曲もカバーするなどビート感を重視しつつもひねったアレンジでオリジナリティ溢れるロックを披露している。特に初期イーノの曲が楽しめるのが貴重。

[1976 E.G. Records]

Phil Manzanera/801「Listen Now」

801名義としては唯一のスタジオ録音。ゴドレー&クレームが参加しているせいか凝った内容のわりにはライヴよりもゆったりとした感じで非常に耳障り良いポップな仕上がり。

[1977 E.G. Records]

Phil Manzanera「K-Scope」

ソロ名義としては2枚目、ライヴの定番「Remote Control」収録。ポップなナンバーとプログレ的なインスト曲等々バラエティ豊かな内容。

[1978 E.G. /Expression Records]

Phil Manzanera「Primitive Guiters」

まさにギタリスト、フィル・マンザネラのとしてのソロ・アルバムって感じ。全てを彼一人で作り上げた楽曲は、彼ならではの幅広い音楽性を覗かせる個性的な作品集に仕上がっている。(最後の1曲のみジョン・ウェットン参加)
[1982 E.G. /Expression Records]

Manzanera Mackay「Manzanera Mackay」

83年の「マンザネラ&マッケイ」とヴォーカルのJ.Wraithを加えた「The Explorers」のアルバムに12''シングル等を加えたコンプリート2枚組CD。

[2001 Expression Records]

Wetton Manzanera「Wetton Manzanera」

ウェットンらしいポップなアルバムです。マンザネラの出しゃばりすぎずにどこでも裏方に徹するような職人的ギターが素晴らしいです。

[1986 GEFFEN Records]

Phil Manzanera「Southern Cross」

彼のルーツであるキューバ、ラテン感覚を全面的に押し出したとてもポップでダンサブルなアルバム。スプリット・エンドのティム・フィンが多くの曲で共作しボーカルでも参加している。「ガンタラメラ」がヒット!
[1990 Expression Records]

Phil Manzanera「VOZERO」

「Daimond Head」から25年、自分自身を見つめ直したかのような内容で、全曲でマンザネラ自身がヴォーカルをとり、コーラス・ワークが凝っている。久しぶりにワイアットが全面的に参加しています。
[1999 Expression Records]

801 Latino「801 latino」

801が何を意味するのか解りません(やおいじゃないよね)が、昔の801とは関係ないみたいです。ここではキューバのフォークソング等をキューバ、ラテン系ミュージシャン達と演奏しています。マンザネラのギターがとてもカッコイイです。
[2001 Expression Records]

Phil Manzanera「RARE ONE」

マンザネラのアーカイブ・シリーズの1枚。ここには、クワイエット・サンと801のデモや未発表セッションばかりを収録。他にも801の未発表ライヴを収めた「801 LIVE@HULL」が出ています。
[2000 Expression Records]

Phil Manzanera「6pm」

2001年にはロキシー・ミュージックが再結成され、原点回帰か「Daimond Head」の頃のサウンドも感じさせ、ほどよいラテンフレーバーも快感。D.ギルモア、C.ハインド、B.マコーミック、R.ワイアット参加。
[2004 Expression Records Ltd.]

Phil Manzanera「50 minutes later」

前作の延長線上あるサウンド。ラテン的情熱と程良いけだるさに過激なアレンジと最近の活発な活動を反映される超力作!ボーナス・トラックのイーノトニックがメチャクチャカッコイイ!!
[2005 Expression Records Ltd.]

Phil Manzanera「FIREBIRD ・」

ギブソンが持ってきた企画らしいが、どんな形であれチャールズ・ヘイワードを加えた、クワイエット・サンの再演のような演奏が聴けるのが嬉しい。演奏には参加していないが1曲B.マコーミックの曲もあり。
[2008 Expression Records Ltd.]

[ Charles Hayward / Robert Wyatt ]