名探偵ピンじろうシリーズ
10本足の怪物
第3回

 

 ――洗面所のなぞ――

 ダイヤ博物館はそう遠くはなかった。
「さあ、ついた!」
 ピンじろうと字水は自動車からおりた。
「やあ、ピンじろうさん。お待ちしておりました」
 一人の警官がピンじろうをむかえにきた。
「足あとはまだのこっているかい?」
 ピンじろうは警官にきいた。
「ええ。はっきりとのこっています」
 ピンじろうはその場所に案内した。(案内された、だな)
「この足あとをぎゃくにたどっていくと、どこに着くんだい?」
「谷山の家なんです」
「谷山? だれだい、それは?」
「前科3犯の男ですよ。前の連続殺人も3回とも谷山の家から足あとが出発しているんです。このほど開発された足あとたんちきで、消えた足あとも数時間前だったらわかるんです」(いきなり秘密道具登場(笑))
「なるほど」
 ピンじろうは考えた。
「いったい、10本足の怪物は何者なのだろうか。谷山なのだろうか……」
 ピンじろうには、まだ全然なぞはとけなかった。
「ところで、谷山さんの家はどこにあるんですか」
 ピンじろうが聞いた。
「ピンじろうさんの家のすぐ近くですよ。ピンじろうさんの家から500メートルはなれたぐらいの所です」
「ありがとう」
 ピンじろうはそういうと、字水といっしょに、字水の家へ帰った。(もう帰るのか。なにしに事件現場へ来たんだ?)
「今、何時ですか。字水さん」
「午後9時です」
「まだ雪はふりつづいているな。今日はとまっていいですか」
「ええ、どうぞ」
 午後11時……。
 ピンじろうはふとんをしくと、字水の横にねた。
「とじまりもげんじゅうにしたし……。よし、おやすみっと」
 ピンじろうはすぐにねてしまった。
「グーグーグーグー……」
「チチチチチ……」(擬音語で時間の経過を表す高等テクニック(笑))
 小鳥の声が聞こえてきた。
「フワ〜」
 ピンじろうは大きなあくびを1つだした。
「おや……まだ雪がふってる……」
 ピンじろうはつぶやいた。字水は、気持ちよさそにねむっていた。
「字水さんー。朝ですよー」
 ピンじろうは字水をおこした。
「ン? フワー、おはようございます。ピンじろうさんは早おきですね」
「いつもはねぼうなんだがね。さて、顔を洗いにいこうか……」
 ピンじろうはタオルを持って、洗面所へいった。
「おや?」
 ピンじろうは目を見張った。洗面所の一部がはだ色っぽくそまっていた。(なにやら伏線くさい)
「きのうの夜は、こんなことなっていなかったのに……。おーい、字水さん。きのう、えのぐか何かをつかったのかね」
「ハイ。きのうの夜、ピンじろうさんがねた後、絵を書いていたんです。パレットを洗ったとき、えのぐがついたんだと思います」
「へえ、字水さん。絵を書くごしゅみがあったんですか。どんなのができたのですか。みせて下さいよ」(ピンじろうの話し口調が、まったく統一されてません)
 ピンじろうがいった。
「いえ、あんな下手なものみせれませんよ」
 字水がいった。 

(次回、いよいよ足跡の謎が解き明かされる!)


 

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