UPDATED 98/6/27
映画の感想のぺージです
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絆
監督 根岸 吉太郎
出演 役所 広司 渡辺 謙
オープニングを観ると貴重な東宝映画の作品でした。年に一、二本しかない
テレビ局もプロダクションも提携なしの作品です。ちなみに去年は「誘拐」
と「モスラ2」がそうでした。
久しぶりの根岸監督の作品を観る気がします。「課長島耕作」「乳房」は何
となく遠慮して観ませんでした。原作のせいか、荒井晴彦の脚本のせいかなか
なか力が入った作品です。言うなれば平成版「砂の器」ですね。文字通り、家
族や仲間という絆について描かれています。でも、「砂の器」ほど重くはあり
ません。ということは、逆にもうちょっと踏み込んだ方がいい映画だつたかも
知れません。ちょっとテーマの割にはあっさりしている感じもしました。
絶好調男、役所広司がまたいい役しています。それに対する復活、渡辺 謙
もなかなか男気のある刑事役を演じています。他も中村嘉葎雄等のぜいたくな
脇役よりも、木下ほうか、土屋久美子、池内万作といった地味な配役も効果的
でした。リアリティうんぬんを言えばちょっと疑問のところもありますが、久
々根岸監督奮起の一作といえるでしょう。
評価 ☆☆☆☆ (98/6/27)
ニル・バイ・マウス
監督 ゲイリー・オールドマン
出演 レイ・ウィンストン キャシー・バーク
ゲイリー・オールドマンの初監督作品。なかなかの力作でいい出来です。でも、ちょっと話が暗すぎる気もします。のんだくれの暴力おやじやヤク中の青年、男がだーれも働いていません。イギリスは最近、ブレア政権下で好況とのことですが、映画は不況映画ばかりで、なんかどの映画も失業者とか麻薬中毒の話ばかりですね。唯一働いていた「Mr.ビーン」もリストラされそうだったし、しらふでも行動は危ない(笑) 「シューテ
ィング・フィッシュ」「ツイン・タウン」もそんな感じですね。来年あたりのの邦画も失業者ムービーが増えるのでしょうか。
閑話休題。途中の話が暗かっただけにラストは逆にアレッという感じでした。救われると言えばそうですが、それではそれまでの話は何だったんだろう、獄中の青年の立場は? と思ってしまいました。監督として何を描きたかったのか、焦点が逆にぼけてしまったような気がします。要するに家庭の大事さ、中毒の怖さを描く逆説的な映画とみていいのかな。社会批判はあまり感じられませんでした。
俳優陣はなかなか好演です。おやじの暴力シーンもすごいし、曾祖母?が歌うシーンもなかなか見応えあります。
評価 ☆☆☆☆ (98/6/13)
ラブ・レター
監督 森崎 東
出演 中井 貴一 コウ・チュウ
肝心の手紙のシーンで私は泣けませんでした。彼女の朗読と中井の描写だけで泣かそうとは、ちょっと芸がなさ過ぎます。もうちょっと工夫できたらと思います。とはいうものの、大体1回(正しくは2回)しか会っていないのですから回想もできないし、難しいですね。
彼女が一目惚れしたのは分かるにしても、中井の心情が今ひとつ分かりませんねえ。必要ないかも知れませんが、前の奥さんと分かれた理由あたりをはっきり出した方が、まだよかった気がします。前妻との娘も普通の娘だし、わざわざ出してきた意味があまりなかった様に思います。
大体中井がチンピラらしく見えない(そんなに悪いこともしていないが)ので、改心(したという設定なら)してもよく分かりません。好演していた山本太郎あたりにした方がはっきりしていたかも、というのは極論かな。
ちょっと厳しく書きましたが、一応水準作だとは思います。邦画もこの程度の映画はコンスタントに作ってもらいたいものです
評価 ☆☆☆ (98/6/13)
ビヨンド・サイレンス
監督 カロリーヌ・リンク
出演 タティアーナ・トゥリープ シルビー・テステュー
うーん。評判はかなりいいと聞いて観たのですが、ベタ誉めするほどではない様に思いました。決して悪くはないのですが、あまり後に残りそうにありません。
聾の両親を持つ少女の成長を描く作品ですが、テーマ的にはあまり新しいものでは無くなっていますね。この作品は96年製作のようですが、「シャイン」なども連想させるし。少女期の女の子はなかなかよかったのですが、成長した後の娘役が普通っぽくて、今ひとつ存在感がなかったのが理由かも知れません。導入の部分などの撮り方はなかなか期待させたのですが…。
評価 ☆☆☆☆ (98/6/13)
ブルースブラザース2000
監督 ジョン・ランディス
出演 ダン・エイクロイド ジョン・グッドマン
またこの映画の続編を見られただけで感動モノです。
評価 ☆☆☆☆☆ (98/5/30)
恋愛小説家
監督 ジェームズ・L・ブルックス
出演 ジャック・ニコルソン ヘレン・ハント
うーむ。みなさんが褒めていたのもうなづけます。これと「タイタニック」
と比べるのはちょっときついですね。
ウッディ・アレン並の神経症の主人公とニール・サイモンばりのウィットに
富んだ台詞がとても小気味いいです。ジャック・ニコルソンの意外?な演技も
いいし、うまくいきかけて、壊れるとこも笑えます。犬の好演もいいかも。
映画館の外に出て思わず歩道の継ぎ目を避けてしまいました(笑)
評価☆☆☆☆ (98/5/30)
ジャッキー・ブラウン
監督 クエンティン・タランティーノ
出演 パム・グリアー サミュエル・L・ジャクソン
なが〜い。なぜこんなに長い。エイリアン4より長い2時間半です。中身はそんなに悪い話でなかっただけに、もうちょっと短くして欲しかったです。ダレてしまった。
主演のパム・グリアー、カッコいいですね。ボディも迫力で存在感があります。サミュエル・L・ジャクソンも変なひげはやして怪しいです。音楽は最初からカッコいいです。映像よりいいかも。保釈請負人のロバート・フォスターが一目惚れするシーンなんか大笑いしたくなるほどの音楽です。
そこへ行くとデニーロやマイケル・キートンの存在感の無さは、逆にねらいなのかなと思うほどです。
モールで描かれる3度の繰り返しシーンはちょっとくどくて疑問です。カメラのグルグルシーンといい、別にデ・バルマじゃないんだから…。 その割に相変わらずあっけなく人が殺されています。
今回の映画マニアはブリジット・フォンダでした。ジャンキーで頭は怪しいですが、ビデオばかり見ています。ヘルムート・バーガーは出てくるし、親父の出ている映画をくさしていたのは笑えました。
大まけで評価 ☆☆☆ サントラ買おうかな。(98/5/30)
エイリアン 4
監督 ジャン=ピエール・ジュネ
出演 シガニー・ウィーバー ウィノナ・ライダー
「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」がとても面白かったので、期待して見に行ったのですが…。
エイリアンシリーズの新たな展開としてはそこそこ評価できます。なるほどそういう風に持っていったわけね、というところでしょうか。クローンという設定が最近目に付き過ぎてはいますが、そう意味では閉塞感を多少なりともうち破っています。
しかし、前作等でのジュネ監督の不可思議感が、宇宙空間でのそれとなると逆に感じられなかったのが残念です。
コンビで美術のマルク・キャロが参加しなかったせいでしょうか。でも、まあロン・パールマンやドミニク・ピノンも出ているし、ウィノナ・ライダーも変なので、フリークスファンにもお勧めです。(98/5/2)
四月物語
監督 岩井俊二
出演 松 たか子 田辺 誠一
岩井俊二というのは不思議な監督ですね。「LOVE LETTER」や「打ち上げ花火…」みたいな正統的?な作品をいい感じで表現してみたり、「Picnic」や「スワロウテイル」みたいにちょっと異次元的な作品を作ったりとらえどころがありません。この「四月物語」は前者の方でして、「スワロウテイル」に違和
感を感じていた私としては落ち着ける作品でした。
しかし、この作品が絶賛すべきいい作品かと突っ込まれるとどうかなと思います。どうといったことのない普通の情景を撮った作品とも言えるし、松たか子のプロモ映画とも言えます。何ともいいようがないなあ。
描写のセンスはさすがですね。最初のの桜のシーンもすごいし、本屋でのさりげない描写、隣人(藤井かほり、不気味)やクラスメイトとのやりとりも目がはなせません。やや説明過多なところもありますが、そこそこ好感がもてるストーリーです。一番注目は冒頭の見送りシーンですが…(謎)
パンフが何と2100円ですと…。さすがの私も買いませんでした。(98/4/18)
ビーン BEAN
監督 メル・スミス
出演 ローワン・アトキンソン バート・レイノルズ
うーん。やはりテレビとは違いますねぇ。演説するビーン何かもうひとつですね。笑えないことはないのですが、舞台をLAに持ってきたりして、かなりアメリカを意識した作りになっています。
バート・レイノルズが変なところででてきてびっくりしました(笑)
ラストクレジットの後におまけがついていますので、見逃さないように…(98/4/12)
スポーン SPAWN
監督 マーク・デッペ
出演 マイケル・J・ホワイト ジョン・レグイザモ
これまた、うーんです。バットマンやダークマンと同じ感じですね。
コミックそのままな感じのチープさは逆に評価できるかも…。CGはILMが主みたいですが、日本人のクレジットがやたら多いです。日本でも作ったようです。
悪役はバットマンでのペンギンより怪演です。しかも、下ネタやパロディばっか(笑)
それに対して、読みとれないオープニングとエンディングクレジット(笑)はカッコいい。音楽も妙にカッコいい。むむ。いかん、段々ほめてきた。(98/4/12)
007 トゥモロー・ネバ・ダイ TOMORROW NEVER DIES
監督 ロジャー・スポティスウッド
出演 ピアース・ブロスナン ジョナサン・プライス
まあ、イギリスの寅さんみたいなものですね。つい見にいってしまいます(笑)
ピアース・ブロスナンもなかなかジェームズ・ボンドが板についてきた感じがします。ミッシェル・ヨーもなかなかカッコいいです。ジョナサン・プライスがちょっと悪役っぽくないのとスティルス艦への潜入が簡単だったのが疑問でした。(98/4/12)
グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち GOOD WILL HUNTING
監督 ガス・ヴァン・サント
出演 マット・デイモン ベン・アフレック
この映画、アカデミー賞候補になっていますが、ちょっと脱帽です。主演の若手二人で脚本を書いているのですが、これがなかなか大したものなのです。無理がなくもないのですが、割合素直に見て取ることができて、破綻がありません。うーん、脚本賞取ったのもうなづけます。
マット・デイモンもいいが、ベン・アフレックもなかなか良いヤツです。ミニー・ドライバーも買いかも。ロビン・ウィリアムスもさすが。
タイタニックみたいに金かけなくても良い作品ができる見本。(98/3/28)
アミスタッド AMISTAD
監督 スチーブン・スピルバーグ
出演 マシュ・マコノヒー ジャイモン・ハンスゥ
スピルバーグの「カラーパープル」「シンドラーのリスト」に続く社会派作品。こういうのが本当にやりたい映画なのでしょうか。マコノヒー、モーガン・フリーマン、アンソニー・ホプキンスという顔ぶれで期待を裏切らない?作品になっています。リーダー役のジャイモン・ハンスゥもなかなかの熱演。
しかし、この映画は出来どうこうよりも勉強になりますね。日本が江戸時代だった頃にこういう裁判やっていたとは…。アメリカには敵わないかな?(98/3/28)
コップランド
監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 シルベスター・スタローン ロバート・デニーロ
スタローン、デニーロに加え、ハーヴェイ・カイテルのポリスものと聞くとすごい大作の様な気がしますが、これが意外と地味な佳品だったりするから、映画は面白いです。スタローンが演技派に…というのはちょっと?でしたが、まあまあだったのではないでしょうか。元々無表情な方なのでこういう役なら演技しなくてもできたのかも知れません。と書くと失礼かな? デニーロの出番は少なく友情出演的ですが、カイテルがなかなかがんばっています。期待したデニーロとの共演シーンがちょっとだったのは残念でした。ラストを自爆的な銃撃にしなくてもよかったのではないかと思いますが、まあまあの脚本と言えるでしょう。(98/3/16)
フェイス・オフ FACE/OFF
監督 ジョン・ウー
出演 ジョン・トラボルタ ニコラス・ケイジ
ジョン・ウーのハリウッド進出第三作目です。前作「ブロークンアロー」ではちょっともやもやさせましたが、これを今回は霧散させてくれました。単なるアクションとしても楽しめますが、人格の入れ替わりという突飛な発想での人間ドラマとしても、割に楽しめます。主演の二人は最近絶好調ですが、この辺の演技力はニコラス・ケイジの方がちょっと上手だった気がします。二挺拳銃もカッコいい。香港時代とはちょっと違いますが、これはこれでいいのでは…と思える作品です。(98/3/16)
HANA−BI
監督 北野 武
出演 北野 武
うーん。ベネチアの映画祭の審査員が北野監督の作品を何本見ているか知りませんが、何本か見ている私たちにはあまり目新しさがなく、過去の作品の延長線の作品でしかないような気がします。相変わらずの暴力男が実はこんなに優しいところもあるんですよっ、と言われても…。
絵や娘も悪くはないのですが、再三でてくるとちょっと。若干期待はずれでした。(98/3/16)
桜桃の味
監督 アッバス・キアロスタミ
出演 ホマユン・エルシャディ アブドル・ホセイン・バゲリ
カンヌ映画祭のパルムドールを取った作品です。うーむ。深い話ですね。穴の中で睡眠薬を飲み自殺をしたがっている主人公が翌朝、その死を確認してくれ土をかけてくれる人を探してまわる話です。
イスラムでもやはり自殺する人がいるというのがまず発見です。大抵の宗教が自殺は悪 だと言っていると思うのですが、それでもやはりする人が多いようです。現世に絶望し、来世に期待を持っているのでするのだと思うのですが…。宗教を持ってしても報われないことが多いということでしょうか。但し、この主人公はあまり信心深い信者という描き方ではありません。
この映画、撮り方がすごくユニークです。主人公は車からほとんど出てきません。会話は大抵車の中で相手の姿は写さず声だけ聞こえてきます。郊外の土砂置き場?がメインなのですが、そこのジグザグ道を例によって一回一回丹念に撮っています。出演者が皆素人ってのも相変わらずすごいですね。
途中とても眠かったのと最後の映像の意味が分からなかったのが残念。(98/3/4)
リング
監督 中田秀夫
出演 松嶋菜々子 真田広之
これは結構面白かったです。割と正統的な攻め方でじわじわと怖がらせてくれます。
写真とかビデオの使い方とかがうまいですねぇ。「CURE」も結構怖かったですが、これもいい出来で邦画もなかなかがんばっています。(98/2/21)
らせん
監督 飯田穣治
出演 佐藤浩市 真田広之
「リング」と同時公開なのですが、「らせん」はちょっとつらいですね。
単独で見るとそれほどではないのでしょうが、「リング」とセットで見ると説明が多いので、ちょっとダレます。謎解きに追われてそんなに怖くないし。「リング」の単独公開の方がよかったのではという意見が多い
です。見ていないけれど、「パラサイトイブ」っぽい内容の感じがしました。
でも、逆に言えば、この二本立てはお得です。
松嶋菜々子と中谷美紀はまあなんとかの及第点かな?
以前書いたようにこの二本、小倉での公開が危ぶまれたのですが、東宝の洋画系の小屋で3週間だけ公開されています。500人以上入る一番大きな小屋なのですが、私が見たときこれが満員ではないにしろ大入りでした。女子高生とかに受けているようで、キャーキヤー悲鳴が飛び交って久しぶりのにぎわいでした。
この映画作った「エースピクチャーズ」って、「ヘラルドエース」が名前変えたのかと思っていたら、角川の会社なのですね。4月に「アスミック」と合併とのことです。どちらも最近がんばっているので期待できるのでは。(98/2/21)
スリングブレイド SLING BLADE
監督 ビリー・ボフ・ソーントン
出演 ビリー・ボフ・ソーントン ドワイト・ヨーカム
去年のアカデミー賞最優秀脚色賞を受賞した作品で、主演のビリー・ボフ・ソーントンが脚色、監督をしています。少年の時、母親とその交際相手を殺した主人公が刑務所ならぬ病院から出てきて、故郷の町である少年となかよくなって…、というストーリーです。でも、今の日本のすぐ切れるご時世で見るとかなりつらい作品です。,彼の論理で行くと殺されるべき人はそうされるべきだと病院で改心して聖書が愛読書になってからですらそうされるべき人はいたということですね。色々理由があるにしろちょっと肯定的に描いている点がきにかかります。とはいえ、脚本や演技はなかなかのもので良い作品です。ドワイト・ヨーカムというのはカントリーシンガーのはずですが、演技もできるものですね。最近ご無沙汰ジャームッシュもちょっと出演。良い音楽だと思っていたらU2などでおなじみダニエル・ラノワでした。(98/2/15)
フル・モンティ THE FULL MONTY
監督 ピーター・カッタネオ
出演 ロバート・カーライル トム・ウィルキンソン
アメリカでもかなり受けたというイギリス映画。タイトルの意味はすっぽんぽんです(笑) 鉄鋼不況で失業した主人公たちが男性ストリッパーめざして一念発起がんばるストーリーです。主演は「トレイン・スポッティング」のロバート・カーライル。
なるほど元気なイギリス映画ですが、テーマはまたまた失業とちょっと暗いです。内容は想像通りなかなか面白い話になっていて笑えます。冒頭の鉄工所や運河?のシーンはおや、いい映画かなと思ったのですが、パターンは読めるし、演出も平凡でただ笑えるだけの映画になっています。子供の扱いや「フラッシュダンス」のシーン等は笑えてストレス発散にはなったのですが、これでゴールデングローブ賞やアカデミー賞の有力候補と聞くとおいおいという感じもします。(98/2/6)
ラジュー出世する RAJU BAN GAYA GENTLEMAN
監督 アズィーズ・ミルザー
出演 シャー・ルク・カーン ジュヒー・チャーウラー
世界一の映画大国、インドの娯楽映画です。
歌と踊り、恋愛、お笑い、アクション、涙、なんでもありの楽しい作品です。
地方出身の青年がボンベイに上京して、一旗上げるストーリー。言ってしまえばそれまてですが、なかなか中身はつまっています。2時間40分もありますが、非常にわかりやすくてそれでいて飽きません。
ストーリーから言えば昔の植木等の映画みたいな感じです。気に入りました。ヒロインがなかなかゴージャスでしたが、私の知人に似ていることに気がついてしまいました。(笑)(98/1/31)
ロザンナのために FOR ROSEANNA
監督 ポール・ウィーランド
出演 ジャン・レノ マーセデス・ルール
イタリア版「お墓がない」です。死期が迫っている妻を残り少なくなった村のお墓に入れてあげようとする夫の話です。死体が頻繁に出てきたりしますが、ハートウォーミングなコメディになっています。イタリアの映画にありそうな話です。
でも、この映画ちょっと変なのです。アメリカの製作なのですが、監督が「ミスター・ビーン」のイギリスの監督。主演はスペイン人?でフランス映画出身のジャン・レノ、相手役は確かアメリカ人ですね。舞台はまるっきりイタリアなのにせりふの大半は英語です。まあ気にしなくても楽しめる映画なのですが…(98/1/31)
世界中がアイ・ラブ・ユー EVERYONE SAYS I LOVE YOU
監督 ウッディ・アレン
出演 ウッディ・アレン ゴールディ・ホーン
養女と結局結婚してしまったウッディ・アレンの新作です。その辺を勘ぐるといくら「世界中がアイ・ラヴ・ユー」と言われても自己弁護にすぎないのでは…、と思えないこともないのですが、かなり面白くできているのがくやしいくらいです。(笑)
なぜかミュージカル仕立てになっていますが、再婚同士の弁護士夫婦の周囲や子供達の間で起こる数々の「愛」について描かれています。出演者がなかなか豪華です。エドワード・ノートン、アラン・アルダ、ジュリア・ロバーツ、ドリュー・バリモア、ティム・ロス等々。特にジュリア・ロバーツの歌とティム・ロスのおかしさは必見です(爆)(98/1/31)
ラブ&ポップ
監督 庵野 秀明
出演 三輪 明日美 希良梨
「エヴァンゲリオン」の庵野監督の初の実写作品です。夏休みに製作発表していてもうできたのかなと思っていたのですが、なるほどデジカムでの撮影とのことです。そのカメラの動きがすごいです。ビールジョッキの裏からテーブルの下、スカートの中までとにかくこんなとこから撮っていると感心するような視点から撮っています。これは普通の35ミリカメラ等では撮れないでしょう。これだけでは単調になるのですが、コラージュ等を多用してあきさせない様になっています。
登場している女子高生達も割と自然な演技で違和感はそうありませんでした。もっとも監督の話だと演技指導などせず、自由にやらせたとのことでしたが…。主人公のラストの歌の下手さは感動的でさえあります。
それにしても浅野忠信は存在感がある役者になりましたねえ。
指輪を今日中に買わなければ、という心情も違和感なかったけれど、援助交際の相手が説教おやじが多かったのはどんなものでしょう。金出して説教するかなあ。
最近、コギャルが主人公の映画が増えていますが、なかなかどうしてよいできがいいです。好き嫌いは分かれる映画だと思いますが…。
ポネット PONETTE
監督 ジャック・ドワイヨン
出演 ヴィクトワール・ティヴィゾル グザヴィエ・ボーヴォワ
4才の女の子が突然の母親の死によって受ける衝撃と悲しみを描いた作品。
死生観や宗教が違うのでストーリーや死の取り扱い方には、ちょっと違和感もありますが、この映画、そんなものは問題ではありません。主演の4才の女の子。演技なのか地なのかわかりませんが、一見の価値があります。うむむ、ヴェネチア国際映画祭主演女優賞もなるほど。
ビクトル・エリセの名作「ミツバチのささやき」に出演していたアナ・トレントの再来でしょうか?
ブラス! BRASSED OFF
監督 マーク・ハーマン
出演 ピート・ポスルスウェイト ユアン・マクレガー
イギリスの田舎町で炭鉱夫たちによって結成されているブラスバンドが自分たちの山の閉山、解雇という危機にも関わらず、全国大会に出場して…、というストーリー。
と書いてしまえば、簡単ですが、これがなかなかよくできています。町の雰囲気はくらくなりがちなのに、ユーモアを忘れず笑わせるところは笑わせ、泣かせるところは泣かせて、メリハリが効いています。
でも、背景にはサッチャー政権に対する痛切な批判が含まれています。これは実話を元にしているみたいで、イギリスの景気が悪かった頃の話だと思いますが、労働党のブレア政権になって景気がよくなった今、この炭鉱の人たちはどうなっているのか考えさせられます。
主演は「ロスト・ワールド」のハンター、「ロメオとジュリエット」の神父をやっていたピート・ポスルスウェイト、「トレインスポッティング」で人気が出て何故か「ピーター・グリーナウェイの枕草子」にも出ていたユアン・マクレガーです。
タイタニック TITANIC
監督 ジェームズ・キャメロン
出演 レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット
この映画、とにかく必見です。たとえ1800円でも惜しくありません。日頃映画を見ない方にもおすすめです。上映時間も3時間以上ありますが、全然気になりません。
240億円かけていると言っていますが、伊達ではありません。私の友人は生涯ベスト1だとまで言い切っています。宣伝等で内容がかなり露出していのますが、やはり見ると段違いですね。
実際にセットで船を作ったというのもすごいですが、沈没シーンでのスタントもすごいです。それに恋愛映画としても無理のない話なので1本で二本分楽しめます。今や人気抜群のディカプリオと「いつか晴れた日に」で好演していたウィンスレットの主役の二人もいいし、ストーリーも伏線がバリバリ効いていて気持ちがいい位です。キャシー・ベイツや楽団の人等脇役もいいので人間ドラマとしても味わえるようになっています。ただ、ちょっとストーリーテリングが今ひとつなせいか肝心なシーンでの泣かせ方が甘いのがご愛敬です。と言っても観客では泣いている女性は多かったけれど…。泣けなかった私が悪かったのかな。
CURE
監督 黒沢 清
出演 役所 広司 うじきつよし
「ドレミファ娘の血が騒ぐ」「地獄の警備員」の黒沢清の新作です。日本版のサイコ・ホラーなのですが、なかなか怖くてよくできています。直接ではなく間接的に怖がらせてくれます。脱水機の音とかノイズとか…。殺人シーンも引いて撮っていたり、レストランのシーンも変なところからのカメラアングルだったりしているし。
萩原聖人はちょっとイライラさせられましたが、うじきつよしが好演。役所広司は相変わらず乗っていますね。しかし、この映画の中川安奈や東京日和の中山美穂みたいな奥さんを持つと大変ですね。
セブン・イヤーズ・イン・チベット SEVEN YEARS IN TIBET
監督 ジャン=ジャック・アノー
出演 ブラット・ピット デビット・シューリス
風景もすごくよく撮れていて、ブラット・ピット達配役ももまあまあいいのですが、ちょっと期待はずれでした。何か映像ほどの奥行きがない映画の感じがします。ダライ・ラマというのは名前の割にみんな実体を知らないので、その辺は勉強にはなったのですが…。どうも中国は危ないぞ、という映画にもとれます。ヨーヨーマとジョン・ウィリアムスの音楽は可。
メン・イン・ブラック MEN IN BLACK
監督 バリー・ソネンフェルド
出演 トミー・リー・ジョーンズ ウィル・スミス
比較的短い時間で楽しめる映画の典型で、それにノレるかどうかが分かれ目です。主役の二人もなかなか軽妙でいいです。アメリカにいかがわしいタブロイド新聞が多いのにはああいう理由があったのですね。日本のピカチュウのピカッも怪しいなぁ。
エアフォース・ワン AIRFORCE ONE
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
出演 ハリソン・フォード ゲイリー・オールドマン
ハリソン・フォードならではと言った感じさえする映画です。悪役づいてるゲイリー・オールドマンもいいですねぇ。将軍があっけないし、墜ちるシーンも…ですが、まあいいでしょう。ウィリアム・H・メイシーも後半俄然活躍しているし。
しかし、去年の「ID4」といい、やたら大統領が活躍する映画がヒットしていますが、さすがアメリカです。日本で首相が活躍する活劇なんか企画さえ出てこないでしょう(笑)
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