MATCHING MOLE
Robert Wyatt

 ソフト・マシーン脱退後の1971年にワイアットが結成したバンドがマッチング・モール(Soft Machine のフランス語の発音を英語に置き換えたものらしい)です。メンバーに元CARAVANのデイヴ・シンクレア(key)、QUIET SUNのビル・マコーミック(b)、DELIVERYのフィル・ミラー(g)そしてゲストにオーストラリア出身のデイヴ・マックレエ(key)(セカンドではデイヴ・シンクレアが抜けデイヴ・マックレエがメンバーになってます)と錚々たるメンバーで、ワイアットは初期のSoft Machine が持っていたウイットに富んだダダイズム的POPを演ろうとしたようですが成功したとはちょっと思えません? マッチング・モールは2枚のアルバムを出し一時休業した後、新生マッチング・モールを編成し3枚目の録音のためリハーサルをしようとした矢先の73年6月にワイアットは、パーティの席上で酒によって5階の窓から転落し背骨を折り下半身不随となってしまいドラマーとしての道は絶たれる。しかし半年の闘病生活の後、周囲のミュージシャンの後押しもあり、彼の個性豊かな声を生かしたシンガー・ソング・ライターとして奇跡の復活をとげ翌74年には2作目のソロ「Rock Bottom」75年に「Rush Is Stranger Than Richard」を発表。その後もマイペースにアルバムを発表しながらも多岐に渡り活躍しています。97年に久々の新作「Shleep」、2003年には「Cuckooland」というすばらしいアルバムを出し、まだまだ元気なところをみせてくれました。最後に、願わくばぜひ一度日本に来てほしいものです。

MATCHING MOLE「MATCHING MOLE」

マッチング・モールのデビュー作!
ほのぼのとした名曲「O Caroline」から超絶ジャズロックまで幅広い楽曲が収録されてた。
[1972 epic/Sony]

MATCHING MOLE「Little Red Record」

ロバート・フィリップがプロデュースの2nd 。ジャズ色を強めた実験的な作品ですが、後々のカンタベリー・シーンに影響を非常に強く与えたと思われる。
[1973 epic/Sony]

MATCHING MOLE「smoke signals」

ほぼ1年程で活動を終えたマッチング・モールの貴重な発掘音源集。データは解らないが、2ndからの曲が多くアレンジが随分変わっていて比較的コンパクトにまとめられている。
[2001 Cuneiform Records]

MATCHING MOLE「march」

発掘音源の第2弾は72年3月のヨーロッパ公演から。ファースト・アルバム発売直前だがすでにキーボードがD・シンクレアからD・マクレエに代わって、2ndからの曲も多く演奏されている。
[2002 Cuneiform Records]

Robert Wyatt 「The End Of An Ear」

ワイアットがまだソフト・マシーン在籍中に出したファーストソロアルバム。かなり実験的かつフリーフォームなサウンド。各曲は同胞に捧げられているのかな?
[1970 Columbia/Sony]

Robert Wyatt 「Rock Bottom」

悲劇的事故後、半年の闘病生活を経て奇跡の復活をとげたソロ2作目。カンタベリーの仲間の協力を得て出来た美しくもすばらしい傑作。
[1974 Virgin]

Robert Wyatt
「Rush Is Stranger Than Richard」

ソロ3作目。中途半端に終わったらしいがB面のフレッド・フリスとのコラボレーションが聞きもの。プロデュースはニック・メイソン。
[1975 Virgin]

Robert Wyatt 「Nothing Can Stop Us」

しばらく音楽活動から離れていたが、世界中の民衆の歌を唄った4枚のシングルに新録2曲を追加してアルバム化したもの。後にフィル・マンザネラもカバーする「Caimanera」や「Strnge Fruit」等が収録されている。
[1982 Rough Trade]

Robert Wyatt 「old rottenhat」

10年ぶりの新作は、ほとんどキーボードとパーカッションだけのシンプルで政治色の濃い作品集だが、ワイアットの声の存在感はすばらしいです。
[1985 Rough Trade]

Robert Wyatt 「dondesutan」

91年、共産党に見切りをつけ妻アルフィーとの共同作業で完成したユーモア溢れる美しいアルバム。再発CDでは大幅に曲順が変更され、輸入盤はCD-ROM仕様で映像入り
[1991/1998 Hannibal Records]

Robert Wyatt 「A Short Break」

ミニマルでラフな感じの小曲を5曲収録したミニ・アルバムで、箱物にはワイアット自身による手書き漫画やイラストなども載せた楽しいブックレットが付いていました。
[1992 Voiceprint]

Robert Wyatt 「Flotsam Jetsam」

94年に出たレア・トラック集。
ラフなスタジオ・トラックからこんな音源!まで幅広く収録されワイアットの交友の広さが伺い知れる楽しいアルバム。
[1994 Rough Trade]

Robert Wyatt 「shleeps」

新旧親しい豪華な仲間達と共に制作されたアルバム。夢見心地で聞いていただきたい傑作。
[1997 Hannibal Records]

Robert Wyatt 「eps」

アルバム未収録のシングルや未発表曲に82年のサントラ「ジ・アニマルズ・フィルム」と「シュリープ」のリミックスを追加収録した5枚組のシングルBOX。
[1999 Hannibal Records]

Robert Wyatt 「Cuckooland」

近年特に親しい多彩なゲストが参加し、楽曲の方も多彩で、まさにワイアットの魅力が満載の充実したアルバムです。
[2003 Hannibal Records/Rykodisc]

Robert Wyatt 「solar flares burn for you」

ワイアット自身の編集によるレア音源集。72年12月と74年9月のBBC音源に73年短編映画用サントラ1曲と2002〜3年にヒュー・ホッパーと共作した音響系作品2曲と03年自宅で録音された曲1曲が収録。
[2003 Cuneiform Records]

Robert Wyatt & Friends「Theatre Royal Drury Lane 8th September 1974」

あの忌まわしい事故から復活するきっかけとなった素晴らしき仲間達との74年9月8日の復活ライブが遂にオフィシャルCD化。
[2005 Hannibal Records/Rykodisc]

Robert Wyatt 「Comicopera」

ワイアット自身によるプロデュースで前作同様、P.マンザネラ、B.イーノ、P.ウェラー、A.ホワイトヘッド等交流の深い仲間達が参加し、さらに多彩な充実の3部構成アルバムとなった。
[2007 Domino Recording / Hostess]

[ SOFT MACHINE ]