朝鮮語と日本語との子音を比較するといちばんの違いは「k」「t」「p」の音でしょう。
日本語にはこの3子音には有声無声の対立があるつまり、清音と濁音の対立があって、「蚊」と「蛾」が違うものとなるわけです。ところが朝鮮語はこの区別がありません。韓国人にこの発音を聞かせて違いがわかるかを聞いてみると「どこが違うの」という反応が返ってきます。
では朝鮮語にあって日本語にないのは、朝鮮文法で「濃音」「平音」「激音」と呼ばれる3対立です。「濃音」は声門の緊張を伴う音、「激音」は強い呼気を伴う有気音、そしてどちらも伴わないのが「平音」です。先ほどの逆で日本人にこの音を聞かせる、例えば「dal(月)달」=平音、「ddal(娘)딸」=濃音、「tal(仮面)탈」=激音の3つの単語を聞いても普通は1度では聞き分けられず、何度か聞いているとその違いがわかってくると言う程度です。
またソウル標準語では「ツ」「ズ」の子音にあたるものはなく、「チュ」「ジュ」しかありません。しかし平壌標準語ではこの音の区別があります。