日本語と朝鮮語を眺めるとき、音節の構成が違うことに気づくかと思います。すなわち現代朝鮮語の場合は日本語と違って子音で終わる音節が多いということです。日本語はそれに比べて基本的には母音で終わっています。
朝鮮語がずっと子音で終わる音節があったのか、日本語がずっと母音で終わる音節が原則だったのかは分かりませんが現代の両方の言語を見るとこれは大きな違いといえます。
朝鮮語の音節の最後に来る子音は[p],[t],[k],[n],[l],[ng]の五つです。しかも最初の三つについて言うと、それぞれの子音を発音する口の形をしたままで終わるという形をとっていて、破裂はしないので慣れるまでは聞き取るのは難しいかもしれません。しかし次に母音で始まる音節が来ると最後の子音は破裂をするので音の区別が容易になります。
面倒なのは正書法と発音のずれが若干生じることで、同じ発音にいくつかの文字が当たることです。音節の最後に「s」の文字が書かれていても発音は[t]であることなどがその特徴でしょうか。朝鮮語の単語だけならまだしも実は外来語に 影響が及んでいます。
野球用語の「アウト아웃」は「aus」と最後の文字は「s」を書きます。でも発音は「アウッ」で最後の音は明らかに「t」です。そして極めつけは「アウトでした」というときにはこの「s」が生きてきて「アウシヨッスムニダ아웃이였습니다.」となるのです。最初にこれを聞いたときには驚きましたが朝鮮語らしさといえるのでしょう。 そういえば友人が「ベリーグットだ」というのを「ベリグシヤ베리굿이야.」といっていたことも思い出しました。