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イタリア アルベロベッロ(1)おとぎの国へ

 マテーラから踵の方に進んでいくと不思議な世界へ入ってきます。この町の名前と響きはなぜか心をくすぐります。イタリア語で「美しい木」と言う意味を持つこの町は名前だけではなくその景色も我々旅人の心を掴んで離しません。まずはこの町の景色を御覧下さい。木の陰からなんだか不思議な格好をしたものがたくさん見えていますね。これらの三角形あるいは円錐状をしているものはれっきとした家の屋根なんです。写真では手前右側にちょっと大きめに写っていますね。この形の屋根はこの地方独特で、イタリアのほかの州に行っても見ることはできません。
 まったく絵本の中から飛び出したんじゃないかと思えるようなこれらの可愛い屋根を持つ家はイタリア語で「trulli」トゥルッリと呼ばれています。何故このような形になったのか、何故このような名前で呼ばれるようになったのかははっきりしていないようですが、この地方だけにあるのが興味深いところです。
 バスがこの州に入り、この町に近づいてくると道の両側に1軒2軒とこのとんがり帽子が見えてきます。それにしても興奮しました。写真では何度か見ていた景色であり、建物でしたが、実際にこのとんがり帽子が建っているのは奇妙な感覚です。このひょうきんなとんがり帽子は我々を歓迎してくれているかのようで、この建物が集中して建っている地域に近づくと「あっ!」と声を上げてしまいそうになります。ひと目で一体どれだけの数のトゥルッリが見えるのでしょうか。
 そしてその地区に歩いて入ると目の前に写真のような建物が出現します。まったくこういうおとぎの国のような家に実際に住んでいるかと思うと不思議でなりません。屋根も丸ければこの家は建物部分もまあるく作ってありますね。そしてこれまた可愛らしいドアが真ん中にあります。この家が建っているところは多少坂になっているので形がいびつですが、概ねこういった形をしています。

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