縮刷版98年2月中旬号


【2月20日】 真夜中に破壊の神が降臨したらしく、朝起きると椅子が蝶番からひん曲がり、止めていたビスも抜けてまったく座れなくなっていた。とりたてて重く大きな物を載せた覚えはないし、たとえ知らぬ間に体重が増えていたのだとしても、前日の夜までまったく平気だったのが翌朝壊れているとゆーのは、どー考えても真夜中に靴屋の小人がハイホー、ハイホーとしゃしゃりでて、ドンジャラホイと椅子を壊して穴蔵に消えたに違いない。恐るべし、小人さん。

 壊れたのは椅子だけじゃなくヘッドホンも片方の耳当てが根っこから抜けて、もう片方は止まっていた部分が歪み再生不能になっていた。これは夜中に電気ストーブの前に置きっぱなしにしといたから、プラスチックが歪んだだけだけど、片耳が抜けたのはやっぱり謎。小人の存在が妙に信憑性を帯びてくる。今や積み上がった本に発掘不能な箇所も出て来ているだけに、何か得体の知れないものがいつのまにか育ってしまったのかもしれず、となるとますます片づけにくさに心が脅える。あと10年、放っておいてみよーか。小人も綺麗な女性になるかもしれんからなー。

 やっぱり力尽きたか「星方武侠アウトロースター」。これまで動きも書き込みもテレビシリーズとは思えないほどだったものが、動きは適当で書き込みも省略されてどこかノッペリした印象に変わっていた。それでも鈴鹿さんがたっぷりと出ていてくれたから、もうそれだけで見る価値撮る価値買う価値があるんだけどね。客観的にはとりたてて重要なエピソードも無い回だったから、とりあえずはこれで話を進めて次からまた再びな高クオリティーを目指したのか、あるは最初にOVA流して本編に入ってとたんに絵も動きも崩れた婦人警官アニメと似た道を歩むのか。とりあえず来週のクオリティーに以後の展開を含めて注目したい。

 ブリキの玩具で有名な会社で挨拶。最近はジグソーパズルのCD−ROMが結構なヒットで4月には新しいデジタル系のゲームソフトも出すそーだけど、本業のところで中空に浮くコマとかボールにじゃれる毛虫みたいなイタチみたいな玩具も結構な売れ行きを見せているよーで、小さいながらも得体のしれなささとゆーかニッポン玩具メーカーの底力を感じる。それでも全体に玩具はマーケットの縮小著しく、キャラクターで大当たりした上位何社のほかは、いずれも厳しい経営を余儀なくされているんだとか。そんな中でこの会社、ほかにラーメン屋やら貸しビルやら、いろいろとやっていて、とくにラーメン屋なんかは「HANAKO」にも紹介される程の賑わいで、やっぱりニッポン中小企業の底力を感じて嘆息する。

 玩具が繊維とならんで輸出の花形だった時代、日本が外国に輸出していたブリキの玩具の中でも最高峰に位置する「5人のギャング」ってゆーブリキのロボット玩具を出していたのがこの会社で、去年はその玩具の中でも現存しているのが3つしか確認されていない赤いロボットを何万ドルも出してサザビーで落札。来月の玩具ショーに出品するそーだけど、それまでは裏の倉庫に放り出してあるとかで、真夜中に忍び込んで戴いて帰ればしばらくは遊んでくらせるなー、などとイケナイことを考えてしまう。玩具ショーには全種類を揃えたいって意向で、揃わなくっても岡山の玩具の博物館に赤ロボを治めるまでには集めることにしているとか。そーなってしまってはいかなルパン3世でもゲットは難しくなるだろーから、やっぱり近く行動に移して、そのまま成田からトンズラと決め込むか。

 東洋出版という耳慣れない出版社から出ていた小林容子というさらに聞かない作家の「掌の中の小さな月」(1600円)とゆー本を読む。自費出版めいたテイストを感じて、もしかするととっても読みづらかったりベタベタなナルシズムに満ちた文章だったりするかもと躊躇する一方で、「月が欲情するとき この世の果てにひっそりと 幻のエロスの花が咲く。」とゆー帯の文句に引かれて、煩悩の赴くままについつい購入してしまう。読み始めると以外にも、まとまった文章と寝られた構成、そしてテーマの醸し出す切なさ悲しさに惹かれてぐいぐいっと最後まで読み通してしまった。いったいこの作家さん何者なんだ?

 美貌の姉と2人で暮らす貧相な妹のところにやってきた不良っぽい青年、それは姉妹の母の愛人で今は美貌の姉とつき合っている弁護士の息子で、家庭を崩壊させられた責任を貧相な妹に求めて家から連れ出す。やがて奇妙な性癖を持った男たちの間でもまれて。貧相だった妹は性に貪欲な女となったが、家庭に問題を抱えるミュージシャンと暮らし始めるようになってやがて一段の爛れた生活へと進んでいく・・・・ってな感じのストーリーが、ともすれば甘く温いイメージになるか火傷しそうに鋭いイメージになるところを、少女を連れ出した世慣れた青年のキャラクターが中和して、物語をまろやかにしている。エンディングに壮快感とは違う開放感。傑作かどうかは分からないけど秀作であることには違いない。そんなに高くない本だから、見つけたら買って読んでみよー。


【2月19日】 真夜中まで周防正行監督の「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」を読み続ける。今でこそ世界のクロサワの「乱」をあっけらかんと追い抜いて、日本映画としては米国で最も成功した映画となった「Shall we ダンス?」が、最初はダイナマイトボディーな爆弾ヤンキー娘が尋ねてきたところから始まって、ミラマックスの無理解な編集者にズタボロにカットされるとゆー屈辱を受け、交渉によって最大限まで自分の主張を通した作品にし、2度の全米横断ウルトラキャンペーンを経てのち大成功へと至る、その艱難辛苦の限りが面白くおかしく書かれていて、アメリカって国がいかにショウビズな国か、そして契約がいかに恐ろしいものかがよく分かって為になる。映画監督へのインタビューにも何を聞けば良くって何を聞いたら怒るのかも、自身の経験を踏まえて事細かに書かれていてホント為になるし耳がいたい。

 本場になぐり込みぃ、なんて熱血直情ナショナリズムな考えでいると、ホント尻の毛まで抜かれてしまいかねない。出るなら度胸も必要だけど、やぱり知識と冷静な判断力も大切ってことみたい。で同じミラマックスな「もののけ姫」が果たしていかな段階を経て米国公開されるのかに、俄然興味が湧いてきた。ハーヴィー・シザーハンズの異名をとるミラマックスが、あの長いながいもののけ姫をどう切り刻むのか(徳間社長は切させんと言っているけど、そんなことが許される契約になってるのかな?)、それからどんなキャンペーンを要求するのか。派手な話題になった割には未だにどれくらいの規模でいつから上映されるのか正式なアナウンスがないだけに、どこかの段階で契約やら宮崎監督の怒りやらがぐにょんぐにょんになってるのかな。

 「ブギーポップは笑わない」(電撃文庫)と良く似た表紙絵の本を見かけて購入。櫻井牧さんとゆー人の「瑠璃の惑星」(富士見ファンタジア文庫)で、、開くと表紙・口絵は松岡剛志とある。ちょっと違うなと思って「ブギーポップ」を見返すと、こっちは確か緒方剛志だったっけ。想像できるのは1人が別々の名字で書いているのかなってことだけど、こーゆー世界にはあんまり伝がないので真実の所はよく分からない。肝心の物語は銀河大学に通う大学生の青年2人がコスモビューティーの座を書けてブルマー姿でバレエを踊る、ってことじゃ絶対になく、エネルギー問題を一気に解決してしまうかもしれない謎を秘めた鉱石を探しに、辺境の惑星を訪れるって感じで進んで行く。

 貧乏でとにかく金が欲しくそのためには卒論で鉱石の研究をして良い点をとらなかった青年と、大金持ちの坊ちゃんでけれども会社は嗣がずに鉱石ばっかり見てくらしたいって青年の2人が訪れた惑星で見たものは、いないと言われていた生命と、それから謎の鉱石の生成の秘密だった。金に汚い青年と坊ちゃんのペアってどっかで見たよな聞いたよな。鉱石が出来上がる秘密とかがあっさりと明らかになったりして、最初もっと残酷な事を考えてハラハラしていたのがちょっと拍子抜けした感じ。襲ってくるテロリストたちもシリアスな割には弱く、かといってギャグの要素はカケラもないため、戦闘シーンに緊迫感も笑いもあまりなく、全体に平明な印象を受けた。心の交流とか生きていく意味の大切さとか金にはかえられないかけがいの無い物が存在していることの素晴らしさを教えてくれから、送られて来るメッセージはそれほど悪くはない。続編とかがありそーな雰囲気だけどさてどーだろー。

 分厚さに引きずられてダニエル・キイスの最新小説「眠り姫」(早川書房)を購入。といってもすぐには読めず週末に読めるのかも妖しく早くも積ん読リストの仲間入りが良そうされてちょっとまずいなーとゆー気持ちになる。「睡眠障害」とゆー障害は昼でも何でも突然眠り込んで起きないとゆー病気らしく、寝たい寝たいと思っていても仕事中だったり読書を途中でやめるのがモッタイナイってな貧乏性だったりして眠れなかったりする自分には、何ともうらやましー病気に思えて来る。けど眠っちゃ駄目な冬山で「睡眠障害」が起こったらまず凍死だし、運転中とかアレの最中とかに眠り込んでしまうのも、やっぱ相手に失礼だしいろいろマズイこともあるだろー。いや運転中じゃなく後の方ね。物語も解決も未定の段階で興味を引きそうな臭いがプンプン漂って来る作品。読んでいる最中に「睡眠障害」の発作が起きたら、やっぱキイスさん責任とってくれるのかな。


【2月18日】 真夜中までNIKEの裏社史を読み続ける。オニツカ(現アシックス)との蜜月が破局へと向かっていく過程での、誤解と曲解の積み重なりは今にして思えば世界に冠たる運道靴メーカーを産み出す苦しみだったとも言えるけど、これがなければ今頃アシックス、アメリカの陸上界に確固とした基盤を持ってもしかするとバスケットボールの世界でもコンバースやらアディダスに続く地位を確保していたかもしれず、ホント企業の命運ってなーちょっとしたことで大きく変わるものらしー。フィル・ナイトがオニツカと袂を分かつきったけになった日本人のおっさんのドライなやり方に、とかく情とそれからつながりに依存する日本人のビジネスが、1970年代ごろから大きく変わって来た姿を見る。NIKEを生み出したダークヒーローとして、このおっさん表彰されてもいーんじゃない。

 起きて向かうは幕張メッセ。わが社主催の墓堀イベント「マックワールド」の開幕に、世界にも希な林檎マークの機械の姿を拝みに行く。昔は吹き抜けを挟んで大きく2つのホールを使って開催していたイベントも、今年は屋根続きの1つのホールにおさまって、ハードもソフトも目玉のない中、即売会ばかりが大賑わいを見せていた。いつも出展のデジタローグとボイジャーの共同ブースをのぞくと、今日も朝からエンヤトットな萩野正昭・江並直美の両代表がブース前でビラ配りの真っ最中。なぜか江並さんお腹や胸囲や手の長さを巻き尺使って計られていて、聞くと春からコダックのCMに、出演するその衣装合わせをしているのだとか。いったい何のCMに出るんだろー。グラフィック加工ソフトでヒゲそって髪増やすとほらこんなにハンサムゥ・・・なCMではないことは多分確か。それならこっちが代わりに出たい。

 日経にくっちゃべってる雨宮慶太さんの映画作りの話をあれこれ。その名も「鉄甲機 ミカヅキ」は江並さんが「これが失敗したらあんたの映像作家生命終わりや」と雨宮さんを叱咤して作る映画で、リクルートの巨大資本をバックにもう周囲の期待の高いことと言ったら「タオの月」以上って当たり前か。CGの監督は特には置かないけれど、オムニバスを中心に優れたCG工房を参集させて映像を作り込み、マカラガも蒼くなって逃げ出すクリーチャーを作り上げて登場させるとゆーから、期待はそうねー、眉唾でもちょっとは興味ある。ちなみに脚本はあの薩川昭夫さん。「エヴァよりすごいものをとお願いしたらプレッシャーかかったみたい」と言ってたけれど、結構な物が出て来そーで後は絞り込みが問題。さてもどんな作品になるのものか、「ガメラ3」くらいには期待して待っていよー。

 会場を抜け出してとなりでやっているアミューズメント機器の展示会「AOU1998」をのぞく。交代以来なかなか表に出てこないセガ・エンタープライゼスの中山隼雄副会長(予定)が来賓として挨拶。良い機械を作ってるばっかりじゃなくって、施設の運営の方もアイデアを駆使していろいろやりましょうマーケティングも欠かせませんってな、どこかで聞いたことのあるコメントをしていた。全社あげてマーケティング会社に生まれ変わろーってしてるんだね、その意識が上の方にはずばーっと通ってる。だったら「三四郎」は早く何とかして頂きたいもの。あと中山さん「アミューズメント施設もやっぱカードが使えないと」ってな発言をしてたのが印象的。なるほど、とは思うけど例のパチンコカードの複雑怪奇な仕組みを思うと、それから1回が200円とか300円はかかるアミューズメント施設の運営形態を思うと、1000円とかいった小額した認められてないにカードじゃーやっぱり使えないってことになるのかな。

 会場内はもー新製品の渦うず渦。セガが「セガラリー2」に「バーチャロン2」の新型マシンでグリグリなCGを見せつければ、ナムコもスクウェアとの共同開発格ゲー「エアガイツ」にボディコンなお姉さんのデモをつけて観客の関心を集めてた。コンパニオンといえば一番すごかったのは「電車でGO!2」のタイトー。超ミニのお姉さんをピンクや黄色や赤や青、各色用意してマシンの周囲に配置して、来場者を悩殺し純朴な鉄道ファンの心をトロかしていた。それでも今日はまだ関係者向け公開だったけど、一般公開される19日はきっと鼻から血を出す少年もたくさん出るんじゃなかろーか。コンパニオンさんが運転台から降りる瞬間に目がキラリ、でも流石にカメラは向けられず、己がふがいなさを影で嘆く。

 コナミが配っていたでっかい袋の片面に押井守さんの名前を見つけてよく読むと、格闘ゲームの「バトルライスト」のムービー部分を監督じゃなくプロデュースしたのが押井さんてことらしく、制作の「プロダクションI.G」の名前とともに、どんな仕上がりの作品になっているのか興味が湧く。が時間がなくブースをのぞかなかったので、果たして上映されていたのかどーか未定。きっとゲーセンで流れることになるだろーから、少年の集うアミューズメントスポットに無理でも若作りして出かけるか。キャラクターデザインのSHUZILOW,HAって有名なの?

 プライズならやっぱりなバンプレスト。巨大で高価なプライズも提供可能になったことで、今までにない24センチの「ゴン太くん」やら25センチの「ウルトラマン」やら20センチの「スーパーロボット大戦」やら19センチの「ガッチャマン」&「キャシャーン」やらを、ガラスケースに陳列させて来場者のフィギュア魂をくすぐっていた。タツノコキャラは股間モッコリ胸ムックリな造形がナイス。「ピングー」も超カワイイ。これが当たるなら僕はいったいどれだけのお金を、マシンにつぎ込むことになるんだろー。投入される夏が不安。


【2月17日】 録画しておいたビデオを見る。先週の予告編どーりに「吸血姫美夕」は美麗な作画と耽美な物語が朝に屹立した男性の本能に強くつよく働きかける。まるでスッポンポンな蝶の妖精やお父さまが大好きな美少女の仕草が、テレビの画面からビンビンとアドレナリンを刺激する。けれども長髪が顔にかかった美形なお父さまの声がスペースコブラな野沢の那智っちゃんと解ったとたん、すーっと溜まった血がひいて、我に返った頭で着替えをして萎縮した体を背広で包み、鞄に本だけ詰め込んでいそいそと仕事に向かうのであった。ふーっ。

 それにしても今年に入って急激にクオリティーを上げつつある気がする「吸血姫美夕」、作画は心を入れ替えたみたいに綺麗だし、脚本も先週が村井さだゆきで今週は小中千昭と一流どころを使っている。物語自体も佳境を迎えつつあるよーで、来週は今週ご無沙汰だった冷羽ちゃんもご登場してのちょっぴりハードな展開に、美夕の過去もいよいよ明らかになるのかな。オンエア版のビデオのリリースにドラマCDとそれからエンディングもちゃんと入ったサントラCDのリリースも控えて、ますます盛り上がりな「吸血姫美夕」からしばらく目が離せそーもない、と書けば何かいいこと、あるかな?

 渋谷の道玄坂を真っ昼間に歩いてもいーことはない。真夜中に歩いたって1人じゃーいーことあるはずもないんだけど、それは無視して青葉台にある初台とは曰く因縁な会社の発表を聞く。あっちの週刊誌みたくパソコン誌へと方向転換することなく、その短い(でもあっちよりは一応長い)命を終えたゲーム週刊誌の後を受けて、とりあえずゲーム攻略情報を満載したムックを出すとゆー内容で、その名も「100万人の攻略」に、「1000万人のPC」がたどった不吉な運命を一瞬だけ見出すものの、明日創刊とゆーこの時期に、そんな不吉なことは言えないなーと思いつつも、しっかりと指摘する僕なのであった。嫌みなやっちゃなー。

 ほとんど攻略本テイストな詳しい内容の、けれどもいろいろなゲームの情報が入っているムックはちょっと珍しく、お安い値段が結構なファン層を獲得する可能性はアリと見た、けど本職の人たちがそう思ったから出したんであって、裏にはもっと別の狙いがあるのかな。例えば激しさを増す攻略本のライセンス獲得にどーしても取りこぼすタイトルを、ムックで救済(とゆーか獲得)して稼ぐとか。これだった自分ちの今や本業の攻略本とガチあって、ユーザーを迷わせ売り上げを減らすことにはならないし。とりあえず創刊号は「ゼノギアス」と「バイオハザード2」を大特集して価格は780円。売れたら月刊化なんてことになるんだろーけど、さて皮算用の狸は取れるか。

 もちっと確実っぽいのがやっぱりムックで25日に発売する「サッカルチョ」。聞けばドンピシャなタイトルは例のゲーム「Jリーグ プロサッカークラブをつくろう!2」の細かな攻略データを65ページに渡って取りあげつつ、他のサッカーゲームとか、リアルなJリーグにワールドカップの情報も拾っていく、いわばサッカー風な「ダビスタマガジン」だな。ソフト自体が末期なハードで割には、うまくすれば50万本だって夢じゃないだけに、ムックもその内容次第では結構な数ハケるんじゃなかろーか。3年目に入って選手がバタバタと故障したまま中段している我がマシーンにも是非ご示唆が戴きたいところではあるし。しかし”いつまでもあるとおもうなせがさたーん”の故事に習えば「プロサカ2」も6月まで人気が持つとは思えず、さて「サッカルチョ」次号以降はいかな展開を考えているのか謎もまだまだたっくさん。青葉台に日はいつ上る。

 あんまり宣伝したくなさそーだったけど、しっかり出すのが確実なファンがいるギャルゲーのムック。タイトルは忘れた。「100万人の攻略」にちゃんと広告も出てたけど、載っていたカットは赤井孝美さんなのかな、あとはポスターとかセル画をおまけにつけて、3月創刊で思いっきり男の子の財布と心を掴むそーな。とはいえ確かジャパンミックスからもギャルゲーの雑誌が出るみたいで、ガチ合うマーケットにそれぞれがいかなスタンスでのぞむのか。古いアニメ野郎には今の絵のトレンドが解らないだけに、出て来る物だけではちょっと先行きが判断できない。ここはやっぱり生き残り脱線ゲームの結果を待つしかないんだろー。さて結果が出るのは半年後? それとも10年後??

 久々に本買い。「スウッシュ」は名前のとーり水滴マークな「NIKE」のことを取り扱った本、と言えば早川から前に出た「ジャスト・ドゥ・イット」(ドナルド・カッツ、梶原克教訳、2200円)が思い浮かぶけど、こっちは「裏社史」の名前が表紙に踊っているよーに、インタビュー嫌いで鳴る総帥フィル・ナイトはもちろんNIKEからは一切の協力を受けずに書いた本。それだけに成功からその裏で動いたマネーやら人脈やら何やらかいやら、とにかく興味のつきないエピソードに彩られて読む人の好奇心を強くくすぐる。とにかく電話帳なみに分厚いので読み終えるまでが大変そーだけど、読み終えた時果たしてNIKEのファンでいられるか、それがちょっぴり楽しくもあり恐ろしくもある。

 アルタミラピクチャーズから周防正行さんの「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」が送られて来てラッキー、実は「スウッシュ」を買った店でいっしょに手に取るも重たくなりそーなので後回しにした本で、迷い箸もたまにはいーことがあるもんだと、優柔不断な自分を珍しく誉める。今や日本を代表する映画監督を言えば、米国ではクロサワじゃなくスオウだったりするよーで、その活躍と成功を支えたミラマックス始めアメリカの人々の映画にかける情熱と、アメリカに撃って出た周防監督やプロヂューサーの枡井さんの意気込みが、行間から熱く伝わって来る、と思う。ってのも実はまだほとんど読んでないんです。アカデミー賞へのノミネートは結局無理だったみたいだけど、「シコふんじゃった」の全米公開も決まりそーだし、いよいよ世界のスオウが映画の本場で大作を撮る日が近づいている、のかな。


【2月16日】 とりあえず終わりましたよ「マリア」。ゲームオーバーのない「YES−NO」チャートのよーなゲームはやってて楽なんで良いけれど、1度目に正直に選んでいった結果がすなわち自分の正確を如実に反映したものだと考えると、どーしても次をやってみよーとゆー気がおこらない。これはWARPの「リアルサウンド」でも感じたことだけど、別のキャラでやるとなんだか自分にウソついてるよーで、出てくる結果もなんだか自分じゃないよーで、どーにも居心地が悪いのです。

 そこをスパっと切り替えて、次はこーゆーキャラ(性格)でプレイだって割り切れる人が、今のゲーム世代なんだろー。あと小説読み慣れた目には4人だか5人だかの多重人格はなんだかちょっと物足りない。なんせビリー・ミリガンは24人だし、ジェニーは確か300人が複雑に絡み合っていたもんな。そんなんシナリオ化したらディスク4枚プレイ時間100時間でも終わらないだろーから、ゲームとしては適正規模なのかも。結果にはとりあえず満足。CGにも慣れるもんだな。

 全国牛乳普及協会のCMを見たかい? 宇宙マニアSFファンなら録画してでも見るべきだぜ、って録画に成功した訳じゃないけれど、いわゆるファーストコンタクトを描いたショートショートとしても、最高の部類に入るんじゃなかろーか。やや誉め殺し。内容はつまり宇宙のどっかの星にやって来た外国人の宇宙飛行士が、宇宙服を着たままでスペイン語だかポルトガル語だかでカメラに向かって喋りながら、となりの宇宙人が差し出した容器から何かを掬い取っておもむろにバイザー開けて食べる、ってここまでが半分。

 これだけでなんだかおかしいけれど、差し出されたのがただのヨーグルトだと解った途端にこの宇宙飛行士、「ただのヨーグルトじゃねーか」「地球の方が美味しいぞ」なんて罵倒をはじめ、それを聞いた宇宙人が怒りに体をブルブル振るわせると、背後にはる宇宙船がボカン! と爆発して終わる。もう最高。そこでナレーション「口は災いの元、牛乳はヨーグルトの素」。どーです、えっ面白くない? そーかなー。

 某誌の為に最後のお仕事、これでクビだと解っているとなんだか力が入らないけど、そこは某誌とまんざら関係がない訳じゃないゲームを終了した勢いで、適当に文章をでっちあげて適当にまとめる。うーん適当な記事が出来た。メールして完了、足りない脳味噌の筋肉をフルに駆使してえっちらおっちらを片づけていた仕事だけに、3カ月保っただけでも良しとするか。ミネルヴァ社のイワシのトマトサーデンをかじりながら安売り酒店で買ったBARRETT’Sの12年物を2口サイズのショットグラスでぐびぐび。真夜中まで勝手に祝杯をあげつつ、真綿のよーに忍び寄る情報統制に同情しつつ、夜が耽るのを待っていたら寝ちまった。また風邪ひいたみたい。

 早めに会社にいって、某誌と深ーい関係になってしまった某社の社長に聞いた話を記事にして出す。ライバル会社がそれだけで成功したと言っても決して過言ではないマーケティングとプロモーションを自分とこでも採り入れて、本格的なマーケティング会社として生まれ変わろうってな意気込みに、もっともっとユーザーの嗜好に合ったソフトを作るために、プロデューサーを内外から積極的に登用しては責任を預けてソフトをガンガン作ってもらおーってな決意を適当にまとめた記事。中身はないけど一応オリジナルとして出したら、普段からの行いが悪いのかあんまり大きく扱ってもらえず頭が曇る、がまーいー、載ってることが大切なんだ、当該の企業にとっては、さ。

 だいいち頭に持っていった発表記事だって、こっとがえっちらおっちら記者会見に出向いて書いた記事なんだし、一応仕事してるってことで、申し訳も立つんでしょー。その発表ってのは語学出版のアルクが日立ソフトウェアエンジニアリングってとこと組んで、インターネットとイントラネットを使って企業なんかを対象にした遠隔語学教育事業を始めるってこと。アルクが作った教材をサーバーにのっけてそれを企業が引っぱり出して、イントラネット使って企業内のパソコンに配信すればおおこれは便利、目の前のパソコンで英語のお勉強が出来てしまうって寸法だ。

 いちいち駅前に留学しなくても済むし、音声だって不思議なことに5段階のスピードでネットワークから流れて来るんだ、MDにだって不可能なことが出来てしまうたー、ネットも進んだもんだ。しかし総額で250万円近くはかかるこのシステムを、社員の語学向上のために導入してくれる企業があるってことが正直不思議。何せ福利厚生とは無縁な貧乏企業の社員なもので、やれ海の家だ軽井沢の保養所だってな言葉には、そこで繰り広げられる社内序列の延長線なんて一切気にせず、ただただゴージャスなんて羨ましく思ってしまうのです。うちの会社でも導入してくれないかなー、語学勉強してアメリカもしくはインドに放浪の旅に出るんだ。


【2月15日】 ついにサントリーも出して来たかの麦100%なビール「麦の贅沢」を飲んだおかげで、午後の8時には目が眩んでしまい起きたら午前の2時とゆー、時間の無駄遣いをしてしまって文章も書けず、同日内更新の体たらくを、思えば毎週末繰り返している気がする。だったら飲まなきゃいーものを、ついついスーパーの店頭に新製品が並んでいると試したくなる流行に弱い性向が、紙より髪より薄っぺらい意志とも相まって、アルコールをこの手にとらせてしまうのだあ。で「麦の贅沢」ははるか彼方より先行する「エビス」に比べて苦みが強く、キリンのえっと名前忘れた金色の缶の奴よりもさらにコクがある感じ。もちろんプレミアムじゃない同じサントリーの「モルツ」よりは100倍は濃い。例のアニメのお陰でエビス親派な人間には、濃すぎる味が2度目を与えない気がするが、さて他の人の舌にはどんな印象を与えるのか。もっとも麦100%ならハイネケンでじゅーぶん、値段も安いしって気もするんだけど。

 起きた勢いで「KEY」のDVDの2枚目を明け方までかけて見る。第5話から第8話まで、ちょーどキィが蛇目王子から勧誘されて教団へ出向いて男の子を直して「D」に襲われてさくらちゃん家に帰って来てさあデビューだ、って段階で、さてこれからいったいどーなるのか、まずは18日に発売の第3巻に期待がかかる。第9話の予告でいよいよデビューなるかなキィが、あの平板な声で「まじだぜ」と言うのがとってもおかしい。大袈裟な演技がちょーど良い声優にあって、これだけ抑揚のない役を演じるに当たって、今や大人気の岩男潤子も結構苦労したんじゃなかろーか。その甲斐あって見事デビューした「KEY」は、やがてアイドルグループ「チャム」を結成するも飛び抜けた人気を勘違いしてピンで売り出そーとしてストーカーに襲われるのであった、ってそりゃ「パーフェクトブルー」じゃないか。でもほら、名前だって巳真と未麻でいっしょだし。

 テレビ東京の早指しで福崎の猛攻をかわした米長が泥沼流の本領発揮で逆転勝ちした試合を見つつ、寝入ってしまい起きたら今度は午前11時だ。無駄遣いの王様はこれで貴重な休日の半分をすでに消化してしまった。もったいないもったいない。ちょーどスキージャンプのラージヒルが2回目のベスト10に入っていて、原田が飛んで船木が飛んで外人が飛んでどーにか金と銅をメダルを確保、良かったなあ。べらべらとチャンネルを回していると久々にテレビのNHK杯で羽生4冠王の試合が流れていて、おばけ屋敷相手にギリギリまで追いつめられながらもスルリとかわして逆転する見事なマジックを披露して見せてくれた。テレビで公文式のCMに宝塚の超美人と出演してニヤけている顔をウラヤマシイと思いつつも、2枚看板の名人と竜王を失って以降ちょっちナリをひそめていた羽生の凄みを、ホント久々に見せつけられた感じ。家にある7冠王時代の揮毫の入った扇子が今は貴重な品物だけど、再びの7冠に向かってまだまだ腕前衰えじ。

 日曜日といえば新聞チェック。何の為かは聞かないでね。景気が悪いのか昔ほど何ページに渡って広告が出ていることはなくなったけど、とくに日経の方にそれが顕著に現れているよーだけど、そんな中にも先週末にかけて大揺れに揺れたソニー・ミュージックエンタテインメントグループの広告を発見、ブームも去りつつある今登場するアニメ雑誌やコミック雑誌を含めた編集者が欲しいとソニー・マガジンズが言えば、SMEから映像制作部隊をミュージックビデオ関連を残してごっそりともらい受けて人数が倍近くにふくれあがっていよいよ本格的な映像制作会社として立ち上がる「はれときどきぶた」がスマッシュヒットなSPE・ビジュアルワークスもプロデューサーとアシスタントディレクターが欲しとを仰る。心揺れるもアニメにもコミックにも映像にも疎い身としては、火の車が燃え盛りつつも寒風吹きすさぶ岸辺で対岸の花火を見ながら焼け死ぬが凍死するしかなさそー。チョー暑寒い。

 肝心な広告は少ない癖に訳の分からない通販広告がタップリな日経。何と言っても今週のお勧めはブロンズ製の「坂本龍馬像」ではなかろーか。喜多敏勝、と言われても一向にその価値判然としない人の手になるこの竜馬像、高さは約30センチで重さは約3・2キロと、手に持って武器にするにはちょうどよろしい大きさで、中学生なら鞄に入れてナイフの代わりに振り回しても良し、オリンピックでもカーリングのストーンの代わりに氷上をすべらせればホラ、ニッポンの夜明けなんて言いながらアメリカのストーンを蹴散らしてくれるはずでしょう。って思いっ切り土佐人にケンカ売ってるな。しかし1000体限定のこの竜馬像、お値段も13万9000円とお高いけれど、昨今のフィギュアブームの中でもしかしたらスポーンやらアヤナミやらに混じって人気のアイティムに・・・なる筈はないか。ワンフェスで売ったら売れるかな? 西郷隆盛像とセットで。


【2月14日】 陽気に誘われて街までフラフラと出ていったら2月14日とゆーお日柄がよろしかったのか、もう熱くて暑くてしょーがない。デパートの入り口には赤い包み紙をどっちゃりと積んだワゴンがずらりと並んですごい人。今日は会社なんて休みだし、義理だったら昨日のうちにすでに配り終わってるはずだろーけど、今日はきょうとてガンバな人たちが、ワンサとワゴンに向かって愛を形に変えていた。こっちには1つも回って来ない愛だけど。しかし一向に収まる気配のないこの神戸だかのお菓子メーカーが始めた風習、オリンピック期間中の長野でも炸裂して外国から来た人たちに「どーしてバレンタインデーにチョコ喰うの」って不思議がられていたんだろーか、とまー想像なんてしながら、久々に青山方面へと向かう。

 ワタリウム美術館でポストカードをチェックし、そのまま歩いて原宿のデジタローグギャラリーへ。CD−ROMの現在を探る展示会ってゆーから、もっと先鋭的な陳列がしてあるのかと思いきや、どこかのパソコンショップが小さくなったって感じの、言ってしまえばただのCD−ROMの即売会で、デジタローグギャラリーらしさがあんまり感じらず、ちょっとガッカリする。とはいえCD−ROMとゆーメディアが、期待されながらも未だ2000枚売れれば最高ってな水準に止まっている中で、CD−ROMの特性が存分に活かされた作品をセレクトして並べ、「まだ生きてるんだよー」って主張するのは、たぶん意味のあることなんだろー。じゃあ買えよCD−ROMって言われそーだけど、でもやっぱゲームの方が面白いからねー。これじゃーやっぱ普及せんわ。

 ビッグコミックスピリッツに連載中の書道漫画「ラブレター」の第1巻が出ていたので購入する。努力型の秀才の前に、一切の努力とは無縁の天才が現れて2人で1人の男性を取り合うって設定自体はありがちだけど、あらゆるジャンルが試しつくされている漫画の世界で、書道を取りあげた漫画ってのには終ぞお目に掛かったことがなく、その目新しさと、ただ目新しいだけじゃない躍動するキャラクターに、ちょっと興味を持って眺めている。綺麗な漢字を書くよりも、意味のわかる平仮名を書いて感動させましょうってな展開は、相田みつお入っててちょっち嫌ーんな感じ。ややもすれば教訓めいた展開になりそーなところを、とりあえずは主人公の真琴ちゃんがパワーで粉砕してくれているので、しばらくは楽しく読めるでしょう。

 暑さにフラフラになりながら秋葉原へ。ふらり立ち寄ったLDショップでかの名作アニメ「長靴をはいた猫」のエンディングシーンが放映されていたのでついつい見入ってしまう。昔のアニメなんでもっとギクシャクした動きかと思っていたら、さすが劇場公開作品だけあって実に滑らかに動く動く。春に東映で劇場公開が予定されていて、どーしよーかなーと思っていたけど、これなら大きな劇場で見る価値は十分にあるね。このびっくりしたニャな「長靴をはいた猫」と、まだ家政婦じゃなかった市原悦子さん大活躍の「太陽の王子ホルス」と、それからボーアジュースな「空飛ぶゆうれい船」の東映動画作品が、久々にLDとして再発されたとかで、ラックの中から「買え」と叫んでいる声が聞こえて来たけど、手持ちのお金は森山大道の写真集を買うためにとってあるんだからと我慢して、後ろ髪ひかれる思いで店を出る。

 しかしあっさりと決心は覆され、別の店で去年の末からずーっと「買って」と叫び続けていた、「KEY」のDVDを発売中の第2巻まで購入してしまってスッカラカン。これだから秋葉原は恐ろしい。「みすてないでデイジー」は理性で我慢する。自分をロボットと信じている少女が、都会に出て来て世間の荒波にもまれながらも人間になるために3万人の友だちを集めよーと頑張る話、らしーけど実はこれが初見だったりするのですでに完結したLDがどーゆーエンディングになっていたかは知らない。ロボットみたく抑揚なく喋る岩男潤子の演技は果たして演技なのかと思っていたら、ときどき普通に喋るシーンもあるから、きっと話が進むに従って、喋りも普通になっていくんだろー。前は「アヤナミ」もどきな少女を登場させていた少年マガジン連載の漫画が、最近は「KEY]パクリなキャラクターを登場させているなあ。意外と人気あるのかな。


【2月13日】 いよいよ登場の「黄昏の鈴鹿」は8時間耐久がスタートから6時間くらいたって疲れが1番ピークに来ている時間帯にライダーが見る天国から美女がお出でお出でをする夢とは関係ない。「星方武侠アウトロースター」でオープニングに登場している3人の女性のうち、トランクから素っ裸で現れた人造美女のメルフィナと、クタールクタールの獣娘はすでにジーンとの絡みを終えて、残るは和風な出で立ちがとってもソソる美女ただ1人、いったいいかなる形で現れるかと楽しみにしていたら案の定、ジーンが昔助けた武器商人で、んでもってジーンとジムが大好きなフレッド・ロー(男)を狙う美しき暗殺者の役で、第6話にして乞われるご期待のご登場と相成った。

 で、やっぱりジーンと1戦交えることになるんだけど、「黄昏の鈴鹿」なんて言われる凄腕の殺し屋の割には、ジーン相手に油断はするし圧倒的な強さも発揮せず、最後は帯をとられて身動きが取れなくなって、あっさりジーンに破れてしまう。1流だったらたとえスッポンポンになっても相手を倒しに行くものなんじゃない? それともジーン見かけによらず圧倒的以上に強いのか。とまれ来週からも物語にから見続ける鈴鹿サンにとっても注目。まあ初代ルパンの五右衛門みたく最初は敵、それから見方で恋人だったこともあったかもしれないな腐れ縁を披露していくことになるんだろー。みやむー演じる獣娘がちょっと不利、やっぱ脱ぐしかないでしょー。

 ついに登場したか最終兵器はソニー・ミュージックエンタテインメントの副会長で、んでもってCEOに復帰して世間の(といっても狭い世間だ音楽業界のことだけど)耳目を集めた丸山茂雄御大が、一度外れた下馬評をほとんど2年振りに読み返す形で社長に就任することになった。直接レコード業界は担当じゃない気安さから、日経が書いていた記事を見て早速広報に電話して、もしも丸山さんの会見があるとしたら、ちゃんと背広を着てくるか、それともポロシャツにスニーカーにジーンズにブレザーで来るかどーかを聞いたけど、流石に教えてくれなかった、って聞く方も聞く方だけど。

 そこでどっちだって賭けてもよかったんだけど、流石に昨今の経済情勢を考えると(関係ないけど)賭博は自粛すべきとの内心は結論に落ちついて、何も切り出さずに電話を切る。前にナムコが河原敏文さんのポリゴンピクチュアズと提携してそれからソニー・コンピュータエンタテインメントも含めて3社でCG映画の会社を立ち上げた時、会見に来ていた丸山さんは何故か背広姿でネクタイを絞めていて、ポロシャツに賭けよーとしていた業界雀をがっかりさせた記憶もあるから、最新号の「プレイボーイ」でポロシャツ姿を披露してくれていても、結構慎重にならざるを得ない。

 さて結果はとゆーと、やっぱりポロシャツジーパンブレザースニーカーな白い頭のおじさんが登場したそーで、これなら賭けておけばガッポリだったと、ちょっと残念な気持ちにかられる。会見ではソフトを頑張って作って行きますってなことを喋っていたそーだけど、面白かったのはその後、会長も社長も奥へと引っ込んでからの事で、社長就任の記事をトバした日経新聞に向かって、SMEの証券業務の担当とおぼしき人たちが、何で書くんだこの野郎的な雑言を浴びせて、結構紛糾していたらしい。人づてに聞いた話なんで、どーしてどんな風に紛糾したかまでは分からない。これなら是非とも無理してでも会場に駆けつけるんだったと、今になって悔やむ。

 普通だったら、記者クラブに発表の申し込みがあっても、社長人事が入っていればトタってのがクラブが発表を受ける場合のおおまかな取り決めで、先触れしてしまった行為そのものを指弾されることには日経じゅうぶんに反論できるはずだけど、それを真っ向から主張もせずに最初は謝ったらしーから、日経あるいは先に資料だけガメておき、掲載は何日以降なんてアドバンスももらっていたにも関わらず、スコーンと紙面化してしまったことに対して、SMEサイドが裏切りを感じて怒っているのかもしれなんと、抜かれついでにそんな邪推をしていみる。話し合いは結構遅くまで続いていたみたいなので、手打ちなり倍賞なりどーかしたって答えが、明日の新聞朝刊にどー載るのかどーか、ちょっとだけ楽しみな気分、です。

 丸山さんが大復活を遂げた一方で、丸山さんと2頭体制でどっちかってーとアイドルっぽい人たちを生んでは育ててきた稲垣さんは、丸山さんが本体の常勤役員をはずれた時にいっしょに、関連会社で戦略会社と自称していたSME・アクセルの社長に就任していた。それが奇しくも丸さん復帰と同じ時期に、ワーナー・ミュージック・ジャパンのトップに就任することが明らかとなり、一時はトップレースから外れて本体から離れた2人が、その後こーまで道を隔てて結局は商売敵どーしになるとは、誠おじさんたちの世界も結構どろんどろんとしているなーと、永遠にそんな抗争とは無縁なマイナー企業に所属する身を、こんな時だけ得したと、絶対に思わねえよ。

 とりあえず羽田へ行ってえらい人に会うけれど、とてもえらい人はいなかったって当たり前か滅多に出てこないからね。徳中さん家で丸山さんもいた所に対抗すべく、次はあっちみたいにマーケティングもプロモーションもバリバリで行くってことを聞いたけど、果たしてどっから人材を持って来る気なんだろー。「三四郎」のセンスじゃやっぱねえ。クリスマス編で後ずさりするスカート姿の女の子(の「白」)が良かったけれど、総じてやっぱり泥くさかったもんなあ。とまれお疲れのご様子で、だんだんと言葉が短くなっていくえらい人。先はまだ長い、はずだけど市ヶ谷見てるとそーとも言えず、うーんやっぱり無縁なマイナー会社で良かった、かな。


【2月12日】 「みすて・・・られないデイジー」。といっても未だLDは腕組みしたまま思案の最中で、結論までにはあと数秒はかかりそーだから、とりあえずはあのまるで夢の中の出来事のよーだった、テレビアニメ「みすてないでデイジー」のストーリーや設定に、本家漫画版「デイジー」の単行本未収録作品やらファン(といってもプロの方々)の熱いメッセージをテンコ盛りした薄い本「みすてないでデイジーメモリアルブック」を買って様子を見ることにする。米田裕さん編集だけに、最初から最後どころか表から裏までぎっしりと、それこそカバーを外した中身の表紙からアンケート用の葉書まで、「デイジー」がいっぱい詰まった永野ファンにはお買い得の本だけど、そんな永野ファンにとっておそらくは鬼門とも言えるアニメのダイジェストが冒頭に来ているだけに、これは読み込むのになかなかな覚悟がいるんじゃないかと、そんな心配をしてしまった。

 少なくともイラストやらエッセイを寄せている、唐沢なをきさんに火浦功さんに青木光恵さんに水玉螢之丞さんら筋金入りの永野ファンは、ものの見事にアニメについての言及を避けている、ように思う。永野さん本人に至ってはいわずもがなで、娘さんともどもアフレコ現場に行ったルポを掲載しているし、カバーを剥がした本体の表紙にはアニメ化を記念する店頭用の自筆のPOP が紹介されていて、その喜びよーが文字やイラストからびんびんと伝わって来る。唯一アニメへの率直な感想が「月刊コミックビーム」誌上に寄せられた葉書の転載という形で掲載されているけれど、それすら最初は「?」だったけど最後は感動、ってな流れになっていて、これじゃーまるで朝日新聞の投書欄じゃん、なんてより目的とする方向へと世論を導かんとする、編集側の強い意志を感じてしまった。

 漫画に関してのコーナーで、徳間版とアスキー版の「デイジー」の違いなんかを列挙したページはさすがに見事な仕事で、へーこんなに変わってたんだってことを目の当たりに確認することができた。だったら横に「アニメ」のデイジーちゃん歩野くんを添えちゃって・・・ってやるから嫌みな奴だと嫌われるんだな、いや反省。ともかくも諸手を上げて永野のりこさんの画業すべてを享受できるファンだったら、950円は絶対に買って損のない値段。帯に着いた応募券を送ると、何とあの傑作アニメ「みすてないでデイジー」のセル画福袋が当たるってんだから・・・えっ、いらない? そう言わずにもらってやって下さいな。きっと200年後にはすっげー価値が出ますから。プレミア狙いってことで、そーだなやっぱLDも買っておくか。

 会社に行きがてらスポーツ新聞をあれこれ買い込む。目的はもー分かっているよね僕の性向を知っている人だったら。そうあの里谷多英ちゃんがモーグルでかっとんで入るシーンの写真を見たかったから。それもただスラロームでくいくいっと腰を動かしているシーンじゃなく、2回目のジャンプででっかく足を広げてコザックを決めているシーン、それも正面からバッチリと写っているヤツを手に入れるためだ。で買った日刊スポーツはそんなシーンはカケラも載っておらず、スポーツ報知は載っていたけど加工のせいか今一よくポーズが見えない。で結局1番よかったのが僚紙サンケイスポーツで、これはもー正面からバッチリと、H型に決まった瞬間を捉えた写真を掲載していて使い勝手が良さそうだった。ファンなら永久保存だな。たぶんオリンピック後に刊行されるサンスポ別冊あたりにも収録されるからファンならずとも要チェックだ。しかし親がどーの家族がどーのとゆー報道を非難しているその口で、おっぴろげ大歓迎なんつっても説得力ないわなー。

 神保町あたりでゲームソフトの値段なんぞをチェック。うーんここでも「セングラ(セチグラ、チメグラetc)は4000円を切っているか。いっぽうチュンソフトの「街」はまだ4980円くらいを維持して、やっぱり落ちない「グランディア」ともどもサターン関連ではそこそこの人気を保っていることを伺わせた。おっと「マリア」も値引き幅そんなに大きくなかったからご安心を。PSではスクウェアの新作RPG「ゼノギアス」が発売直後とゆーことで山積み平積みになっていて、ついでにモニターでオープニングのシーンなんかを放映していたけれど、その緻密さたるや一般のセルアニメにも絶対に劣らず、金かけてるなー時間かけてるなーってことが改めてよく分かった。普通のセルアニメとはちょっと違った色調質感動きには、オールドな人間ちょっと違和感。それでも4月発売の「双界儀」ともどもちょっぴり触ってみたいソフトで、このまま引きずり込まれてPS者にもなってしまうのかと、一向に増えない財布の中身を見おろしつつ、深ーい溜息をつく。「デイジー」のLDもあるしなー(って買う気なのかよ?)


【2月11日】 LDが発売になっていたのを見て録画してあった「新世紀エヴァンゲリオン」の第21話から23話までを見返す。思えばちょうど去年の今頃は、春の劇場版公開を前に期待に胸を躍らせつつ、その年の末にようやく購入したVTRのありがたみを享受していたっけか。まだ夢があったなあ。その夢も最初は2月14日の、作品が間に合わず夏に半分ズレ込むとゆー発表を聞いてちょっと醒め、夏の映画が終わってもう次はないんだとゆー感慨にすーっと引いてしまい、今は夢の残滓にすがりつつ、3月の「真エヴァ」公開を待っているから始末に終えないんだけどね。角川社長には聞かなかったけど、劇場版のビデオはいったいキングから出るんだろーか、それとも出資した角川が権利を主張するんだろーか。どっちになるにしてもさっさと発売して戴きたいんだけど、それでもDVDはずっと先になるんだろー。もちっと普及してくれればなー。

 珍しくちゃんと起きれた休日は、折角なので初台のNTTインターコミュニケーションセンターへと出向いて「荒川修作/マドリン・ギンズ展」を見に行く。新宿駅からトロトロと歩いて天下の某アスキーと某エニックスと、それから吉野屋を見おろすようにそびえ立った東京オペラシティタワーには初見参。もっとハイブロウな雰囲気かと思っていたら、アトリウムがあってカフェテリアもあって人が結構歩いていて、繁華街から外れた地域の休日にしては結構な賑わいを見せていた。2階にある紀伊国屋書店に入って「噂の真相」をペラペラ。柳美里さんを巡る記事を読んでなるほど大新聞社の文芸記者ともなると真相が噂される身なんだと、その内容その真偽はともかくちょっとだけウラヤマしく思う。小新聞社のおたく記者じゃー噂にもならんわな。

 荒川修作と言えば最近の話題は岐阜県の養老山地に作られた異次元空間「養老天命反転地」。宮崎駿監督が興味があると言ったからか、今月発売の「アニメージュ」で編集長自ら訪れてルポを掲載しているから、アニメファンにもまんざら無関係ではなかったりするけれど、ちょいこじつけっぽい気がするし誌面で思いっきり浮いている気もしないでもない。紹介の仕方もまるで遊園地かアミューズメントパークって感じで、美術雑誌が見たらひっくり返りそーだけど、でも作り手の高みに立たずに肌で感じて欲しいってな考えを、一番反映した紹介記事かもしれんなー。やっぱ1度行かんとかんかなー。夏のSF大会前後に行って見るか、でも暑そーだなー。

 「ICC」にある荒川さんの作品は、どぅえーっかい台の上に積み重ねられるよーに作られた建築物の集合体。半カケのバウムクーヘンをズラしながら幾重にも積み重ねてそれらを渡り廊下でつないだって感じの(どんな感じだ)集合住宅は、何でも東京臨海副都心への建築を目的にしているそーで、もしもこんな場所に住めたなら、複雑怪奇につなぎ合わされた部屋から部屋へ、毎日楽しく歩き回れそーな気がしてわくわくしてくる。1発で自宅に帰れないかもしれないって不安はあるけれど、新しい発見とか出会いもありそーだし。あと渡り廊下って構築物には子供心を擽(くすぐ)る何かがある。今ある場所から別の場所へと向かうために通る天上の道って感じがするからなのかな。脇にそれることのできる地上の道とは違って、否が応でも指定の場所へと連れて行かれる、導かれる感じがするからなのかな。「渡り廊下論」でもちょっと考えてみよーか。

 もっとも荒川さんの作品はこれだけで、後は常設展示室にあるメディアアートの数々をそぞろ歩きながら見て回る。最初の部屋で2人の脳波をシンクロさせて明かりをつけてソーラーカーを走らせる出し物を体験。1人で行ったため相手がおらず、受付のお姉さんと向かい合って脳波をシンクロさせよーとするものの、「2人の心を1つに」なんて想像がかえって妄想へと膨らんで、ついでに別のところも膨らんで、明かりがピカーっと光ってソーラーカーがはしゃぎ回るってな展開にはならなかった。こんなんだったら相手の顔、もっと良く見ておくんだった。んでもって相手のモニターに興奮の脳波パターンをたぎらせておくんだった。俺の愛の脳派を見ろ! ってゆーか。

 ダムタイプの「OR」シリーズのインスタレーションになぜか長時間足をとめられる。床に並べられた4枚の縦長のパネルには、白い服を着て白いシーツの上に横たわる女性と男性がほぼ等身大で映し出されて、それが右から左へ、上から下へとどんどん切り替わっていく作品。そんな作品にどーして20分も30分も見入っていられるかとゆーと、4人か5人かいる男女のモデルの1人が、仰向けになったり仰臥したりとポーズをしたその中に、どうにもソソるポーズの女性がいて、その彼女がもう1度出てくるのを待っていたら、あっとゆー間に20分くらいたってしまった。崇高な芸術を男の煩悩で見てしまっていーんでしょーか。まだ崇高な芸術をアニメファンならではの童心で遊び倒してしまう方がいーのかも。


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