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唄にも歌われているとおり、指指立てたら魔法の呪文。 「マハールターマラ フーランパ!」である。 大好きだった親友が引っ越していき、ぽっかりと寂しくなった小森チーコ。気晴らしになれば、とお父さんが買ってきてくれた一冊の絵本。夢中になって読むチーコはいつしか寝入ってしまう。その時声が... 「出して!アタシをココから出して!」 絵本の中には女の子。ココから出す呪文を唱えて欲しいという。
チーコは言われるがままに呪文を繰り返す。 魔女っ子、と呼ばれる作品の中で、どうにも中途半端な位置にいる気がするのが、この作品『魔女っ子チックル』。きっと当時見てて覚えてる子たちは結構いると思うんだよね。「魔女っ子モノ」だし、割合関連グッズも多かったし。キャラクターとしての絵ヅラもいい(ありていに言やあ、かわいい)し。ではなぜ、今一つ振り返られないのか? まあ、詰まるところそれは「製作会社」の問題なんだろう。他の魔女たちが東映動画なり、ぴえろなりの括りに納まる(ミンキーモモは健闘してるね)のに対して、これは東映本社製作。概して同社製作作品はなぜだか余り振り返られない!(まだロボットモノはサンライズがらみで注目されるのだが...)それにしてもいわば兄弟会社なのに、『魔女っ子大作戦』にすら入れて貰えないのが、ダイナミックファンとして、アニメファンとして残念だぞ!なあ! 更にこの作品にとって不幸なのが、永井豪ないしダイナミックプロ作家のコミカライズが存在しないこと。その上、この『チックル』がデビュー作となる、成実由規によって連載されたマンガも単行本化されていないという点である。 とりあえず、俺はもう一度見たいっ!東映チャンネルさん!キッズステーションさん!ホームドラマチャンネルさん!どうっすか!
<追記2:「Webアニメスタイル」でロングインタビューあるも、案の定(笑)チックルには一言もナシ。ただし俺が不勉強で知らなかったネオメディアの沿革に関しては詳細回顧アリ。ああ、Aプロがらみで『ルパン三世』『アタックNo.1』を知らなかったのは、我ながら情けなさ過ぎ> <追記3:2003年5月26日の日記の方に残したが、その後BBSにてマエダ氏から 放映当時の貴重なクレジット情報を頂いた。これによると、前半は 製作協力がネオメディア。中盤が森下圭介(『グレートマジンガー』の キャラデザイナー)の風プロダクションとネオメディアの混在、 後半が日本サンライズ(当時)と風プロダクションの混在だったようだ。 手元にあるシナリオにもそのように書かれている。> |
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![]() 夢見がちな11歳の女の子・チーコ。 彼女は今日も今日とて、老紳士が営む古本屋に入り浸り。そこで今日もお気に入りの絵本をゲット。その夜読みながら、ついうとうとしたチーコの耳に語りかけてくる声。それは絵本の中の少女からだった!驚くチーコに少女は「ココから出して!」と言う。 きっと夢よ、とチーコは少女の言う呪文を唱える。「クルンカクルンカテコポコテン!」 ...というわけで、いたずらが過ぎて絵本の中に閉じこめられた、妖精チックルが現世に現れたのだ。若干きっかけがアニメ版とは違うが、骨子は同じ。 このチックル、流石ダイナミックキャラである。 ...と言っても「現世に復活したぞ!」つって大暴れしたり、 大体悪さするから閉じこめられるようなヤツだが、古本屋店主のペットのイヌを猫に変え、店主をショックで寝込むまで追いやるし、現世に居着くために、チーコの家族始め周りの人全てを洗脳し、チーコと双子の姉妹だと信じさせる。この風呂敷の拡げ方がウチの妹(非おたく)辺り凄く気に入った模様(当時)。
チックルは少女マンガにしてはかなりのつり目でワイルドな顔つきだが、 「永井豪TVアニメ大全」(双葉社)にも見られる豪ちゃんのラフスケッチを参考にしつつも、 「ダイナミック風」でない成美氏なりのアレンジが加わっていて、好感。 ただ、チーコの方はアニメとは異なる印象。ダイナミックお得意の<髪のハネ>がないのもそうだが、ヘアバンドをしてないのが、特にそういう印象を与えるのだろう。 古本店主への仕打ちやイタズラに怒ったチーコが、チックルを一度は叩き出す。そりゃそうだろう。でそれに対し自分の態度を責め、チックルへ感情移入する描写はマンガオリジナルの演出。
アニメのチックルとチーコが11歳の割にやや肉感的なのに対して、こちらは少女マンガだけにほっそりとしていて、リアル(なのか?)。第一話は極端なつり目をまだ処理しきっていないようだが、この後どうなったのか興味あるところではある。 その他アニメのオープニングのテロップを見ると、「てれびくん」「テレビランド」「小学館の学年誌」にも連載となっている。「てれびくん」ではTV情報ページに1カットでの紹介でマンガ連載はない。他は未調査。 永井豪の筆になるマンガは無いが、同時期連載の 『へんき〜んタマイダー』(双葉社アクションコミックス) 1巻p68/4コマ目に黒髪アレンジされた姿が。2巻p62/2コマ目には、 もっとはっきり主人公・変 金太の前の席に。p112/2コマ目では チーコとペアでなわとびをしている。 また、『超マン』(集英社ジャンプコミックス)にも。 1巻p44/4コマ目にチーコの妹のヒナが(大きくなってるけど)。 2巻p177/4コマ目右ハジでチーコと二人で歩いている。 以上がアシスタントの手になるかも知れないが、ダイナミックな絵柄で 見られる姿だ。 さあ!確かめよう! その後の皆様からの情報提供にて、ダイナミックプロの筆になる 絵本が2種 あった。アニメの 絵柄のものはどうもなさそうだが。 |
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