縮刷版99年1月上旬号


【1月10日】 マジかマジなんだな今敏さんの次回作のタイトルは「千年女優」に決定! キャッチコピーは「愛に生き、逢いに行く」、ってJRスキー・スキーにちょっち似てるけど作品内容への期待は大。ウェブページを使ったインタラクティブな情報のフィードバックなんかも考えているみたいなんで今年も『KON’S TONE』には注目だぁ。はさておき明け方までかかって田中哲弥さん期待の新作「やみなべの陰謀」(メディアワークス、510円)を読了、表紙絵の微笑む4人の美女にダマされて買った人におかれましては、帯に隠れた坊主男の大活躍にきっと尻子玉を抜かれてヘナヘナになったことでしょー。

 折り返してある部分にある「独立した、ジャンルも違う5つの短編が実は巧妙に絡み合わさり、ひとつの長編を構成する」ってな作者の言葉もそのままに、5つの短編が1つの線に結びついて感動のラストへと向かう構成の技の鮮やかさ、んでもってフニャフニャとまとわりつくよーな笑いのエーテルでいっぱいに満ちた言葉の感性の素晴らしさ。電撃文庫ってフィールドには合わないって意見もあるだろーけど、1つの長編の時間が前後に入り組んだ構成は高畑京一さんの「タイム・リープ」に通じ、主人公の違う短編で周辺を断片的に描きながらトータルで1つの物語を紡ぎ出す技は上遠野浩平さんの「ブギーポップは笑わない」に通じるテクニック。ってことは電撃文庫で大ヒットして今や電撃の顔ともいえる2つの作品に匹敵するセールスだって期待できちゃう訳だと、認めてここに著者・田中哲弥の長者番付入りを預言しよー。タカるなら今だ。

 4時ごろに寝て宅配便に起こされて時計を見たら9時半だったのでまんま「ガサラキ」を見たらデギンが放逐されてギレンが政見を奪取、じゃないけどまあ似たようなゴタゴタが見なかった前週分にあったみたいで今回はその続き。けど相変わらず主人公たちは橋ってばっかで話がいっこうに進んでおらず、新しい謎の提示もなければ古い謎の解明もないままに回数ばかりが積み重なっていく感じ。見逃したって損じゃない、って回があるのは2クールでは仕方がないのかもしれないけれど、1クールに凝縮された秀作が続いてるんで、気分がダレてしまうんですねぇ。

 絵にも上がり下がりがあるみたいで、今日なんて何度も使われた正面から見たユウシロウの顔とか口が大魔人みたいで怖かったぁー。次回からお話も転がり始めるみたいでまずは善哉、けどラストが謎いっぱいで端折られるのは叶わないんで、朝を起きても見ろってな物語をばお願いしますよスタッフ様。

 まんま続けて西澤保彦さんの神麻嗣子シリーズ最新作「念力密室!」(講談社ノベルズ)を読む。っても「小説メフィスト」に発表された短編に書き下ろしの「念力密室F」を加えた連作集で、読んだ話読んだかもしれない話を思い出しながら読んで、ああこんな話もあったっけと睡眠不足によれた頭で考える。歳のころからすればそーか保科に能解の両匡緒さんは僕とだいだい同じくらいかー、だったら能解さんと巡り会うチャンスもあるなーと、思うあたりが自己中心派たる面目躍如といったところ。けれども生憎としてアボくんのっけた神麻嗣子ちゃんも訪ねてこなければ、やっぱり美人な元奥様もそして美人で敏腕な能解さんも身の回り半径20キロメートルを見渡したっていやしない。この世に神様なんていないんだ。ちぇっ。

 いやしかし不思議な終わり方をしているのがラストの「念力密室F」で、これが果たして真実とすれば「念力密室」シリーズは相当にキツい展開も予想されるけどさて如何に。神麻嗣子ちゃんの将来とともに期待と心配がグチャグチャしてます。そーいえば来月開幕な「ワンダーフェスティバル」だけど嗣子ちゃんフィギュアは出るのかな。秋葉原のホビーロビーじゃショーケースの中で長いこと「今秋発売」の札がついていたけど、本当はもう売っていたのかな。完成品があったら欲しいけど、真冬に並ぶのもしんどいし、当日は向かいでお仕事な(のか?)「アイドル&カードフェスティバル」(ニッポン放送主催)も開催中で、ロゼッタ吉井怜ちゃんやらH.I.Pやらみやむーのイベントもあるみたいなんで合間縫ってのぞいてあったらゲットの予定。

 その「アイドル&アニメカードフェスティバル」じゃートレーディングカードのイベントらしく、場内にカードのトレーディングコーナーも設けられるみたいだけど、入場の当日1000円とは別に利用に際して1000円のお金が必要だとか。聞くと利用した人は1枚だけ当日限定の後藤圭二さん描くトレカがもらえるそーだけど、1000円払ってまで欲しがる人が果たしてどれだけいるのかは、少しくらいトレカかじっただけの僕にはちょっと解りません。交換だったら場内の地べたで店をひろげて出来ちゃうし。「東京キャラクターショー」でも気になった入場料を取っての即売会に輪をかけたかっぱぎイベントの気もしないでもないけれど、向かいのワンフェスだって見るだけの人でも安くない金を取るんだから同じか。今度も立体チケットだったら嬉しいんだけど、なー。

 後藤圭二さんと言えば始まった「火魅子伝」のオープニングが後藤さんの絵コンテ演出だかで良い感じナウ。だけど本編は急いだのか端折ったのか不思議な動きが散見されて、ラストまで保つのかってな心配がよぎる。王子様におかれましてはやっぱり好きなのか「サクラ大戦」「サウザンドアームズ」に並んでやっぱりな眼鏡っ娘が登場してて、お話にボケ味を出してくれそー。あと登場する女性キャラクターの胸の大きさといったら現在放映中のどのアニメをも上回るボリュームなので、発展途上のラフィールや成長未定なミトや計測不能な宮澤雪野にガックシ来ている胸フェチな人は、眠い目をこすって毎週水曜深夜のテレビ東京をチェックだ。


【1月9日】 たぶん偶然じゃないと思うねインターネットが絡んだ悪事の報道が相次ぐのは。規制したがる側が意図的にそーいった情報を大目にリークしているか、或いは従来だったら発表なんかしなかったことでも発表してしまうとか。上がやりはじめたら下まで一色なのは役人の世界に共通でこうなると県警本部単位でもネット絡みの事件の発表が増えて来るって寸法だ。んでもって新聞テレビもそうした意図を知ってか知らずか積極的に取りあげるよーになるんだね、だって良いことであれ悪いことであれ、その時に流行ってることがニュースなんだから普段だったら没かせいぜいがベタな記事でも掲載されて3段4段な見出し付くって次第。かくして世間には「ネット=悪」な記事があふれ出す。

 意図的な情報操作は乗る側があって成立するものでその意味からも報道ってのは慎重にならなきゃいけないのに、一方ではやっぱりショーバイが先に立って世の風潮に迎合し、ってゆーか風向きがちょっとだけたとえ風速0・0003メートルの毛先に感じる程度の風でも乗って一気に台風の域へと押し上げて、風潮の拡大再生産をやっては自らのご飯につなげていく。商売って観点で行けばそーした事情に納得じゃなく認識は示せない訳じゃないけれど、問題は自らの手足を縛りかねないネットワークを使った情報の規制を含んだ問題に、何ら疑問を抱かず乗りまくってるって事でいつか気が付いた時には紙媒体でオッケーな報道がネット新聞では×、なんて不思議な事態も起こりかねないって可能性くらいは視野にいれて、ありゃこりゃ論じていった方が言いと思うな。とはいえメディアリテラシーってんでしょーか、読む側だってそんな「情報の作られ方」はお見通しな訳で、情報を判断する体力がついた世間とのズレはさらに広がっていくんでしょー。

 なぜか「カードキャプターさくら」が多いと思ったら映画化だったのかと思いつつ「アニメージュ」をペラペラ。綴じ込みのピンナップの裏が「ジェネレイターガウル」だったのに吃驚よくぞこれほどまでにマイナーな作品をと歓喜。劇場版「少女革命ウテナ アドレッセンス黙示録」の見開きイラストで縛られたウテナの股間に下がった鍵穴に興奮、先太だと痛そうって何が? 「To Heart」モップを抱えて涙ぐむマルチに全国300万マルチストがキュン(げらげら)! 「エンジェルリンクス」の李美鳳ちゃんはこれなら胸ターフェイだって簡単に出来まーす。「フォトン」の第6巻は2月へとまた延期しかし山寺はやっぱり凄い(参照「アフレコせんにゅーき」)。「人生綱渡り」に出てた東京都/浅利義遠さん(げらげらげら)投稿の「ドールナイト総司令官ライオンリカ」欲しい。ライオンが割れてリカもリカが割れてコンボイ指令もどっちも。作れタカラ。そーかユウシロウはトビケラだったのか。今月も読みどころ沢山の「アニメージュ」でした。

 「AX」は「ジェネレイターガウル」を監督した水島精二さんのインタビューが読み頃で後は「青の6号」の記事に出たパイロットスーツ姿の紀之真弓ちゃんのアラレもない格好(コレでキット作ってよー誰か)に頭グラグラ。第2巻への期待も膨らむって奴ですか。広井王子さんの湯川英一インタビューにはもうゲップって感じぃ? 肝心のやりたいゲームがとんと出てこない状況に散々っぱら盛り上がってた「ドリームキャスト」への興奮が一気に醒めているのに加えて、例の降格バカ騒ぎでシンパシーまでブチ切れたって状況に、今ごろ「専務」なんて肩書きで出てこられたって「バカまる出し」な印象しか持たない。とはいえ王子さまにおかれましては期待の「北へ。」が発売間近で「ドリームキャスト」の宣伝はしたいとこ。かくしてメディアだけが踊りまくって読者はさらに血の気を引かせる(あるいは頭に血を上らせる)って構図かここにも1つ。

 「噂の眞相」におかれましては岡田斗司夫さんへの大バッシングがここに開幕。毀誉褒貶は有名人の常とは言え天下のウワシンで叩かれるくらいにまで認知されているってのは、この数年で若手中堅ベテランを問わず人がいっぱいそれこそ全社の1割くらいが辞めているのに噂にしてもらえない新聞社からすれば羨ましいことこの上ない。まー何事にも「権威」を見出しては叩く、というのが常套手段なメディアの手法としては目立つ岡田さんを叩くのもアリなんだろーけど、権威なんてものを無視して己が感性のみを頼りにして、良い物とゆーか好きな物を愛でる「オタク」にとってみれば、時々に応じてメディアが祭り上げるヒーローがどうなろうと我が道を行き続けるだけのこと。岡田さんの趣味と合う人は何と言われようとついていくし、合わなければ最初から頼りにしていないんで困りはしないんだろーけど。

 「二十世紀の最後の夜に」が売れるのは何も「エヴァ」とかについて話してた「オタキング」が書いた本だからって訳でもないよーで、実際にアニメなんか見そーもない30代とかのかつては銀色の未来を夢みていた人たちの心をしっかりキャッチ、ってゆーかグサリと刺してるって感じがあって、その意味では時代なり人々の「気分」を文字なりの形にして見せてくれる、SF・漫画・アニメ世代の権威でも評論家でもない”兄貴分”として居続けて欲しい人ですね。しかし岡田叩きの為と言え、岡田さんが竹熊健太郎さんと大泉実成さんをからかって反論された事件の原因を「もっというと、ガイナックスからお墨つきをもらって”エヴァ本”を出している御用ライターだったからではないのか」と推察していている辺りは筆も滑り過ぎな感じ。傍目でハマり過ぎてんねと言われて反論するくらいなんだから、御用ライターと言われて怒らないはずないけど、ねえ。


【1月8日】 僕が仕事に超熱心なのは今さら言うまでもない事だけど、今日もきょうとてやっぱり仕事は大事にしなくちゃいけないと、池袋のサンシャインまで桜井智さんのミニコンサートを見に行ってしまったよ嗚呼なんてニッポンのサラリーマン見習っておくれよエブリボディ。とはあくまでも”謙遜”なので信じないよーに、本当は桜井さんのミニコンサートを見るついでに、じゃないタカラが協力しているテレビ東京系で放映中のアニメ2本「ビーストウォーズ」と「スーパードール リカちゃん」のイベントの模様を見るついでに、たまたま開催中だった桜井さんのミニコンサートを見て来ただけなんですよ、時間も日時もピッタリに行ったのはホンの偶然ですよ。えっ手にもってるのはスケジュール書いてあるチラシじゃないかって? 嫌だなーそこで拾っただけですよ、てへっ。

 で展示会は後回しにしてミニコンサートの会場に入ると(オラオラオラオラオラ!)、すでに場内は前の方だけギッシリと「ビーストウォーズ」とも「リカちゃん」とも縁の遠そうな若い男どもが腰掛けていて何だかとってもな雰囲気に溢れてた。だいたい5、60人っていったところかな、本当はもっといっぱい入る会場で、おまけに桜井智様さま様のコンサートにこの人数はないだろーと、憤る集まった男どもの心が聞こえて来たけれど、って実は僕の憤りだったんだけど、そんな駆け出しアイドルのデパート屋上コンサート並な入りで、かつシャイな声優ファンの男どもが多かったのかかけ声の全く聞かれなかった会場で、流石にプロだね桜井さんは登場するなり最後まで笑顔を絶やさず、立派にステージを勤め上げてくれた。後でもう1ステージあったはずだけど、やっぱりな入りをやっぱりな笑顔でこなしたのかなー?

 CDとか持ってないんでどの曲を唄ったのかは不明だけど、どれもアップテンポの爽やかな曲で、それを可愛い顔してちょこまかした振り付けでしっかりした音程でちゃんと唄ってくれた(んだと思うけど、テープじゃなく)のを、真っ正面のステージ上から視線がだいだい降り注ぐあたりで見ていた私は、思いこむファンにありがちな「智ちゃんが僕を見て笑ってくれたんだ」的妄想にとりつかれて、いっぺんで智ちゃんファンになりました。昔のお宝写真、探そーかな。しかし不思議だったのはその衣装で、黒いタートルのセーターに黒い細身のパンツスタイルで底の厚い黒い靴を履いていた、ってんならよくいる街中の女の子を変わらないんだけど、さすがに智ちゃんそれだと弱いと思ったのか、ピンクいろのまさにスモックとしか思えないスカートともエプロンとも違う1枚を羽織り、アダルトな魅力のなかにチャイルディッシュな愛らしさを醸し出してくれていた。衣装誰か買ってやれ。

 桜井さんのサイン入りブロマイドもカレンダーもTシャツも買わずについでの展示会を観賞、ただ「ビーストウォーズ」と「リカちゃん」の人形を並べだだけのイベントに、これほど大勢の人が集まるんですかホワイ? な気持ちを抱いたのは自分だけではないと思うけど、ときどき見かけた「香山リカちゃん」の着ぐるみはまー可愛いし、スタンプ帳なんて趣味な人にはたまらないアイティムかもしれないから、これはこれで良かったのかも。雑誌に連載中の「スーパードール リカちゃん」の漫画の生原稿はそんな展示物の中でも1番なヒット。実はまだ漫画読んだことがなかったけれど、見えるのも構わずスカートひらひらさせて踊る香山リカちゃんの絵を見た瞬間、「単行本買うぞ」「雑誌もひょっとしたら買うぞ」の想いが脊柱を貫き天へと上る。しかし「スーパードール リカ」が人形のくせに××しちゃってるのには驚き。健康一番なテレビじゃ見れないオモシロさ、かな。

 だから仕事熱心なのはもはや公然の事実であると申し上げ、サンシャインから池袋へと戻る途中にあるセガのゲームセンター上の「太正浪漫堂」をキャラクタービジネスの現状を視察する目的で訪問。神崎すみれ様の今日がお誕生日というのは実は知っていたけど知らないかったフリして入場し、すみれ様御用達のお紅茶(缶入り)1つ500円を飲用と保存用の2缶購入する。舞台に上がる前にダージリンティーを飲むのが神経を落ちつかせるのに良いのか否かは知らないけれど(むしろ逆のよーな気もするけれど)、ここはスタアなすみれ様にあやかってダージリンティーを飲んでパーッと一世一代の大芝居でも打って、人生に華々しい転機をもたらす事にでもしましょーか。宣言告白嘆願ほか諸々の大芝居がどーにも必要な年になりそーなんで。あら1缶では足りないかもしれないなー、後で使いに10缶くらい買ってくるか。

 テレビで「フィフスエレメント」を見る。これくらアッケラかんと宇宙の平和は愛で守るんだ的展開を見せられるとかえって清々しい気持ちになるから心が広い。いや実は一昨年だかにアメリカへと行った帰りの飛行機で「フィフスエレメント」を見たんですねえ、その時も従前より酷い映画だと聞かされていた割にはアクションとかもミラ・ジョボビッチの細いけど可愛い肢体とかに参った記憶があって、それが今日のテレビでもまんま感じられてやっぱりただのキャラ萌え野郎だってことを強く認識する。ってもミラちゃんだけじゃなくクリス・タッカーにゲイリー・オールドマンといった超個性的な助演俳優たちのキャラクターに燃えたって事も含まれますが。

 オールドマンはともかくもクリス・タッカーの声はバズーカじゃない山寺宏一さんで、「カウボーイビバップ」のスパイクで聴かせてくれる格好良くって渋い声がとても信じられないくらいに、高く頓狂で金切りな声を上げまくってはお喋りにかけては天下一品すでにエディ・マーフィーをも上回ったんじゃないかってな人気も爆発中のタッカーを、見事にアテてくれている。ジョボビッチは確か近く公開の「ラストゲーム」に出てたんだったっけ? これはまーもーえーとな映画なんで見たい人が見るのを射殺してまで止めはしないけど、僕だったらDVDで絶賛公表発売中の山寺宏一&バズーカ山寺大爆発な「フィフスエレメント」を買ってスッポンポンだったり半分スッポンポンなジョボビッチを舐めて楽しむことにしときます。おや「SPA!」のも「フィフスエレメント」ネタだ。もしかしてこれもシンクロニシティ? 7月にはやっぱり地球は滅びるんだ(チュンセより報告)!


【1月7日】 もしもインターネットの掲示板とかを連絡を取り合った果ての事件だったら、その叩かれ方たるや例の「ドクター・キリコ事件」に勝るとも劣らなかっただろーと思った人って結構多いと思うけど、安心するのは全然早く、残念ってゆーかやっぱりってゆーか神奈川県で起こった伝言ダイヤル事件を新聞が報道する時に、どーしてもインターネット毒物宅配事件と絡めたがる傾向があるみたい。朝から各紙をひっくり返しながら1つひとつ記事を検証、その論旨の素っ頓狂さに首をひねってぶつぶつ言う。

 例えば毎日新聞。「インターネットを使った毒物宅配事件に次ぐ不可解な事件に」って言ってるけれど、連絡を取り合って合った相手に女性が殺害されただけの事件の一体どこが不可解なの。伝言ダイヤルっていうツールがよほど目新しいものに写ったのかもしれないけれど、言ってしまえば電話を利用した掲示板、「売りたし買い足し」で買った品物がインチキだったって詐欺事件とそれほど大差があるとは思えないのに、ここがチャーンスッってな具合に何やら奇妙なもんだと言っておき、ついでにインターネットの掲示板まで不気味な物のよーに言いくるめよーとしている感じがあってヤダ。

 それから朝日新聞。「ネットワークと薬物を使った犯罪は、インターネットを利用した『ドクター・キリコ』の毒物宅配事件と類似し」って呼び出された人が薬を飲まされただけの事件のどこが毒物宅配事件と似てるんだ? そこまでして「ネットワーク」というツールに不気味な印象を植えつけたいのかと、たいていの新聞社で総合リードを付ける役割を持っている、社内でも中堅な記者ってゆーかデスククラスのたちの感覚の不思議さに頭がグラつく。読売と日経は記事では毒物宅配事件との関連には一切触れていなくって、考え及ばなかったのか敢えて関連づけなかったのかは解らないけど結果として適切だなーってな印象を持つ。最近の読売って冷静で知的になろーとしてるみたい、経済ニュースとかでトバしまくってるし。

 やっぱり出たのは産経夕刊の「睡眠薬情報 入手方法などネットに氾濫」って感じな、何か事件が起こる度に出てくるネット叩きの記事。情報があるのは事実で事実を報道したまでだと言われれば確かにその通りだろーけど、睡眠薬がまだどーやって入手されたか解らない段階でネットから入手したんじゃねーのかあそこは悪の温床だから、ってな予断がアリアリの記事って印象は拭えずちょっとウンザリさせられる。まあ何かあったらコメントを取るのと同じくらいのメニューの1つとして「ネット堀り」って手法があるのは解らないでもないけれど、山とある有意義な情報は知らない顔してバッシングに回るってのは、ねえ。自らネットを使って情報提供をしていこーって考えているメディアなんだもん、もっと扱いには慎重になった方が良いと思うんだけどね。

 届いた「季刊 本とコンピュータ 冬号」をペラペラ。最近大森望さんとこの掲示板で電子出版が話題になっている時期だけにタイミングの良い記事がたくさんあって参考になる。例えば自分の絶版書なんかをPDFにしてシェアウエアとして配布している岬兄悟さんのコラムが載っていて、自分がどーしてPDFを使うのかってな説明があってPDF嫌いな自分にもそれなりに勉強になる。けど「テキストデータで配布された著者名だけを別のものに書き変えて配布したり新人賞に応募したりなど、いとも簡単に出来てしまう」って言われても、盗作なんて紙の時代からあったものだし、応募作が盗作かどーかを見抜けるよー、編集者だって日頃から研鑽をつまなきゃならないのが当たり前なんだから、別にテキストで配布することを忌避する理由にはなりづらいんだけど。

 手すさびにアマチュアな人がアップしたのをパクって賞なんかに応募したのが通ってしまったって事態が起こらない訳じゃーないけれど、そうなるのが嫌なら公開なんかしなけりゃいいし、自分でどっかの賞に応募しちゃえばパクられたって文句が言える。それに所詮はアマチュアの文章なんで、どっかで再生産されているとも思えない。自分も山とテキストをアップしているけれど、もとがありふれたアイディアばかりの文章なんでパクられよーもないんだよね。それは才能の限界だとして、岬さんの例示はともかくプロの配布するコンテンツとしての「電子書籍」にセキュリティがあるかないかは大きな問題だろーから、その点でPDFを利用したいって意見には納得しておこー。

 ほかにはボイジャー萩野さんとか晶文社津野さんとかが出席しての座談会もあって「T−time」とか「00h00」に関する議論や現状の紹介なんかは大森さんとこの議論ともリンクしていてバックグラウンドレクチャーとしては今んとこ最適。あと電子出版ってゆーとオンライン出版とは別にCD−ROMってパッケージの形態に動画像と音楽と文章を組み合わせた新しいコンテンツを詰め込む「マルチメディア出版」ってのもあるけれど、辞書のよーな膨大なデータを収録して手軽に検索できます的な使い道はさておいて、日本で大ヒットしたCD−ROMってのが皆無に近い状況で(シナジーだって潰れちゃったし)、議論の深まるはずもなく、一時期「CD−ROM」ってメディアに期待していた身としてはちょっと寂しい。

 たまたま山之口洋さんの「オルガニスト」(新潮社、1600円)を読んで、そんなんあったなーって具合に思い出した東芝EMIから出ていたCD−ROM「レンダー・オーガン」探してみたけれど、秋葉あたりじゃ全滅で池袋のリブロに寄っても見かけなかった。そんなに昔でもないタイトルがもはや壊滅状態にあるのは紙の出版物以上の短命ぶりで、市場の狭さをあらためて強く認識させられる。代わりといっちゃー何だけど、池袋のパルコにあるレコード店で「宇宙戦艦ヤマト」のビデオ全13巻が9800円で売られていたのは素敵な読者に贈る僕のお年玉ってことで喜んでもらってね、って今さらヤマトなんて愛国心に燃えるライティーな方々か、ワープシーンに心燃やした森雪ちゃんラブな方々くらいだもんな。明日にでも買いにいこーかな(ってどっちだオレ?)。


【1月6日】 タニマニアで白モノ収集家の僕が「FRIDAY」の1月22号をKIOSKで見て0・0003秒で購入を決めたのは今さら説明するまでも無いことだけど、別にちゃんと「週刊文春」も買って社会にも関心を示しているんだって事を言っておかないと、やれヘンタイだやれエバスチャンだと誤解する人もいるだろーから明記する。でもって何で「文春」かってーと、まずは今朝届いた「サンケイスポーツ」に去年から話題になってた「ドクター・キリコ事件」に関連して、キリコのところにお金を振り込んだという、去年の7月に亡くなっていた足立区の女性のご主人が、「週刊文春」に独占手記を寄せてるってあったからですね。

 このご主人って人のホームページが実はあって、そこではキリコとの事件とは無関係で睡眠薬の過剰摂取なんかで事故死した旨書かれていたけど、雑誌の記事をまんま抜いたサンスポの見出しには「足立の自殺主婦」とあり、またマスコミがセンセーショナルに騒いでやがるな無関係の人をダシにしてインターネットは無法地帯だってな主張を繰り返してやがるなと、「文春」の記事のあら探しをするつもりで読んだんだけど意外とゆーか「文春」の記事のトーンはご主人の手記をちゃんと載せ、ネット絡みの批判は一切載せてない。手記以外でもネットがあるから毒薬がはびこるってなトーンの主張はなく、ただ警察関係者の「彼(キリコのことね)の行為(毒薬を配ったことだね)は、どんな論理を用いても言い逃れできない『犯罪です』」(カッコ内は筆者補注)ってな言葉を引いて、法的にはやっぱり犯罪な毒薬配布行為への批判を行っている程度だった。

 どちらかってーと「文春」の抜きを”宣言”しちゃってるサンスポの方が、記事の末尾に「事件後『無法地帯』『規制の必要性』などの意見が高まっているが」とマスコミにありがちな意見を提示していて、「ネット=悪」ってな先入観あるいは固定観念に縛られてるって印象が強い。とは言えサンスポの記事と「文春」の見出しを見て、「やっぱりマスコミは」と考えてしまった当方にも、高みから見おろして双方の主張の噛み合わなさを揶揄するだけで、真摯に両者の言い分を聞き、すり合わせて打開点を見出そうとする意欲に欠けていたって点があるから笑えない。まー大人しすぎる「文春」ってのも正直気味が悪いけど、あるいは問題の深さに慎重な姿勢を見せているとも考えられるから、熟考の上で今後どーなっていくのかに関心を払いつつ、どーゆー姿勢で臨めば良いかを考えていこー。ときどき。

 思い出したけどペッタンな「ミト」も良いけどガキなのに胸おっきかった「名探偵コナン」に登場の「哀」も結構好きだったりするのです、声ハヤシバラメグミだし。話戻ってあの暑かった夏に行列してまで「iMAC」を買ったすべての人々が、驚きなくしては聞けない事態が発生した。アップルコンピュータが何となんと何とかの「iMAC」に5色の新色を追加して、おまけにCPUのクロック周波数を上げさらにはハードディスクの容量まで増やして15万8000円ってな値段で発売することになったとか。

 加えて従来色の「iMAC」は一気に5万円も値下げして12万8000円で販売するそーで、8月末から数えてわずか5カ月の間に、月々1万円も値下がりするって勘定は、コンピューターなんてそんな物だろーと思っても、んでもって欲しかったから買ったんだよ悪いかってな主張をしていたとしても、心理的には結構イタいものが感じられますが如何っすか。あの夏の名古屋で買ったお姉さま方。あと忍者雑誌のテスト版の冒頭にドゥカティのシールを貼った自分用のを紹介している人とかも。

 今後の新色はストロベリー(赤)、ライム(青、かな)、ブルーベリー(紫)、タンジェリン(オレンジ、だろーか)、グレープ(緑、だと思うけど解らん)でやっぱりオフィスには向きそーもない派手目な色ばっか。ゲームボーイカラーだったらクリアパープルだってな感性が働くけれど、「iMAC」の場合はどれがどーとの決め手がないだけに雰囲気と気分で選ぶしかないっしょー。個人的には夜中に目も安らぐ緑が好みだけど、持ってるゲームボーイカラーに合わせて紫ってのも捨てがたい。

 発売されたら人気調査でもしてみますか。1色の時は「蚊取りマック」なんて読んでいたけどこれだけ揃うとやっぱり誰か言ってたよーに「ヴィックスドロップマック」ってな呼び名が流行りそー。「赤」だけなら「いちごミルクマック」ってか。出来れば内蔵できる匂いビーズなんかを売り出して、熱で弾けて色に合った香りが漂うってな仕掛けでも、どっか考えてみませんかー?

 業界団体の賀詞交換会であれやこれや。広告会社や広告主やマスコミ業界がどばーっと集まった帝国ホテルでの会合には山ほどのおじさんおじいさんが集まってそれはもー賑やかなことと言ったら。今ここがバクハツしたらきっと明日の新聞テレビ来週の雑誌は大騒ぎすること間違いないだなー、なんて思ったけど、檸檬を置くなんて風流な事もせずにひたすらエラい人の挨拶を聞きながらメモを取り、超豪華なご飯も食べずに帰って記事にする。

 夕方はレコード会社のエラい人たちが集まる会合で、社長の人とか幹事長さんとか議員さんとか昔理事長今は知事さんとかが壇上に上って業界よ立ち上がれってな気勢を上げたけど、ここに集まってる人たちがバクハツしたって、業界が大騒ぎするかはともかく「音楽」そのものは別に悪くもなんないよーな気がするなー。レコード会社が音楽の支配者として君臨できる時代がさていつまで続くのか。なんて考えている人のいなさそーなのが、ちょっぴり心配な会合でありました。


【1月5日】 「宇宙海賊ミトの大冒険」いいっす主役メカの「ダイオージャ」はまだ出てないけど、ってそれは違う番組か。いや「AX」の記事なんかで小さいまんまの母親って設定を見た時に、楠桂さんだか大橋薫さんだかの「八神くんの家庭の事情」の可愛いまんまでいる母親に息子が惹かれてしまうって展開に、背筋がオゾゾッとした記憶を思い出してちょい心配になっていたけど、「ミトの大冒険」では今んとこそんな展開にはなりそーもなく、どっちかってーと母親が子供を思い過ぎてるって感じでそれも迷惑な話ではあるけど、とりあえずはまー正視できそーな内容で有り難や山形屋ってところですハイ。

 アッパラパーなオープニング(真っ先に渡部高志監督の名前がドカーンだもん)にパッパラパーな音楽で期待もたっぷりに始まった本編は、いきなりの叙情的な展開にアレっと思ったのも束の間、舞台はいきなり宇宙へと飛んで太陽系をひた走る海賊船の中に何故かドーブツな部下が山と載っていた様に仰天至極。ミト自身が小さい女の子の姿をしているのは「AX」で知っていたし、メイルスーツに入るって設定も知っていたから驚かなかったけど、シリアスばやりの深夜アニメにあって、かくも明朗爆笑健全活劇な雰囲気もたっぷりの、お子さまにこそぴったりな作品を放映するのかと、およそ理解し難い事態にテレビ東京の編成の不思議さへの疑問の泡がブツブツと浮かぶ。ミサイルなんか笑いながら飛んでくんだぜ。「ミクロマン」じゃなくってこっちが夕方になっていたって、全然不思議はないもんなー。

 やっぱりスケさんカクさんは「ダイオージャ」とも共通して登場しているよーだけど、葵の御紋が周囲を黙らせる武器になっていないあたりに「ミト」やら「葵」やら「光圀」って名前のキャラクターを持ってきた謎がちょい残る。乗ってる船が「チュウナゴン」ってのも「ダイナゴン」の存在なんか予感させるけど気を回しすぎかなー。年賀正月が父に似て猫嫌いって展開にも、因縁めいた謎がなんだかありそーだけど、おいおい明らかになるんでしょーから3月末までは月曜日を待ち遠しくしていよー。キャラではお母さんバージョンのミトへの人気が高そーで、確かに鉄砲撃ちながらキレてたアングルの脚がとってもセクシーでした。いくらロリ入ってても「ミト」に萌えるのはちょい苦しいかも。ってことも無いんだけど眼鏡っ娘だし胸薄いし生えてなさそーだし。嗚呼だからオレって今もってカノジ(以下自粛)

 お仕事でブルース・リー著の「李小龍大全」(ソニー・マガジンズ、5880円)を読んで気分だけはブルース・リー。マネして黄色いジャージ来て脚を高く上げよーとして股関節をグキグキ言わせて泣いてます。前にアチョーって奇声を上げて闘うリーの姿が映画館の「燃えよドラゴン」リバイバルの予告編に映し出された時に、若い10代くらいのガキどもがケタケタ笑った様を見て、カッコ良かった姿をギャグにしてしまう(「巨人の星」の目の炎もギャグになっちまったもんなー)時の流れの速さを感じて詠嘆してみたりもしたけれど、ジャッキー・チェン未だ登場せずな時代を何となくでも知っている世代としちゃー、ブルース・リーには闘う神様ってイメージが根強くあって、わずかに32歳とゆー年齢(僕は彼を超えてしまったんだなー)で逝ってしまった事もあり、今もって文字どーり神格化されて心なんかに残ってる。

 けれども「大全」に収録された3冊のうち、「戴拳道」ってタイトルのブルース・リーがグンフー(カンフーの事かな)を体得するにあたって考えた様々な思いを記した本をツラツラ読んでると、「大全」を決して「聖典」などと崇めてはならず、またリーを神様などと奉ってはいけないって事に気付かされる。格闘技においてそれが信実かはともかく、形式にとらわれた時に進歩は止まってしまうと考え、形に縛られず師として奉られることすら拒否して強さを探求し続けるそのスタイルには惹かれるところが多々あって、格闘技の書ってゆーよりは「哲学書」ってな趣すらも感じてしまった。ラストに入ってる「歩みつづけよ」なんて言葉、すべてに共通する真理だよなー。煉瓦割り板割りに崇高な使命を見出そうとする風潮に、「煉瓦か板が人間と闘っているところを見たことがあるか?」って身も蓋もないけど真理な言葉をぶつけるあたりに、お茶目だけど真摯さがあふれてウムウムと来る。格ゲーん中に闘う煉瓦と闘う板でも登場させれば草場のリーも納得させられるだろーけど、どっか作ります?


【1月4日】 面倒くさいけどサラリーマンなので会社に行って年賀状などを整理していたらファンシーミホからボクメツの告知が届いていたのでカウンターとして桃天使にボクメツ反対を叫ばせていたりしてあれやこれや。正月早々の新聞作りは年頭所感を集めることから始めるのが通例だけれどエンターテインメントな会社は自らもエンターテインメントの率先垂範に務めているのかどこも休みの所が多く、数社から集めたのみで原稿にして出し、午後になって上がって来たゲラを見たらそんな年頭所感と外注している禿……じゃない後光も鮮やかなデジタローグの江並直美CEOの囲み記事をのぞいた全てが自分の書いた原稿だった。

 まー発表リリースを横縦にした記事なんで知能も腕力もかかってないけど、11月の異動で支局に行った人の早々の退社なんかが発表されていたりして暗黒太極拳な雰囲気もこれありで、年明け早々から暗まっている僕でした。年賀状では今持って「湯川専務」などと書いているセガ・エンタープライゼスに笑止と叫んだり、年末に総集編を見て「うーむぅ」と唸った「彼氏彼女の事情」の主人公が黒い着物を羽織ったガイナックスにラブリーと媚びたり。彼女はコンビニで買ったらしー(売ってるの? 違う商品かな)勝新太郎と侍・三船敏郎の人形が酒を酌み交わしているアルフレックスの年賀状にはビジュアル賞を差し上げます。しかし三船良い服来てるなー。

 ガイナックスと言えば(なぜ言うかはそれぞれで考えよー)、読売新聞で年頭から大特集を組まれてしまった写研の脱税報道に半分ビックリ残りはヤッパリ。前に「WIRED」で特集が組まれていた時に、写研の女性社長が取材を拒否だかしたってな事を読んでいたのをうっすら覚えているけれど、地下金庫に聖徳太子(漱石じゃないんよ)の帯封付きの札束がワンサと積まれてその額85億円、加えてここ数年の経営悪化で粉飾決算までしていたとゆーから、表に出られるはずもないよなー。3回に渡る連載じゃー「『今から駅前で物ごいのマネをやれ』と私が言ったら、皆さん出来ますか」と言って手を挙げなかった役員を数年後に会社から放逐したってな豪傑エピソードも紹介されてて、「マダム・フセイン」なるあだ名まで頂戴しているくらいだもん、何かあったって不思議じゃなかたったなー。

 電子出版でときどき問題になるのが「写研のフォントが使いたいけど無いんだよ」ってな言葉だったよーに記憶してるけど、ワンマンでフセインな社長の人が頑張ってたんだもん、下だってやりたくっても出来なかったんだろー。あるいは経営がドンチャンとなってた関係で投資も侭ならなかったとか。ライバルのモリサワが電子化に積極的に取り組んで来たのと比べると、遅れが指摘された写研だったけど今回の事態でさて新たな投資に取り組むか。何でも脱税容疑は5年で時効になってしまい、所得隠しも課税時効の7年を超えてしまっているとかで、聖徳太子じゃー刑事告発は無理だとか。追徴分は1億円に見たず社長の人も刑事罰に問われることはなさそーで、なんかまんま我が道を行かれてしまいそーな予感がする。出版な人とか印刷の人が”文化資産”としての写研の文字を守るために頑張るってな事も起こるのかなー。

 電子出版と言えば先行して書籍のオンライン販売に取り組んでいた「電子書店パピレス」が、いよいよもって漫画のオンライン販売も始めるとか。新潮社とかでインターネットのウェブ上に漫画のページをまんま掲載して見せているケースは過去にもたくさんあったけど(寺沢武一さんとかもやってたよね)、今度のは漫画のデータをPDFにして配信するって内容で、階調が複雑でルビなんかの小さい文字も少なくない漫画の見開き2ページ分を、ディスプレー上で綺麗に見ることが出来るんだとか。

 第1弾は電子漫画ならヤッパリな松本零士さんの「宇宙戦艦ヤマト」に「宇宙海賊キャプテンハーロック」なんかがラインアップとして揃ってて、値段も300円から500円って程度らしーけど(何ページあるかは不明)、33600bpsのモデムを使ってもダウンロードに1巻で15分もかかるんじゃー、14400bpsなんてプアーなモデムを未だに使っている身としては、ちょっと購入には二の足だな。PDFってのも嫌いだし。でも国際的に人気のニッポンマンガが世界で自由に見られる環境ってのには魅力もあるし、うまく使えば結構なビジネスも開けるよーな気がするなー。松本さんばっかりじゃーなくって、今は読めない絶版漫画の配信とかってやって欲しいなー。

 産経の夕刊に「ヨコハマ映画祭」の案内。作品賞が「CURE キュア」で監督省が黒沢清さんと「がんばっていきまっしょい」の磯村一路さん、主演女優賞が「愛を乞う人」の原田美枝子さんで助演女優賞が「大怪獣東京に現る」「D坂の殺人事件」の吉行由実さんそして最優秀新人賞が田中麗奈さま様さまに三輪明日美ちゃんに「カンゾー先生」の麻生久美子ちゃんとゆー選考結果は、他の名だたる映画賞に比べて1番自分の肌身に合っている。日本映画の1位が「CURE キュア」で2位が「がんばっていきまっしょい」で「ラブ&ポップ」も7位に入ってたりするのも気分。ミステリーでも思ったけれど、日本じゃー別に興行成績とかにつながるものでもないんだから、山とあるベストテンやら表彰制度でも自分の気分にあったものを選んで納得してるのが、この感性が1人づつくらいに多様化している時代にあって、ボクメツなんか気にせずハッピーに生きていく道なのかも。


【1月3日】 明け方にNHKで「アラビアのロレンス」を見ながらガンプラの続きを作っていると、砂漠の真ん中で刀を振りかざしてアカバだダマスカスだと叫んでいるオトゥールの向こうに、鉄砲を構えたザクやらヒートロッドをだらりと垂らしたグフやらが蜃気楼のよーに立って見えたりしてもー歳ですね。アリを演ってるオマー・シャリフの髭面がランバ・ラルには流石に見えなかったけど。しかし長いはずなのに見ているとズブズブとはまってしまう不思議な映画だな「ロレンス」って。大枚かけて撮った砂漠の風景とかが美しいのもあるけれど、フワフワとしているよーで案外と熱血な兄ちゃんが、政治のドロドロと砂漠のゴチャゴチャを見て絶望して壊れていく様が、鋭く活写されている、優れて人間ドラマに溢れた映画だからなんだろー。

 4時間くらいの映画に熱中する集中力が衰えている身に、手にガンプラを持って組み立てながら横目で映画を見るって作業がこれほど合っているとは思わなかった。手と腰くらいしか出来ていなかった我が「マーク2」の足がやがて出来上がり、胸のパーツも組み上がってそれなりな格好になって来る。がしかし、思いの他複雑な足のパーツの組み上げに相当な時間を取られて、アラブを後にしたロレンスの姿を見ても未だコクピット部分は完成せずにお開き。たかだかマスターグレードでこれだけの時間がかかるとは、パーフェクトグレードとはどれくらいに複雑怪奇なシロモノなのかと、逆に興味も湧いてくるけど作れるだけの時間はなさそーなので時間が否でも山と取れそーな時期が来るのを今は待とー。

 なんだかページの上で「お仕事ください」って書くのが流行っているんで僕も書いちゃおーかな「化け猫退治請け負いますただし人的物的な損傷は依頼主の負担といたします」とかって。けれども手元にIBMの超小さいパソコンはないしお札をフォーマットできるだけの波動砲(ホストコンピュータ)もないし弾の出るモーゼルもない。出張くんと名付けられるのはビアンキのマウンテンバイクくらいで、だいたいがバタフライナイフ使いの眼鏡っ娘も格闘バリバリなキャリア娘もカーマニア娘もガンマニア娘も周りにいないのに「化け猫退治」の看板は流石にかけられない。黄色いシマのチャンチャンコでも買って来て、アパート前にポストでも立って「妖怪退治」の看板でもかけるか。半ズボンの学生服はちょっと探すの苦労しそーだけど。

 起きると午後だったので近所を散策して食材を買い込んで帰宅して高校サッカーを見ながらガンプラの続き。帝京対四日市中央工は愛知FC出身とかゆー帝京の矢野に注目が集まっているよーで愛知県出身者としては善哉。クラブで活躍していたとはいえ選手権には出られず悶々としていた愛知県立工業高校の3年進級時に、一念発起して帝京に移って2年に編入したって経歴は珍しいってゆーか何とゆーか。欧米だったらそんな時に超有名クラブのユースあたりで活躍して、ひょっとしたらプロ契約なんか結んでプロの試合に出てリーグ優勝なんかを目指すことが出来るから良いんだろーけど、日本じゃー目標になるのが未だに高校サッカーの選手権、って事になっちゃうんだろー。サッカーの強化にとって良いことなのか良くないことなのか。

 サッカーと言えば「週刊文春」なんかで活躍しているジャーナリストの増島みどりさんがワールドカップフランス大会を取材して書いた本を購入。選手のみならずトレーナーから料理長から用具係にまで広く、けれども決して周辺で見ていた人ではない直接的な関係者に綿密に聞いて文字どおりに「現場の声」を拾い上げていて結構読ませる。傍観者的な理論ではなく主観的な経験こそが語り得るあの場あの時の雰囲気の何と血肉を持って伝わることよ。もちろん選手の声一辺倒だとそこにどこか身勝手な論理が噴出して読む人を辟易とさせる可能性もあるけれど、一方的であってもそれがまさしく誰よりも現場に近い場所で仕事をした者の声である以上、文句を挟む筋合いではない。また周辺への取材が例えば決められた時間を過ぎてもマッサージを要求してくる選手がいたことなんかを掘り出して、神経質になっていたり甘えていたりした日本代表の姿をこれも「現場の声」として伝えてくれる。

 ほとんど瞬間芸の世界と化してしまったスポーツ新聞の世界に比べると、速度はないけれど広くも深くもある極めて有意義な仕事であり、本当だったらこちらが主流になって欲しい仕事でもあるけれど、今の段階ではマスたり得ないのも事実であり難しいところ。そこで電子出版とゆーミニマムな市場を相手に言葉を発信できてかつ、収益もあげられるシステムが求められているんだってな電子出版の効用の話に持っていこーと思ったけれど、コミュニケーション論得意じゃないしピノチェト知らない(謎、嘘だけど)からそのうちに考えまとめて書いて発表しよーオンライン出版で。ちなみに僕はハード的な特質もあって(単に古いだけ)PDFの形式が大嫌いで、今もってSFオンラインもインターネット文芸賞も買ってません。

 詩とか絵本とかいった印刷時のレイアウトまでをも作者が指定したい作品じゃなけりゃー、電子出版ってゆーかオンライン出版の場合は、ベタなテキストで配布して手元で好きなフォント、好きなレイアウトで見るってのが読者としては1番気持ちが良い。ハードを変えても読めるしね。作者がレイアウトにまでこだわる、ってゆーなら別だけど、そんな作者ってどれくらいいるのかなー。編集は読み易い環境を整える作業以上に一種の権威(上に立つってゆーよりは優れた作品を選び出すフィルタ、って意味での権威)として機能し、その機能に一応今は誰もがある程度の信頼を置いているから(大きい出版社の優秀な編集者が通したんだから読んでハズレが少ない、って意味での信頼)成り立っているんだけど、マスを相手にせざるをえない編集からこぼれる作品をとりあえず世に問う発表手段、んでもって手元へと送り届ける流通手段としてオンライン出版は可能性があると思うよ。

 帝京が勝つ頃にはどーにかバーニア部分も胴体も完成して組み付けを開始。盾もビームライフルもバズーカも作ってパチパチパチと組み上げ、おおよそ8時間をかけてどーにか完成へとこぎ着ける。ホースを組み付ける部分に瞬着を使ったくらいで後は一切の接着剤を使わずに、これほどまでにしっかしりたディティールのガンダムを作れるよーになっていたとは、知ってはいたけれど体験して改めてニッポンの玩具スバラシいでースな思いにとらわれる。2度は流石に面倒で黒マーク2はちょっと手を出し辛いけれど、ちょっとは気も乗って来たし今週の末にはそーだな昔買ったまんま積み上げている「EVA」の豪華版でも作るか、って週末じゃー絶対に作れないだろーけどね。量産機にしとこーかな。


【1月2日】 20世紀を懐かしむにはまだ2年近くあるからちょっと早いとは思うけど、今年にもやっぱり地球が破滅しちゃったら20世紀最後の年になりかねないって事で、去年だかに買った映画「20世紀ノスタルジア」のDVDを掘り起こして真夜中に見て20世紀を懐かしむ。そいでもって脳天気に21世紀を信じて終わる内容が、同じよーに「20世紀」って言葉がタイトルに付いている岡田斗司夫さんの「二十世紀最後の夜に」(講談社、1800円)が描いている、銀色のロケットが飛ぶ未来が来ない事を哀しむトーンに彩られた内容と、ずいぶん離れているなーなんて考え込む。

 と言っても同じ「20世紀ノスタルジア」の中で、広末涼子演じる遠山杏の相手役を務める圓島努演じる片山徹は最初は21世紀の到来なんて信じておらず、「滅亡まで」なんて暗黒なビデオを撮って編集して地球の滅亡を独り勝手に予感してた訳で、それがエンディングで明るい未来を信じる兄ちゃんへと変貌を遂げられるのは、ひとえに広末の魅力によるものだって結論に達したところで、我が身を苛む悲観論を払拭して世紀末を終末としないために、世を儚(はかな)んで暗くなっている私(わたくし)めに天よ広末を与えたまえと、お願いしたって叶うはずもないからやっぱり世界なんて滅びてしまえば良いんだと、ゆで卵とバーボンによる初酔いに酩酊した頭で愚痴る。早稲田に学士入学でもするか、休職でもして。

 福袋なんかを買い込む人でいっぱいなお正月の銀座を歩いてシネスイッチ銀座に「ルル・オン・ザ・ブリッジ」を見に行く。アメリカでは既にして大御所の感ある作家、ポール・オースターが監督を務めた作品は、幻想的な雰囲気を持ってるストーリーにしては映像があまりに直接的すぎて、リアルな現実を信じて見ていた気持ちがラストのオチ(○○オチだーっ)に追いつかず酷く悩む。ストーリーはこんな感じ。演奏中に撃たれて重傷を負った壮年のサックス奏者が、ある夜拾った夜になると光り宙に浮き、握ると気持ちをハッピーにしてくれる不思議な石によって女優を目指す女と知り合い恋に落ちる。

 やがて女は大役を掴んでこれからとゆー時に、石を取り戻そうとする一味によって男は監禁され尋問を受ける。やがて一味は石を持っている女の元へとたどり着くが、女は逃げ出しその身を感動的な演出もなく、まさに「じゃぼん!」といった具合にダブリンの橋の上から川へと投じる。ラストは何しろ○○オチだから、ウィレム・デフォーの演じる博士がハーヴェイ・カイテル演じるサックス奏者に加える尋問は「未来世紀ブラジル」の拷問シーンとは行かないまでも、もっと異様さに溢れていたって良い筈なのに、奇妙な味わいこそあれそれほど突拍子でもない。そもそもダブリンでミラ・ソルヴィーノが演じる女優の恋に悩む心理描写と、追いつめられて川へと身を投げる場景描写があるって点が、サックス奏者を主人公に据えた○○オチとは結びつかない。

 感動的な場面で感動的な音楽が鳴り響き感動的なスローモーションで演技が行われる如何にもアリアリな演出は嫌いだけど、幻想的なストーリーの筈なのに一切の幻想的な演出がない平明な展開は、ちょっと中途半端で僕の趣味とあんまり合わない。とはいえ監督の言う「ラストは見た人が考えろ」って言葉に従えば、あるいは幻想的なストーリーと考えるこっちが違っているのかも知れないので、やっぱり見た人がそれぞれに判断して下さい。関係ないけど石を握って幸せそーになるソルヴィーノとカイテル見てると、何故か関西では有名な「大丈夫だ石」を思い出したぞ、握るだけで心が安らぐってあの不思議な石(本当は半分冗談商品、なんだけどね)を。もしかしてオースター、滞日してた時に見たんじゃないか?

 阿佐ヶ谷ラピュタって所で宮沢賢治関連の映像作品を上映してるってパンフレットをもらって行こうと思ったけれど、地下鉄に乗った途端に池袋から通う香りに誘われて阿佐ヶ谷行きを断念し、池袋のパルコへと向かって7階だかの特設会場で開催中のフィギュア関連のバーゲンで品物を漁る。4階あたりじゃ「ゴルチェ」の福袋が売り切れだったけど池袋がシマなコジャレ帝は並んだカナ? それはさておきマーミットから前に出ていた「VIRUS」はエリカ・知念のソフビフィギュアが2900円で大バーゲン。ヴァリアブルギアを装着したのを普通の制服姿のと両方あったけどここは当然の事ならがフトモモも露な制服バージョンを購入する。

 表情の似てなさに定価では買えなかった品物だけど、実際に手に取るとフトモモの筋肉のつきかたが実にリアルで、得意技のチャギで蹴られたらヤッパリ死ぬなと思い知る。同じ素材かと思っていたジャケットが実は脱着可能だったのはラッキーだけど、肝心の渥美半島は温室メロンも小さく見えまーす、な胸はシャツごと成形されていて露(あらわ)にできずちょっと哀しい。「白」は見えるけどこれまた一体成形でおまけに前垂れと繋がっててリアルじゃないのも惜しいところ。でもまー数少ない「VIRUS」関連グッズではトレーディングカード、ノベライズに続く商品って事にはなるでしょー。

 後バーゲンではバンダイから出てる100分1スケールのプラモデルから、皆さん欲しがってるマスターグレードの「ガンダム・マーク2」を1900円で購入。エウーゴ仕様もティターンズ仕様もあったけど、やっぱり「ガンダムは白く塗れ」ってことでエウーゴ仕様に決め、そのうち買うだろー豪華版への手慣らしにしょーかと思ったら組立始めた設計図の最初のページで2時間もかかってもうヘロヘロ。顔を手と腰を作ったところで再び箱へと放り込んでしばらく精神統一を計る。再び組み立て始めるかどーかは未定だけど、少なくとも巨大ガンダムを作ろーとゆー気だけは今は消沈してます。やっぱりド素人にはガシャポンくらいが丁度好いのかなー、3つも部品をはめ込めば完成するし。


【1月1日】 ってー訳で新年早々から「EVA」見るのも体に悪いんで、ここは健康一番なプレイステーション版の「lain」をツラツラとプレイ、毒々感に溢れたシナリオと可愛さの対極にあるグラフィックにストレスたっぷりな操作感が、いよいよ幕を開けたグランドクロスな終末の年を象徴するかのよーでとっても心を冷や冷やさせてくれますね。

 細切れに散りばめられた主人公の日記、カウンセリングの記録、カウンセラーの日記、映像なんかをとりあえずは無作為に見ながら全体像を推理しつつ、同じキーワードで辿って連続性を確認していく作業の何と奥深いことよ。形態的な特質上、結局は前から後ろへと読んで行かざるを得ない「本」とは違うハイパーなテキストの1つの形として、後生に記されるタイトルなんじゃなかろーか。とは思うけどやぱりあの絵と重たい操作感じは、ねえ。サクサク美麗な「DC」で、作んない? 本当のネットとも連携させて。

 酒かっくらって寝て起きたらまだ午前。届いた年賀状は嫌いな来客者に出す羊羹(ようかん)よりも薄く、日頃の付き合いの悪さ人見知りの激しさが現れていて慄然とする。戴いた方にはすぐにご返事出しますから届いてもお米券みたく食べないで下さいね。元旦と言ってもすることは当然ないので初詣ならぬ初買い物屁と近くのイトーヨーカ堂へと徒歩で移動。元旦から店を開けておまけに消費税の還元セールまでやっているとは流石流通業界ナンバー1たる態度だとその根性を誉めておこー。スーパーだもんで福袋はあんまし買う気が起こらないけど。

 とりあえず返事を書くためには年賀状が必要と、思い文房具屋に言ったら印刷済みのお年玉付き年賀ハガキがどの店にも山のよーに余ってた。この何年か年内中に年賀状が売り切れるって事態が続出してたから、今年もと思って仕入れたまでは良かったけれど、普通の年賀状すら売れない不景気の波をモロに被って売り残してしまったって事でしょー。仕方無く年が明ける前から店頭の高い印刷済みを買わされていた人から見ればザマミロって感じぃ? ですけどね。あれって返品効くのかなー。

 折角なので自分も買うのを止めて、手持ちの絵はがき(何故か「桃天使」)を年賀状代わりに使うために、近所のコンビニに行って50円切手を買おうとしたらやっぱり売り切れ。これはしゃーないと10円切手を山と買い込み、もも天使な絵はがきに年賀状の返事を書いて10円切手を5枚づつ貼って送る事にする。手持ちが何枚も無いから元旦に届いた人にだけ返事が多分行くでしょーけど、元旦早々ク○レゲーとの評判も名高いもも天使じゃー縁起が悪いって人は、今年がグランドクロスだからと笑いながら7月に滅びて下さい。僕もいっしょに滅びますから。

 午後になったので買い置きの冷凍ピラフ500グラムを暖めソーセージやら玉子やらを混ぜ混ぜしてハイネケンと一緒にかき込むと、そろそろ始まったサッカー「天皇杯」で清水エスパルスがいきなりの先制。「横浜フリューゲルス」が勝つよりはキマリ過ぎなくってゼロックス杯やらへの出場もスンナリ行って良いかもね、なんてフリューゲルスのファンから見れば許しがたい事を思っていたら、前半の笛間際にフリューゲルスた得点して同点へ。さらに後半にフリューゲルスが逆転に成功すると途端に手のひら返してやっぱり日本人だよ浪花節、無くなる最後くらいは華々しく飾ってカップ授与の席で川淵岡野ら偉い人たちに、ビンタの1つでも暮れてやったら楽しいなーと、思う私はやっぱり純粋なサッカーファンではないんだろー。

 残念なことに、じゃない幸いなことに皆さん立派なスポーツマンでチェアマンを殴りもしなければ金メダルを放り投げもせず、勿論天皇杯もブン回しなどせずに綺麗にセレモニーを締めてくれて、見ているとよけいにこれほどまでに素晴らしいサッカーをしたチームが、これを最後に消えてしまう事に重大さがじわじわと感じられて悔しくなる。結局最後まで選手との話し合いをしなかった全日本空輸とゆー会社への、それが資本主義であっても人間味の無さにはやっぱり哀しい思いが仕切り。ってーか運輸省を担当していた時から、全日空の広報って媒体を選りすぐりやがるんであんまり好きくない会社だったんだけど。社長の人は人が好さげなんだけどねー。

 とはいえ企業がスポンサーにならなければ成立しないのが、プロスポーツの世界ってのが現時点での紛う事なき事実でもあるし、今回の事態を踏まえて全くの民間だけでプロスポーツが成立する道を模索するか、あるいはスポーツを陰になって応援している企業に国だったら税制面とか消費者だったら積極的な利用・購入といった部分でちゃんと報いる態度なり気風なりを熟成していく事がやっぱり求められるんだろー。でもグランパス応援してるからってトヨタの車には乗りたくないんだよな、元ケンメリオーナーとして。

 そのグランパスが今年はリーグでもカップでも優勝するのが確実にだから、って言い切っていいんですか? いいんですってのはフリューゲルスから楢崎正剛に山口素弘の代表クラスを獲得し、ベルマーレからは呂平須がやって来て、すでにいる望月平野福田古賀中谷といった全代表五輪代表クラスと合わせると、先発の半分以上を代表クラスといった布陣で構成できるから。これにトーレス、ストイコビッチが加わった超豪華なメンバーを見よ! 負けるはずがありません。

 代表にこそ入ってないけどそれだけの実力を持つ岡山に小倉、んでもてベテランの野口に浅野に石川康と他にもタレントが勢揃いのメンバーで、勝てなかったらよほど監督さんの腕が悪いってことになるから、かえって監督の人も緊張に采配が固くなっていい成績が残せない恐れがあるんだよなー。でもまあ少なくともリーグでもカップでも上位に食い込んで大暴れしてくれるのは確実だから、中京地区のみならず京浜地区のフリューゲルスファンのちょっとでも良いから、マリノスもいーけどグランパスへの応援をよろしゅうに。


"裏"日本工業新聞へ戻る
リウイチのホームページへ戻る