名探偵ピンじろうシリーズ
10本足の怪物
第12回

 

 ――とがったつめ――

「なるほど。考えられるな……」
 水谷がいった。
「そうよ! 谷山さんはわざと私をよびつけて、事件現場をウロウロさせて、私を犯人にしたてあげようとしたんだわ!」(友人(恋人?)であるはずの谷山を頭ごなしに犯人扱いするこの女も、なかなかすごいな)
「まあ、話はそれくらいでいいです。では、ちょっと部屋の中をみせてくれますか?」
「ええ、どうぞ」
 ピンじろうと水谷は黒宮の家へ上がった。
「しかし、りっぱな部屋だな……」
 2人はいろいろな所をみながら、奥へ奥へと進んだ。
「ここはどんな部屋だろう」
 水谷がドアを開けた。そこは応せつ間だった。たなの上には、いろいろなめずらしいものが置いてあった。
「おや……。これは……」
 水谷がそこにある物を手にとってみた。


(ぢゃぢゃーーん)

「それはサメの歯の化石です」(なんで、そんなもんが飾ってあるんだよ)
 黒宮が説明した。サメの歯の先はするどくとがっていた。
(たしか、10本足の怪物が殺した人はみんな、するどいつめでひっかかれていた。このサメの歯も、そんな役目はするぞ……)
 水谷はそんなことを考えた。(いつの間にか、水谷の視点になってます)
 水谷はサメの歯をもとの所に置いた。
「では、そろそろ帰りますので……。ありがとうございました。さようなら」
 ピンじろうと水谷は黒宮の家をでた。
「黒宮もあやしいぞ……」
 水谷はそうつぶやいた。(なぜ、水谷ばかりがしゃべる? ピンじろうはどうなった?)

 ――5つのアリバイを聞け!――

 水谷はピンじろうと別れると、家へ帰っていった。ピンじろうは何気なくブラブラしていた。(水谷視点が続くのかと思いきや、次の文ではいきなりピンじろうの視点に戻ってるし(苦笑))
(こうなれば、3人の5つのアリバイを聞いてみるか……)
 ピンじろうは、こう考えた。字水・谷山・黒宮の3人の、今までの5つの事件の時のアリバイを聞こうと思っているのだ。
 さっそく、ピンじろうは字水の家に向かった。

 〜字水のアリバイ〜
 田川殺人事件の日 ・家でずっとねていた
 吉田殺人事件の日 ・となりの町のマーケットへ買い物
 理田殺人事件の日 ・午前中は家にずっといた。午後は外へ散歩
 ダイヤ事件の日 ・家にいた(証明☆ピンじろう)
 田中殺人事件の日 ・家にいた(証明☆ピンじろう)

 ついでにピンじろうは、きのうの夜のアリバイも聞いた。今日の朝、足あとがあったからだ。

 きのうの夜のアリバイ ・家でねていた。

 次は谷山の家だ。ピンじろうは字水の家をでると、谷山の家へいった。

 〜谷山のアリバイ〜
 田川殺人事件の日 ・とこ屋へいった(証明☆とこ屋の主人)
 吉田殺人事件の日 ・家でずっとねていた
 理田殺人事件の日 ・散歩
 ダイヤ事件の日 ・家で読書をしていた
 田中殺人事件の日 ・肉屋へいっていた(証明☆肉屋の主人)
 きのうの夜のアリバイ ・家で読書をしていた

 そして最後は、黒宮の家だ。

 〜黒宮のアリバイ〜
 黒宮は全て、谷山を待っていたが、こないのでおこって帰るとちゅうということだった。証明は、理田殺人事件の時は友だちと会っていることだ。

(みんな1つはアリバイがある。うーん、わからなくなってきた……)
 ピンじろうは頭をかかえた。(容疑者のアリバイに関しては、ツッコミどころ満載で、ひとことじゃあ書けませんです)

(次回、いよいよクライマックスに突入! ピンじろうが10本足の怪物と遭遇?)


 

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