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チックルの顔はかなり永井豪の絵を当時なりの方法論でトレースしようとしている。作画監修として入ったのは、『タイガーマスク』で知られた木村圭市郎。『魔女っ子マテリアル』(銀河出版・スタジオハード編)のキャラ表を見ると、斜に構えた、やや不敵な面構えで起こされている。これが1クール(三ヶ月)はそれで行ったのだが...。
顔がドギツかあないか?...という意見がドコからか出たらしく、16話以降、原完治が作画監督に加わり、当時の東映少女マンガ絵柄(『キャンディ・キャンディ』で進藤満尾辺りが生んだタッチ)になる。個人的にはよりシャープに豪ちゃん絵柄をブラッシュアップした方が別のスタイルができて良かったと思うのだが...。はっきり言ってこの改変は野暮ったくなったと思いません?体型も後半は妙に日本人的な肉感だし。
1〜15話まで ・まつげのタッチは1本(デビル隈のようだ) |
16話以降 ・まつげのタッチは2本。 |
チックルの資料としては、アニメの図版が最も豊富なムック『魔女っ子メモリアル』。 1999年5月5日発行。銀河出版・スタジオハード編。
ただ、せっかくこれだけのキャラ表を並べたてるのだから、描き手が誰かとか、
どういうスタイルを目指されたのかとか、もう少しツッコミが欲しい。また、
各作品についてのデータが薄い上に大味。サブタイトルデータは予算上無理だ
ったのかも知れないが、放送開始と終了年月日くらいはキチンとフォローすべき
だったのではないか?
こちらは何かと重宝するアニメ界重要資料本、「B-CLUB」のバックナンバー。
魔女っ子モノおたくにとっては欠かせない『魔女っ子大全集』(バンダイ)
の雛形となったフシがある。が、あちらの方は情報が充実している分、東映動画
魔女っ子のみを採り上げているのに対して、こちらは「究極」と謳うだけあって、
アニメの魔女っ子全てを網羅している(1992年2月当時)。
チックルについてもかなり具体的な紹介があり、コレに各放映データとデザイン
ワークが付けば、完璧なムックとなるのだが...。
2003年現在、最も詳細に『魔女っ子チックル』を採り上げているムック・
『永井豪TVアニメ大全』(双葉社・不知火プロ編・2003.3.25第一刷発行)。
ダイナミックプロの関連会社・不知火プロ編集だけに、ダイナミックプロ
お蔵出しの資料満載。企画成立の経緯、デザインの変遷、作品のカラーまで
言及しているものの、当の映像確認までは至らず各話プロット掲載がなさ
れなかったのが残念。