歩き出すと何とまわりじゅうがみんなTurulliなのです。前を見ても後ろを見ても右を見ても左を見ても、ぜーんぶがTrulliの家なのです。
写真を御覧頂くとお分かりになるかと思いますが、これらの建物はとんがり帽子一つ一つが家と言うよりも、一つ一つは部屋の単位で、それらが横にくっついています。話によると最初に一つ作って、必要に応じて横に増やしていくのだとか。そのうちにココは居間で、ここは玄関部分、ここは寝室でここは子供部屋などと別れていくようです。
そうして増殖を続けた結果がこの町というわけでしょう。
これらの家の屋根をもっと詳しく見てみましょう。ごつごつして見えたのは既に書いたかと思いますが、綺麗に割れる性質を持った濃い灰色の石を上手く一定の厚さの板状にしてそれを徐々に渦を描くように丸く積み上げてあります。そしてそれはとても整然と積まれているので近くで見ると驚きです。
よくもまあこんなに揃った石を作ったものだと関心しきりです。
この建物の中でたまたま内部の改修工事をしている家があったので覗かせてもらうことができました。入り口は思ったほど大きいわけではありませんが、一番感心したのはその壁の厚さでした。果たしてどのくらいあるのでしょうか。こちらも石を積み上げて作ってありますが、その上に白い漆喰のようなものを塗ってあります。
80センチ近い厚さの壁は断熱効果は抜群ではないでしょうか。夏涼しく冬温かい部屋になること間違いありません。写真は部屋の中から天井を見上げたものです。天井近くに小さな窓がありますが、これは換気と明り取りでしょうか。医師が渦を描いて見事に積まれている様子が良く分かります。外からは分かりませんが、石の間には漆喰のようなものが詰められて、雨を防ぎ、風を防ぐ効果をもたらしているようです。