縮刷版98年7月中旬号


【7月20日】 それをやるためだけに「NINTENDO64」を買った人生爆発さている人間にも当然のことながら限界はあるよーで、1分19秒台から先に一向に伸びなくなった「F−ZEROX」をとりあえず置いて久々に「ダブルキャスト」をプレイ、徹底的に愛情を注ぐ選択肢で抜けたらなんとかメインタイトルの「ダブルキャスト」なグッドエンディングへとたどり着けた。こーなると後はノーマルに数あるバッドの潰しっこになるんだけど、それも何だか「ドラマを見せる」とゆー「やるドラ」の本質からズレているよーな気がするのでとりあえずはこれで打ち止めってことになるんだろー、近く第2弾も出ることだし。アナウンスされている第4弾以降も企画は進んでいるよーなので、月刊とは行かなくても季刊ペースのOVAって感じでリリースされれば、これをやるためだけに「プレイステーション」を買った人生破壊されている人間も腐らずに済むってもんだ。

 あまり室内にいるとゲームばっかりで本読みが捗(はかど)らないので電車に乗って秋葉原方面へと出向く。社内で適当なところまで課題図書を片づけつつ、到着した秋葉原ではまずは駅前にオープンした「ゲーマーズ」を舐め、2000円の福袋に心ひかれつつも我慢してザッと店内を物色、別に他店とそれほど違いはないけれど、集まって来る人の多さはやはり市場のがそれだけ膨らんでいるってことなのか。製品面でも例えばトレーディングカードはすでに定着した観があるけれど、トレーディングポスターなんて物まで登場してはそれなりに稼いでいる様を見るにつけ、やはりこーしたキャラクターグッズの市場って、まだまだ天井がないんだなー(ハマった奴的には底なない)ってことを実感する。トレカの福袋ってのがあってこれもまな何が入っているのか解らない所がトレカ以上にトレカ的、コンプリートにはいったいどれだけの福袋を買えば良いのやら(っていねーよなんなことする奴ぁ)。

 隣りのラジオ会館では4階の「海洋堂ホビーロビー」がちょっと模様替え。エスカレーターに面していたショーウィンドーの中身が前のあらゆる美少女系フィギュア中心展開から、ゴジラガメラな怪獣は残って後がちょっとしたお芸術フィギュアになっていた。っても展示してあるのは松下進さんの描くたぶんおそらくはファミ通かなんかの表紙になったよーなイラストを立体化したものだと思うけど、確かに作品としては優れていてもこーなるとやっぱりとってもアーティスティックで、見栄えは流石にするけれど、今の市場をずいぶんと支えていると思われる美少女フィギュアを前面に出していないのは、やっぱりまだまだ認知されてはいないのかなーってな感じで一抹の寂しさを味わう。もっとも店の方も半分がショーケースになってたぶんそこにズラリとフィギュアが並ぶはずだから、完工の暁には下のKブックス、横のビルのゲーマーズあたりと相乗効果で電気の街をオタクな街へと塗り替える、おどろなエナジーを発散して頂けることでしょー。

 しかし吃驚したぞ下のKブックスで「サクラ大戦2」のプレスシートが何万ってな値段で落札されていて、これだったら記者会見に10人も人を出してプレスシートをガメて来れば何10万だって設けることが可能だよなってなイケナイ妄想にかられる。とりわけ「2」の方ではプレス向けに新キャラのカラーポジが添付してあったのが大きかったみたい。とはいえこーゆー事がまかり通ると記者会見もプレスシートが粗末な紙っぺら1枚だけになったりとか、入り口チェックも厳しくなったりとかして仕事がしづらくなるってことも考えられるし、もとより自分で貰った物を売るなんてもったいないことをする筈もないので、いくら豪華なプレスキットが付いたところで、例えばこないだの「もののけ姫時計」も含めて、プレミアなんて物は個人的には全然ほとんど関係ない。んだけど最近ちょっち貧乏なんでちょっち気になるのことも確か。幾らになるんだろー「もののけ時計」の2コセット。

 「もののけ姫」と言えばよく行く玩具屋(もちろんマーケティングリサーチの為だ遊びじゃないぞ)の店頭で7月頭くらいから「もののけ姫」のビデオがプロモーション用にフルコーラス(って言うのかな)で流されていて、そこに毎日のよーに同じ女の子が座り込んでずーっとビデオを見ている姿を見掛ける。もう休みの日は必ずって感じで、それまではずっと跪(ひざまづ)姿勢で食い入るよーに見ていたのが、今日なんかは小さな椅子まで持ち込んで座って画面に見入っていた。そんなに好きならオジサンが買ってあげるからウチで見ようその後でエッヘッヘ、なんていつか書くかもしれない官能小説のシーンを想起してみたりもするけれど、それは置いても毎日のよーに通う女の子の根性と、そしてその根性を受けて立っている作品の凄みにはやはり感じ入るものがある。

 折良くよーやくLD3面分の「もののけ姫」を見終わったところで、東宝の小さな画面よりもさらに小さい14インチのテレビ画面の上下が切れたビスタサイズに眼を皿にして見入った話に「やっぱりえーわー」と思ったこともあり、何であれ人を1人でも感じ入らせるコンテンツってのを生み出すことの素晴らしさなんぞに頭を思いめぐらせる。ましてや毎日のよーに通って来ては1日中ビデオを見続ける子供だっているって現実を目の当たりにすると、やれプロモーションが良かったとかみんなが見たから惰性で見た人が多いんじゃないのとか話が難しいんじゃないかとかいった声はこの際どーでもよく、本質としての物語の力があってこそのヒットだったんだってことを、改めて思い知らされる。タダて見られちゃビデオの売上にならんよなんて野暮な事は言いっこ無しだ、どーせなら鈴木敏夫プロデューサー、全国の子供たちに指令を出してすべての玩具屋の店頭に座り込みしてビデオに見入る子供を仕込み、さらなるブロックバスターを出現させてしまっては如何?

 秋葉原では「ラオコン館」の裏手にあるメッセサンオーの何号店だかで「コミケ」のカタログを購入、2分冊とはならかったけどその分厚さには3階から落とせば下にタムロしている秋葉系な奴をまとめて殺せるかもしれんと、手にズシリとくるその重さを実感する。胸に入れておけば44マグナムの弾丸だって跳ね返すかもしれん。「メッセ」では前に見た自主製作アニメビデオの棚が小さくなっていたよーな気がして、いわゆるパロディ物が減ったんじゃないかと考える。ここんところのバッシングってゆーかメディアの関心が強まっていたせいなんだろーか。「メッセ」を出てエレベーターまでの通路に順番待って立ち並ぶ男どもに自分を見つつ自己嫌悪に陥りつつ、まま「ソフマップ」をのぞくと発売から1週間たってたいていなら絶対にないはずの「F−ZEROX」が並んでいるのを見て、これは任天堂、中古禁止もまんざら口先だけじゃなく、本気で商品供給体制を整えて来やがったのかと想像する。

 時すでに遅くすでに売れない「N64ソフト」の汚名とともに山と余って叩き売られれば、それはそれでまた別の可能性へと繋がるだろーけど、巷の評判が決して悪くないところを見ると、存外この夏をステップボードに年末の「DD」に向けてちょっとした話題を作ってくれるかもしれんなー。まずは8月の「ポケモンスタジアム」の動向が気になるところで、「ピカチュウげんきでちゅう」やら「ゼルダの冒険」やら「バンジョー&カズーイ」やらでも同様な展開を見せてくれば、「ゴジラ」に「ソニック」にあとはWARP版「遊星からの物体X」あるいは「ヒドゥン」さらには「エイリアン」に「幻魔大戦」な作品が来よーと、おまけに「ポリゴンいりさん」が付こうと(付くかな?)、湯川専務を再び酒場の路地裏へとはわせることだって出来るだろー。えっ京都は関係無しに大鳥居は寝たまま? 赤坂が全階級制覇? まあそれはそれでそれかもね。


【7月19日】 「F−ZEROX」はようやくにして1分19秒台に突入、ここまで来てやっとこさライン取りの甘さに加速ポイントの踏み忘れなどが気になって、もうすこしだけ頑張れば何とか1分15秒を切るのも可能かな、ってところが見えて来た。タイムアタックでたとえ僕的に行き着く所まで行ったとしてもグランプリモードは初心者から上級者まで果てしなく長く、それらを1つまた1つとツブしていく楽しみは、1回辿ってもう解ったと思わせるよーな、あるいは数ある選択肢を潰していくだけが楽しみとなってしまうよーなゲームとは異なる、楽しみ方を教えてくれる。

 ついでなんで振動パックも付けてみたけど、震え方が妙に画一的ちゅーか計算尽くって感じがして、あんまり臨場感は感じられない。慣れていくうちにそれでも雰囲気に合って来たかなと思う当たりに人間の感覚の適応能力を感じるけれど、コントローラーが重くなってアナログスティックを動かす手に結構な負担になるんで、当面は取り外してタイム縮めに奔走することにする。とはいえとにかく歳なんで、グランプリモードが全てクリアできるとはとうてい思えず、行き着くところまで行ったらやっぱり投げ出してしまうんだろーなー。前にやったサターンのスノボでも一向に1位になれなかったし。ともあれまだなんとか向上する余地がありそーなんで、しばらくはサルってやっみよー。

 いよいよ世間的には(とゆーか学生的には)夏休み到来なんでしょーが大人なさらりまんには一切関係はなく、だったらせめて週末くらいは休みだぜってのもこーした稼業にはやっぱり関係ないみたいで、ちゃこちゃこと六本木アークヒルズにある全日空ホテルまでマキノ正幸・沖縄アクターズスクール校長のインタビューをしに出かける。レゾナンス出版が発売した「オンリー・ワン」って島田晴雄・慶大教授との対談が中心になった本の発売プロモーションに乗っかったってところだけど、こちらとしても安室にMAXにSPEEDって日本でも有数のアーティストを送り出して来た学校、その秘訣を経済産業の分野にも応用できないかってーな秘訣を聞いて儲からないとか売れないとかおほざきになっておられる大企業のさらりまん達に、聞いてもらうのも手じゃねーかと、まあそんな思惑もあって慣れない芸能界関連の人のインタビューに赴いたってことですね。

 しかしのっけからパワーのカタマリのよーなマキノ校長、明日どーなるとか来年どーなるかなんて近視眼的なことは言わないで、それこそ30年50年先の日本を帰るために今、子供達の教育が必要と訴えるそのパワーにひたすら圧倒される。「自分は生きてやしないけど、変化の兆しだけは見極めたい」ってな言葉はたぶんてらいではなく本音、だろーし「すべてを変えてしまう訳だから命だって狙われるかもしれない」とゆー言葉もたぶん虚勢ではく本当の事なんだろー。何より本業ともいえるエンターテインメントの世界で、公然と業界を仕切る人たちを非難し挑む姿勢をはっきりと言う、それを記事にされたって一向に構わないという、その覚悟は音楽業界をちょろりかじった人なら誰でも、相当なものだと解るだろう。ましてや芸能一家に育ってその裏をすべて知っている人だけに、覚悟の強さの程もより解るってもんだろーね。

 「今の音楽業界なんてプロモーションありきだし、事務所やレコード会社はそれで儲けることしか考えてないよ。アーティストだって厭きられれば次、また次って作っていくだけ、それじゃあ本当のアーティスト、世界に通用するアーティストだって出て来やしない」と、すでにして多数のアーティストを卒業させた人とは思えない口振り。そこでじゃあ安室はMAXはSPEEDはと聞くと、「安室は滑走路から飛び立とうとした段階」とのこと。世界とゆー場所に向かって己の魂を伝えていくためのスタートラインに就いたところで勘違いして止まってしまったとゆーよーな捉え方は、ヤジウマ的にはせっかくの逸材をスポイルしてしまうよーな事務所とかレコード会社のやり口への牽制とも取れるけど、大局的にはより高く広い視点から物事をとらえていることの現れと言えるだろー。

 自分は異質ではなく当たり前と言い切るあたりはまさにベンチャースピリッツ、その心意気をさてどんな文章でなれ合いと出世欲だけが渦巻く経済界へ、そして最も変わらなくてはいけない時代の伊吹を世間に伝える力を持つメディアへ、つまりは社内の人たちへ伝えたら良いんだろーかとこれから七転八倒することになるだろー。まずクリアすべきは「何でこんな奴に話を聞くんだ」ってな社内的な圧力だけど、幸いなことに社内的に異質な人間と思われている僕が、書くことなすこと全てヘン、と嬉しくもないけど認知されていることもあり、加えて何でも載せなきゃ埋まらないってな台所事情もあるから、大きさ長さは自由自在にマキノ校長の話を紹介して行けるだろー。これだけ素晴らしい熱い話を聞けたんだから、本のプロモーションの一環として行ったインタビューに使ったホテルの喫茶店代6000円の払いがマキノ校長はともかく出版社の人間の分も含めてこっちに回って来たって関係ねーや(会社にゃあ請求できんのだよ貧乏だから)。こっち持ちなんだからレゾナンスの本のプロモーションも必要最小限に止めて、とにかくナマのマキノ校長の声を伝えることにしていこー。50年後への種蒔きに僕も乗る。

 いよいよ来月になったCAPRICON1だけど、そろそろ参加登録しないといけないとは思いつつ、日程とにらめっこしながら逡巡している昨今だがや。会場の都合なのか昼間オンリーの企画で合宿もないとあって、名古屋=都説にのっとって地方参加者が夜をいったいどーしたら良いんだってな逡巡にとらわれていることに比べれば、実家が名古屋な僕は帰省のついでと宿泊は気にせずに参加することはやぶさかではない。けど人出の極端に少ない紙面で果たして夏休みがとれるのかどーかが不明で、せいぜいが夏のキャラクターショーにカードショーにコミケにワンフェスに参加するって当たりが関の山、なのかもしれないこれ全部出ればお金も万の単位で吹っ飛ぶし、ね。

 しかし地方参加者の逡巡を読みとったのか裏合宿DAINA☆CON GPってのが開かれるみたいで、参加費も結構するけれどこれに出ていれば宿に迷わず夜も安心ってことだから、まあそれなりの参加者があるんだろー。場所がとにかくふるっていて、五色園って昔の愛知郡日進町今の愛知県日進市にある宗教公園は、桜の名所としても有名ながらスポットはその園内にある僧侶たちの人形だ。それおそ庭みたいな場所に袈裟来た坊主が座って何やら講話をしていたり、悟っていたりする人形がごじゃごじゃと飾ってあって、始めて見た時にはここは一体何なんだと、子供心に訝り悩んだ記憶がある。それこそ「珍日本紀行」に出たって不思議じゃない場所、合宿明けのぼやっとした眼にはきっと新鮮に映るだろー。

 とは言え1万数千円もする費用は金穴が予想される8月下旬には相当な負担、なので仮に大会には出てもそっちには参加しない可能性大。家からは車で15分くらいの場所になるから、顔出しだけで割引があれば良いんだけどなー。大会自体は結構遅い午後1時から午後4時半なんて中途半端な時間に開かれる事だし、いっそ実家を"闇"SF大会の会場にして、両親が寝静まった後をどんちゃん騒ぎするかいな。熱田区の会場からは地下鉄と徒歩で1時間もあれば付ける名古屋市内だし、部屋は2階に誰も使っていないのが3部屋余っていることだし、仏間は仏さんもいないから幽霊も出ないし、周囲は野原で隣家も向かいも一切無いし、ついでにクーラーもないから大声出しても安心あんしん。当然ながら宿泊費はタダだ。問題はこっちが参加できるかどーかってことだけで、その為にも休みをどちゃーっととれるだけの書き置きの原稿を書くためのネタ、お待ちしていまーすがや。


【7月18日】 さんざっぱら「F−ZEROX」をプレイしても一向に縮まらないタイムにコントローラーを投げ出し、酒を煽って床に就く。そのままテロテロと惰眠を貪っていると突然PHSにPメールが入る。時計を見ると午前の3時半。なーんだこれなら作家評論家編集者フリーライターにとってはおそらく宵の口じゃんと、折悪しく見ていた「F−ZEROX」で走っても走っても1分30秒を切れない悪夢から脱出して机の下に落っこちていたたまぴっちを拾うと、やっぱりカラオケ番長だった。

 これが例えば雑誌がようやく校了してちょっとばかり夜がヒマになった編集者が、どこぞのカラオケボックスから「銀河鉄道999」なんぞを歌いながらかけてきた電話だったら、お礼参りにヤレコレアハウフやってる時間を見計らって携帯に電話に電報に宅配便にピザにNHKの集金で総攻撃をかけて、その労に報いて差し上げるところだったけど、番長だからもうこちらとしては何を置いても直立不動になって返事を出さねばならぬと、見ていた夢の有り様を仔細漏らさず(ってもPメールだからたいして文字数はないんだけど)お伝え申し上げ、ごきげんを伺う。番長至極ご満悦の様子でこの後ほとんど30分余りに渡ってメールの応酬を続け、ようやくにしてお許しを戴き再び1分30秒を切れない悪夢へと身を没する。窓の外は空が白んで今日の天気が良さそうであることを伝えていた。コケコッコー。

 ぬしと朝寝がしてみたい、けどそんな相手もいないままに朝とゆーか昼前になったので起き出して八重洲ブックセンターへと向かう。昨日も取材に行ったレゾナンス出版が、新刊書の発売記念イベントを八重洲ブックセンターで開くとゆーのでこれは面白いと見に行ったもの。出演するのは著者である島田晴雄慶大教授に沖縄アクターズスクールのマキノ正幸校長、だけどそんなおっさんなんぞはなからアウト・オブ・ガンチュウで、目的はただ1つそれは夜中のご下命に惚けた頭であっても無理矢理醒まして出かけなければならないほどのバリューを持つ、沖縄アクターズスクールが次代に誇るガキんちょアイドルグループ「B.B.WAVES」のミニコンサートを見ることただ1つであったのだぁぁぁぁぁ、って力んで言うほどのことのなのか? ことなんですよこれが全く実にハイ。

 ご存じ無い人の為に説明すればこの「B.B.WAVES」、500人近くいる生徒の中から160人くらいをピックアップした大集団のアイドルグループで言ってしまえばジャニーズ事務所のジャニーズJrみたいなものになるのかな、とはいえすでにファンもいれば追っかけもいるほどの大人気グループで、誰しもがそこから次の安室、SPEED、MAX、知念里奈を探し出そうと懸命になっている、いわば今最も注目されている女子アイドル予備群なのだ。予備群だから当然年齢も10歳くらいから上でそうだな16歳くらいか、つまりはジャストミートな(僕的にってこと)年齢の女の子たちが舞台で踊り跳ねるってイベントを、どうしてこの僕が見逃すことが出来ようぞ。仮に明け方まで「銀河鉄道999」を歌いまくってたって、寝ずに駆け付けるイベントだよね、当然。

 その力の入れようを(主催者が、ではなく取材者としての僕の)表現するならば、より良い写真を撮るためにイベントが始まる直前に八重洲の地下街で1眼レフの望遠付きを買い込みましたよあたしゃ。もちろんクレジットでだけど買ったのは前から眼をつけていた「PENTAX」のオート1眼レフ「MZ−3」。シャッタースピードとか露出補正とかがダイヤルになっていて昔のマニュアル1眼レフに近いテイストを持ちながらも、4000分の1秒のシャッタースピードを誇りガイドナンバー11のストロボを内蔵し手に小さく軽いこのカメラさえあれば、ステージ上で躍動する若い少女の肢体を飛び散る汗とっしょに押さえられるはずであろー。無論これはあくあまでも仕事の上のことであり、かつアーティストでもある小生の創作意欲を掻き立てられる被写体を前にしての当然のふるまいと、自己チューモードで会場へと乗り込む。

 しばらく待って始まったイベントは、のっけからオヤジ2人が登場、それもマキノ校長のよーな芸能界の最前線で活躍する人が白い上下に黒いシャツで出てくるのはともかくとして、政府の審議会の委員を幾つも務めているエラーイ島田先生までが、上下白のスーツでシャツがブルー、ネクタイもブルーなんてほとんどマキノさんに負けるとも劣らないド派手ーな格好で登場し、一体何事が起こったのかと沖縄アクターズスクールあるいはマキノ校長へののめり込みぶりを想起する。「B.B.WAVES」に寄せる視線もそれはもう親に等しい暖かさで、政治3流経済1流が政治5流経済も5流の国へと堕したニッポンにあって、ポジティブでアクティブな沖縄アクターズスクールこそが21世紀の日本を救うカギなのではと、まあそんなことでも考えているよーな雰囲気だった。

 しかしそんなオヤジはそっちのけで盛り上がったのが真打ち「B.B.WAVES」のパフォーマンス。安室にMAXにSPEEDを見れば解る迫力のダンスと声量豊かな歌によって1階すべてをぶちぬいたイベント会場は興奮の坩堝へ。歳も結構バラけているのか薄べったい中にぽっちりしたのが見えてる娘から、もう迫力のパイナップル娘まで幅広い弾力と円周を誇る面々が集い、ファインダーを覗き込む視線をとっても熱くしてくれた。手持ちのコンタックスもそれなりに活躍はしたけれど、買ったばかりの「MZ−3」の70ミリが炸裂して、下から煽って悔しくもスパッツを拝み、俯瞰してはありそーでなさそーでやぱりある谷間を押さえたりしつつ、1本2本3本と撮影済みのフィルムを溜めていく。ああ神様投資は無駄遣いではありませんでた、感謝します。

 とかなんとかやっているうちに、何故か最初に壇上に登っていた爺さんが「最近のカメラは良くなったねえ」などと話しかけて来るので「そうですけどでもコンタックスも良いですよ」なんて話題でしばし歓談する。誰かと言えばつまりは今日のショバの持ち主である八重洲ブックセンターの社長の人(会長だったかな)。紀伊国屋の先代とも比肩しうる日本活字文化の立役者でもあるえらいい人で、そんな人を前につまらないことをいってはならじと、「MZ−3」を触って戴きコンタックスと重さを比べていただき「昔のカメラの方が手に持った迫力もあるし写される側にも写されてるって気構えが出来ますねえ」などと知ったかぶってウケを取る。そこはさすが客あしらいになれば文化のパトロン、ほうほうと言いながらその後中2階へと上がって曾孫くらいの娘が見せる唄や踊りに見入っていた。粋ってこーゆー人の事を言うんだろーね。島田さんじゃあ、まだまだ。

 レゾナンス出版を応援する財界人第1号的なアサヒビールの樋口廣太郎さんも会場に姿を見せて最後まで楽しんでいたあたり、やっぱり沖縄んパワーにビビビッと来るところがあったんだろー。最前列でカメラを構えるカメラ小僧(とゆーか兄ちゃんにオッサン)も1人1人の名前を呼んではキャーと盛り上がる女子中学生女子高生も等しく楽しんでイベントは滞り無く終了。最後の握手会にも大勢が並んでそれぞれが手に新刊の「オンリーワン」を持っていて、近藤くんやったねこれで八重洲じゃベストセラーだと心の中で樋口さんほど効果はないけどおめでとうの拍手を送る。ちょうど同じマキノさんの著書「才能」が講談社から発売されたばかりで、これも自伝めいて面白い内容なんだけど、日本の経済社会文化芸能を俯瞰しつつ切り口を探って答えを探させようとする「オンリーワン」こそ、もっと社会人とくにサラリーマンと経営者と役人と政治家に、読まれるべきなんだろー。その意味で橋頭堡は抑えた、次は日本、そして世界だ。

 などと格好良いことを言っても最初の目的は忘れておらず、しっかり帰りがけに写真をプリントに出して1時間あまりで回収、その細っこい肢体を躍動させ、ある人は揺らし無い人はそれなりにポッチでも突き出しながら踊る少女たちの写真に見入り、かつ「MZ−3」のコンタックスと遜色のないキレ具合に1眼レフをやっぱり買ってよかったなあと、一時の下半身的誘惑に負けて散財した理由を無理矢理にでも正当化させる。よくよく見ればアレだったりオヤだったりする娘もいるけれど、顔が命のアイドルではなくアーティストとしてダンサーとしてインストラクターとして世に出る娘も決して少なくないと思え、だとしたら写真にもにじみ出る心を前へと出そうとするパワーはどこであれ何であれ通用すると確信する。

 ひるがえって今の政治家にこんな前向きの純粋なパワーを感じるかい? 財界人に、役人にそんな意志を感じるかい? 島田センセイだって90年代に入って数々の審議会なんかの役員を歴任しながら日本をここまでしてしまった、その責任の一端は少なからずあるはずで、しかし今こうして沖縄アクターズスクールにのめり込んで僕的関心の高い美少女たちをたくさん沢山送り出してくれる学校を一段と盛り上げようと尽力して下さっている。このベクトルが例えば梶山静六さんの所へと伝わって政治家やら官僚を巻き込んで、日本が総沖縄アクターズスクール化されたその日には、きっと明るく楽しく厳しいけれど前向きな、日本が到来することになるんだろー。美少女たちもタップリ登場して、やっぱり僕的には嬉しい国になる筈で、「MZ−3」活躍の場面もますますこれで増えていくと期待したい。


【7月17日】 そんなに面白いのかそうかそんなに面白い物を子供たちばかりに楽しませておくのはオジサン癪に触るとばかりに、勇んで近所のデパートに乗り込んだら売り切れてやんの「F−ZEROX」。こーなると半ば意地になってやってやるぜってな意気込みで、東京に出て日本橋の高島屋に寄って残り3本のうちの1本をゲットォォォォ! けどよくよく考えたら(考えなくても)オレ「NINTENDO64」持ってないわ。なもんで会社の帰りにどこかで買おうと心に決めて、とりあえずはゲットォォォォォ!(しつこい)した「F−ZEROX」のパッケージを眺めていったいどんな種類のゲームなのか(知らなかったのか?)を確かめようとして吃驚仰天。任天堂にはおよそ不似合いな「NO RESALE」のマークが墨痕鮮やかに描かれているではないですか。

 ご存じのよーにこのマークは先の「東京ゲームショウ’98春」の会場で柱とゆー柱にベタベタ張り出されたゲームソフトの中古販売をやめてちょんまげってお願いする業界の共通マーク、だけどこれを主導しているCESA(コンピュータエンターテインメントソフトウゥア協会)には、プラットフォームフォルダーである任天堂は正会員としては加盟しておらず、また業界団体の活動に対しても決して熱心とゆー雰囲気ではなかった。どこか1歩下がって見ているとゆーか、言ってしまえば天上天我唯我独尊天知地知な態度で臨んでいた、はずなのにここに来ての転向は、一体何事が起こったのかと事情を知っていれば知っている人ほど訝しく思うことでありましょー。

 もとよりROMカセットとゆーメディアが中古販売を否定する理由になっているリピートビジネスに不向きな媒体で、売り切ってから再入荷までの期間が下手すると2カ月とかかかってしまってユーザーはその間指をくわえて待っているだけ、ってことはこの間新品の販売機会が損なわれるってことも無いわけで、どこか暗黙の了解的にファミコンの時代から任天堂のソフトは中古販売が行われて来た経緯があったんじゃないかと思うけど、歴史の教科書に出てなかったのでそこん所の事情はよく知らない。ただ少なくとも任天堂は、ソニー・コンピュータエンタテインメントや最近では大手のソフト会社ほどには、中古販売に目くじらを立てていなかったし、「NINTENDO64」のソフトにも中古販売を禁じる文言は書かれていなかった。こないだハドソンが出した「スターソルジャー」にも書いてないし、最近PSのソフトでショップを訴えたコナミのソフトにだって、「N64」向けにはやっぱり書いてない。

 それがここにきて本家のソフトにでっかく(もないけど)「だめじゃん」のマークはやっぱり時代の大きな転換点が来たことだって考えても良いいのかな。あるいは任天堂がこのソフトに関しては欠品を起こさないくらいの密な供給体制を整えていて、故に中古販売を禁じているのかもしれないから、はっきりした事は解らない。が少なくとも今の店頭の状況を見ると、多くのショップで欠品になっていることは一目瞭然で、例えば2次出荷があったとしても、その後さらに後のユーザーが適宜手に入れられるかとゆーと、やっぱり難しいよーな気がする。加えて今後一切のソフトに関して同種の行為を取り得るかとゆーと、「F−ZEROX」の人気実力が背景にあっての措置だとゆー気がしないでもなく、とりあえずは8月1日の「ポケモンスタジアム」でどうゆー手段に出てくるのかを、刮目して待つことにしたい。でもこっちは「ポケモン」持ってないんで買わないけれどね。

 月曜日付けがなく火曜日付けもなく仕事もないけど仕事に行く。レゾナンス出版って最近話題の出版社の社長の人に入れて下さいとお願いに・・・・いかん本音が出た建前的には一応どーして日本興業銀行なんて世界に冠たるエリート企業を辞めて出版社なんてヤクザな仕事を始めたの? それから3月に出来た出版社が4月に本を出してさらに7月新しい本のそれも話題のマキノ正幸さんが島田晴雄センセイと対談している本なんて出せるの? ってな商売の秘訣を聞きにいったもので、とても同じ歳とは思えないほど髪の毛がフサフサな(ってそれは自分が歳相応に見えないだけだよ)社長の人に、反エリートのルサンチマンまみれのぞんざいな口調で、あれやこれやと突っ込んでいく。

 けどそこは話題の出版社、旧態依然とした企画の貧困さ出版までの会議の多さ取り次ぎの横暴さ書店の退屈さをすべてひっくり返し、ビジネス書にあってビジネス書の範疇に止まらない「クロスジャンル」な本作りを提案し、出版までは即断即決けどリスクはちゃーんと考える周到で臨み、面白い本が出来て今がこういう時代だから売れると取り次ぎを説得し、ビジネス書でも自己啓発でもスポーツでも芸能でも文学でもどこのコーナーで売っても売れる本だと本屋の担当を篭絡していくその辣腕ぶりに、ただただ圧倒されてひるがえって己の漫然とした仕事ぶり生き様に溜息を付く。ああ僕はいったい何をしてきたんだろう。

 なんて思う人多数らしく、取材に来た人はみーんな「おもしれえ」と引き込まれ、さらには大手の出版社からも山と履歴書が送られて来ているんだとか。夢をホラではなく実績に(あるいは予想しうる成果に)裏打ちして語る熱に、あてられた人の輪がここを起点に広がった時、出版界のみならず例えば第1弾として出した安生浩太郎さんの「成功術X」がターゲットとするビジネスマンも、マキノ正幸さんと島田晴雄さんの共著になる「オンリーワン」がターゲットとする母親に子供に教師に役人にも、変化が生まれ何か新しい事態が起こりそうな気が今はする。とりあえずは明日18日に八重洲ブックセンターで開く沖縄アクターズスクールの新人グループを前座に迎えたマキノ×島田の対談を見て、1冊の本を作り売る時のレゾナンス出版の「凄み」を、皆さん感じとって戴きたい。あたしの目当ては小学生やらがワンサな「BB WAVE」のぺったんこな肢体だったりするんだけどね。

 ああ買ってしまったよ「NINTENDO64」。ケーブルが付いていないとは驚きだか、それ以上にスイッチを入れるといきなりゲームが始まるのにも驚いた。CD−ROMゲーしかやってなかった身には、このローディングの速さはただただ脅威にうつるけど、こっちから来た人にはやっぱ「プレステ」やとりわけ「サターン」のローディングの長さ(「リアル」はこれ以上か)にはイライラしていることであるんだろーね。これで一応3大ゲーム機がわが家にそろい、ゲームセンターの開業も可能になったけど、狭いし暗いし汚いので誰も来ないから1人でしこしこ楽しむのがやっとって当たりがもの悲しい。アニメのLDばかり見ている方がもっと××なんだけど、それはお互い言いっこ無しってことで、ねえCCさくら萌え(本当は知世ちゃん萌え)なオジサン方。

 さてゲームだか・・・・・ダメだ歳だぜんぜんスピードがアップしないしカーブが上手く曲がれない。浜松の助教授よりは若さでも反射神経でも上回っているとは思うけど、車の運転をやめてそろそろ8年が経つし、アクションもシューティングもレースもとんとやらないこの身には、とにかく目から疲れてそのままボチャーン、グワーンの道を辿ってしまう。とりあえずはタイムアタックで「MUTE CITY」って8の字コースでFIRE STINGRAYを操ってタイムは1分35秒060が最高。1分10秒が壁といわれているゲームでこの体たらくは問題だけど、まあ追々詰めて行くって事で許して下さい。もちろん中古にゃ流しゃしないよ。


【7月16日】 わかったよ解りましたよ変えれば良いんでしょうってことで、実に1年ぶりにカバーガールを変えてみましたが、依然として以前と変わらぬ環境下でマウスでグリグリおまけの「ペイントイット」でペタペタやってますんで似てません。とゆーより前があまりにも超メジャーなキャラクターだった事に比べると、今度のカバーガールは未だ超どマイナーな深夜アニメのくらーいこわーいヒロイン、だもんで解らない方々も多いんじゃないかと思いますが、ともかくくまちゃんのマークの帽子がキャッチーってことでお許しを。

 ちなみに前のどメジャーなキャラクターはいよいよ世界に向けてのデビューが本決まりになって来たみたいで、お昼前から赤坂プリンスホテルで開かれた「もののけ姫」の世界戦略を発表する会見で、来春の全米公開が高らかに宣言された。その数実に100都市1000館。かの「Shall we ダンス?」が最初5館でスターとして、ピーク時でも150館程度だったことを考えると、同じミラマックスの配給でもこの差はいったい何なんだろーと、改めて嫡子と庶子的悲哀を感じる。かといってリリースによると、ミラマックスの姉ちゃんに見初められた事に端を発して実現した筈だった「Shall we ダンス?」の全米公開が、すべては徳間とディズニーの提携のお陰ってな事になっていて、枡井さん周防さんのあの苦労はいったいどこにと、功績はすべて出資者の物ってな日本的慣行が未だ変わらない現実を垣間見る。「がんばっていきやっしょい」頑張って欲しいねえ。

 さて「もののけ姫」の英語版キャストがいよいよ決定、これによるとサンには「ロミオ&ジュリエット」に出ていたクレア・デーンズが起用され、アシタカにはディカプリオは無理みたいだったよーで「世界中がアイ・ラブ・ユー」なんかに出ていたとかゆービリー・クラダップが充てられ、エボシ御前には「グッド・ウィル・ハンティング」に出ていたミニー・ドライバー、そしてモロには「X−ファイル」なんかにも出ていたジリアン・アンダーソンがキャスティグされたってことらしー、けどよほどの映画通じゃなきゃ知らなんわな。当代でも超一流の俳優を起用する他のディズニーアニメに比べると、やっぱ1段、2段落ちるよーな気がしないでもない。所詮は余所さまの作品ってことなのか、それとも人気ではなく実力で選んだってことなのか。ともあれ来春公開の後に日本でも英語版は公開されるみたいなんで、その時に確かめてみよー英語の演技の是非を聞き分ける耳はもちろん持ってないけど。

 「もののけ姫」の全米公開と並んで今日の発表の目玉は何といってもスタジオジブリの次回作外資機にアナウンスされたってこと。っても既にジブリの中を歩くとあちらこちらにキャラシートが張り出してあったから周知の事実ではあったんだけど、一応公ってことで今日、かの高畑勲さんが「平成狸合戦ぽんぽこ」以来の監督を務める作品として、その名も「ホーホケキョ となりの山田くん」が来夏公開を目標に製作されることが満天下に好評されたぞ凄いだろう? うんある意味でこの作品を映画化するってことは確かに凄い。まずは何故にジブリはいしいひさいち? ってところに関心は集中することでしょう。

 その点について徳間社長の説明によれば今はやっぱり「家族」が見直されることになる時代、であってその点「山田くん」にはほのぼとのした中に家族の触れあいとゆーか暖かさが感じられて、今まさに送り出すべき時期に来ていたそーな。とくに鈴木敏夫プロデューサーがご執心で、最初はやりたく無かった高畑監督も、説得され感じるところがあった上に、「もののけ姫」の脅威的驚嘆的な大ヒットで比較的余裕もあったことが幸いして、この異例かつ冒険的かつちょっと無謀な企画が動き出すことになってしまった。かける金は最低でも16億円で、あの4コママンガをどうしたら16億もかけられるのかと訝る人も多いだろうけど、そこは流石はスタジオジブリ、機材に金をかけるのは当然として、あのリミテッドな動きをするはずのいしいキャラを、フルアニメーションに近い形で動かしてしまうってな大技を繰り出すことになるみたい。

 それが面白いか面白くないかは見た人が見た時にだけ感じることが出来るでしょう。少なくとも発表会で見せられた3分ほどのパイロットフィルムに、手法としての新しさといゆーか凄みは見てとれたらしーけど、いしいマンガに特徴的なあのテンポあの毒がどこかスポイルされているよーな気がして仕方がなかった。これは僕がかの傑作「おじゃまんが山田くん」(コロムビアトップぅぅぅ!)が大好きであるが故のカラ目なのかもしれない。但し宮崎駿監督は「今の俳優であれだけのしぐさを表現できる人はいない」とベタホメ(多分本気でホメてた)で、手法としての新しさかつ確かさはプロ中のプロが見てもやはりそれなりのものらしー。

 自然さってのがやっぱり要にあるよーで、声は朝丘雪路がかあちゃんで益岡徹さんがとおさんになる予定で、ここでも声優の大袈裟さではなく俳優の自然さを求めての起用らしー。福岡翼が知ったかぶって「森光子さんですね」と念押しして否定されたのがちょっと大笑いで楽しかったけど、おっとりし過ぎの朝丘さんのかあちゃんは、関西っぽいドぎつさと優しさを兼ね備えた表現とはちょっと離れている気がしないでもなく、ここいら当たりもやっぱり出来るまでは評価保留なスタンスを決め込みたい理由だな。

 しかし松竹いしいひさいちのマンガを言うに事欠いて「大船調」との共通項を見出すとは、やはり相当に目に霞(かすみ)がかかっているとは思えない。あるいは「山田くん」が元の毒気が抜かれた「大船調」の人情物になるって事か? ますます不安が心配、だけど「もののけ」を30億がやっとっと見誤った目なんであんまり信頼は出来ないかも。どっちにしたって鈴木さんの手腕が全てを左右することには違いなく、これからの1年どんな施策を打ち出してくるのか、どことタイアップなんて組んでくるのか、関心は尽きない。

 場内でふららしながら先のカバーガールへの意見を聞きつつ、一段落して積み上げられた寿司をたらふく食べる。ほとんど回転寿司(名古屋じゃーくるくる寿司、なんだけど)みたいな頬張り方に周囲の視線が冷たいけれど、食べられる時に食べておくのが貧乏に備える秘訣ってもんだ。味はくるくるより100倍旨い、やっぱ儲かってる会社は違うねえ。オミヤゲも豪華で「もののけ姫」と「もののけ姫はこうして生まれた」と限定版時計とマンガと本と縫いぐるみのセットをもらって帰社。ビデオはすでに持っているので(買うんじゃなかったー)同僚にあげて、時計だけは持って帰る。前の「もののけ姫」の製作発表会でももらったけれど、これで2個セットになったことだし、そろそろ「まんだらけ」あたりで高値で引き取ってもらえるかな。

 しかしスクウェア今日は「夕刊フジ」にまで坂口博信副社長のインタビューが出ていて、目ん玉な媒体を連日の席巻にますますその巧さに関心する。がしかーし、目ん玉の中でも最も硬派で記者は軟派な我が媒体には一切のアプローチもなく、これははなからアウト・オブ・ガンチュウであったなと置いてきぼり食ったことへの鬱屈した感慨を抱く。どーせどーせうちなんて、ってな自虐に陥るのも悪くはないけれど、ここはスッキリ態度を変えて、世界に冠たるスクウェア様に認めて頂けるよー、今後一切のスクウェアのソフトを誉めて誉めて誉めまくって誉め殺すことにする。ほとんどゲームにド素人で興味の範疇は極めて狭く俗にオタクな僕が誉めるってことはつまり・・・・ってなロジックで、スクウェアのゲームに望むと望まざるとに関わらず、僕的レッテルを貼って表への仕打ちに答えてあげることにしよー。ねちねちねちねち。


【7月15日】 立川談四楼の長編小説「ファイティング寿限無」(新潮社、1500円)を読む。いわゆる2足のわらじってやつだけど、落語家がボクシングに挑戦するようになったきっかけが師匠の「付加価値をつけろ」って言葉だったところに今風のノリを感じでぐふふとよがる。物語は極めて単純でやっぱり成功してさあそれから、ってオチが付く冒険活劇熱血感動ストーリー、なのにちょっぴりシンミリ来るのは物語の主人公の師匠がガンにやられる展開が、談四楼の師匠の立川談志本人と重なってしまうところがあるからか。

 これは作者自身の後書で書いてはいたけれど、小説じゃあ集まった弟子達が表向きは泣きもせず、どう転がすかを考えている場面が登場して、死んでも(弟子は死んじゃあいないが)落語を忘れませんでしたってなもんで粋がる、これぞ落語家の心意気って奴を見せてくれる。カラリ乾いた人情噺のラストはけれどもちょっとホロリ。”わらじ”なんて言うのがもったいないくらい、さすが談四楼見事な2足のエアマックス(が古いならプラダでもフェラガモでもとにかく高い靴)を履きこなしたぜ。

 しかし安くなったねエアマックス。いつもお安いサンケイ会館1階の運動靴屋にこの春出たばかりの最新型のエアマックスが7800円なんて昔じゃあ考えられないくらいのお値段で出ていてついつい1足所望したくなる。まだ買ってませんがお腹も出っ張って来たことだし、一念発起して腹引っ込めようと考えている折、近く買って真夜中の行動をハッハッと言いながら走ってチカンを間違えられることでしょう。ただし今年のモデルのエアマックス、あんまりカッコ良くなんだよなー。ちなみに某センセイがご所望しようとして閉店時間で果たせなかったゴアテックスの靴も未だにちゃーんと並んでますので近くに来たら是非。っても今度来るときは連載打ち切りのお礼参りになるんでしょうけど。

 赤坂プリンスホテルの五色なんておよそバブルの申し子としか思えない(出来たのは去年だけど)巨大宴会場の一室でアトラスの記者会見が開かれたので除く。前はコンシューマー向けゲームでヴェルファーレを使ったかくらいだから、よほどピカピカした所が好きなんでしょーが、生憎と「プリント倶楽部」は「プリクラ」が一般名詞化する程に売れまくった関係で機会も普遍化してしまい、昔ほどオイシイビジネスにはなっておらず、今年あたりは結構厳しめの経営を余儀なくされている。にも関わらずの豪毅な大盤振舞(やや意味重複、だけどまあとにかくゴージャスってことで)は、よほどの期待を今日発表の商品群にかけているってことなんだろー。

 そのうちの1つが渋谷あたりで大流行らしー恋人見つけマシーン「ラブゲティ」の企画会社が新たにアトラスと組んで作った一種のカード自販機「ラブゲティステイション」。プリクラよりも大きなほとんど街頭の「3分間写真」にも似た巨大なボディの中に入って、2人で写真をとるとそれがやっぱり流行のトレーディング・カードになって出てくるとゆー代物で、フレームには売れてるストリート雑誌とか、映画のポスターとかその他いろいろ種類があって、カップルでも同姓どうしでも1人でたくさん(100人はちょっちキツいかも)でも、好きな人と一緒のカードを作ってくれるとか。

 「ラブゲティステイション」と言っても機械自体には「ラブゲティ」との関係性は一切無く、近くに寄っても「ラブゲティ」がピーと鳴るとかいったことは無い。けど街を歩いていてラブゲティが鳴っても、見渡して開いてを見つけるのって結構難しかったりする(どこで鳴ってるんだ? いたずらか? とか)らしいので、目的を同じくしたラブゲティアン(今作った造語、ラブゲッターじゃあ頭に「真」とか末尾に「ロボ・G」とか付けたくなるからなー)な方々か、誘蛾灯に集まる蛾のごとく、この「ラブゲティステイション」を目印にして半径5メートル当たりにタムロって、相手を見つけるなんて光景が渋谷原宿新宿池袋六本木有楽町巣鴨当たりでこの夏見られることになるのかも。

 あとは2人乗りのガタゴトマシーン(100円入れるとグオングオン動く小さな象とかパトカーみたいな子供向け乗り物の仮称)が並んでいて、けど座ったところに降りてくる肩止めとその前に付いているヘッド・マウンテッド・ディスプレイがなかなか迫力で、一体何だろーと思っていたら何とこれが3次元映像を見ながら動きまでをも体感できる、業界でも初に近い業務用体感シミュレーションってことらしー。映像はジェットコースターに激流下りにエトセトラ。但し肝心なのは済世されるのが全て実写映像ってことで、目の前の改造された「グラストロン」を通して見えて来る映像は、ソニーの技術によって3次元化されていて、その映像の流れに会わせて、座席も上へ下へ右へ左へガンバレガンバレ東へ西へと動き回る。

 その迫力たるよあ乗った女の子がワーキャーと叫ぶ(ファンサービスだったりして)くらいの臨場感で、某にひゃにひゃ記者もディスプレーが上がった瞬間の顔はちょっちキモ悪そーだった。僕は取材そっちのけでメシ食ってたんで汚すのはまずいとパス。何でもこの機械の売りはやっぱり映像コストが安いことらしく、それこそ社長の人に言わせると「出張費くらいかなあ」ってなもんで、こーした機器でネックとなっていた映像ソフトの少なさをカバーして、年内にも30本、最終的には100本ってオーダーの映像ソフトを揃えて、後楽園遊園地にいても読売ランドの超巨大ジェットコースターに乗れた(感じがした)り、としまえんに居ながらにしてサッチーの水着が見られたりするよーになる。上野動物園に居ながらにして名古屋は東山動物園のコアラが見られるよーになるのかは不明。少なくともアシカとオットセイの違いは幾らかは絶対にこの機械では解りませんがや。

 上手いねスクウェア。「SPA!」に坂口博信さんのインタビューが出たと思ったら、産経新聞の夕刊にもしっかり御登場あそばされ、「チョコボ」関連の話を大々的に喋ってる。「SPA!」じゃあ「レーシングゲーム」とだけ触れられていた「チョコボレーシング」が、産経夕刊ではドでかいカラーの写真入りで「チョコボレーシング−幻界へのロード」とタイトル込みで紹介されている当たり、雑誌と新聞の時間差攻撃を感じたりもするけれど、あるいは単なるスペースの問題かもしれない。ともかく「チョコボ」をピン立ちしたキャラに仕立て上げようとする意図をバリバリ感じる。

 かくも目ん玉をマタにかけたメディア展開に、取り残されてる目ん玉な専門紙もあるにはあるけど、やっぱアウト・オブ・ガンチュウなんでしょーか坂口さん。特集巻末には平林サンも御登場。キャラクタービジネスに注力し過ぎてゲームが疎かになることを心配する当たりは流石にご意見番ってとこだけど、「新聞社が、書き終わった後の記事ばかりで商売することを考えるのと同じようなもの」ってのはクロスしている表と裏への牽制か、なんて自意識過剰ってる僕ですが、但しここで懺悔するとすれば、書き終わった記事で商売しているのが裏ではなく表の方だったりすることでしょう。こっちの方が実は細かくかつ濃い(深くはない)、んだよね実際。


【7月14日】 瓶の底に残った「ジャックダニエルズ」を舐めながらこの夏期待していーんですかいーんですアニメ「lain」の第2話を見る。やっぱり良いなーオープニングの絵も音楽も切れがあってどこか不安げな感じがして、現実と虚構が入り交じって解らなくなる本編の特色を如実に端的に表現している、よーな気がする絵の方はさすがに当代1流のスタッフが手を掛けて、放映2日前に出来上がっただけのことはある。

 音楽はBOAってあの「空飛ぶゆうれい船」に出てきたジュースのイメージソングを唄ってる企画物バンド、ではなくれっきとした英国の新進気鋭のグループが唄う「DUVET(デューベイ)」(ポリスター)。手に入れた7月1日の日本先行発売アルバム「ザ・レース・オブ・ア・サウンザンド・キャメルズ」によれば、フランス語でベッドカバーに用いる羽毛入りキルトのこと。息苦しそうな気怠そうな声を出すボーカルのジャスミン・ロジャースは何とその筋で有名なボーカリスト、ポール・ロジャースと日本人妻の清水マチさんとの間に生まれた娘。ライナーの写真を見るとモロ日本人ってな顔をしていて、同じバンドにいる兄貴のスティーヴ・ロジャースともども、エキゾチックな雰囲気をバンドに与えていてこれは英国では受けそーとの印象を持つ。アニメの主題歌じゃー例のhideの「ロケットダイブ」みたく死んで花見が咲くかもしれんが、出来れば売れて来日してやって戴きたい。ためにはやっぱアニメのヒットぢうよう、か。

 ってな心配をしなくてもたぶんおそらく絶対確実にヒット間違いなしだよな「lain」は。待ち遠しかったこの1週間を超えてようやく放映された第2話は、主人公の玲音(れいん)がこれで結構友だち付き合いが良くって同級生たちとクラブ「サイベリア」(そーいえば「サイベリア」って本があったぞ大森望さんの翻訳だったな)に行ってあれこれって展開。前の夜になぜか玲音と良く似た少女がそのクラブでド派手ーな立ち回りを演じていたってことだけど、もちろん玲音にはまったくの覚えがないことで、だからこそあんまり社交的じゃないにも関わらず、普段着のくまちゃん帽を被って出かけたってことらしー。しかし入り口ですれ違ったガキどもの、声がすっげーガキだったのは時代が近未来で遊びの年齢が下がっていることの現れか、それとも違和感を出すための演出か。

 そして迎えたエンディングにはただ衝撃の一言。うーんこれが果たしてリアルワールドでの出来事なのかワイアードでの出来事なのか、はっきりとメリハリな描写がないだけにイマイチちょっと解らない。少年が手にしていた物が何なのか、その前日に食べていた物は何なのか、まあこれからおいおい説明があるでしょーが、けどこれだけ衝撃的な描写が良くって、活劇な「カウボーイビバップ」が間引かれるってのはこれもイマイチ納得がいかんなー。物語は何やら不穏な空気の中でいよいよ玲音がワイアードに関わり始めることになるって見通し。一瞬たりとも目を離せないテンションの高さと、淡々と流れているようで実は非常に濃密な情報の詰め込まれた展開に、これは次週への期待も高まりっ放しってもんだ。先週も登場したときどきムンクな少女がおそぎゃー(恐ろしい)。やっぱり先週も登場した玲音のくまちゃんパジャマくまちゃんスリッパがかーいー(可愛い)。

 「東京ゲームショウ’98秋」の記者発表会に出るために銀座ガスホールに行く。何でこぎゃん広か場所でやるとよと思ったけれど、午後に出展者説明会も開かれるとあってああなるほど物はついでだったんだと納得する。集まったのは雑誌やら新聞やらの記者が数十人。壇上にはいつもおきれいな光栄の襟川恵子副社長がどしゃっと構えて脇にスクウェアとナムコとコナミの面々を従えて、ひとくさり官僚はすかすかで政治もぽかぽかってな雰囲気のことをおまくし立てられた後、出展者数が過去最大規模になることが予想されること、ネットワークゲームコーナーにクリエーターコーナーを新たに設けること、コスプレコンテスト(パニオン対象だけど)とキッズコーナーは前回に引き続いて実施することなんかを発表した。おっと前回初登場したキャラクターの名前も確か「フェレッタ」だったかに決まったぞ。デザインした人のペットのフェレットに似ているからって事だそーな。クリエーターの感性ではそうかあの巨大な頭に尖った耳はまさしくフェレットなのか。

 仰天はあれでしょう今回からガイドブックが有料になったってことで、その名も「トーキョーゲームショーウオーカー」ってことで角川書店から450円で発売されるとか。AMDの理事会でともに副理事長を務めている襟川さんと角川さん、だからって事でもないだろーけどこれで結構な数が出るだろーことが予想されるから、なかなかやったね角川さんって印象を、おそらくは集まった他誌の記者やらリポーターは思って怒ったことでしょー。さてもメディアワークスから来ていた人が、早速「有料にするんだったら買わない人へのフォローはないんですか」と聞いたのは角川べったりな実行委員会への牽制か。まあメディアワークスが角川とのっぴきならない関係にあることは、当人だって知っているだろーとは思うけど。でもどーなんだろー?

 当日を1200円で前売りを1000円に200円づつ値上げした理由てのが何でも前売りが結構出るもんで売上見込みが予想より落ち込んだからだって。そのくせガイドブックの売上は角川サンの売上になるってな事を会見では言っていて、どういう収支構造になっているのかなかなか興味をソソられるところではありますな。前売りを扱えるゲームショップには当然のごとく「わんぱくこぞう」は入っておらず、ますますもって遣り手だなーってな印象を実行委員会の面々に持つ。ともあれ10月9日から開幕の東京ゲームショウ、そんな首脳陣の「ご苦労」は関係なしに、新作異色作期待作のオン・パレードで世の不景気を吹き飛ばし、ユーザーの心をわくわくさせてやって戴きたい。結局はソフトが1番、ってことで。

 それにしても未だ見えないのがセガ・エンタープライゼスの「ドリームキャスト」周り。そろそろ発売になった「ドリキャス」メモリーカード対応のゴジラゲームの延長なのか、一応は正式アナウンスでは初の自社発売タイトルとして、その名も「GODZILLA(仮)」ってソフトが年内にも「ドリキャス」対応アクションゲームとして発売されることが決定した。聞くとフルポリゴンのゴジラが日本の都市を破壊して回るってな内容で、あの映像あのサウンドでゴジラが暴れまくる迫力は、ちょっと期待できそーな気もしないでもない。マンハッタンを時速400キロで走るかどーかはちょっと不明。けど何だって「ドリキャス」に「セガ」が「ゴジラ」なのか? こあるいは「ゴジラ」ブームが夏から年末まで日本を席巻すると読んでいたのだとしたら、確かに世間に近づく努力とはいえるけど、世間を舐めてるよーな気もするね。来月まで保つかね、「ゴジラ」人気は。


【7月13日】 選挙速報を真夜中まで見つつ、袋叩きに叩かれまくった自民党の橋本龍太郎サンが泣きそうな顔してテレビとの会見にハシゴする(っても龍サンはただ座ってカメラが勝手にハシゴするだけなんだけど)様に、人間滅多なことでは総理なんかにゃなるもんじゃーねーなと、高市早苗チャンみたく松下政経塾に入ってPHP読みながら(読まない、かも)書生論議に花を咲かせるほど頭も良くなく、公務員の息子に生まれて地盤も看板も持っていなかったこの幸福に感謝する。ちょっと前にリポーターのマイクを掴んで大泣きに泣いた梁瀬センセイも参院クラ替えで目出度く当選に今度は嬉し泣き。「泣けば済むと思っているところがズルい」と言ったのは子供の嫌いな伊武雅刀サンだけど、言ってしまえば昔は半分飾りと化していた参議院議員になって泣く奴負けて泣く奴の顔を見ていると、社会の子供っぽさを嘆く一方で、これだけ参議院も見直されて来たのかと、少しは真っ当っぽくなって来ているこの国のなかなかさを感じる。

 しかし地盤看板あとは何だったっけ? まあいいやとにかく世襲がこの国を悪くしている一部分ではることは自明の理(良くしている人もいるけれどそれだったら世襲でなくたって受かるハズなんで次ぎは地盤を変えてみな)、であって議会を批判する人だったらかならずヤリ玉に上げそうなのに、よりによって一応はクリーンなイメージで政治家の倫理リンリと鈴虫のよーに唱えて最後は降ろされた三木元首相の娘が立候補して当選するとは、これやっぱりどう考えたって解らないし解りたくもない。実力があったのかもしれん、それだけの能力も信望もあったかもしれん、のだったら三木元首相の顔写真なんて貼らなくたって、身ひとつ口先三寸(いや弁舌)で有権者を説得して合格してみやがれってんだよ根治苦笑。

 おまけに娘ったってエエ歳のオバハンじゃあ、見ていて楽しくないじゃんか、ってのは冗談としても(半分は本気、でも福島瑞穂さんは若いけどキッツいんでヤ。ピースボート清美ちゃんも苦手っぽいからヤ)、やっぱそれなりにそれなりな方々が、地盤看板関係なく、金メダルも宝塚も関係なしに当選していって戴かないことには、世の中なかなか変わんないんじゃなかろーかいな。ここは1つコミケ40万人の力を結集して、世界に冠たるコスプレ姉ちゃんにやおい姉ちゃんたちを国会へと送り込み、あの大会議場の机で同人誌を並べてお爺さん議員に売るとか、コスプレで本会議に臨むとかして戴くとかすれば、ニッポンも本気に「おたく立国」を目指してるってことが世界に解って良いんじゃなかろーか。議長はもちろんオタキングでさ。

 なんて微睡(まどろ)み消去しながら半分眠って起きたら2対0なんかになっていやがったぞワールドカップフランス大会の決勝「ブラジル対フランス戦」。あの強いつよーいブラジルに何が起こったのかと見極めようと思った次の瞬間に、頭は雲のお城へと登ってしまい、次に目覚めた時は後半のロスタイムに入ってフランスの北沢、なんて言ったら怒るかなってな長髪のプティがすらーっとゴールを決めてそのままジ・エンド。後は延々と飛びはねはしゃぎまわるフランスの選手達の姿を身ながら「なぜここで『スターウォーズ』がかかるかなあ」なんてことを考えながらそのまま再び沈黙する。グーウ。やがて朝が来て何が起こったのかを確認。ををこれぞまさしくスキンヘッドだエラいぞジダン! たとえちぎれてもこすれても、お国のためには犠牲を厭わず頑張るってその精神に強く強く感動する。でもやっぱり僕はヘディングだけはしたくないなあ。

 眠気をごまかしながら仕事。ハドソンがラーメン屋とタイアップして「桃太郎電鉄ジュニア」の新作ソフトを売るってな話を針小棒大したり、スポーツ用品屋のSSKがカタログをCD−ROM化したってな話を嘘大袈裟紛らしくしたり、コナミが「遊☆戯☆王」を他社のマンガにしては珍しくゲーム化したりってな話を火の無い所の煙にしながらどうにか1面を埋める。タイトーが「電車でGO!高速編」で全国規模のコンテストを開くってな話はいじり用が無いのでそのままま流しただけだけど、上がって来たゲラを見るとほかに箱が入って時事電が入っているのを外すと、やっぱり1人で記事を書いていたことが判明する。まあ予行演習ってことでこれがリリースとかが無くなる夏になると、どーゆー事になるのか今から期待で胸がドキドキ、心臓と胃袋と髪に悪い日々が続きそーな予感に心震わせる。日記を表に出す? それは流石にヤバいんで、心暖かい人はどんな小ネタでもゴミリリースでも構いませんから、どっちゃんどっちゃん本社宛まで送ってやって下さいな。生ゴミだけは勘弁ね。

 秋葉原に出来た手塚治虫タワーをのぞく。なんだいただのキャラクターグッズショップじゃん、ってな思いで上から下まで総なめして、結局何にも買わずに外に出る。Tシャツ類は豊富で選び甲斐があるからファンな人(とくにアトム関係がたっぷり)はゴーかも。地階にはスタッフの人たちが着ている手塚キャラ総出演のド派手なTシャツがミックスグレー地と薄紫地になって並んでいたけれど、僕は手塚作品では唯一にして絶対に「リボンの騎士」くらいしかグッズとしては買いたくないので、たとえ正面中央にサファイアが写っていたとしても、これではちょっと買えないなあ。せめて店員の女の子たちが半分サファイアで半分メルモ(大人バージョン服だけ子供)だったら何か買ってあげたのにぃ。手塚るみ子ちゃんがサファイアの衣装でお出迎えだったら・・・・こっちはもう歳だからいーや。9月くらいまで開いているそーだし、限定グッズは今月下旬から続々登場(ブラックジャック白衣人形とか顔怖いドクターキリコとか)みたいなので、まあそのうちまたのぞくか。


【7月12日】 眠い頭には破壊力抜群の「仮面天使ロゼッタ」を見る。うーむ相変わらずのチープな特撮(なんて言うほどの物もほとんど無いけど)特殊メイク(特殊なんて言ったら怒られるかもしれないけれど)、加えてヒネリもアオリもない脳天気な物語は、夜中にやるのはもったいないぞやっぱり日曜朝の9時くらいから始めるべきだと、かつてそんな時間に胸ときめかせて早起きした、あの至福の時代を思い起こす。とはいえ夜中なりにテンポがまだるっこしい所があるので、ここはテンポを上げるなりアクションの立ち回りを派手かつスピーディーにするなりもっと見える(何をだ?)よーにするなりした後、例えば「ポワトリン」で螢雪次朗演じた名前を忘れた悪役ライバルを出すなりして、今は成りゆきで闘っている状況に使命感のベクトルを与えてやって戴きたい。アイキャッチの「ロゼッタぁ!」のかけ声、破壊力あるよなあ。

 「NANIWA霊異記」(栗府二郎、メディアワークス、570円)を読む。前作の「NANIWA捜神記」(587円)が確かネットワーク社会の拡大に対する畏敬めいた話だったとすると、今度は都市化によって古(いにしえ)の神やら何やらが追いつめられて叛乱を起こすってな、まあありがちな文明への警鐘に加えて、時代に走らされ続ける子供たちが追いつめられた果てに感じる閉塞感・疎外感を心配しつつ、そこから自分自身で出て来ようとしない自主性のなさにもチクリを横槍を入れていて、そんな社会をアウトローかつ他人とは違った能力を持った霊能探偵が見つめていくってな物語は、たっぷりなボリュームも相まって、なかなかに楽しませてくれた。

 あとがきによると本当だったら前作で物語的にもキャラクター的にも一応の幕が降りていたそうだけど、書評なんかに出なかった割にはそれなりにまんず好評だったらしく、続編を書けることが決まってそれならば、と考えて考えて考え抜いて1年半をかけてようやくこの続編を書き上げたそーな。だからなのか主人公の探偵、時家鴒の生い立ちからライバルの登場もあって、これは作者、本気でシリーズ化を決意したなって思わせてくれる。いわゆる「晴明的陰陽師調伏物語」に現代的なテクノロジーなり社会風俗の要素を組み込んで、かつヤングアダルト的な「読ませる」物語を作り上げなくっちゃいけないから、次作が果たして何時になるのかは解らないけれど、今作でも少女キャラのすべてでパンツを見せてくれているイラストの藤岡建機さんの作品ももっともーっと見たいから、ここは歳にめげず(今年で38歳、か)頑張って戴きたいものですね。

 「AX」を買う。表紙が良いねえ、こないだも「カウボーイビバップ」で紫をバックにスパイクとビシャスとトリさんが良い味を出していたけど、今月号も「ブレンパワード」のおねいちゃんがいい顔している。色遣いもなんとも独創的で、リニューアルからこっちどっか似て来てしまった「ニュータイプ」と「アニメージュ」が並んでいる横で、起用しているキャラクターの違い(「メージュ」と「NT」はやっぱり「ナデシコ」)も相まって、平台で結構な異彩を放ってる。気分的には前号みたく、字をもっと減らしてシンプルにまとめて戴きたかったところだけど、まあメリハリも効いているから良しとしよう。

 描き降ろしのセルイラストは「フェイ」と「電脳組」が水着でオッケー、「エンジェルリンクス」はこれが名刺も猫でも入るバストってのを堪能させてくれて超オッケー。「ファンシーララ」は・・・(無言)。しかし大森望さんと會川昇さんの対談は写真が悪すぎ。「SFマガジン」の「SFセミナーリポート」よりも酷いかも。返して広井王子さんと対談する普段はコミカルな役の多い螢雪次朗さんがカッコ良く写ってるのを見ると、この違いはいったい何によるものなのかと考えて、単に写した人の違いだろーともう少し後に乗っているイノケンタベタオーツキ他な方々の、くっきりな写真を見つつ納得する。せめて撮り直すとかすれば良かったのにねえ。しかし「AX」は全プレの「ウテナ」テレカのソソること。10冊買い占めて7000円使って10枚ゲットしておけば、後で稼げるかもしれんなあ。

 小山登美夫ギャラリーから展覧会の案内状、といっても単独ではなく9つのトンガったギャラリーのギャラリストが一堂に会して取り扱い作家を紹介するって展覧会で、小山さんとこの他に大塚で荒木経惟さんなんかの展覧会をしょっちゅうやってるタカ・イシイ・ギャラリーに銀座の老舗の佐谷画廊、現代美術ではもはや先駆者のレントゲンクンストラウム、さらにはギャラリー小柳、ギャラリー360。、マサカタ・ハヤカワ・ギャラリー、オオタファインアーツ、ワコウ・ワークス・オブ・アートと多分錚々たるギャラリーが集い、ギャラリストたちが競い合う。見逃せないよお、何せタダだし。

 この画期的な展覧会「G9」、場所は青山のスパイラルガーデンで日程は22日から26日までの5日間。25日には午後4時から「トウキョウトラッシュ」の山口裕美さんによる「コレクターに聞く」ってなトークがあって、続いて午後5時半からは出展ギャラリストたちによるトークショウ。おまけに23日と24日と26日はそれぞれのギャラリストが作品を説明してくれるってな趣向もあるから、現代美術ってわかんなーいなんて言ってる人には、一週間も通いつめればとっても勉強になるだろー。生憎と全部は通えないけど、まあ時間を見てちょくちょくと顔でも出すか。見物はとりあえず村上隆さんが冬フェスで一部を披露したあの「マイ・ロンサム・カウボーイ」の初披露。オタクの敵(あさのまさひこ風)たる村上が、なおいっそうにオタクの敵として君臨しつつ、現代美術をもシンカンさせる事になるであろーその作品だけに、これは是非とも見ておかねば。


【7月11日】 チャッ、チャチャッチャチャンチャーン! 新聞によりますとー、って懐かしいフレーズだなあ一体なんだったっけえっと「ウィークエンダー」だったっけ再現フィルムを親の目隠れて見ていたなあ青春だなあ、なんて思い出話はさておいて今日付けのサンケイスポーツによりますと、なんでも和歌山県の山中から男が現れて「テントの中で妻が腐って来たので助けを求めに来た」と言って駐在所にかけ込んで来たとか。聞くと5月にキャンプに行った先で道に迷ってそのうちに水と食糧が尽きて奥さんだけが死んでしまい、そうこうしている内に妻の遺体が腐乱して来たためここぞと決めて山から這い出て来たそーな。

 不思議なのは男性が発見された場所からテントまでがわずかに200メートルしか離れていないってことで、なくなってから遺体が発見されるまでのこの1カ月、いったいテントでなにをしていたのか、どーしてこれまで出てこなかったのかって当たりが今後の捜査なりマスコミの関心事となることでありましょー。考えられるのはキャンプというのは表向きのタテマエで本音は何かから逃げていて出て来れない理由があったのか、あるいは亡くなったのはもっと山の奥の方でとにかく引っ張ってきてテントはってビバーク、けど流石に耐えられなくなって這い出たら存近くに道路が走っていたってな山中放浪物にありがちな結末か。もしや200メートル離れるともはや日の光も届かない暗闇の世界となるくらに鬱蒼としているのか和歌山県の森は? 和歌山支局からのリポートを期待したいところでありますなあ。

 死に腐れの妻ってのはこの場合事実に即した現象ってことになるけれど、これが実は駐在さんがテントに行くと生き腐れの妻だったってことだったら、ちょっとイヤだなあ。むくっと立ち上がってグガーッとかいって向かってこられたらまるでバイオハザード、南部式抜いてドギュワーンとやってもやっても倒れないなんて光景は、出来ればゲームの中だけにして戴きたい。ついでに「あなたは生き別れのお兄さん!」ってな感動的な再会の場面が「あなたは死に別れのお兄さん!」ってのも夏っぽくてイヤかも。だってこれってつまりは幽霊が出たってことになるからね。 

 なんてことをやらなくてはいけない事を追い出しながら考えているうちに昼になってしまったので近所を散歩。10日に発売されたとかゆー吉野紗香さんの写真集を探すも何故か売ってないおらずもしや売り切れたのかそれとも発売前のチェックでなにかイケナイものでも写っていたため出版が差し止めになったのかと訝る。明日にでも神田で探そう。探すといえば神様を探す「NANIWA捜神記」(栗府二郎、メディアワークス、587円)って話の続編にあたる「NANIWA霊異記」(同、570円)が刊行。もはやほとんど内容を覚えておらず、昔の感想文を読み返して「あいかわらず誉めてるなー」を半ばあきれつつも一応の内容を理解。備忘録代わりでも一応なにか書いておくと、たまには役に立つってことですね。

 ようやくにして気力が出たのでPSの「ダブルキャスト」の続きをやるドラ。適当な選択肢を選んでも一応は物語が進んでいくので調子にのってやっていたら、2枚目に入ったらお話が突然のバッドエンド。これはまずいとセーブデータからあれやこれや選択肢を選び直してようやくにしてヒロインの秘密を暴きそのままグッドエンディングか? と思ったらやっぱりバッドなエンディングで、後はなにをどうやってもグッドにはならない。がしかしまあ、やり直しても1時間とちょっとなら再挑戦もまあいっか、と思わせるあたりが作り手側の一応は受けて側のことを考えてるってことの現れか。絵もなく4時間ってーと感動の物語でも流石にねえ、2度目はちょっとツラいからねえ。しかし女の子って部屋に来るといきなりキャベツを刻むものなのか? いや経験がないんでよく解らないんだけど。


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