縮刷版99年11月中旬号


【11月20日】 紫の「プリモプエル」は生育5日ってあたりで語彙もちょっとづつ増えて来たけど朝は7時なんて気分はまだ真夜中に喋って五月蝿いし、今日なんて家の中に住まわせてやっているのに「マフラーほしいなー」なんて贅沢を言いやがって、だからガキって嫌いなんだよ男は特にと確信するも、所詮はカレンダーに従ってタイミングを見計らって語彙の中から適当な言葉を吐き出していく木偶人形或いは人工無能、イジめたって仕方がねーやと思い直して後は作った人間の季節感ボキャブラリーその他を、生育中に発する言葉から類推しつつ揶揄していこー。こーゆー飼い主が一番鬱陶しいんだろーなー、でも「ファービー」は分析すれば話題になるくらいに複雑な反応を秘めているそーだから、単純に「たまごっち」で余った半導体を積んだだけじゃない「プリモ」くんも、あるいはもうちょっと気の利いたギャグを見せてくれるかもしれない。でなきゃ値段分の価値、ねーもん。

 齢48才と主役の歳も分かった「飛翔せよ!、閃光の虚空へ!」(キャサリン・アサロ)を100ページほど読む。この歳にして表紙の若作りは安永航一郎さん久々の大傑作にして代表作へと昇華も確実な「火星刑事」の主役をも越える年増ヒロインとして末永く讃えられるであろー、とくに表紙のピチピチな戦闘スーツ姿にクラっと来て購入した人には、読んで明らかになる年齢がおそらくは自分の母親を越えているとゆー事実がトラウマとなって、後々の性癖成長に多大な影響を与えないかと心配なんかもしてみたり。「星界の紋章」のラフィールだってあと20年もすれば姿はそのまんまで歳だけ40近くなってしまるだろーから、その時になってジントはおっさんで或いは死んでたりして新たな別の若い兄ちゃんとのロマンスなんかが繰り広げられた日にゃぁ、倒錯の絵図が繰り広げられることになるんだろー、やればだけど。スポールさんって幾つだったっけ? レクシュ艦長の下着姿にトキメいていて良かったんだっけ?

 秋葉原を散策、っても金がないんでガイナックスの「脱衣麻雀」は買えず「ゲーマーズ」の「でじこ」関連キャラも買えず無為に中央通りを歩き抜ける。途中25日にオープンする「ゲーマーズ」の本店ビルを「ゲマ」の看板ともども遠くから見学、8階建てのすべてにぎっしりと詰まるゲーム関連キャラクターグッズって果たして全てがちゃんと売れる品物なの? ってな今日日の平均してのアニメキャラクター沈滞ムードを思いつつ心配もしてみるけれど、秋葉原デパートの明正書店のアニメ雑誌積み上げランキングで不思議っちゅーか何っちゅーか「デ・ジ・キャラット」が表紙の「電撃アニメーションマガジン」最新号が、本家「アニメージュ」も王者「ニュータイプ」も差し置いて山が1番低くなっていて、ついでに言えば向かいのビルにある「ゲーマーズ」では品切れになってしまう人気ぶりを見せていて、何だかんだと人様のキャラクターを加工して売って来た「ゲーマーズ」が、密かに燃やしたオリジナルキャラ育成の野望がここに来て一部地域ながらも成功を治めつつあることを実感し、ならば8階のすべてを「でじこ」で埋めれば客もとりあえずは寄りつくのではとの思いを抱く。「でじこ」招き猫、手に入れにゃぁ。

 そのまま中央通りを歩いて上野まで、貧乏は足腰を鍛える、ってそれくらいの金はあるけれど、歩くのは好きなんで良いんです、良いこともあるし、ってのは京成上野駅の真上にあるビルの1階で古本市が出ていて、あれやこれやと楽しそうな本が売られていて目の保養になったから。買えないのはやっぱり貧乏故の哀しみなんだけど。目立ったのは半村良さんの単行本ハードカバーの豊富さで、「不可触領域」(だったっけ)とか「闇の中の系譜」とかってな名高い作品からあんまり聞いたことのない、ちゅーか見ていたけれど忘れてしまっていた作品がだいたい1冊1000円で20冊ばかり出ていたことで、ほかに潮出版社から出ていたハードカバーの「下町探偵局」も続編込みで2冊2000円とかで並んでいて、半村リスペクターが行けばごっそり両手に荷物な状況を作り出せたんじゃないかろーか。漫画だと吉野朔実さんの超傑作短編集「いたいけな瞳」の全8巻きが1600円、その後の異色作「エキセントリックス」が4冊800円でともに売られていて、救出したかったけどこれまた金の問題で今日のところは断念、でも家中に散らばって所在の確認できない「いた瞳」は予備に欲しいとも思ったりして、近日救出に向かうかも。是非って人は急げいそげ。

 土曜日ってことで大勢の観光客であふれた上野の山を上って科学博物館で数学のお勉強、さまざまな数学の定理や法則(定説ではない)を立体の玩具みたいにして触って確かめることができるよーにした展示があって、ピタゴラスの定理机とか正方形が正三角形になるテーブルとかをガチャガチャと動かす何故こーゆー催しに来るのか不明な若いカップルを眺めたり、楕円でどこにぶつけても玉が両方とも焦点にあれば必ずぶつかるビリヤードを試し、キューと玉の当たりの悪さにチョークを置けと心で呟いたり、なんとか三角って周囲が弧状になった三角形は回転しても幅が代わらずマンホールの蓋にしても落ちないってことをいい年になって初めて知ったり、いろいろと勉強させてもらう。正規分布に玉が別れるスマートボールのでかいヤツでは、一番端が何故か端より2番目より多く玉を集めてしまって謎めくも、偶然だって重ならないとは限らない訳だから良いんだろー、死体が0度になる定説だってあるくらいだし。

 出て今度は東京国立博物館にオープンなった「平成館(へいせい・やかた)」で金と銀のショーを見る、ほらその昔、小福亭鶴瓶師匠と長江”良い子悪い子普通の子”健次くんが司会やってた「とつぜんガバチョ」って番組の名物コーナーで、笑うと連れ出されてしまう「てれびにらめっこ」に怪人として出演してた「ミスター金」&「ミスター銀」が2人、並んで火を吹きながら踊ってくれるショーで、って言ってて懐かしさに涙が出てきたあの時代は夢も山ほどあったっけ、髪もタップリと。いや違う「金と銀」ってのは日本で古来より用いられて来た素材である金なり銀がフィーチャーされた道具なり芸術を並べ、その伝統美を見てもらおうってイベントで、仏像に馬具に屏風に絵巻に装身具にほか山ほどの並べられた品物に、「じゅわいおくちゅーるマキ」のカウンターごしにシルバーなりゴールドの貴金属を見る目とはちょっと違った、ホンモノへの感嘆と羨望を抱くオバさんガイジンさんたちを眺めながら目は何故か不思議と多かった、メモ帳片手に展示物を見入って回る若い女の子の姿を追いかける。こーゆー展覧会にも興味、あるのかな、こんどいっしょに、行きません、サントリー美術館や出光美術館、なんて声はちょっとかけられねー、小心者だから。

 俵屋宗達をパクった尾形光琳の「風神雷神図」にパクっても一流は違うと感嘆しつつ、大奥の腰元の腰巻きの緻密すぎる刺繍に唖然としてみたりしつつ、「平成館(へいせい・やかた)」へと写された日本60万年の至宝の展示室へと向かい、火星でも話題の火焔土器を見てクリスタルサイエンし、別に青いガラス製じゃなかった遮光器土偶とかを眺めてカムナビる。向かいの寄贈品コーナーでは高松宮家寄贈の包平作の鞘に菊の御紋が入ってまぶしい太刀をながめて、これ1本あれば1生遊んで暮らせるのかとガラスに向かって拳を振り上げようとして思いとどまる。貧乏を自覚しつつトボトボと歩いてそーだ裏キャラクターでも探すかとマスコットが果たして遭ったか不明な「上野動物園」にえっと東京(千葉だけど)に出ていた10年前に1度行った以来の入園を実行、あの時にいたか覚えていなパンダを見ながら、白い部分の薄汚れぶりに涙する、ウンチしてやがったし。

 面白かったのはクモザルで、長い手足だけじゃなく尻尾もちゃんと巻き付けて飛び回る姿に「パンダより喜んでるよ」ってな赤ん坊を横目で見つつ感嘆する。あと1944年から生きている超年増の像とか、「ジャングル大帝」では長老役なのに何故か歯をむき出して畜生まる出しだったマンドリルとかを見て時間つぶし。ビバリウムまでは行けずシーマンはいなかっただろーけど両生類は見物できず、売店で独自なキャラを探すもパンダにパンダ焼きではつまらないんで却下し、古本市で激しい衝動に突き動かされて購入した「ナポレオン文庫」(どこの衝動だ)を読みつつ、小松左京さんの講談社文庫から出ていた日本列島の開発計画をルポした今読んでも結構役立つノンフィクションを読みつつ帰途へ。京都には行けなかったけど、まあそれなりに勉強の週末でした。明日はどこいこ。


【11月19日】 あっ、金ねーや、ってことで「京フェス」はパス、その金で買おう「コム・デ・ギャルソン」のセーターを、ってをいをい。の前に会社に行って仕事のフリ、またしてもなんとゆーか減って行きそーな雲行きになっててこれで1月から数えるとそろそろ野球が出来そうな印象で、ただでさえアメリカンフットボールにはディフェンス、オフェンスでフルに交替すると足りないのが、そろそろサッカーの紅白戦も出来ない状況になりつつあって、けれども量は全然減ってなくってむしろアヤシげな物が金絡みでドシドシと降って来るため余計に大変になっていて、そこに加えてのエクソダス、うーん来年は本気で白一色のがお手元へと届きそうな気がしてきた、いやいや吐いた血で真っ赤になっているかもしれないなー、「しんぶーん」、読んだら寿命が100日縮まります、でもその時僕らはみーんな死んでまーす。うーん意味不明、でもって深過ぎるぅ。

 ウィッス、エクセルっす「エクセルサーガ」は「しんぶーん」と届く夜の「恐怖新聞」にホラーへの転換を認める六道神士さんのコメントも入ってスタートしたものの、どことなく不安定な絵に無理矢理の可愛いマスコットキャラの大投入が本編でも比較的緊張感とストーリー性があった下水道の大冒険のエピソードをドタバタにしてしまってて不思議な印象を受ける。人工呼吸の「ポッ」ってなエピソードの我が身へと迫った場合の恐怖感もアニメ版にはなく、何故か下水道でくたばっていたハッちゃんを助けた長髪野郎へ、華麗にして脅威の飛び蹴りを見せるエッちゃんの姿も見られずそれはそれは残念な思いに涙する、えーんえんえん。でも巻き舌優子さんのトバしっぷりは快調だったし次回予告での三石琴乃さんの喋り倒しも絵がなかったのは放っておいて楽しかったし、それはそれでやっぱり次週への気が滅入っ、違った気が立っ、でもない気がはやる。さあどんなお話にしやくれがるっちゅーんかいワレ! ともかくも楽しみ楽しみ。

 前回と絵が変わるどころか見ている途中でも変わってしまい不思議な感覚を30分の短い間にたっぷり味わわせて頂きました「ブルージェンダー」。泳ぐマリーンの色っぽさは1枚の絵としてはグッドだたけど何故か動く時に紙芝居みたく間が抜けてリミテッドにパタパタ動くのはこの抱負な時代に対するアンチテーゼでありましょーか。軍隊を抜けて1人砂漠に暮らす男との邂逅からホウキ頭の孫悟空もみあげな主人公の浩二がどーしてこれほどまでに護られるのかが最初を見てないんでちょっと分からないけど、「ブルー」って呼ばれる怪物の正体はどーやら人間の変化したものらしーってことが伺えて来て(そーなの?)、ってことは或いは同じ地球へと降りて戦い始めたばっかりの「E.G.コンバット」の先を行くストーリーなのかもと興味がムクムクと頭を持ち上げる、決して下着なマリーンに対してじゃありません持ち上がる場所も違うし。

 「本郷陵苑」って墓地らしー広告が入っていて、流石に今時地べたに墓なんて贅沢なことは言ってられないのか建物の中に納骨するタイプの「お墓のマンション」のチラシだったんだけど、よくある仏壇状に納骨ロッカーが並んでいて、遺族がそこの前までいってお参りするのと違ってて、ここん家は何基が備え付けの「礼拝室」って見かけほとんど銀行のATMってな感じのブースがあって、遺族がそこでIDなんかが記されたんだろーカードを入れると、まるで萩尾望都さんの漫画版「百億の昼と千億の夜」に出てきた「ゼンゼンシティ」の1級市民を呼び出す場面そっくりに、ってゆーかどっかの自動化された倉庫のよーに、納骨してある堂内から当該の遺骨が自動搬送システムによって選び出されて礼拝室までコンベアで運ばれて来て(その間30秒から90秒)、遺族はブース内のパカンと開いた扉の向こうに到着したお骨を拝み奉るんだとか。それは確かに合理的だけど仕組みを知るとそこまでして納骨する意味って何? お墓っていったい何ってな気持ちが湧いて来て、いっそ世界を大地に地球を墓石に我が身を葬り賜えと遺言した方が楽だし気も休まるよーに思えて仕方がない。

 まあそれでも火葬の国でお骨だから気分は楽だけど、これが土葬の国だったりしたらそれを置き換えた陵墓システムってのはつまり安置してある場所から防腐処理を施された遺体が搬送システムによって運ばれて来て、パカンと開いた扉の向こういゴロンと寝ていて参拝者はそれを拝むってことになるんだな? でもっってときどき機械が間違えて死別した妻かと思ってだきついたらどっかの太ったおっさんだったとか、シワシワな婆ちゃんだったとかってな事態になるんだな、嗚呼恐ろしい、逆だと良いけど婆さんと思ったら若死にした美少女ってな感じで。その場合はもちろん連れて帰って飾ります、夏は冷房代わりに抱き枕にします、ほら人って死ぬと零度まで下がるそーだし。話がそれたけど何でも骨壷には3人まで同時収納タイプもあるそーで、まとめて引っぱり出せるなんてホント便利な世の中になりました、ってことは土葬で祖父母父母ってな4人タイプのボックスがあってあけると死体(遺体!)が4つゴロンと……うーん便利過ぎる世の中になっちまいました。

 博報堂から半分広報誌みたいな雑誌「広告」の11、12月号(いつも合併号)が届く、「最近どうもデカい話ばかりしていると哲学者の東浩紀さんが言うので」ってなコピーをそえて「東浩紀のすごいデカい話」ってなタイトルで東さんが3人の今をトキメく人たちと対談するってな企画が巻頭から流されていて、ここまで大々的に東さんをリスペクトして博報堂もいよいよ本腰を入れてオタクな世界へと傾注する気かと思ったものの、何ごとにも理論と権威を先立たせるのが頭の良い人たちの良くも悪くも癖であり、だからこそ理論と権威が本人が望むと望まざるとに関わらず東さんをフィーチャーし、或いはこのメンバーなら安心と「ホーホケキョ となりの山田くん」とか「火魅子伝」とかに突っ込んでヒドい目にあったりするんだよな博報堂、とも思ってみたり。オタクってのは考えるより延髄で反射するところがあって理論は後付け、みたいなものなんだからあんまり考えすぎるのも考えものかと思うけど。

 まあそれでも考えなさ過ぎるよりは考え過ぎた方がまだ他に潰しもきくから良しとするか、ってことで考えに考え抜かれたトークは1人目が精神科医の斉藤環さんで、話の9割が凡庸な頭には理解不能ながらも1点、「戦闘美少女」について斉藤さんが研究していて近く本にまとめる予定があることを知って、出来れば早急にまとめて頂ければ来月あたりにまとめようかと思ってる「戦う少女(一部若作り)」のSFファンタジー等などのまとめの参考に出来るのにと考える、でも本って容易に出ないからきっと来月来年来春あたりにズレ込むんだろーなー。それと個人的に興味のある「戦闘美少女」の歴史的系譜よりもむしろ今とゆー時代なり今を生きる人たちのメンタリティーが「戦闘美少女」とゆー存在をどう生みだしどう受容しているかに力点が置かれそーだから、やっぱり小難しい理論の果てに凡庸な頭は煙に巻かれてどっぴんしゃん、となるんだろーなー、勉強しといた方がよかったかなー。

 2人目は「プロジェクト杉田玄白」って外国のテキストを勝手に翻訳して後悔しちゃいましょってなオープンソースのプロジェクトを率先垂範している山形浩生さんが東さんと対談してて、イラストに登場の山形さんが耳と眉にちゃんとピアスしている姿がリアリティあって面白かったけど髪の毛は紫ってのはリアルなの? それはさておきオープンソースな話にオタク文化の模倣と引用の果てに生まれる進歩とを絡めて最近の著作権とか商標ってなものを強化する動きに疑問を呈しているのが、趣味として及び取材の対象としてオタク文化を両面から見ざるを得ない身としてはなかなかに興味深い。弁護士の言葉に拮抗するための言葉ってな下りとか、児童ポルノと外国からは見間違えられかねない作品が実は重要な部分を占めている日本のオタク文化が、児童ポルノ法によってどのよーなダメージを受けるかってことを説明する言葉の必要性とか。でもなあ、通じないんだよおっさん編集幹部にはやっぱ。悩ましいなあ。こーゆー時に権威と理論の必要性を感じるんだよなあ、ガンバレ東さん、迷惑だろーけど。

 3人目の村上隆さんはまあいつものメンバーってことで。東さんの岡崎乾二郎リスペクトぶりが溢れてたりしたのが目新しいったら新しいか。巻頭の連載は西武百貨店を率いた文化大好きな堤清二さんに「パルコ」生みの親の増田通二さんが加わって、渋谷を中心に「ふしぎだいすき」な現象を生み出したセゾングループのバックに、堤さんとは犬猿の仲だった西武は西武でも堤義明率いる西武鉄道グループの総本山である「国土計画」なり「プリンスホテル」がちらついていると書いた冒頭にひっかかってちょっと読めず。ただしソニーにセガを日本を恥じる知識人への疑念には共感。これも自分が言ったところで趣味の拡大とした認めてもらえないからなー。しかし最大の不思議は「東浩紀」特集と銘打った「広告」の表紙に、僕の知ってる東さんとは「似ても似つかない」、細面で福々しくない兄ちゃんが描かれているってこと、いったいこの青年誰なんだ? 同じことは綾辻行人さんの文庫版「セッション」の巻末に加えられた国樹由香さんの漫画「がんばれあやつじさん」を見て思ったけど、折り返しの写真を見て納得、ダイエットはするものですね。


【11月18日】 少女時代と学生時代と現代とが交錯する美女とその師との、円周率についてのあれこれとした問答が繰り返される幻惑的な展開に加えて、時間とか電脳空間とかをぐちゃぐちゃと絡み合わせた挙げ句にループにして酩酊感を与えて決着を付けるシナリオは、やっぱりリアルとバーチャルが絡み合った複雑なシーンを見事「パーフェクトブルー」としてまとめあげた村井さだゆきさんだったか「セラフィムコール」。窓から見える建築物の工事中だったのが完成していたりといった場面でもしっかりと時間の混乱を描ききる、キャラクターの演技以上にモノをいう背景とかもあるから1度見ただけじゃー理解が容易に出来ない。こりゃやっぱDVD買うしかないかなー、でも30分で3800円もしやがるからなー、エンディングの歌もイマイチだったし。今まで登場のヒロインでは1番歳を食ってたけれど、その分子供ん時の長髪で眼鏡っ娘でもなかった時代も描かれていたから足して割ってオッケーとしよう。次回はさらに謎なカメレオンロボットを操るサンダーバード的ヒロインの爆裂エピソード。見ねば。

 雑誌「タイム」の「ポケモン」大特集の中に1シーンが紹介されていた「パーフェクトブルー」の、幻想と現実との入れ子構造に幻惑され感銘を受けた身にはそれほど混乱はしなかったけど、実写だけに恐怖感とスリルは結構あったのがランド・ラビッチ監督の「ノイズ」。ギャガの完成披露試写会を「丸の内ピカデリー2」で結構良い感じの椅子に座って観賞、ジョニー・デップが「GO! GO! LA」のポスター役でも見せていた横を向いたり目をそらしたりする「演技」が炸裂してて、ジョニー・デップってこーゆー役者だったのかと感じたりしたのはとりあえず置いて、物語をかい摘んで説明すれば、人工衛星の補修作業中だった2人の宇宙飛行士が事故に遭って2分間だけ完全に通信が途絶、とりあえず復帰して地球へと帰って来たものの、どこか前と違うおかしい部分があったとか。

 ジョニー・デップが演じる宇宙飛行士もその1人で、シャリーズ・セロン演じる奥さんは最初は気にもとめなかったのに、一緒に地球へと還って来たニック・カサヴェテス演じる宇宙飛行士が卒中で急逝し、その奥さんもほとんど同時期に自殺してしまう。そこうしているうちにデップは飛行士を辞めてニューヨークの企業に就職、奥さんも連れて行ってその先で奥さんは双子を身ごもるが、デップらが帰還してからどうもおかしいと思っていたジョー・モートン演じるNASAの職員が奥さんを訪ねて来て、体温が違うノイズが聞こえた宇宙からの侵略じゃないか、ってな事をあれやこれやと吹き込む。そう聞くともとより鬱病気質だった奥さん、旦那があるいは宇宙からの侵略者に乗っ取られた人形になってやしないかと不安でしょうがなくなって、あれやこれやと騒ぎを起こしてさてさてどーなる?

 ってな展開の先は実際に見て頂くとして、なんだから出産を控えてノイローゼになった奥さんが逆スパイラルの精神状態の中でドツボにはまってのっぴきならなくなる話のよーにも見えて来て、それはそれでサイコなサスペンスとして吃驚させてくれるんだけど、一方には侵略SF映画としての可能性もあって、それならグチャドロなパニックがない近年にしては珍しい侵略物だと思ってみたりと、見ている間中、奥さんといっしょに精神のジェットコースターを上へ下へと連れていってもらえる。カメラワークのセンスが好みにピッタシだったみたいでどのシーンを見ても切れ味あるよーに思えてカッコ良い、地下鉄も倉庫もアパートの中も。新春第2弾として渋谷東急ほかでロードショー。シャリーズ・セロンの方がデップより高く見えるんだけどデップって背、低いのかなあ、あとアメリカの野沢直子として有名な(筈はないけど)クレア・デュバルの歯茎がなかなか。バイプレーヤーとして成功して頂きたいものである、猿の全身タイツとか着て。

 格闘技特集の「ナンバー」を購入、エンセン井上に始まってキックボクシングの小野寺力に修斗の宇野薫、キックボクシングの魔娑斗にパンクラスの渡部謙吾と続く挌闘の猛者たちのスチール写真になかなかの肉体と思ったのも束の間、めくったページに現れた今までの誰よりも発達して黒光りした筋肉に圧倒されて、どこの団体の格闘家かとよくよく見たら「プーマ」道場に所属して世界ランキングでもトップクラスの強さを誇るリングネーム「セリーナ・ウィリアムズ」と判明した。いやもーその胸板の分厚いことといったらきっとEカップは楽にあるんじゃなかろーか、頭をゆわえたビーズも軽やかに振ったラケットのスピードたるや、どのボクサーのパンチもどの空手家のキックもかいくぐって、鍛え上げた相手を1発でノックアウトするくらいの威力を秘めているんじゃなかろーか、いや本当にそー思えるんですよ腕なんか。勇姿を確かめたければ「ナンバー」開いて確かめな、72ページね。これよりさらに迫力の肉体を持つ「ヴィーナス・ウィリアムズ」とのタッグにさて、かなうのはヒクソン&ホイスグレイシー兄弟だけかも。

 「サイゾー」を買う、ボスがボスだからこそボスと呼ばれることを思い知ったらしー最新号はグラビアがごっそりと減ってしまっているらしく、これまでそれなりになかなかだったカバーガールが、僕だけなのかも知らないけれど余り知らない紫咲コウさんだったりするのは無関係だとは思うけど、来月以降のカバーガールがさてはてどーなるのかに興味も結構湧いてくる、いっそ年齢下げてボスも手の及ばない幼児にしゃえば最高なんっすけど、ブルマだったらなお最高、でもそれだとキノクニヤに置いてもらえなくなっちゃうからダメか。特集に登場した「船橋若松劇場」は歩いて10分もかからないご近所なのに1度も行ったことがなく、読んで美人も出ていそーでミレニアムのカウントダウン御開帳なんてあったら帰省せずに是非ともかけつけたいものである。成宮岡田の「とり押さ」は「とりあえず押さえられて」しまったのか掲載されず、晩秋だしタオル姿で風邪でもひいたか。冒頭のセガに関する噂・スクープの真相はきっと来週金曜日の「事業戦略説明会」で明らかになるでしょー。思い出したけど裏キャラクターに神奈川県警のマスコット「ピーガルくん」と並んで候補に入れたい「後藤喜男」って結局何だったの?


【11月17日】 とかって言っていたら「ドラゴンクエスト7」の発売は延期、一応は今冬って言ってるあたりが「プレイステーション2」といっしょで気味が悪いけど、いずれにしても年度内にはちゃんと出すってことで経営に与える影響は小さいとか。どっちにしてもファミコン時代から一切の思い入れを持っていないタイトルなんで延期が中止であっても気には一切とめない、むしろ来年にちゃんと「サクラ大戦3」が出るのかって方が神経にピリピリと響く。結局5年あった「プレイステーション」の時代にエニックスは「ドラゴンクエスト」を1本しか出せなかった訳で、これにも増して技術とアイディアが求められる「PS2」向けに作るとしたら10年だって必要になりそーな気もしないでもなく、もはや「ドラクエ」って名前を封印した方が健康の為になるんじゃないかって無責任だけどそんな思いもしてくる。商売的には堀井雄二さんに2年くらいで作ってもらいたいらしー福嶋シャチョさんだけどこればかっりは、なあ。せめて焼き直しでも頑張って付加価値付けて商売していって頂きたいものである、潰れるとほら、寝覚めも悪そーだから。

 謎めいた夫人が出てきた所でいろいろと課題図書秘密仕事が重なって、しばらく積み残していたフィリップ・プルマンの「黄金の羅針盤」(新潮社、2400円)をよーやくにして読了する。思い浮かんだのは伊武雅刀さんの「子供たちを責めないで」って歌の「子供は無知で世間知らずで我侭で」ってな歌詞の一部、ってゆーのもこの本を読むとホント、親の心子知らずってゆーか子供は無邪気で無知とゆーか、大人が心配すればするほど子供はそれを鬱陶しがって反発するってことが見えて来る。もちろん今は見かけは大人で子供から疎まれる世代になってはいるんだけど、精神的には10代のガキより成長していないモラトリアムより以下な身としては、分かるところもありまた同情もしたくないって相反する気がして来て、どっちの見方をして良いのかなかなかに迷う。コドモオトナした僕みたいな人間よりも、やっぱり純粋に大人なんてって思っている子供に読ませて希望だけは抱かせておくに限るなー、こーゆーファンタジーは。

 ダイモンって分身を誰もが持っている世界なのに大人になるとそのダイモンが変身しなくなってしまうとか。そんな子供とダイモンを早々と切り放してしまえばさてどーなるってことで、それが大人、あるいは大人たちの社会にとって良いことだとゆー認識があっても当の子供たちにとっては哀しいどころか恐ろしいことであって決して認められず、そんな子供の価値観と大人の大局観がせめぎ合うなかで進んでいく物語を大人が安閑と読んでいられないのは当然っちゃー当然か。歳をとらない魔女と人間との恋と別離のエピソードなんかに成長する哀しみと同じくらいに成長しない哀しみもあるってことが示されていたりして、さてはて書いた人間は子供にいつまでも子供のまんまでいろと言いたいのか、それともやがて来る大人の世界に脅えるなと言っているのかちょっと迷う。さらに主人公の少女ライラが大人が厭う物を正義と勘違いしてかそれとも推測かは知らないけれど破壊させはしないと決め込んで、別世界へとますますの深い冒険へと出かけてしまうエンディングを読むにつけ、よくよく子供は身勝手だと呆れつつも純真でい続けられることへの羨望を覚えてしまう。童心に帰れとの警句もあるのかプルマンさんよぉ、次巻じゃどんな事、教えてくれるんだい?

 これと11月にはほかに早川書房から「スコーリア戦史」ってシリーズの第1巻となる「飛翔せよ!、閃光の虚空へ!」(キャサリン・アサロ)とかってな小説が出るよーで、「星界の紋章」にも似たサイボーグ化された美女で実は皇位継承権を持つお姫さまが登場する話らしーんで、「黄金の羅針盤」にこれはちょっと先に出たけどマーセデス・ラッキーの「誓いの時」(創元推理文庫)あたりとまとめて「戦う美少女」ってな切り口で紹介出来ないものかと画策したけど、「本の雑誌」12月号の紹介文を読むと「飛翔せよ、閃光の虚空へ!」の主役は実は40代の「大年増」(40代でも美しい方々はもちろんこの言葉とは無関係デス)、なんで美少女と括るには無理があるかもと悩み悶える、が見かけが若けりゃ良いってことにしておこー。しかし40代の「大年増」(40代の美しい方々は除外だってば)を捕まえて宇宙版「ロミオとジュリエット」とは良く言った、そんなんでツボつきまくられるほどSFファンは女性に飢えちゃいない、うーん飢えてるかやっぱ。

 北上次郎さんもネットを読んでいるなら椎名誠さんも「真空とびひざ蹴り」によればネットをあちこちのぞいているとか。まーここいら辺りへと流れて来ることは皆無だろーからワルクチが絶賛でも関係ないとは思うけど、それでもこれまでワルクチ言ってなかったかなって慌ててみるあたりに過剰な自意識が伺える。さて椎名さん「こんなに多くの人が本を読んでいて、こんなに熱心に語っているのに、どうして出版業界は慢性的な不況から抜け出せないのか」って言っているけど、一番後ろの編集後記でこんどは目黒孝二さんつまりは北上さんが生まれてこのかた4冊しかミリオンセラーを読んだことがないって言っているよーに、人は本に対して趣味嗜好が細かすぎてなるほどネットを読めば本について離している人が山のよーにいるよーに見えても、細分化すればたいして勢力になっていないのかもしれないのかも。

 あるいは本についてネットで話す人たちは逆に狭いジャンルに偏っていて、市場全体からみれば氷山の一角のさらに端っこくらいにしかなっていないのかもしれない。そこで流行っているとすごく流行っているよーに見えて現実には大人は誰も知らないすなわりメディアは全然気付いていないってことが良くあるよーに。来年で25年なんて元がミニコミだった雑誌にはとても考えられないくらい長い間刊行され続けて来た「本の雑誌」を今、読んでいる人が減ってなくって逆に増えているよーで、それでも出版不況になっているんだったとしたら、その事から何が原因になっているのかを考える方が、ネットでの手応えに期待して結果ぬか喜びしてしまうよりも、よりはっきりとした答えを得られるよーな気がするんだけどどーだろー。ちなみに目黒さんが読んだとゆーミリオンセラー、僕1冊も読んでません。趣味ってほら、やっぱ人によって大きく違うもんだよね。

 えっと気が付かなかったけど「マンモス交番が云々」って言ってクビになった神奈川県警外事課の人って単純に自分の趣味嗜好から覚醒剤に手を出したんだったっけ、女性にのめり込んだからだとしても、こーゆー時って推理小説とかだと「エリートの外事課刑事は組織の秘密に迫りすぎたため女にたらし込まれたか騙されたかして捉えられシャブ漬けにされて放り出された」ってな絵に描いたよーな裏話が披露されるんだけど、今回の場合ってそれをモミ消そうとしたキャリア及び警察組織の上意下達な醜さばかりにメディアの関心が及んでいて、実はってな講釈があんまりなくってちょっとツマらん。まあそれはそれで困ったことではあるんですが。クビになった人が北朝鮮担当だったとかってあたりにも、何だか謀略の臭いを立てよーと思えば立てられそーだけど、そこいらあたりにさてはて週刊誌はどー切り込んでいってくれるんでしょーか。単純に転んだだけだってな事が、もう既にちゃんと説明されていたんだったらそれを探して読もう。


【11月16日】 うーん「裏キャラクター」って言われても「でじこ」くらいしか知らないしー、って「でじこ」を裏キャラクターって言ったら怒る全国1万人の「デジコ」ファンからビームが飛んで来そうだけど、ともかくも何やら「裏キャラクター」ってのを調べなくっちゃならないみたいでちょっと大変、とりあえず「えここ」は1本見出しが立つとして他はどーだろ「ジバクくん」「モッチー」「カエルブンゲイ」(何?)「yonda」「DOBくん」「ガン黒リカちゃん」「ワンダちゃん」あたりか。これを落とすなって意見たっぷり受け付けます特に関西名古屋札幌ほか地域ローカルな今流行ってるキャラクター。名古屋オンリーってキャラクターを思い出そうとしてるけど「モグラのチカちゃん」くらいしか思い出せない名古屋を離れて間もなく10年の非名古屋民だし。関西は行けたら「京フェス」帰りに調査でもしてみよーか、でも京都と大阪じゃ趣味も風習も違うしなー。頑張って勉強しよ。

 これを「裏キャラクター」って言うとバンダイきっと怒るだろー「プリモプエル」を近所のファンシーショップで遂に買う。店頭になぜか4色並んでいて、うちプリモプエルホームページでやってる占いで相性バッチリって出た紫色のプエルがちょうどあったんで買ってしまう、嗚呼無駄遣い王選手権シロウトの部優勝確実なり。プロの部はもちろん中村うさぎさんね。6980円とかのお金を払って何故か取り出された箱からボールを取り出す籤をやったら2個続けて同じカラーのボールが出て、それは何でもそのショップでは初めてとかゆー「頂いたお金の半分をお返しします」賞だったとかで、実に3500円以上のキャッシュバックを受けてこれで20世紀の運を全て使い果たしたってな気分になる。でも20世紀は残り1年だし21世紀にも別の運がきっと待っているだろーから気にしない。皇紀2600年代の運だったらヤだなー、あと40年続く訳だし。

 しかし単2電池を4つもお尻から入れなくっちゃいけないエネルギー食いの「プリモプエル」、手と尻尾にちゃんと押す場所の決まったスイッチがあるってのがどこがセンサーなのか今1つ不明で、どこかをどーかすればどーかなるって点が楽しい「ファービー」とは違う部分だけど、辿々しいながらも喋りが日本語で声も子供で聞きようによっては可愛くないこともなく、馴染んで会話が成り立つよーになればそれなりな愛着も入れ込めるんだろー、すでにして2カ月は寝たままの「ファービー」よりもずっと、もっと。高いだけあって結構デカいのが持ち運びに苦労する点だけど、そこは赤ん坊向けのストラップを買って背負うなり抱えるなりすれば街だって持ち歩けないことはない、ってことでこれも行けたらだけど「京フェス」にはディパックの大部分にこいつを詰めて無駄口叩かせて顰蹙でも買いまくることにすっか。

 エニックスが開いたアナリスト向けの決算説明会に行く。兜町での決算発表だと聞き手となる新聞記者の実は経済財務ほとんど付け焼き刃なんです的質問で財務の本質が分からない事が結構あって、プロのアナリストの人たちがどーゆー観点からエニックスって会社を見ているのかに興味があったけど、案外と聞く内容はソフトの売上本数とか「ドラゴンクエスト」に依存しない経営体質を作るための対応策とか、新聞屋でも思いつきそーな質問しか出ずちょっとガッカリ、って言うんだったらお前が突っ込めって言う意見は却下ね、だって僕文学部なんだもん。聞いている範囲ではとりあえず「ドラゴンクエスト7」は12月29日に出そーな雰囲気だったし、来年は「ドラクエ」GB版の3とか4とか、PS版の「1」とか「2」とかも出そーな感じで本編の新作は出ずともリバイバル商売で結構行きそーな感じ。1つの圧倒的なコンテンツを持ちさえすれば商売出来るって最たる事例と言える訳で、たとえクロウト受けは良くってもマスになり得なかったところは負けるしかない業界の厳しさを知る。そーだよねヒューマン。

 セーラー服美少女アナリスト、な訳ないモリタミツコ様のご尊顔を拝して会場を後に。課題図書の川端「夏のロケット」裕人さん待望の新作「リスクテイカー」(文藝春秋、1762円)はロケット野郎から一転して舞台をニューヨークのウォール街へと移し、ロケットならぬ国際為替市場での成功をもくろむ青年たちの野望と挫折と再生を描いた、なかなかに爽やかな物語に仕上がっている。11次元で金融市場の変動を数式化しよーとする中国系の天才エンジニアがなかなかの味で、ゲイっぽくってギンズバーグを朗読する趣味のあるファンドマネジャーも絵になる存在。けどやっぱり悪辣そーなジョージ・ソロスばりの投資家の、実はってな心根がスリリングな金融市場を舞台にした血みどろの争いの結末をホッと意気を抜けるものにしている。勉強にもなる1冊。しかしアメリカには歌声喫茶ならぬ詩吟酒場があるのか、日本でも短歌酒場とかってあったら楽しいかも、楽しいかな?

 話題の映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の全てを記した「ブレア・ウィッチ・プロジェクト完全調書」(発行アーティストハウス、発売角川書店、編著D・A・スターン、訳大森望、1600円)を買う、何故かカバーに穴が明いていてそれが「大」の形になっているのは翻訳した大森さんへの敬意を払ってのことなのか、ってそんな訳はないか。でも下地の赤が透けてみえるのは映画に出てくるらしーマークよりはやっぱり「大」に見える。はじめから日本版の翻訳を大の字を名前に持つ人が手がけるって読んでいたのかな、ならばやっぱり魔女の仕業だ恐ろしいおそろしい。あと馳星周さん久々の新作「M」(文藝春秋、1524円)とか「バベル消滅」(角川書店)が気に入った飛鳥部勝則さんの「N・Aの扉」(新潟日報事業社、1800円)なんかも購入、嗚呼溜まっていく本につぶされそう。やっぱ週末は読書三昧にすっか。どすっか。


【11月15日】 ドンと出た花火だ高価だな、って茶化すとロケット好きな面々より非難のロケットが飛んで来そうだから自粛するけど、スペースシャトルが吹っ飛んで人死にが出た時も漫画みたいじゃんと思った、テレビの向こうの身に迫らない戦争に慣れきっている世代だけに、今回の「H−2」打ち上げ失敗もどーして見える範囲で爆破しないんだってな気持ちの方が先に立ち、これが日本のロケット事業に大きなダメージになることが1点、衛星打ち上げビジネスへの影響も大きいことが1点、「ひまわり」の代替をどーするかってことが1点、ほかいろいろな問題が今後起こって来るってことを聞いてもやっぱり「残念」と思ってしまう私をシロツグさん叱って下さい「ファンヒーター、やっぱりガスがいい」ってなツブヤキ声で。

 およそ300億円がきっとおそらく明日のどの紙面にも踊るだろー新聞的紋切り型の表現で言うなら「一瞬にして海の藻屑と消えた」ことになるけれど、これってアポロ計画なりその前のジェミニ計画ん時だとどれくらいの事が出来たんだろー。人間、月にやれた? けど300億円なんて銀行が持ってる不良債権プリンストン債でどっかにパクられた企業の運用資金のいったいどれほどって単位でもない訳で、目先の景気がどうこうって考えるよりも人の気持ちに「どりーむ」(言っててちょっと恥ずかしいナア)を与える「ロケットロケットゴーゴゴー!」(何の歌だったっけ)にほんのチョピリのお金を注ぎ込んでも構わないよーな気がするね、でもってドカンと景気良く破裂させ……たらあかんがな。

 ハルキ文庫の11月刊行はなかなかに壮観ながらもここから1冊選ぶとしたらやっぱりこれになってしまうんだろーな「狼男だよ」(平井和正、743円)に。それはもー入れ込んだ時間の長さ気の重さが例えば小松左京さんでもかなわないほど熱中して読んでいた作家だもん、値段が文庫の癖してバカ高くイラストも「月光魔術團」ではあんまり気にならなくてもこっちは「こんなにダンディーじゃねー、もっとヨレヨレなニヤニヤだよ犬神明は」と思ってしまった泉谷あゆみさんだったとしても、放つ魅力の香しさ、かつ読み始めて漂う面白さのパンチを浴びて再びクラクラしてしまいました、嗚呼やっぱいカッコ良いぜウルフガイ。ブルーバードの「SSS」はちょい古いけど。これって410だったっけ?

 とって付けたよーな「アダルト・ウルフガイシリーズ」って言葉がつまりは「ヤング・ウルフガイシリーズ」があるんだってことを予想させる対比になってて、昔だったら別に気にならなかっただろーけど歳食った今は「アダルト」の方が本家と信じているから、「アダルト」なんて取ってしまえと思ってしまうのが哀しいやらおかしいやら。「1」ってあるから以下続刊も信じかつ、ヤングばっかにかまけてなくって今の世紀末に甦って飄々と生きるアダルト「犬神明」の痛快無比な活躍を、是非ぜひ読ませて頂きたいなー平井様。摩利ちゃんの「火宵の月」ちゃんと買ってますから、って賄賂になるのかなーコレって。

 折り込みチラシにいよいよな「小松左京賞創設」のお知らせが。宇宙開発事業団に海洋科学技術センターに理化学研究所に日本原子力研究所って予定も含めて錚々たる後援が並んでいるけど宇宙は爆破し原子は爆散しかかって大変な状況に果たしてうまく後援とれるのかって心配してるけどどーですか関係な人。ただこーゆー大変な状況にあるからこそ、今の科学者たちが「SF」を読んで抱いただろー盲信でも軽視でもない科学への強い興味と畏敬をこれからの人たちにも抱いてもらい、趣味とか娯楽とか耽溺とか出世とか金とかってんじゃなく科学を志す人たちを増やすきっかけになってもらえれば有り難い。

 って言ってるあたしゃ「ウルフガイ」だから科学とは無縁な人間なんだけど。思うんだけど「ウルフガイ」って今のサイファイがサイフィクトでホラーがどうって厳しくアレコレ仕切り分けしたがる人たちにとって、いったい「SF」って言い切れるものなのかなあ、あたしゃこれが日本人の「SF作家」が書いた「SF」って信じて読んで来たし元来タームの深い意味など考えないで使い飛ばす質なんで、気にも止めなかったんだけど。あと「小松左京賞」で思ったのが来年9月の発表でその時に角川春樹事務所の社長な人ってコチラ側にいる人なのかなってのが1つ難点、でもって小松左京さんがちゃんとピンシャンして選考して授賞できるのかなってのがもう1つの難点。そこは最新の科学を使ってミイラになっても生きて授賞式に出て頂きたいものですが、タカハシさんが頭ピタピタと叩き続ければ大丈夫なんだそーだし。


【11月14日】 「そうだ京フェスへ行こう」−と一瞬思うも忙しくはないけどフトコロ具合のサミシサもあって考え中。ディズニーランド発で西船橋を夜10時過ぎに出る深夜バスにのったら京都駅に朝の6時について値段も新幹線より5000円は安いのがあるから、乗ってしまえば後は寝るだけなんだけど、行ってみたら知っている人が誰もいなくって、1人ウロウロと鴨川べりをさまよい10メートル置きに並んでラブラブなカップルにド突き回される羽目になりそーな懸念もあって怖いんです人見知りな僕はとっても。本会の方で2年くらい前にインタビューに行った中西印刷の若旦那こと中西秀彦専務と小浜徹也さんとのデジタルと印刷と出版に関連するトークは本業としても興味のあるところで、どうせだったら京都にいてデジタル出版への地歩を着々と築きつつある我孫子武丸さんを交えた方が中身充実しそうな気もするけれど、それは無理だろーから仕方がない。さてどーするか、金曜日になったら考えよ。

 原稿用紙10枚ほどの外注な仕事があってやり始めないと間に合うかと心労を溜めつつも逃避して秋葉原へと向かう、まーいつものこってすが切羽詰まらないと手につかないんですよご免なさい各方面。噂の「ラオックス ホビー館(ほびー・やかた)」がいきなりの綺麗きれいに立ち上がってて中をエスカレーターで散策、するもゲーム館(げーむ・やかた)との違いは案外分からず同じっぽい店があっちゃこっちゃに立ちまくる「サトー」「石丸」状態に陥っている秋葉原の病理を見る、それが強みってこともあるけれど。DVDのフロアは品揃えにとりたてて迫力はないしガレージキットやプラモデルの数もフツーに普通。ただしブリスター系のアクションフィギュアは面展開でなかなかの迫力があって「SPAWN」関係の揃えも良くってファンは即GO! でしょう。電車模型は他に秋葉じゃあんまり見ないから唯一っぽい位置付けて勝てるかも、僕にゃあほとんど無関係ですが。

 なおも逃亡を続けて「ダイナミックオーディオ」で買い残していた「星界の紋章」のDVDを4巻、5巻とまとめ買い、逃避の挙げ句に昨日の夜これまた見るのを躊躇っていた第3巻でフェブダーシュ男爵ん家のアンミラ軍団に脳天やられたからってのもあったけど、「SFセミナー」の「原作者といっしょに全話をぶっ通しでみようぜ」イベント会場でちょうどまどろんでいた時間帯だっただけに、改めて見直すとなかなかにボンボーンな感動を身に及ぼしてくれる。それとゴースロス爆散までの闘いや、フェブダーシュ男爵とのバトルでの緊迫感ある展開も。地上へと降り立った第5巻では戸惑うラフィールの表情仕草がカワイ過ぎるきらいもあるけど、遺伝子いじくろうともやっぱり生理的な欲求は起こるものなんだと人体の仕組みの神秘を改めて深く感じてみる。けどこれまでの逃亡劇で船の中ではそーゆー場面ってなかったんかい? あって地上だと気付かないジントはやっぱり冷凍野菜なみに鈍感だよね、冷凍野菜がどう鈍感なのかは知らないけれど。

 まだまだ続く逃避行動で「秋葉原デパート」内の本屋を視察、をを「電撃アニメーションマガジン」の山が1番低くなってる、やっぱり「でじこ」の本場だけの事はある。それともやっぱり売れないって思われて最初から仕入れが少なかったとか。贔屓の引き倒しながらもだいたいの書店で今号も結構な健闘を見せているような気がするけど編集部的にはやっぱり勝利宣言なんて半紙に書いて編集部中に貼りまくっているのかな。今ん所最後発の雑誌っておとで発行元のメディアワークスのフロアでも隅をロッカーで仕切っておしこめられている風編集部だから、頑張って広い光の世界へと出ていってもらいたいものですが。窓はちゃんとあるよ、あったよ、あったっけ? 本屋では「カウボーイビバップ」のインタビュー集を購入、すでに「電アニ」ではチラシだけで紹介済みの本だけど、読んでなるほど細かい部分までちゃんと拾われたインタビュー集と納得、こーゆー濃いスタッフが揃っての「ビバップ」だったってことが納得できる。石塚運昇さんじゃないけど日テレで年に1回スペシャルで「ビバップ」やんねーかな、いー加減飽きたよ「ルパン」にも。

 さらに逃亡を今度は夢の世界へと続けようと思ったら普段は喧しいからと「おあすみモード」にしているFAX兼電話に留守電が入っていてそろそろ締め切のそれもデッドエンドが近づいていそーな雰囲気で、あわてて最近はマジな原稿書き用にしている「メビウス」を取り出してバチバチを打ち始める。本当だったら2時間を2人にインタビューしたテープじゃないICレコーダーから話を起こさくっちゃいけないんだけど、予定では原稿用紙換算で20枚ってな話もあった原稿が10枚で良いってことになり、あんまり深く濃い話をだらだら続ける余地もなさそーだったんで、本業で得意としている「イタコ」つまりはそう言っただろーことをその人になりかわって口寄せする手法を駆使し、ときどきはメモと録音の1部を呼び出して何とか行数を埋め、4時間ほどかけて作り上げてメールで送る。月末にこれで本当に出るのか「クールトイズ」(ワニマガジン)。中身についても心配だけど手を放れた子供は谷底へと落として石投げる性格なんで、後は後ろを見ずに再びの逃亡へと出かけよう、うふっふー、夢の中へ、さーあー。


【11月13日】 だいたいが1万円も越えるよーな玩具を欲しがるガキの神経が分からないって実は今も思っているけど当時もやっぱり思ってねだりたい気持ちを押さえていた親孝行な僕が実は欲しかった「ファミリーコンピュータ」、なんで今に至るまで一切のファミコン用ソフトってのを遊んだことがなくって何がキモで何が話題で何がカスなのかも全然知らず、そんな意味でもスティング米光一成さんと某々な某だったりする平和島ミチロウさんが繰り広げる「ファミコン1000本ノック」はのぞいてベンキョーはしないよりしておいた方が良いと思ってみたり。デ・カルチャーなプロト・カルチャーに衝撃を受けるおっさんを演じて見せたりするでしょーがイジめないで下さい隅で小さくコロナ、飲んでますによって毎度のように。

 話題の育成赤ん坊ペット「プリモプエル」を近所のショップで発見するも、「ファービー」をはるかに越えるバカ高な値段にこんなん欲しがるガキの神経はやっぱり病んでいる、猫飼えよ犬飼えよ雑種だったらタダでどこからでももらえるぜ猫なんて世話なんかしなくたって20年は勝手に生きてるぜ、と真っ当なことを思う。思ってもアパートマンションな親子にはやっぱり犬猫はキツいんだろーから「AIBO」なんて超高級血統書付き御犬様御猫様御像様が買える(買えても像は飼えないよヘーベルハウスじゃなきゃ)ロボ犬野郎が売れて売れまくるんだろー、嗚呼やな世の中になったもんだよ、って「たまぴっち」「ファービー」「てくてくエンジェル」「どこでもいっしょ」を持ちながらもどれ1つ真っ当に育てられずにいる非道な電脳ペット・ブリーダーが云うこっちゃないけど。心入れ直して買って飼うか「プリモプエル」、側だけはづきっちに張り替えれば愛着も湧くし、ってーかそーゆーのを出せよバンダイ得意なんだから、さ。「たれぱんだ」は良いやだって1日に10センチも動かなそーだし。

 しかし「2000年」に絡んで「たれぱんだ」にも2000年商品が出ていたとは、昨日寄った「博品館」で見かけてとりあえず欲しいと思ったのはシルバー状のネックレスにもなるストラップとファスナー飾りのセットでこれが1000円と安い。今金ピンチなんで買えなかったけど今度寄ったら買おう「リカちゃん」のミュージカル見に行った時に、って見に行く気か? 横山智佐さんが胸ドカンな服で踊ってくれたらぜったい行っちゃう袴姿で剣振り回したって行っちゃうけど、おーいそれは違う番組だよ、だったら縁起物な物がいっぱいついた摺りこぎみたいなバトンでも良いや、ってそれは「プリティサミー」。うーん芸歴長いなー。違った「たれぱんだ2000」は他に絵はがきとか時速2・75メートルでの移動の模様をコマ落としにして表現したフィギュアとか缶バッジのセットとかいろいろあって楽しいたのしい。本人(本たれぱんだ)が全然目出たそーな表情をしていないところも実によろしい、もしかして少しだけ目が笑っているのかもしれないけれど、凡人にはちょっと分かりませーん。金ムクの「たれぱんだ」とか出たら買うのに。どっかのアヤシゲな通販屋さん新聞の日曜版特選品向けに作って売りません?

 サンエックスが次代の「たれぱんだ」を狙って売出し中の「ぶるぶるどっぐ」はそのいたいけな顔しぐさ表情に非常食「メンチ」の面影が重なってしまい涙ながらにナイフとフォークを取り出し皿へと載せてモグモグと、食うたらあかんがな。ちゃんと焼かな。けどアニメ系ゲーム系のキャラがムクムクと人気を得始めているのはメディアミックスの機会によって大勢の人たちの様々な生活の皺の襞まで入り込むから、なんだろーか。見かけた「どこでもいっしょ」関連縫いぐるみは人気抜群なのも喋りの可愛さいたたまれなさから当然な猫の「トロ」だけ品切れ状態、犬の「ピエール」とか兎とかロボットとかは残っているのに。あと「モモ」の人気沸騰具合も凄くって、ソニー・クリエイティブあたりが扱っている品物の中でも多分今んとこトップに来てるんじゃなかろーか、「サンダーバニー」ってちゃんと売れてる? 次の期待はこれってゲームに出ているのかは知らないけれど米光さんからもらった死体な赤ん坊の天使っぽいキーチェーン、いやほんとにブキミカワイイっすから、踊りはしないけど。これは是非とも電脳ペットへの展開が欲しいところ、本物の肉とか表皮につかえばブネブネな雰囲気も出てばっちり、でもってだんだんと腐っていくんだよ、教育効果も高いぜー。

 フィリプ・プルマンって人の「黄金の羅針盤」(大久保寛訳、新潮社、2400円)を金キラなな表紙に惹かれて買う。「指輪物語」も「ナルニア国物語」も「はてしない物語」も読んでいないファンタジーでは後進人、ながらもあれこれ読まないときっと年末進行で締め切り前に倒れまくるだろー「電アニ」向けの本のセレクトが決まらないから仕方がない。ダイモンって使い魔っぽい動物を普段から連れているのが当たり前な世界観が唐突に始まるためストーリーへと気持ちを押し込めるのがまだ辛い。とはいえまだ60ページをやっと越えたところだし、謎に妖しい美女が登場したあたりから俄然面白くなりそーな気もしたんで、北極へと向かい繰り広げられる冒険にとりあえず期待しよー。グレッグ・イーガン「順列都市」(山岸真訳)をやっと最初の20ページだけとっかかり、「クリスタルサイレンス」(藤崎慎吾)とも通じる電脳への生命の移植の可否を考えさせる冒頭にシンクロニシティーを覚える。「宇宙消失」では「カムナビ」との共通性があってイーガン実は日本の傾向を見通しながら1歩先を行く話を書いて機先を制しているのかも、それともイーガンを持ち込むのが日本の流行りか。原書でイーガン読んでる人からアイディア頂き僕も書くか。


【11月12日】 ウイっすエクセルっす「エクセル・サーガ」はいよいよな松屋美咲の登場にエクセルby三石琴乃さんの独り喋りでほとんどのパートを埋め尽くし、合間にアフロなナベシンンの訳わかんない自己愛いれまくりなサブストーリーを挟まなくっても、美咲を出して画面をギュッと引き締めることができるよーになったハズ、なんだと思うけどもともとが1発キツいことを言う一言居士みたいなキャラなんで、瞬間芸みたく登場はしても相変わらずのエクセル&ナベシンときどきハッちゃ血がドピューッ! ってな画面でテラテラと進んでいくのかも。話は美咲登場のオリエンテーションに傭兵上がりのペンションの主人のエピソードをミックスした山岳編。ピチピチな戦闘スーツ姿の美咲が拝めるだけでもこの回は必見っしょ、ウイっす。

 だいたいその辺りで気絶して何時もすっ飛ばしていた「ブルージェンダー」を初めて見る、バッシュみたいなホウキ頭にナイヴズみたいな凶悪顔でモミ上げが孫悟空な独特の主役キャラに馴染めるかと思っていたらすぐに馴染んだ。軽いヤツ。声のトーンがギャアギャア熱血してなくって静かだったのが合っていたのかな? いつもキャイキャイやってる役しか聴かなかった桑島法子さんの押さえた渋め(女性に渋いって表現ある?)の声も不思議なマリーンちゃんは、後ろの髪の束ね方が阿重霞さんみたい、やっぱAICだからキャラ使い回したとか。得体の知れないBLUEって敵とか人間が緑の肉団子になっている絵とか設定は深げなSFっぽくって最初から見ておかなかたのがちょい残念だけど、一介の孫悟空(違う!)が人類を危機から救う役としてどう絡んでくるか、とか戦闘服姿のマリーンのお尻が柔らかそうとかいった楽しみもありそーなんで、真夜中だけどしばらく根性出して見ていこー。おや来週のマリーンは今週と顔が違うぞ目が大きいぞ。「VIRUS」「アキ電」以来、久々に絵の違いを楽しめるアニメでもあったか。

 ミュージカル「リカちゃん」の制作発表会に行く。今週で1番楽しみな仕事だったと言ってきっと絶対に誰からも異論が出ないであろーその理由は、1つには登場した出演者たちの豪華さで、年末年始に「博品館」劇場で開かれている子供向けミュージカルの流れに乗って脚本演出を務めた元声優な三ツ矢雄二さんがすっかり脚本演出家して出演していたのは男だから放っておくとしても、ジャージっぽい上着に仏頂面だったのが喋るとハキハキしてた主演の「リカちゃん」じゃなく勿論「赤ずきん」でもない鈴木真仁さんにそれから萩尾望都さんの作品を舞台化して人気、らしー劇団から滝澤なんとかって長身の二枚目がイサム君役で出演するそーで、それぞんれにファンを引き連れて来そーな予感がする。肉丸くーんなファンは多分来ないけど、ってゆーかすでに良い歳だから来られないけど。

 じゃあ肝心の「リカちゃん」は誰かってゆーとそれは香山リカさんで、ってやっぱり歳なんで息切れがしそーなんで却下して、実はタカラが近代技術の粋を集めて制作した等身大の人形を出演させることに、って訳にもまだいかないよーで、ごくごく普通に1500人だかからオーディションをして1番「リカちゃん」にピッタリな人を選び出したそーな。その名も桂亜沙美さんは15歳のまだ中学生で三ツ矢さんが「元声優なんで」と声にも注目して選んだだけあって、キャンキャンとした声が実に「リカちゃん」っぽくってまず合格。でもってフワフワと広がったスカートから伸びる脚がスカートのボリュームに負けずスラリと長くかつ細く、見た目に実に美しくって思わず写真下からアオっちゃいました。この脚を見に行くだけでもミュージカル、価値アリアリだと思います脚フェチな人だったらなお当然。

 銀座という発表の場所に合わせて着た、訳じゃないけどその自身の格好を指して「お勤めの人みたい」ってなお子さまなミュージカルには似つかわしくないコメントに、実は思わず納得してしまったのが先生役で出演する横山智佐さんで、、先生とゆー大人の役を意識したのか今回は胸元がとってもデンジャラスな衣装でのご登場となって、スリムなボディとの対比かつのぞく胸元の白さに、正面に座って(最前列じゃなかったのが返す返す残念)目が釘付けとなって会見の時間中もー目が離せませんでした。意外とご立派、なのね。遠からず発売されるだろー声優雑誌なりアニメ雑誌の記者会見報告写真に亜沙美ちゃんの御脚とともに超注目、それはもー白木のバットにバレーボールの例えにも準(なぞ)えられるご立派さ、ですから。公演は12月24日から来年1月6日まで。8日には亀有公演もあるそーです。

 待望なのか講談社ノベルズは京極夏彦さんの新刊しか見えず、ってーか隣りに解説書っぽい本もあったけど装丁似せ過ぎで類書として売ろうって魂胆がアリアリなのに気を萎えさせつつ、京極さんの「百器徒然袋 雨」(1150円)だけを購入。「小説メフィスト」に連載されていた榎木津物を3編集めた中編集で、気合いを込めて送り出しただけあって流石に巧みな物語運びを堪能させてくれる。相変わらずに傍若無人な榎木津の子供も仰天なはしゃぎ振りが最高、高級割烹へと言って典座の講釈なぞ聞かずにご飯ご飯と騒ぐその可愛らしさと言ったら。キャラクターがどんどんと類型にハマってこーゆー時ならこーゆーな、こーゆー時ならこーするなってな古典芸能に通じる楽しさを味わいながら流れを追える安心感はあるけれど、長編で見せる驚天動地な八艘飛びへとは至らないのは中編だから仕方がない。「この人はいつかどこかで会った何とか云う名前の人だ」ってな人の紹介の仕方は名前を覚えるのが苦手な人にとって実に便利な言葉、今度使おう行ければ「京フェス」あたりか。「あなたはいつかどこかで会った何とかって云う名前の人ですね」って挨拶すれば失礼には……やっぱなるか。


【11月11日】 「文化通信」11月8日号が届く、をー出ている出ているのっぺらぼう「れいん」が出ているぞ。にしてはそれほど爆発的に数字が伸びたって印象もないのはアヤシげなのっぺらぼうのカバーガールに行ったらヤバいかもってな良心が二の足を踏ませているのかも。前の「サン(もののけ姫)」を越えてもー1年半近くも同じカバーガールになっているのは一重に僕の怠慢ですが、でもこれに代わってインパクトのあるキャラクターになっかなか巡り会わないか、あっても描くのが面倒くさそーだったりするから、なんだよねー。「リヴァイアス」の「つぶやきネーヤ」も頭のターバンとか突き出た髪の毛とか面倒っぽいし、でも特徴って点ではあるからなー、候補に入れて考えよ。なに「でじこ」? 特徴ありすぎでかえって描き辛いです、ゲマなら簡単だけどあれって女の子だったっけ?

 文化通信に季節なんだろーね掲載されている「年末一時金要求状況」にピリリと血管がひくつく、おおよそ35歳モデルで小学館が278万円でC塚さんのいる集英社は276万円で清貧っぽそーな岩波でさえ124万円で僕より多いのは確実で(そーなんすよ)、経営状況が悪いからってアシェット・フィリパッキに買収されちゃった婦人画報で159万円でマルクスがエンゲルスだったりする大月書店でも112万円ってな具合になってて、まあ要求ベースだからこれよりきっと少なくなるんだろーけれど、どっちにしたって羨ましいことには違いない。近似値なのはそーだな筑摩書房、あたりかな。流石に平凡社は悪いなあ。って訳でマスコミ志望の諸君、新聞はモノを言うけど高楊枝、だかんねBMW乗りたいんだったら行き先業種は選ぼーね。

 思い出したよカバーガールいこそ向かないけれど(ちょい地味だから)、近年まれにみる存在感を見せてくれた美少女キャラクターに出逢ったばかりだったその名は村雨紫苑&村雨桜。言わずとしてら「セラフィム・コール」に登場している双子の姉妹で、姉の紫苑はキツく妹の桜はほんわか優しいまるで絵に描いたような(絵に描いたんだよ)性格設定で、それだけならまだしもこれまた絵に描いたよーに2人して出来てたりして、見た目に麗しく下半身に刺激的なエピソードを2週に渡って展開してくれた。今時「NASA」の技術が云々ってな機械を持ち出すセンスはすなわち絵に描いたよーな設定たる所以だろーけれど、ミニスカートを下から見上げたアングルとか、2人して抱き合い口づけする口よりもむしろ擦れ合う胸の絵とかは、真夜中に爛れた目を1発で醒まして朝までまんじりとも出来なかったよ。他はともかくこの2話が入ったビデオは買おう、寺本たんぽぽも捨てがたいけど。

 雑誌「新潮」に不定期、な訳じゃなかったんだけど不定期になってしまい最後はフェイドアウトっぽく終わってしまって残念だった「見張り塔から、ずっと」が1冊にまとまってその名も何故かあからさまに「喧嘩の火だね」(新潮社、1400円)として登場、論争っちゅーか紛争のネタになった柳美里さんに関する文章を読んでも実のところ丁寧に細部にわたって嫌味ったらしくなく論証していく文体が、語るトーンを冷静に見せていることもあってそれほどキツい印象は受けなかったけど、章の扉に引っぱり出された「『犬、返せ!』という私的な復讐事を、『十四歳』の創設にすり替えて……」ってなキャプションなんかが、評論自体の重さをすっとばして揶揄ってる印象をあたえたのかも。いや柳さんの反論の方も読んでないんで何が逆鱗に振れたのか分かりませんが。

 ハードカバーとかもっと重厚な仕立てにしても構わないところを、ソフトカバーで巻末に幽霊文壇座談会を載せてみたり、遡上に載せた作家らの顔を高橋春男さんの似顔絵で掲載したりと、軽くかーるく見せよーとしているスタンスに、島田雅彦さんを論じた言葉そのままに自らのいかがわしさを認識した露悪的な気質を感じてみたり、いや似合ってるんだけど。似顔絵では二枚目だけに島田さんは描き難かったと見えて人によっては似てないっていうかも、福田さんはそっくりってのはだから島田さんを比較して何だってことじゃありません、いやあるか。最大に楽しかったのは東浩紀さんで何故か顔の下半分がヒゲの剃り跡じゃなくまんま黒くヒゲに描かれていて、通った鼻筋と会わせてまるで「団野村」(ロバート・ホワイティングの「日出づる国の『奴隷野球』 憎まれた代理人 団野村の闘い」は面白え)ってな風貌になっている。それとも最近ヒゲ伸ばしたのかな。ケンカ御免なスガ秀実さんは小林よしのりさんが描いても高橋さんが描いても、やっぱこーなるかってな顔、だからなぎらけんいちじゃありませんてば。


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