名探偵ピンじろうシリーズ
10本足の怪物
名たんていピンじろうに挑戦!
優秀作品
GMAさんの回答
▼▲▼▲▼その1▲▼▲▼▲ ――あしあとがくさい!―― 「まずは足あとのトリックから話すけど、その前にひとつ聞きたいことがあります。あの足あとたんちきは、足あとにだけ反応するんですね?」 ――アリバイと50個ダイヤ盗賊―― 「僕が洗面所で見てしまったあの肌色の絵の具は、変装用のパックのようなものじゃないですか? 家宝なら簡単に燃やしたりはしないでしょう。そして時に双子と入れ替わり、犯行をかさねたのです」「ばかな!ぼくの妹は事故で…」 「事故で、どうしたって?」 「二年前に、事故で…」 「二年前に海外を旅行中に事故で入院し、ついでに性てんかんの手術を受け、国籍を取ったんだろう? 日本人をやめておられるので、調査に苦労したよ。『弟』がいればアリバイトリックはどうにでもなっただろうね」 ピンじろうが指をパチンを鳴らすと、ピーマンを持ったおまわりが家の中から現れた。 「好き嫌いは、治ったかい?」 字水はガクリとうなだれて、負けを認めたようだ。 水谷が手を上げて質問した。 「ピンじろう、犯行動機とUFOの謎はどうなった?」 「それらは表裏一体なのです。ここからも全部想像で話すが…字水たちはダイヤ専門のどろぼうグループで、森の中にダイヤを…他にも何か所も隠していたのです。被害者たちは、隠されたダイヤを見つけてしまった。そして柳の下のドジョウ=ダイヤを狙って、夜な夜な森を歩き回るようになった。字水はせっかくのダイヤを取られてはかなわない。安全に殺すために、まずUFOを出現させて、被害者の意識を空に向けさせる。UFOといっても、流星のような飛び方をしていたので、あれも矢の一種だろう。次の夜も被害者は、空を気にしながらもダイヤを探します。そして空をボケーっと見ているところを狙って弓矢で殺してしまうのです。僕は弓矢のことは詳しくないので、UFOについて字水に説明してもらいましょうか」 「とくにUFOというつもりはなかったのですが、たしかにダイヤ泥棒の気をそらすために、矢を使いました。鏑矢という、特殊な音を出す矢に、蛍光とりょうを塗ったものです。矢じりが丸いので、UFOに見えたのかもしれない…」 ――カーテンフォール―― いつしか観衆はピンじろうをコールをはじめた。 ところでぴんじろうはどこへいったのだろう。 「みなさん。名たんていは成るものではない。やらされるものだ。僕は持病の虫歯が痛み出したので、今日のところは、たいした挨拶もなしで失礼する。僕らに会いたければ、いつでもこの『ミステリ博物館』へ来れば良い。きっと名たんていがあなたたちを歓迎するだろう。それではごきげんよう」 ▼▲▼▲▼その2▲▼▲▼▲ 1.犯人の名前と、そのように推理する根拠 「犯人Aは判事の木沢さんです!」「なんだって! 誰だおまえは!」 突然現れた人物に、アッと驚くピンじろう。 「私は偉大なるメタ解答者です。略してGMAとでも読んで…じゃなかった、呼んで下さい。あなたたちでは決して見ることのできなかった真相を、私が丁寧に解説してあげようじゃありませんか」 「決して見ることのできない…真相…?」 ピンじろうは不審な顔をするが、メタという言葉を聞いてはここは引き下がるしかない。 「本文から赤字のところを抜き出してみましょう。 『読、読、後、みせれません、家、ねれない、所、聞、たくさんさ、後、に、ん、家、感、感、買、新、辺、待、待、強』 この暗号を変換してみよう。誤字を正しい字に直し、誤字でないものについてはひらがなを漢字に直します」 『呼、呼、跡、見、家、寝、所、来、沢山、跡、に、何、内、勘、勘、員、真、反、持、持、凶』 「をを…」うめいたのは水谷だった。「これは、まったく意味が無い!」 『ここせきみないしんしょきさわさんしゃくになんだいかんかんいんしんはんじじきょう』! 2.連続殺人事件の動機 『古戸籍見ない心緒、木沢さん癪になんだい』 3.犯人が用いたアリバイトリック 『関関院進判事自供』 4.UFOの正体 「ああ…あのUFOですか。あれは私です。うちの研究室は光学マウスを使っているので、カーソルが文字の上を通ったときにそちらからも見えたのでしょう」 次々と明らかにされる真相に、登場人物たちはもはや声も出ない。 「さて、とりあえず謎は全部解けたし、細かいことは自供されるでしょうから、僕はこのへんでやめます。いや、お礼は結構です。あ、商品がもらえるのですか、それでは『なかよし』付録のモー娘。フィギュアが手に入れられなかったので、それで結構ですよ。ええ。こちらこそ、どうもありがとう」▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲ 僕からのコメント 2パターンの回答を送ってくださったGMAさん。どちらも力作でしたが、とくに正当編(?)のほうは、驚愕の足跡トリック&妹は死んでいなかったという会話錯誤トリックに、「まいりました!」とひれ伏すばかり。うーーん、あらためて読み返してみると、字水は確かに、「妹が死んだ」とは証言してないんですよね。ラストで僕のヨイショをしてくれたあたりも、かなりのプラス点となっております(笑)。 |