縮刷版98年6月中旬号


【6月20日】 散歩。秋葉原に午前11時に入ってあちらのお店、こちらのお店を舐めて歩く。ふところは出たばかりのボーナスでたっぷり、なのに使うとなると妙にミミっちくなるのは出身が名古屋だということもあるけれ、やっぱり根っからの小心者、とゆーことなんだろー。まずは秋葉原デパートの本屋などをチェック、ハードカバーで「同人誌最高の売上」とかゆー上下巻組のエロ漫画が出ていたけれど、重たいし買うのも億劫、なのでパスして1階へと降りて、同じよーにボーナスをフトコロにウィンドーを眺めて歩くお父さんたちの行列に着いて歩く。

 ヤマギワの前で例の「アイトレック」の大デモンストレーション大会。62インチの大画面でクロアチア戦を見るのも悪くないしと思って眼鏡を手に取り顔につけてみたけれど、意外にチープな画質と迫力にこれだったら14インチでも30センチの距離から見た方がいーかもと、買う気も萎えてそそくさと会場を後にする。もーちょっちキレてる画質だったら即ゲット、だったのになあ。同じヤマギワでも4階に並んでいるパナソニックの液晶モニター付きDVDプレーヤーの方が、画面こそ確かに小さいけれど、画質でははるかに上を行っているもんね。つまりは「アイトレック」、家で迫力の画面を(チープかつ擬似的に)楽しむとゆーよりは、外に出てポータブルの映像再生機につないで見るのが正し使い方なんじゃなかろーか。その意味で飛行機で使うってのは正解かも。

 あるいはと予定していた買い物を取りやめたので途端に金が浮く、っても使わないなら使わないのが名古屋っ子の特性でもあるけれど、とりあえずは石丸電気のソフト1へと出向いてあれやこれやとCDをチェック、まずは来週ではやくも放映が終わってしまう「カウボーイビバップ」のサウンドトラックと、それから時折思い出したよーに見てはその東京の描写に感じ入って震えてしまう、「機動警察パトレイバー」の劇場版第2作のサントラを珍しく見つけたのでゲットする。在庫がなかったところを見るとこれが最後の1枚数だったか。CDを買った記念にポスターをくれるとゆーから、何種類かあるなかで真っ先に目のいった及川光博さんの小型ポスターをもらう。これぞ王子的に正しい行動、だよね。

 「P2」と言えばなんだか独りシンクロニシティー、って訳でもないけれど、帰りがけに寄ったラジオ会館3階の漫画古本屋で、角川書店から出ていた「押井守・『パトレイバー2』演出ノート」とゆー本を見つけて2200円で購入する。定価が2700円ってことは、半値までは落ちてないけどプレミアムもついていないてゆー、まあそれなりに珍しい本ってことなのかも。中身は主に「P2」で使われたレイアウトをずらりと並べて、その演出意図を話していくとゆー、映像作家としての押井守のテクニックなりこだわりを語ったもで、物語からしか作品を見ない(見られない)人間にとって大いに勉強になる。レイアウトに参加したスタッフも時折顔を出していて、中に今畝さんとゆー名前を見つける。漫画家としても活躍していて、アニメでは「老人Z」や「ジョジョの奇妙な冒険」なんかに参加した、との経歴が書いてあったけれど、今敏さんとの関係はちょっと解らない(爆)。

 で今敏さんと言えばもはや説明するまでもない「パーフェクトブルー」だけど、いよいよ本来の姿であるビデオ化も決まったみたいで石丸電気の2階のカウンターに説明書きが飾ってあった。えっとどーだったっけ、ビデオをLDが確か9月、頃だったかなビデオが9800円にLDが初回限定版の仕様で確か7800円。でもウロ覚えなので間違っているかもしれない。あと年末にはDVDも発売の予定でどーせだったらこっちを先に出して頂きたいもんだけど、一緒にでるLD−BOX版ってのがちょっと気になる、だって値段が確か15000円、くらいだったから。あるいは豪華なブックレットとか、作品で使ったセル画とか、未麻人形とかCHAMの着古しの衣装とかが着くのかな。会社が潰れて結局出なかったアニメムック、とかでもいーけどね。休み明けに眼鏡のMR・REXに確かめてみよー。

 2階では何を思ったか「機動戦艦ナデシコ」の劇場版公開記念な先行ビデオ(チケット付き)を購入、割引で2250円のうちの1300円が前売りチケットとすれば、残りの950円がビデオ代って事でこれはちょっとお得かも。ルリルリ人形付きのチケットが幾らだったかは知らないけれど、そっちの人形にプレミアついて1万、とかなればそっちにしとけば良かったと後で後悔するんだけど。確か浜松方面に1コあったと記憶してたから、いざとなったら忍び込んでカッパらおう。変わりに声はいっしょに「はれぶた」バッジ、部屋のどこかに埋もれているのを探して置いておきますからぁ。

 後は思い出したよーにまだ髪の毛のあった頃の山下達郎の、古いふるーいライブアルバム「IT’S A POPPIN’ TIME」を購入する。昔はアナログ版で良く聞いていたアルバムで、ブレッド&バターのナンバーをカバーした「ピンクシャドウ」がいーんだよね。キーボードは坂本龍一さんでドラムは村上”ポンタ”秀一さん。他はサックスの土岐さんとかコーラスの吉田美奈子さんとか初期には不動のメンバー。ボーカルの山下さんを筆頭に、今もって第1線で活躍し続けるプロ中のプロばかりが固めた演奏だけに、20年近く昔の音源の癖して一行に古びた感じがしない。むしろ最近の曲の方が、時代に迎合している感じがするのはこちらの勝手な思いこみか。ともあれ年内にようやく待望のアルバムも出そーな感じだし、後はツアーでも再会して頂ければ、1人でだってかけつける、んだけど、そっくり(ちょっと追い越した)髪型で、ね。

 はじまった「日本対クロアチア」は攻めても攻めても最後の詰めが大甘で点にならず、一方のクロアチアは日本のミスからワンチャンスを狙って極めて正確なセンタリングに中央突破にカウンターで何度もチャンスを作る。総じて日本が攻めていたように「見えた」だけで中身は完全にクロアチアのペース、最後は中盤の怠慢なミスからボールをとられてサイドからセンタリングにスーケルがワンチャンスを物にしてゲットォォォォ! これが一流のチームの強さってところを存分に見せつけてくれちゃいました。こんなチームから1点でもとれたジャマイカのなんと強いことよ。これで決勝トーナメントは絶対に不可能になったって訳で、最後の試合くらいはまあ適当に、1点くらいは穫って頂ければ幸いってもんですね。小野と平野先発で使えー。城と中山はまーえーて。

 腹立ちまぎれに「カウボーイビバップ」を録画してある第1回目であるところの第2話から見返す。だらーとした流れの中でだらーとしたキャラクターが何かするもののお話は一向に進まない、抑揚もない起承転結のカタルシスも薄い展開はやっぱり昼間のお子さま向けな時間帯には無理なプログラムだったと言えるんじゃないか。フェイの出てくる回だけはやたらとテンポよく回るのはフェイがかき回すキャラクター故の巧妙か。あるいは単なる女好きの欲目か。どっちにしたって全部ん半分しか録画できなかったテレビ放映、いずれはおそらくなパッケージ化を待つのみではあるが、これすらも先はまだ見えず、はて幻のビデオとしてすっげー価値が出る日を夢みてしばしの妄想に酔おう。「VIRUS」のビデオ版、ってのは脱げてないから価値、あんまりないからね。


【6月19日】 「名古屋市農業センター」は確かに名古屋コーチンの名産地で、近所に住んでいる関係でしょっちゅう食っていたけれど、フライドチキンなブロイラーなんかに比べると、現代っ子の舌には固すぎて決して旨いもんではなかった。がまあ、そんな意味不明のフリはさておいて、「星方武侠アウトロースター」はラス前の大盛り上がり大会も賑やかに、因縁があちらこちらで火花を散らしてやったりやられたりの繰り返し。ここでギュッと詰め込むくらいなら、途中のインターミッションなお遊びの会(プロレスとか)はすっ飛ばして、もうちょっと鈴鹿とかエイシャとかの過去っぽい話を放映して頂きたかったもんだなーと、唐突に現れた鈴鹿のそっくりさんの顔を見ながら思う。

 手術かなにかで顔もそっくりにしたんなら、身体だってそっくりにしたんだろーな、とすれば自分で触りほーだい・・・とイケナイ妄想から目を覚まし、エイシャって獣人化するとやっぱり服は破れちゃうんだってことを確認しつつ謎の展開に注目。キャスターの弾が相手を倒すと同時にジーンをも苦しめる場面を見て、同じくもう少しこの武器がどーしてジーンの手に入ったのか、なんてことも含めてかき込んで頂きたかったなーと深く思う。それにしてもいーやつじゃんハリー・マクドゥーガル。成就しない純愛にむせび泣きつつその死を看取り、進むジーンをどこへ向かう? カエルみたく潰れたジーンの姿が予告編に映し出されて佳境を通り越して最高潮のエンディング、さてすべての謎は解決されるのか、刮目しつつ次週を待ちたい。個人的には鈴鹿さんさえ出ていれば、あとジーンがどーなろーとオッケー、なんだけど。

 訳あって(金がなくて)買いのがしていたTVシリーズ「ねらわれた学園」のLDセットが、行き着けのLD屋で新品ながら40%オフになっていたので即購入。すべてビデオに撮ってあるけどやっぱほら、LDの方が頓狂な行動に出る三輪ひとみさんの長い首を綺麗な映像で見られるじゃん。最近じゃー主演の村田和美さんもますます妖艶な魅力を増して、ちょい前にやっていた仲間由紀恵さんと一緒に出ていた番組なんか、「アウトロースター」の裏番組なんで1度くらいしか見られなかったけど、並べて遜色のない色っぽさを見せてたもんな。馬渕英理何さんも含めた女性陣がメジャーなゴールデンに出たって話はチェックしてないから知らないけれど(三輪さんなんて「テロメア」だもんな)、遠からず超メジャーになるだろーと想像し、そーなった暁には「ねら学」もあの人はあの時! みたくお宝なプレミアムが付いたりするかもしれないと打算に溺れる。見るならビデオで我慢してBOXは死蔵しておこー。それにしても「テロメア」は何時出るんだろー(って買うのか? 買うよな、男なら)。

 コナミから届いたリリースに出ていた、「こなみるく」が東京キャラクターショー内に店を出してそこではじめて販売する、インタラクティブ・アニメとかゆージャンルのゲーム「桃天使」のキャラクターのイラストが可愛いなー、と思ったけど仕事中なので遠慮して口には出さずに、ちゃこちゃこと仕事に励む。日曜日のスクウェアあたりから本格化するゲーム各社の株主総会記事を適当にまとめて、休みになるのは株主には良いけど取材に行く我々マスコミの身にもなってみやがれこんちゃくしゃー、などと本末転倒の怒りにキーボードを叩く指も机までめり込む今日この頃、なのではあります。とはいえ哀しいサラリーマン、日曜日にはやっぱり株主総会の取材に行って、大金持ちな株主の連れてきた、ガキなお子さまが甘やかされて育った結果醸成された腕白で我侭な性格を披露し、会場内で大いばりんぼしている様を苦々しく思っているんだろーなーと、そーゆー場面に立ち会える身の幸せに深く感謝する。スクウェアのソフトなんでずぇーったい、買うもんか。

 「もののけ姫」が300万本を超す注文を受けたとかゆーリリースがブエナビスタから届いていたよーだけど、これてあくまでショップからの注文だから、たとえば店頭にどっかーんと積み上げる分なんかを勘案すると、実際に売れる分ってのはもっともーっと少ないんじゃなかろーか。実際予約は100万本、ってとこらしく、発表会見で400万本なんてファンタジーな数字を上げていたエラい人たちの青ざめる顔が思い浮かんで、ムチャはやっぱり言うもんじゃないぜと販売見込みも広告みたいな経済的裏付けもないままに、ムチャを言い出す人々のあまりの多さに、心の中「だけ」で猛省をうながす。まあ以心伝心ってことで解って頂きましょう。昔の人も言ったでしょ。「物言えば唇寂しわが目玉」、って。

 なぜか1回を残して今日が実質的な最終回と言われる「カウボーイビバップ」。前回その出生の秘密が垣間みえたフェイのさらに昔の姿が画面に踊る度に、自分の性癖の情けなさに気付いて茫然とする。今のショートパンツ姿で胸も大きく性格だって最悪なフェイも好きは好きなんだけど、昔懐かしいベータテープに収録された若かりし(中学生? それとも高校か)フェイの実になんとまあ可愛らしいことよ。未来の自分に向かってボンボン振りながら踊る場面じゃー、俺不覚にも泣いたもんなあ(表現の誇張=当社比500倍)。解らないのは誰がどーして今頃マイナーだった故に未来じゃー効果な設備であるところの「ベータデッキ」をポンと送付してくるか。スパイクの過去といーフェイのコールドスリープ前といい、説明不足の場面を山と残して次週でうち止めな「ビバップ」をサンライズとかが果たしてどうケアしていってくれるのか。いっそDVDのBOXで出せばいーのになー。でなくてもLD−BOXとかで。ただしいくらエピソードにちなんだからといって、OVAを「ベータで出す」ってことだけは止めてよね。


【6月18日】 ナムコのアミューズメントマシンの内覧会に行くりゅん。いかん夕べ見たのが移ったりゅん。矢口渡から徒歩5分の営業本部1階とゆー質素とゆーか倹約な会社らしー会場にズラリと並べられた新作ゲーム機でひときわ来場者の目を引いていたのが、ナムコが鉄拳3に続けとばかりに送り出す対戦剣術格闘ゲームの「ソウルキャリバー」。よくは知らんけど人気のあった「ソウルエッジ」の続編とかで、発売前からそれなりの話題になっていたらしく会場は噂が果たして真実かを試さんとする剛の者たちであふれていたりゅん。っても女性に若者におっさんと見かけはあくまで普通の人間、レバーを握った瞬間だけ剛の剣術使いになれるんだりゅん。

 事実、プレーヤーがシートに座ってレバーを握り4つのボタンに指を置いた瞬間から、ただでさえ高性能基板で描かれるポリゴンのキャラクターに、命が吹き込まれ、華麗に舞い剣や棒を振り回しては相手を斬り蹴り殴って打ち倒す。残念なことに格闘ゲームは乳が振動する例のアレを舐めた程度で、ゲームセンターでは一切触ったことがないだけに、現場で恥をかくのもかなわないと後ろから眺めていただけだけど、それでもついつい自分が剣を振り回し、ぶしゃばぎゃどばっと斬り畳んでいく感覚を味わえるから、昨日じゃないけど目から入る情報って、よくよく人を酔わせるもんだと改めて感じ入る。

 「ソウルエッジ」から3人ばかりが連続出演しているけれど他は新キャラだそーで、それが秒間60フレームで描画されるとゆーCGによって、実になめらかに動くうごく。眼鏡を外したら美人とゆー青春ドラマの女性生徒会長を地でいくよーな(伝聞)広報のAさんは、その滑らかさを例える言葉として、おじさんのオペレーターさんやら会社の男性社員が溢れているにも一切気にせず、しきりに「お尻の線が」と言っていて、実際女性キャラの「絡みつく孤高の刃 アイヴィー」がボンデージルックで登場した、その場面を見ると色つや形の3拍子揃った、弾力がありそーなお尻が画面に登場しててい思わずなめた・・・くはならないけれど、しばし釘付けになった。Aさん「どうだ」ってな表情。そこで「どれ実物は」とか何とか言ってツルリとやったらギャグとしては最高なんだけど、セクハラとしても最低なんでさすがに遠慮しあきらめる。せめて今度は眼鏡とって見せて下さいね。

 ついでなんで別の広報の人と「タイムクライシス2」で勝負。実はガンシューティングも触るのはこれがはじめてで、大丈夫かなーなどと手にとりガンガンやってたらこれが意外と当たる当たる。もー次から次へと迫るオヤジたちを撃ち抜いていって最後は装甲車までブチ壊して、対戦プレイで一応の勝利を収めることができた。さすがこれでも警察に2度合格した経験の持つプロ、っても別に試験を受けたあけで拳銃を撃ったことはないけれど、仮に入っていたら国体に出るか出ないかで真保裕一さんの「密告」(講談社)みたいな経験も出来たかも、などと横滑りする妄想を抑えてとりあえず固く握った指をほどいて銃を置く。目も血走っていたかもしれんなー。やっぱなったら毎日が目ん玉つながりだったかも。平和のためにあきらめて良かった。

 しかしガンコンってただ引き金を引くだけなのに結構指に来る。単に慣れていないだけだとは言え、1ステージをクリアするかしないかの段階ではすで右手は疲れ切って左手に持ち変えて撃っていたら照準が甘くほとんど当たらなかったのが情けない。これでは梅崎2丁モーゼルは難しいなー。途中でマシンガンを拾ったのが良かったらしく、ただ引き金を引いておくだけでバババババッと弾が巻かれて敵をやっつけてしまえたのが勝利の鍵、だったのかも。いずれにしても点数的には「ソウルキャリバー」に熱血なお兄さんたちが手慰みに来て聞き手の反対でプレイした時の何百分の1にも及ばないだろーから、ここはひたすら16連射を撃てるくらいまで手の筋肉を鍛えたい。西瓜は割れなくてもいーけどね。

 帰りの電車で広告を見て「ジターリング」の文字を見つけていよいよ新製品で登場かあ、少しは告知になるかなー、などと甘い気持ちで雑誌をKIOSKで手に取り仰天、いや吃驚仰天だ。モノクロのしゃれた表紙に美女が手に持って背中に回しているのは、何を隠そう(一目瞭然だけど)かの「ジターリング」ではないですか。表紙のモデルが手荷物のはてっきり檸檬だとばかり思っていただけに、世の中は広いってことを深く強く痛感する。しっかしモデルのお姉ちゃん、これが何で何をするものか、ってこと解っていたのかなー。たぶん「何これ新体操の輪っか・・・にしては小さいか、それともえっとアクセサリー? やっぱ首にかけるんだよね」的な空想をしながらも、お仕事ってことで手に持ったんだろー。これで流行らなかったら「ライツアウト」を持って宣伝までした神田うのより恥ずかしいぞ。

 表紙ばかりじゃなく本誌の方では見開きでトリックを紹介。そうか「ジタラー」ではなく「スリンガー」とゆーのかと気が付き1つ利口になりました状態、けど自宅に戻って雑誌を見ながら挑戦しよーとした技のほとんどすべてが1発ではできず、「オモシロ難し」のリードの言葉がひしひしと身に染みてなおいっそうの奮闘を誓う。水平にして空中で回す「UFO」はちょっとだけ出来た雰囲気、けど持ち帰る「フル・バタフライ」は写真だけではどんな技か判然とせず、同じく横向きに回す「アドレナリン」もピンと来ない。使徒として勝手に任命して浜松支部を任せたつもりでいる助教授はどこまで出来るよーになったんだろー。暑気払いまでにはせめてスーパーソニックくらまではマスターしておくから、覚悟しておけもう1人の使徒・ぶちまけ権造子ぉぉぉぉぉ!!。

 久方ぶりにマルチメディア・タイトル制作者連盟の会合をのぞく。太陽と月(固有名詞は伏せさせて頂きます)が同時に上ってますます会長なCD−ROM業界だけど、売れていないのは相変わらずで皆さん口々にパッケージからネットへの志向を表明していた。相変わらず新製品好きな江並みさんはビクターのデジタルカメラにグリップを付けて撮影大会、ちょっと前まではコンタックスのG1にペンタックスの中判カメラだったのにい。次に会う時はこっちはオリンパスの「アイトレック」を付けているから、そちらは「グラストロン」付けて2人並んで歩きましょう。まま道路で跳ねられて天国行きかもしんないけれど。

 オラシオンの菊地さんが頭を後で縛っていて「真似したの」「僕は髭を真似しました」と挨拶。ほかにもたくさん大勢の、4年前からほとんど変わらぬメンバーが揃って景気が悪いとはいいながらも、何とか保っているのはやっぱり才覚なんだろーかと考えつつ、出された料理をつまんでいると、事務局の人が突然寄って来て紹介してくれたのが「創造する森」とゆー何とも不思議な名前の会社。聞くと名古屋にあってネットワーク関係のコンテンツ造りをやっていて、名古屋グランパスエイトのページとか、今は愛知万博に向けたページ造りなんかと請け負っている、新進気鋭のベンチャー企業(意味重複)なんだそーな。

 社長の人は女性でまだ若そう。それだけなら某千葉な麗しい方がおられるから珍しい事ではないけれど、聞くとその社長の人は体育の学校を出て陸上をやっていた方、なんだそーな。おまけに仕事は映像関係だけど学生時代からやっていて、いったいどんな映像を撮っていたんだろーかとついつい妄想に走る。むせかえる男子更衣室とか。とりあえず自分が名古屋出身であることを告げるとちょっと驚いた様子を見せ、ついでに平針とゆーローカルな地名を出した途端に顔が輝き「私は溝口なんです」と発言、「ををしれでは天白図書館の側ですね」「はい天白小学校とか中学校があって」とまあ、とてもそこが青山学院の隣りにある会館だとは思えないくらいにローカルな話題に花を咲かせる。不思議と2人とも名古屋弁が出ないのは、やっぱり名古屋人の見栄っぱりなくせにコンプレックスありありな性格、故のことなのかなあ。

 女性に縁がある日で、ってももちろんプライベートには永遠に近い無縁だけど、シナジー幾何学の粟田さんが連れて来たストウキョウトラッシュとゆー会社の山口浩美さんとゆー人に挨拶、こちらは会社が白金台と、ハイソな雰囲気でコンプレックスばかりが強まるけれど、ここは毅然としてあれこれと会話、なんでも金沢が毎年冬に開いているマルチメディア関連のイベントで、江並さん萩野さんとゆーCD−ROM界マルチメディア界の太陽のよーな人とお月様のよーな人が2年続けてプロデュースに当たったイベント、それを仕切る人ってことは山口さんも結構相当な人なんだろーと居住まいをただしてヘコヘコする。現代美術系の人らしく知っている人の名前を並べて話しの接ぎ穂を見つけよーとしても相手はプロ、ついに困って「それでは」といって別れる。後ろ髪引かれまくり。しかしあれだけのバリューある人の後を襲った就任ってことは、表面的な輝きはともかきっと内面はピカピカ輝いている人なんだろーね。ほら会社も白金だし(ベタなオチ)。


【6月17日】 余っていた「エスタロンモカ」を飲んでお目目がパッチリした後に残っていた「オールド・グラン・ダッド」をガブ飲みしたらハイになって文章を書き散らす。なんて美しいまるで詩のよーだと悦に入りながらも途中で気を失い朝になって読み返して赤面。したけど面倒なのでそのまま後をつけて1本に仕上げてとりあえずアップする。久々の読書感想文の更新は中年男の背中をそっと押してあげる藤原伊織さんの(崖っぷりかもしれんしホームの端かもしれんけど)短編集「雪が降る」(講談社、1600円)。読んで背中がカユくなった人はご免なさい。オロナインかキンカンでも塗って我慢してやってつかあさい。

 都会ではカマキリみたいなお兄さんが98を連呼していたはずだけど、そもそもアップルユーザーなので関係ないと無関心を決め込んで、ひとり東京ビッグサイトで開かれた産業用のバーチャルリアリティーの展示会へと出向く。ゲームとはちょっと違ってCGツールだとかシミュレーターだとかビジュアライゼーションとかいったソフトが展示物の中心だけど、こーゆー技術がエンターテインメントに関連しないとゆー保証はないし、ツール関連はゲームソフトとも密接に関連している部分もあるのでのぞいておいて損はない。

 ってことで到着したビッグサイトの隅の方に、しつらえられたブースを回ってあれやこれや眺める。トレンドはどーやら立体映像で、赤と青のセロファンの張られた眼鏡で見るとおや不思議映像が浮かんで見えてくる・・・・なんて1970年代の映画館で流行った赤青立体映像なんてやっぱりカケラもなく、両目を交互に開けるシャッタービジョンを使った立体映像が、リアルタイムのモニターとかインターネットのホームページ上とかにどんどんと現れていよいよ普及も間近かなーと思わせた。眼鏡がやっぱりうざったいけど、立体で見る女体ってやっぱ・・・・違う女体はなかったけど立体で見る映像ってやっぱり胸躍るものがあるねー。

 残念なことに立体映像の披露は午後からになったけど、会場の隅にしつらえられた白いドームの中で見せられた映像は、アイマックスみたくゴージャスじゃなかったけどなかなかに人を酔わせる迫力があった。いやだって本当の意味で酔いそーになったんだもん、いっしょに見ていた女性なんて、ドーム内の半球に映し出されたジェットコースターに地面すれすれでカメラが移動するカーレースに単線の列車が線路を走って気動車と連結する瞬間に林間鉄道がトンネルを抜けて鉄橋を渡って行く姿が、続けざまに画面に映し出さるデモが終わった後で、顔を伏せてぐえらーってな顔してたもんね。

 ドームは聞くと1300万円くらいで設置可能で、映像さえあれば結構迫力のドーム映像デモをあちらの縁日こちらの盆踊りで見せることが出来るんじゃないかと思う。立体映像も上映可能で、こんなんを見るにつけてエンターテインメントも安く身近になったもんだと改めて技術の進歩に感嘆する。向かいではこないだ取材したマルチジェンが手にグローブを付けた姿でデモンストレーション。右手左手を動かし近づけ遠ざけることで、画面の中のF16に触った気になったりエンジンを組み立てた気になれる。手へのフィードバックさえあれば、リアルさも一段と増すだろーけど、そこまではさすがに難しいみたい。

 聞くとヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)を付ければ、もととリアルに飛行機やエンジンに振れている雰囲気を視覚的に味わえるとか。目からの情報ってのがさっきのドームでの迫力を例にとるまでもなく人間にとって1番センシティブ、だろーから試してみれば触覚はなくても迫力は感じることが出来たかも。今度取材に言った時に試させてもらおーかな。HMDでは別のブースでソニーのグラストロンを使ったデモが見られたけれど、上から垂れ下がった部分がやっぱりどーしても気になるのに対して、20日に発売のオリンパスの製品は、眼鏡っぽさがもうちょい進んでいて軽くておまけに安いとか。視覚の大切さを痛感した身でもあることだし、62インチの迫力でクロアチア戦を見るために、20日は秋葉へと走ろーか。

 テクモの株主総会後の懇親会に潜り込んで新製品とかゆー「影牢 刻命館 真章」のデモを見る。前の作品がどーだったかは知らないけれど、今度の作品はゲーム画面でも登場する女性のキャラクターに色気が感じられてピクっと来た。アドベンチャーっぽい雰囲気を持ったバトルシミュレーションってことで、ポリゴンの女性キャラが館の中を歩き回るんだけど、後ろ姿の足とそれからお尻の雰囲気が、実にねーソソるんですよね。人様に尻を向けっぱなしってのがちょっち気にいらないんだけど、こんなお尻ならいーやって思えるね。振り向いた時の胸も「デッド・オア・アライブ」のテクモならではの迫力、チチ&シリで今年もテクモは安心、ってゆーと下品だと怒られそーだから、とりあえずはソソるCGがオッケーかもしれんとだけ書いておこー。内容は知らんけど。

 山陰では電気ネズミと言うと怒る「ピカチュウ」が描かれた飛行機が飛ぶよーになって、ますます子供の「ポケモン人気」を煽りそーな予感だけど、架空の動物なんて集めて何が楽しーんだってお父さんたちに、これだったら楽しめるかもしれんってな「リアルポケモン」ソフトが登場したぞ。っても相手は「モンスター」じゃなく「昆虫」。そうこのメディアカイトが販売するソフト「むしとり」は、CGで描かれたリアルな環境の中で、朝に捕虫網を持って森を歩き木の下を堀り樹液のたまったウロを手で探りながら、CGで描かれたかぶと虫やらくわがた虫やら玉虫やらやらを採集していくって内容の「大人のポケモン」。レアな昆虫もいるとゆーから、いつどんな時に現れるのかを勉強して、探して歩く楽しみも味わえる。でもゴライアスオオツノコガネとかが出るかどーかは解らないから悪しからず。


【6月16日】 ダビスタの人は組ちょだったのかと唐突に思いつつも読書に励む。仕事はまーそれなりに。新潮社から発売された小綺麗なペーパーバック風の叢書「クレストブックス」から流行りのタイタニック物、と言うのは可哀想なくらいにタイミングがどんぴしゃりであるいは埋もれてしまわないかと心配でしょうがないのが「旅の終わりの音楽」(2700円)とゆー小説。書いたのはエリック・フォスネス・ハンセンとゆー鉄の爪にウエスタンラリアットを混ぜた世界最強のよーな名前のノルウェイ人で、折り返しにある生まれ歳を見ると僕といっしょでついでに組ちょともいっしょだったりして吃驚、んでもって世界の26カ国で翻訳されているこの本を書いたのは25歳の時だったとして仰天し、世界は広いし才能は多いと痛感する。

 タイタニック号に乗り合わせた楽士たちの紆余曲折な生い立ちを振り返りつつ人が人として慌てず騒がずただ静かに滅びていく様を描いたもの悲しくそれでいて美しいストーリーは、遠からず迫った滅びを前に慌てふためいている人間たちに「かっこわりーじゃん」と教えてくれているよーで心に痛い。個人的には世界が滅び去るその瞬間を最後の1人となって看取るつもりでいるから、ジタバタしよーと見苦しかろーと蜘蛛の糸にしがみついていきたいと思っているけど、こーゆー本を読んでしまうとあっさりすっきり死んで行くのも悪くないかもと思えて来るから現金なもの。ただしどっちにしたって人を押しのけてまで生きよーともまた人を貶めてまで死を飾ろーともする気がないことだけには変わりなく、その点で自分の世間に対する無関心さを再認識させてくれる本だとも言える。厚いけど説得で高いけど納得のボリューム。ハードカバーじゃないんで表紙が薄くて軽いのも通勤時の持ち歩きに便利だーね。

 江戸木純さんが命をかける、とまでは言ったかどーかは定かではないけれど少なくとも少なからずのお金をかけて日本に紹介したインドの大娯楽映画にしてただいまシネマライズで絶賛公開中のムトゥ踊るマハラジャ」の全容を紹介する本「インド極楽映画最高傑作 ムトゥ踊るマハラジャのすべて」(ジャパンミックス、1700円)が発売中。絵はがきにも使われていたミーナの顔が表しにでーんと使われて、ちょっぴりチープでレトロな雰囲気の装丁がいかにもインド娯楽映画ぁーってな雰囲気を出してくれていて嬉しい。値段があと少し安かったらもっと嬉しかったかも。だって大半が映画のスクリプトで埋め尽くされているんだもん、映画を見ちゃった人はこれ、結構読むのは結構大変だったりするんだよね。

 発売されるのを聞いた時に予想していたは絢爛豪華な映画のスチールを散りばめたビジュアルムック。そのあたりは冒頭の口絵で楽しめるから良しとして、ミーナと主演のラジニカーントへのインタビューはもっと長い分量で読みたかった気がする。脚本の部分もたとえばもうちょっとだけ写真を入れてくれたら、あの頓狂な映画の雰囲気を本から入る人にもちゃーんと解ってもらえたんじゃなかろーか。

 いっそフィルムブックにして出す、んでもってサントラも出して本に「ここでこのテーマを流せ」と指示が書いてあって、冒頭では「主は世界にただ一人」、しゃっくりダンスでは「彩色主義者の鶴」といった具合に、ぴったりのBGMをかけるのさ。巻末の「日本公開までの軌跡」は映画産業にかかわって、どこかビジネスライクになって安心と安全がモットーになってしまった人たちへの叫びであり警鐘でもあるけれど、それがそーあるためにはやっぱり映画にはヒットしてもらわなくっちゃいけないから、暇なら週末あるいは来週、ふたたびの「ムトゥ」に染まりに渋谷へ出向こーかな。手拍子足拍子口笛かけ声もその頃にはきっと派手になっているだろーから。

 さらに本。田中芳樹さんの「奔流」(祥伝社、180円)は「書き下ろし中国歴史スペクタクル」と銘打たれてあって、出てくる人たちが偉い武将に皇帝に美男美女であっても、歴史を肴に現代を生き抜く処世術を教える1粒で2度美味しい的サラリーマン向け小説でもなければ、流行のチャイナファンタジー的魔術ばりばり歴史無茶苦茶な小説でもない、史的に割と正しくてかつ物語もちゃーんと楽しめる、良質のエンターテインメントに仕上がっていたので安心した。何よりもちゃーんと1巻で終わっているのがすごいよね。

 主人公は何でも孔明をも上回る軍略家なのに歴史的にはおそらくほとんど知られていない男。彼をダシに描かれる男女の悲恋が物語の芯だったりするけれど、それ以外にも武将に皇帝に無名の男にその他大勢の歴史の記録に残っている人々を、今に甦らせてそのキャラクターに生命を吹き込み自由闊達に動かしてドラマを作り出していて、講釈師が見てきたよーな嘘であってもぐぐぐいっと引き込まれてその時代に自分が生きている気になって来る。人形劇の「三国志」が流行った時期には結構中国史って人気があったけど、今ならさしずめ田中芳樹さんで(宮城谷昌充さんじゃー高校生は読まないだろーから)中国史に興味を持って入学して来るんだろーなー。あるいは「封神演儀」とかで。

 藤原伊織さんの短編集「雪が降る」(講談社、1600円)は、過去の長編2作にも増して、世間からの疎外感を味わい「たがって」いるあの時代に乗り損なってしまった中年おっさんたちにウケる要素が詰め込まれている小説ばかりで、いくら見かけはだからといって(なんなんだ)いちおー若い僕ではちょっと、読んで辟易させられる部分があった。あったけど総じて小説としての流れはうまく、もう少し大人になればあるいは解る小説なのかもしれないと、封じて10年後に再び手に取ってみたい思いにとらわれる。泣かせ、という意味では浅田次郎さんにも通じる(方法論は違うけど)部分がある物語。ハンカチよりも赤い手ぬぐい(マフラーにもなる)が似合うかも。


【6月15日】 こないだは「モカ」だったから今度は「ピョンちゃん」に敬意を払って「エスタロンモカ」にする。カフェイン150ミリが普段から珈琲がぶ飲み(それも超濃い目)な人間にとってどれだけ効くのかは知らないけれど、まあ病は気からともゆーしなんかだ効いた気になってパッチリ冴えた目でエレキング様へのインタビューをまとめてキャッチを並べて見出しも付けてメールで送ってハイ完了、こっそりと祝杯を上げながらもこでが発売された日にゃあエレキング様、怒って踏みつぶしに来るかもしれんなーと白みつつある空に向かって許して下さい責任はずえーんぶ永田町にあるんですと責任転嫁の呪詛を叫ぶ。しかしあと残り10日でちゃーんと雑誌、出るんだろーか。謎なぞ謎、って僕の原稿が遅すぎただけか。

 などと謎な言い訳をしつつ昼間に買って来た「ジターリング」に再挑戦、およそ1カ月ぶりに手にとるリングであっても何の問題もなく回せるとゆーのはやっぱり昔とった杵柄のお陰、これでフジサンケイグループで1番の「ジターリング使い」はまだまだ安泰と鼻高々になる。ったって出来る技は基本形にビーズをひょいっと外周に沿って1回転させる安い技、なのでここはもう1つ技を覚えるべーと、先生に上納したビデオを渡す前にチラリと見て置いたリングを地面と平行にしつつ左右に順繰りに傾けて、ビーズを外周に沿って走らせる「ジェットコースター」だったっけ、それとも「モノレール」だったかな、まーそんな技に挑戦してこれも何とかクリアする。今のところ使える技は2つ、たぶん浜松1の使い手である助教授をもしのぐ使い手になったことだろーと、さらに鼻を高くする。日本で1番「ジターリング」が上手いジャーナリストの地位に、さあ挑戦したまえ永田町でも初台でも海岸でもどこでも。

 飲み過ぎでデロデロになった頭でむくむくと起き出して会社へと向かう。今日はサラリーマンにとって年に2回やってくる最良の日々、そう辞表を出す日と上司をぶん殴る日、ですね。いやそれはサラリーマン人生にとって最良の日々ってことであり、1年とゆースパンではやっぱり決まってますよねそう、「棒茄子」の支給日なんですよ。っても(って言い訳ばっかや)もらえる額は築地かお隣の会社の月給分ってのが関の山で、これが銀座のピンクの出版社とか、東銀座にそびえる電報の通信社とか、神保町に護国寺にお台場に麹町にその他諸々の同じ「マスコミ」と付く業種に比べれば、月給どころか月々の時間外手当にすら及ばないかもしれない。いやこれは別に大袈裟に言ってるんじゃなく、支給明細表を見て本当に「まあまあの給料じゃん」と言った築地の記者がいたって話を聞いたことがあるんです。

 そんなんで庶民感覚のある話を書けるのかと言われればもう書けませんとしか言いようがなく、およそ常識では計り知れない思考形態に陥るってのがこの国のそういった人たちの特徴でもありましょう。たまたま微々たる支給から持ち出して買った岩瀬達哉さんの「新聞が面白くない理由」(講談社、1800円)を読んだんだけど、そこに書いてあることのほとんどすべが正しいことで、一種独特の感性のもとに日々の活動をしている人たちが下から上までずらーりと並んでいる状況に、外からも内側からも意見を差し挟まれることもなく(なにせ意見を言う側なんだから)営々とその地位を保持し、あわよくば広げよーとさえしている状況は、やはり相当なもんだとひと事のよーに思う。中でもことさらに酷い状況を見るに付け、是非とも1つ「SPA!」には頑張って欲しーと思うけど、紙の側に一向に答えている風がないのは不思議を通り過ぎてブキミですらある。波と紙とで明確な線引が出来てしまった現れなのかもしれん(海岸は波の一味)と、それはそれでなおいっそうの不安を抱く。ほのめかしが多くてすいません。

 8月2日と3日に東京ビッグサイトで開かれる波の一味なニッポン放送が主催する「東京キャラクターショー」の出展概要がほぼ決定、協賛する角川書店がでっかいブースで「KADOKAWA真夏の学園祭」をブチ上げれば、協力のメディアワークスに鳳凰一家のアスミック・エース・エンタテインメントもこぞって出展とあって、おおよその方向性が見えて来た。ほかにはセガにカプコンにスクウェアにナムコにコナミのゲーム屋一派と、バンダイにタカラにトミーの玩具屋一派が仲良くそろって出展し、さらには企画で絡んでいる「ゲーマーズ」のブロッコリー、たぶんフィギュアのペーパームーンと深い会社もそこそこ交じっていたりして、コアなのかビギナーなのか男なのか女なのかどこいら当たりを狙っているのがちょっと判然としない、不思議な展示会になりそーな展示概要となっている。

 スタジオ・ハードが名前を連ねているのは謎だったりするけれど、ともあれざっと見には角川色がぐーっと出たビジネス的には結構アレな展示会になりそーな予感。ニッポン放送が狙っているのがキティにポケモンな国民的キャラクターだったりするならば、もはや方向は完全に違っていると言え、立場も趣味思考も離れて純粋に客観的な立場になってニッポン放送さん本当に解ってやってらっしゃるの? 文化放送でもないのに本当にそっち方面でいいんですの? とか聞いてみたい気にかられる。僕的主観的にはもちろん全然オッケーだから、何かまずいんですかと聞かれれば「いーえ全然まずくありませんよまさに現代を象徴するキャラクタービジネスの王道を行ってますよ」と僕的に正しい助言をしてあげるんだけど。共倒れしよーよ。


【6月14日】 むくむくと起き出して幕張メッセへと向かう。今やニッポンのメディアミックスと子供文化を担っている雑誌「コロコロコミック」に関連しているゲームやら玩具やらが一堂に会する展示会をのぞきに行ったんだけど、冬に行った時には開場でポケットベルが鳴って「セガの社長がどーあたら」と知らされて、ろくすっぽ会場も見ないで会社へとすっ飛んで行った苦い経験があるから、今日もまた何があるかとびくびくしながら会場を散策する。

 幸いにして明日が新聞休刊日で会社に誰も出ていない関係でベルはならず、安心して(いていーのかよ?)あちらこちらのブースを見学、期待していたバンダイではいつもならいるはずの「ハイパーキャスティング」のデモンストレーターのお姉さんの姿が見えず、途端に疲れが出て会場内をアルク足どりも重くなる。がしかし、そこは記者魂(ではなくヤジ馬根性)を発揮してバンダイが次ぎに押したいシャボン玉のデモンストレーションを見物、部隊の上でデモってるお姉さん2人のスカートの下が見えないものかと座ったり背伸びしたりして遠くからカメラをかまえるも、そこはプロのデモンストレーターだけあってスキがない。またしても疲れがどっと出る。

 タカラのブースではフジテレビが製作するミュージカル「ビッグ」の中にも登場する「デジケン」つまりはデジタル技術を使ったけん玉のデモを見物、見かけはフツーのけん玉なんだけど、音楽が鳴ってリズムが出て光りが光ってそのとーりに玉を皿に乗せていかなくてはならないハードさに、これは案外流行るかもしれんなーとの印象を抱く。あとは宣伝と値段の仕方、だね。残念なことに「ジターリング」はバンダイのブランドがすっかり定着してしまったよーで、似た製品を出していたタカラのブース回りで遊んでいる子供はいなかった。こんな時ばかりはバンダイのマーケティング能力には脱帽させられる。

 任天堂のコーナーは半分がポケモンづくし。マリーガルが鋭意製作中の「ピカチュウげんきでチュウ」のデモには長蛇の列が出来、子供たちが試台に向かってあれやこれや喋っていたけれど、遠目に見ていてピカチュウの可愛さは際だっていたものの、コンソール上で稼働するゲームとしてどこまで子供たちの関心を集めることが出来るのか、あれいやこれや疑問と質問が沸いて来た。今時の子供がただ可愛い仕草を見せてくれるだけのゲームに、どっかしとテレビの前に腰を落ちつけて何時間も取り組むことが出来るのか、”ゲームを変える”と宣ったNINTENDO64にとって、これはなかなかに興味深いデータを得られるソフトになるんじゃないかと思う。

 見ているとこのゲーム、画面に登場する人から「こう言うんじゃよ」と言われてその通りに喋った時にちゃんと正しく反応するみたい。あらかじめ登録していある言葉の周波数との一致度を計って反応させているのだとしたら、一見自分がピカチュウの相手をしているよーで、実はゲームに相手にされている構図がなんとなく見えて来る。もちろん作り手側としても、そんな”仕組まれた”感覚をユーザーに与えるような仕様にはしていないと思うから、自分が育て会話し仲良しになる”プレーヤー”としての神の手を、ピカチュウ相手下す楽しみを味わわせてくれるんだろーと信じたい。本当はどんなソフトか知らないので、この項的外れな点多し。

 ハドソンのブースにへの字口で座っている高橋名人を発見。15年前なら周囲には子供たちの人だかりが出来て身動きも取れなかっただろーけど、今はどーみたってただのオッサン、隣りでやってるバンダイのハイパーヨーヨー・デモンストレーターこと中村名人の方が、はるかに人を集められるんじゃなかろーか。SCEのブースに来ていたクラッシュや、会場内を闊歩していたビーダマンの方がとかもね。とはいえ沈黙の高橋名人がかつての栄光よもう1度、とは考えなかっただろーけど企画・監修なんかを務めているとかゆーソフトが7月10日の1年で最も目出たい日に発売されるそーなので、あるいは今再びの脚光を浴びるかもしれん。16連射ぁぁぁ・・・とか。

 そのゲームってのは名前が「スターソルジャー バニシング・アース」って知っている人には懐かしいらしい作品で、ちょうど同じ幕張メッセの国際会議場で開かれていた、ワールドカップに関連するサッカーゲームのソフトを集めた大会に、何故かサッカーとは関係なソフトであるにも関わらず、展示されて子供たちの人気を集めていた。見かけはタテにスクロールしていくフィールドを飛行機が進んで行って途中に現れる敵機とかをぶち落としていくシューティングゲーム。3次元なフィールドで上下左右前後を構わず飛び回れる時代になってもなお、こーゆー昔ながらのゲーセンを思わせるゲームを出してしまうってのは、それだけこーゆー昔ながらのゲームが人々の心にキャッチーだったから、なんだろーね。インベーダーにギャラクシアンにゼビウス。3つ子の魂100までだぁぁぁ。

 サッカーゲームの大会の方はコナミのN64版「実況ワールドサッカー」にPS版「実況ウィニングイレブン」にセガのSS版「ワールドカップ’98フランス」にエレクトロニック・アーツの「FIFA ROAD TO WORLD CUP」のPS版、N64版の5種類のゲームを、時間内にたくさんたくさん対戦モードでプレイして、勝ち点を集めていくって内容。弱くても数多くおプレイして引き分けで1点をとれば点はたまる筈なのに、馴れなのか内容なのか最初はコナミのゲームのそれもPS版の方に、わっと人がたかってセガとかEAとかが必死で呼び込みに奮闘していた。

 来場者も質より数、の論理に気が付いたのかだんだんと人の列もバラけてきて、それぞれの試台にそれなりの人数が並んでわちゃわちゃとゲームに勤しんでいた。どっかの店頭で触った時にはドリブルしか出来ずうーんと頭をひねったもんだけど、流石に人前でゲームをやって恥じない力量の持ち主ばかり、N64版ならスティックにボタンを華麗に使ってパスからシュートまでを実に鮮やかに決めてくれて後ろで見ていて感嘆する。ほんとN64が欲しくなるくらい、綺麗にプレイが流れるんだよなー。最後まで見ているのも気疲れするので途中で退散、今晩のテレビで会場の模様が流れるそーなので見て映っているのか探してみるか。

 「コロコロ」のイベントでまたしても購入してしまった「ジターリング」を鞄に押し込み駅前のプレナ幕張4階にあるゲームセンターでプライズに挑戦、やっぱりセガの内覧会はスプリングをしめてあったんだと掴んでは落ちるプーさんにミッキーにピカチュウ他お姿を見ながら溜息を付く。がしかし偶然にも何の気なしにコインを投じたキャッチャーで、別にファンでもないのにピンク色の「バーバパパ」が連れてしまい、途端に「バーバパパ」に親しみが沸いて来る。続けて挑んでも取れないあたりがやっぱり情けないんだけど、それでも1つは撮れたってことで、今日の運を信じてアルゼンチン戦は勝利、と勝手に予言する。運を使い果たしてダメ、って事もあるんだけど。


【6月13日】 残念だが日本はアルゼンチンに3対0で破れてしまった。クロアチアにも3対0で破れて、残るジャマイカに運良く勝ったとしても、決勝トーナメントへの進出はもはや絶対に無理なところまで来てしまった。かくなる上は最後の試合は中田を下げゴンを下げ城を下げてかわりに森島に平野に岡野を投入、バックスもミッドフィルダーもフォワードも全員上げる超攻撃的な布陣でのぞむよりほか楽しみはない。試合中は反動で疲れたりモチベーションを下げるのも構わず「喝」ボタンを連打、これならなんとかジャマイカに一泡ふかせて面白い試合が出来るんじゃないかと、勝手に思っていたりするが、さてどーでしょーか、「コンビネーションプロサッカー」をお作りになられた青葉台のアクセラ様。

 「Jリーグプロサッカークラブを作ろう」が切り開いたサッカーチーム運営シミュレーションに新風を吹き込むアクセラの「コンビネーションプロサッカー」、後発だけあって練習の指令とかのコマンドが豊富で、インターフェースに慣れるまでちょい大変だけど慣れたら多分分かりやすい、それに何より試合中のあれやこれやな支持が豊富で、選手交代やポジション取りにあれこれプレーヤーの考えを入れられる素晴らしさがあって、いわゆるサッカーゲームとは違うんだけど、なんとなく一緒に試合をしている気分になる面白さはある。

 あるんだけど哀しいかなおよそサッカーを知らないポン酢なプレーヤーにしてみれば、折角5年目まで育てた岡田監督率いる日本チームのデータ入りメモリーカードをゲームを一緒に頂いても、やっぱり勝てないんですよアルゼンチンには。そしてクロアチアにも。果たして何をやったら勝てるのか、せめて引き分けに持ち込めるのかととりあえずはしばらく調査しますんで、せめてゲームが正夢にならないよー、今はとにかく祈ってますわ。

 起きて黒いスーツを着て横浜へと向かう。親戚の結婚式でインターコンチネンタルホテルまで行かなくっちゃいけないんだけど、久しぶりに降りた桜木町は雨だってーのにすっげー人出で、ちょっと前のランドマークタワー下のモールだけだった時代に比べると、クインズクスエアがオープンしてからこっち、完全にショッピングの場所として定着したなーって観想を抱く。やっぱり久しぶりにのぞいたお店で再びな100円ピンズマシーに挑戦、車のピンズをゲットして早速襟に飾る。出て歩くと今度はフランス大会のオフィシャルグッズのコーナーがあって、そこでもピンズを買うけど流石に黒スーツには似合わないので持ち帰る。確か明日幕張メッセで関連のイベントがあったから、そっちには襟につけていこー。

 昔は結構歩いた感じがしていたランドマークタワーからインターコンチまでの距離だけど、モールの中をずーっと歩いて行くと、いろいろと目に入る物があって楽しめるからなのか、そんなに距離を感じず、おまけにほとんど雨にも濡れることがなく到着してしまった。パシフィコ横浜もすぐ横だから、雰囲気でいえば海浜幕張から幕張メッセまでがモールで埋まるってことなんだろーけど、こっちは一向にショッピングが楽しめるよーな施設が出来る気配がない。

 MM21が商業的にも観光的にも整備され、もちろんお台場は今や東京トップの観光名所になってしまったのに対し、未だ閑散とした、巨大なだけが取り柄の幕張にコンベンション地区としての勝ち目はあるのかどーなのか。景気も悪くイベント自体も減っているだけに、幕張がひいきの(とゆーより取材に近くて良いから)千葉県民として、ちょっと先行き、心配だなー。

 スモークもなければゴンドラも登場せずお色直しは1回きり、お土産は薄っぺらな商品券だけだとは、なんちゅーケチだ・・・と思われたかもしれない今日の結婚式。なにせ集まっている新郎の親戚一同は僕も含めてほとんどが名古屋人(なごやびと)、普段からゴージャスにしてマーベラスなエキサイティング・ウェディングを経験している人間たちだけに、関東風で今風な結婚式はきっと物足りなく映ったことだろー。演歌もなければ方言ばりばりな演説もなく、出し物はバリの踊りに金融関連用語をふんだんに使った(新婦が為替のディーラーだったりするんで)上司の挨拶とあっては、聴いている大半の親戚一同、これは宇宙に来てしまったのかと目を黒白させていたころだろー。

 せめてもの楽しみと毎度恒例の新郎の親戚あるいは同僚あるは友人をチェックするも、何せ今回の新郎新婦はともに昭和36年生まれとかなりのレアなカップルで、当然の如く新婦の親戚同僚友人は僕より多分年上だから、結局声もかけずに退散させて頂いた。もっとも新婦は銀行お為替ディーラーでバリバリやってて小ベンツ乗り回して広尾にマンション持っていて、ってことだからあるいは同僚もあるいは恵比寿くらいにマンション持っていたのかも。歳も見栄えも関係ねーやと、ここはちょっとだけ勇気を出せば、夏には広尾でマンション住まい、ってことになったかもしれないなー。ちょっとだけ残念。

 親戚づきあいが面倒なんでさっさと退散、帰途にレコード屋で唐突に谷村有美さんのプロモーションビデオをまとめたLD「Two Heart」を買う。タイトル名がなんだかアレだけど別に谷村さんがソレやコレやしてくれる訳じゃないからちょっと残念、いや安心。昔むかーし千葉テレビが月曜日の朝7時半くらいから、つまりはまだ本放送を初めてない時間にJポップのプロモビデオばかり流していた時期があって、そこで1カ月くらい流れていた「最後のKISS」をもう1度見てみたかったのが、すっげーファンでもないのに唐突にLDを買った理由、ですね。

 他にも「がんばれブロークンハート」とか、「ガラスの午前4時」(踊りがねえ、ちょい昔っぽい)とかの割と初期にあたるヒット曲のクリップが入っていて、デビュー直後に見つけて以降、割と良く聞いていた時代を思い出して懐かしくなる。最近はあんまり追いかけてないから、どんなポジションにあるのかは知らないけれど、今もってこーゆークリップ集が出るってことは、それなりに需要があるんだろー。新しいのも聴いてみるか。

 懐かしくなったので「少女革命ウテナ いつか革命される物語」の3度目のプレイは主人公を谷村有美でやる。ソフトバンクから出ていた攻略本を参考にしながら「アンシー編」をプレイ、最後のちょっと前で主人公とアンシーが仲良くお風呂で背中を流し合うシーンを見られて頭をイケナイ妄想がよぎる。がしかし最後はやっぱり薔薇の花嫁はウテナの下へと戻ってしまうから、やっぱりバッドエンディング、ってことになるのかな。

 これで3回毎回違ったエンディングを見られた訳で、ほかにも各生徒会メンバーとのエンディングにウテナに暁生とのエンディングにノーマル編、パーフェクト編と数多くのエンディングがあるらしーから、順次おいおいクリアしていくつもり。「コンビネーションプロサッカー」も残っているし、「プリズムコート」もやりかけで、もっともっと時間が欲しいと思う今日この頃。この不景気だから否が応でも時間がたっぷりになる可能性だってないわけじゃないけどね。


【6月12日】 イリャ・テッセな(意味未だに不明)仕事があって薬局で買って来た第一製薬の「モカ」をすすりながらやりゃやりゃと原稿を書く。メモを見返すと毎度のことながら何を書いてあるのかがサッパリ解らず、録音したはずのMDは途中が電池弱まりですっトんでたりして意味が全然つながらない。しょーがないので何を話したのかを思いだそーとするんだけど、何故かブルマアクがエレキングでねこぢるな話ばかりが頭に浮かんで益体もない。ともあれとにかく格好だけは付けなくっちゃいけないと、空想と想像による創造によって400字詰めで7−8枚分くらいの草稿にして息絶える。一応録画しながら後ろの目で見た「星方武侠アウトロースター」はジーンの顔がいつもと違ったぞ。何故だろー?

 2時間ほど寝てから状況を確認。出稿までまが幾分かの間がありそーだったのですっかり上った日を見上げながら虎の門のポニーキャニオンへと向かう。もちろんミーナ様さま様のご尊顔を拝しに行くもので、今やほとんどの雑誌週刊誌を席巻したと思われる超話題作な「ムトゥ踊るマハラジャ」の前評判を反映してか、開幕の30分前に着いたのに1列目の席はすべて抑えられ、仕方がないので2列目に座って始まるまでをしばし待つ。合間に読んでいたのが大泉康雄さんの「氷の城 連合赤軍事件・吉野雅邦ノート」(新潮社)。その昔田舎の図書館で確か読売新聞社から出ていた「赤い雪」とゆー連合赤軍が結成されてから崩壊するまでを克明にルポった本を借りて読んで、そのすさまじいばかりの描写に戦慄を覚えた記憶があるけれど、「氷の城」の方は「あさま山荘」に立てこもった当事者としていかな心境でのぞみそのごいかな境地へと辿ったかを、友人である大泉さんが拘置所から届いた書簡をもとに拾い出している。

 「週刊文春」で日経新聞の田勢康弘氏がこの本を取りあげて、彼と我とのあってそれほどなかった差を実感しつつ時代を振り返ってみせている。あの時代を同時代的に経験してない者である以上、あの時代を実感をもって語れないのは仕方のないことかもしれないが、軽く干支で1回り以上ある年月を越えてあの時代に身を置いた時、さて自分ならどうしたんだろーと考えることは、あるいはこれから直面する仕事や私生活の上に起こる(かもしれない)激変に耐えるか巻かれるかを決める上で、それなりに参考になるのかもしれない。まあ銃砲店を襲って強奪して総括を迫って針金で縛って厳冬下の山中に放り出して山を越えて山荘に立てこもって飛行機を奪ってアラブへ逃走してついでにお台場の球体内部で割腹して果てる、なんてことには多分おそらくならないから、身の回りの人はとりあえず安心していーよ。エアガンくらいなら死にゃーしないよね。

 と暗い話題に黒薔薇を咲かせていたらちょうど時間となりました。呼び込みに応じて登場したミーナはインド風の衣装に身を包み、その姿はまるで引退間際に駒音か何かで見せた林葉直子のサリー姿(マイナー過ぎる話題やなあ)をはるかに凌駕するボリューム感にあふれていて、歩くたびに空気までもが揺れるって、そんな感じを受けました。これが6億人(くらいだったっけ? インド人口って)のトップアイドルが放つオーラか。ちなみにサイズは上から98、65、105センチメートル。身長は167センチで体重56キログラムとあって、なーんだつまりはデがブな人じゃんと思った人も多いと思うけど、間近に見るとそれほどふくらんではおらず、ダボっとした服装の下に隠れたボヨンでブワンな体型も、そんなにドベラーッってな感じはしなかった。インドエステおそるべし。

 会見で質問されたミーナさん、エステは「別に特別なことはしていません、ただしモイスチャーとクレンジングは欠かさないよーにして、いつも膚に潤いと湿気を与えて時にはスチームもかけて乾かないよーにしています」とそつなく丁寧に答えてくれた。声がねーまた可愛いんだわ体型に似合わ・・・体型はこの際関係ないか。なにせタミル語の映画では今やトップ女優のミーナさん、同時期に3本とか4本の映画にかけもちで出演して、忙しさに恋人も作る余裕がないと言い切るほどの仕事をこなし、平均で朝の7時から夜の9時まで働くとゆー女優魂には、とにかく驚嘆の一言より他にない。だから「ムトゥ」見てファンになったって人も、ミーナさんが会見で言っていたよーな血で書いた手紙なんか絶対にぜーったいに送っちゃだめだよ。

 コンピューターソフトの著作権に関する仕事をしているACCSの記者発表とパーティーをのぞく。発表の方より重要にして重大なミーナ様謁見の仕事をしていた関係で、発表には終わりにちょろりとした出られなかったけど、資料を見るとどーやら中古ソフト問題について訴訟を起こしたって事が書かれていて、1月からCESAって団体が中心になってやっている「中古ソフト撲滅キャンペーン」が1歩、いやいや10歩も進んでいよいよ公の法廷に議論の場が作られることになった。まかり間違えば自分たちの主張が認められない可能性もあるから、法廷に移すのは決して得策じゃないとは思うけど、5年10年の長い姿勢でとにか議論を前へと進めていく意味はあるから、あとは運用次第ってことになるでしょー。僕が生きている間に答えは果たして出るのかな。

 懇親パーティーではオラシオンの三野明洋社長がいたので「回りに歩いている文化庁をどうにかしないんですか」と例の”第2ジャスラック”絡みの話をたき付けたり、「なみろむ」に続く最新ソフトの予定は何なのか聞いた・・・けど教えてくれなかた・・・けど予想を上回るビッグネームが到来することに決まりつつあるらしーので、秋頃がちょと楽しみ。とはいっても、いったいどの当たりが凄いアーティストって事になるのかを考えると、おのずと決まってきそーな気がしないでもない。サザンあたりかねえ。それとも山達あたりとか。うーん。


【6月11日】 ワールドカップのブラジル対スコットランド戦を見つつ「トライガン」を見つつの夜。W杯の方は1対1で折り返した当たりまで見ていたけれど、意外やスコットランドが強いのにびっくり。だってゴール近くまで攻めて行ってちゃんとシュートを出せるんだから。って言ったらスコットランド人に怒られるかもしれないけれど、日本がアルゼンチンと戦う14日に、果たしてどれくらいシュートを撃たせてもらえるのか、って考えるとほとんど対等の試合運びをしていたスコットランドがエラく見える。

 日本だったら果たしてペナルティーエリアの前までボールを運んでいけるのか、Jリーグですらシュート1本とか2本とかって試合があるくらいだから、もしかしたらシュートゼロで終わってしまう可能性だってあるんだ、とまあ考えるとやっぱり心配だあな。こーなったら1点を取らなくても良い、せめて良い形を何度か見せる格好良い試合をしてやってくれと祈りつつ寝る。試合はまだ途中、でもどっちが勝ったってアレには(何だ?)関係ないから良いや。

 起きてコンピュータエンターテインメントソフトウェア協会の総会に行く。入ると居並ぶは業界の重鎮たち。いつもはジーンズに柄シャツだったりするハドソンの社長の人が、常任理事になって挨拶することを予想してか、ちゃーんと背広を着ていたのには驚いたけど、「ネットウェア」のノベルで会長まで務めた渡邊和也さんが新しい専務理事になったのにはもっと驚いた。NECでパソコン事業なんかを担当したこともあって、ビジネス系では知らない人のいない渡邊さんだけど、ゲーム業界で育って来た人には多分知らないおじいさんにしか見えず、そんな場所でどんな活動をして見せてくれるのか、人脈なんかを活用しての期待もあるけど、同じくらいの不安もつきまとう。

 終わってパーティー、やっぱり偉い人たちは前に集まってご歓談に花を咲かせ、合間を熱心なN経新聞とかが歩き回って仕事に汗を流す。こっちはと言えば立ち止まってぼーっと出席者の顔色伺い。理事になったタカラに監事になったトミーと玩具業界のメジャーが出席していたのが、玩具とゲームの垣根が薄れつつある状況を感じさせる。タカラからはビーストウォーズがらみで耳寄りな話。でもバンダイにはちょっと残念な話かもしれず、流行(はやり)物を扱う業界の難しさを強くつよく実感する。テクマクマヤコン。

 とはいえこれでしぶといのがバンダイ、土日に開かれる「コロコロコミック」の「次世代ワールドホビーショー」のバンダイブースには、きっとハイパーヨーヨーの演技にハイパーキャスティングの美人インストラクターを目当てに大勢の子供たちが集まるだろーし、あの謎めいた玩具「ジターリング」も意外や「SMAP」までが認知していたとゆー追い風があって、ちょっとした人気になるかもしれない。土日のショーではきっとまた販売するだろーから、何本かまとめ階して再び普及に励むか。

 何故か流行っていたのがワールドカップ関連のバッジ。状況した助教授は鳥のバッジでオリエンタルなエコノミックの記者は日本のユニフォームについてる炎のバッジをつけていた。会も終わり頃になると何時も颯爽と駆けつける丸山茂雄ソニー・ミュージックエンタテインメント社長(やっぱりなジーンズポロシャツスニーカー姿、あと白髪)もやっぱり鳥のバッジをつけていた。ここんとこ100円ピンズマシーンの繁殖に見掛けるとすぐ100円を入れてピンズを取り出し襟に付けて歩いていたけど、ここは世に習って明日にでもどっかでバッジを買って襟に付けよー。名前はえっと、コビー君だったっけ? それともアンクルトムだったかなあ??

 会社でSMEインターメディアから届いたリリース予定を眺めてマストバイな商品を見つける。その名も「YMO SELFSERVICE」はYMO結成20周年を記念する豪華版CD−ROM。何が豪華って2枚組CD−ROMの中にオリジナル曲114曲の全部がノーカットでフル収録されていて、おまけに未公開映像を含むプロモーションビデオとプロダクツを全収録、さらには未公開音源の8センチCDシングルも封入とあって、これはもーYMOで目を覚まさせられたお父さんから、テクノの元祖とあがめる若い人たちまで、こぞって購入に走るだろう。あたしももちろん買いまっせ。

 オラシオンが出した「なみろむ」でも曲数が段違いに多かったとはいえ、入っていたのは1コーラスだったから、これと比べるとフルコーラス収録ってのは画期的、だろーね。だってアルバムの枚数とか考えると全然お得なんだもん、まさに「単なるCD−ROMデータベース集というにはあまりにもスゴすぎる内容」だね。夏のウィンドウズ98フィーバーの中でパソコンを買おう悩んでいる30過ぎのオジサンも、昔馴染んだYMOを聞くためだけにパソコンを買おうって思うかもしんない。いやそこまでは言い過ぎだけど、持っている人なら物は試に買ってみたって損はない。けどウィンドウズ版なの? それともマックでもオッケー??チラシには何も書いてないからそれだけが今は関心。

 面白いと言えば流行のキャラクターベースのスケジュール管理ソフトに新顔登場。その名も「炎のセクレタリー ボディビルダーケン」は、熊でもなければたまごっちでもない、人読んで炎のボディビルダー、ケンがスケジュール管理からメールの簡単管理までしてくれるって内容の、夏も盛りな8月1日発売にピッタリのチョー熱すぎるソフト。チラシに載ってる画面写真には、覆面姿で筋肉をバンプアップしたボディービルダーが、秘書みたくチョコネンと机に座ったりお台所でマスクのカタログを見たりって絵が書いてあって、絵なのにムンムンと熱気(と腋臭)が漂って来る。でもこれって男が買うの? それとも女性が買うの?? 誰がどーゆーいきさつで作ったのか、開発者の顔が見てみてー。


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