THIS HEAT
Charles Hayward

 フィル・マンザネラのカンタベリー派を中心とした伝説的グループ、クワイエット・サンにドラマーとして加わっていたチャールズ・ヘイワードは、クワイエット・サン解散後の1973年に兄チャールズ・バレンと即興実験音楽をするためにドルフィン・ロジックなるプロジェクトを結成し日々実験に勤しむ。75年にガレス・ウィリアムスが加わり、翌76年にはディス・ヒートと改名し徐々にライヴなどもこなし、80年に最初のアルバムを発表。その内容は最初に即興演奏を録音し分析、新たに再構築しさらに即興を加えていくといった実験的手法で作られその圧倒的パワー溢れる音は当時のあらゆるロックより衝撃的かつ斬新でした。同じ年12''single「Health & Efficiency」を出し、翌81年には2nd「DECEIT」を発表するも、ガレス・ウィリアムスが脱退したため新たにトレヴァー・ゴロンウィーらをメンバーを加え82年にはツアーもこなすが、その後解散。
 ヘイワードはゴロンウィーらと新たにバンド「キャンバーウェル・ナウ」を結成し、ディス・ヒートの音楽を踏襲しつつも新たなサウンドを目指し83年12''single「Meridian」出し、86年にはアルバム「The Ghost Trade」を発表する。その傍らヘイワードはいくつかのプロジェクトにも参加、まず総勢10人編成の室内合奏団「REGULAR MUSIC」やETRON-FOU LELOUBLANのジグー・シュヌヴィエらと「LES BATTERIES」など。そんな中、キャンバーウェル・ナウは87年に12''single「Greenfingers」を出すもバンドは解体してしまい、ヘイワードはこの後からソロとして活動していくことになる。
 早々の87年キャンバーウェル・ナウの延長線上かつ今までの集大成的ソロアルバム「Survive the gesture」を発表。さらに数多くのセッションにも参加しながら、90年2枚目のソロ「A Tribute To Mark Rothko」91年緊急発売された3枚目でライヴ盤「Switch On War」を、93年ニック・ドイン・ディトマスとの共同名義で「My Secret Alphabet」とコンスタントにソロ・アルバムを発表していき、96年にはついに来日を果たし、その驚異的なソロ・パフォーマンスで会場を沸かせ、その模様は現在3枚のCDで十分堪能することが出来ます。98年にはフレッド・フリスらのマサカーのレコーディングに参加したり精力的な活動を続け、99年、03年と3度の来日を果たしている。

THIS HEAT「THIS HEAT」

衝撃的ディス・ヒートのデビュー・アルバム。当時流行のパンクなど足元にも及ばないパワー溢れる真のアヴァンギャルド・ロックの傑作。レコードはエンドレスだった。

[1980 These Records 1991]

THIS HEAT「DECEIT」

かなり作りこまれた感のあるディス・ヒートの2作目。
これまた凄くかっこいいです。偽りなし

[1981 These Records 1991]

THIS HEAT「REPEAT」

解散11年後に発表。20分にも増殖された「24 Track Loop」と未発表曲「Metal」を収録。
CDにはさらに12''single「Health & Efficiency」 から1曲。

[1993 These Records 1998]

CAMBERWELL NOW「ALL'S WELL」

THIS HEATをさらに進化させたCAMBERWELL NOW。
アルバム「The Ghost Trade」と2枚の12''single全てを収録したとてもお買い得なCD。ポップな一面ものぞかせる。

[1992 RecRec Music]

Charles Hayward「Survive the gesture」

初のソロ・アルバムはディス・ヒートからの延長にあり集大成的な作品集でヘイワードの唄が力強く響きます。

[1987 sub rosa Records1994]

Charles Hayward「A TRIBUTE TO MARK ROTHKO」

これは凄いです。ソロ2作目にして行き着くとこまで行っちゃった感のあるアルバム。しかしストリート的なノリもあって決して実験臭さはなく純粋に圧倒されます。

[1989 sub rosa Records1994]

Charles Hayward「SWITCH ON WAR」

ソロ3作目は湾岸戦争に触発されて行われたライブ。ヘイワード流のアナーキーで過激な演奏を収録した問題作。

[1991 sub rosa Records 1994]

Charles Hayward Nick Doyne-Ditmas
「My Secret Alphabet」

1stソロの頃から2人の共同制作作業は始まり、その成果が結実した本作はポップとアバンギャルドが共存し、メロディー・メイカーぶりも明らかになった傑作。
[1993 sub rosa Records 1994]

Charles Hayward「ESCAPE FROM EUROPE」
Live in Japan Volume One

96年の初来日公演から新旧とりまぜた選曲でのソロ・パフォーマンスを収録。驚異的迫力と興奮がそのまま伝わってくる様なすばらしいライヴ・アルバム。
[1997 Locus Solus]

Charles Hayward「Double Agent(s)」
Live in Japan Volume Two

ライヴ・イン・ジャパン第2集は日替わりで行われた吉田達也、大友良英、灰野敬二、ペーター・ブロッツマンとの熱きセッションを収録

[1998 Locus Solus]

Charles Hayward「near+far」
Live in Japan Volume Three

ライヴ・イン・ジャパン完結編の第3集はソロやセッションにリミックスやオーヴァー・ダブした新曲などなど盛り沢山な内容

[1999 Locus Solus]

Charles Hayward
「ABRACADABRA INFORMATION」

相変わらずのドラミングとボーカルのパワーに圧倒される久々のスタジオ・アルバム。長年のライブ成果の集大成的な内容でよりよい緊張感を保っている。
[2002 Locus Solus]

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