縮刷版97年8月上旬号


【8月10日】 録画しておいた「ねらわれた学園」の第2回目を見る。学園にじわじわと忍び寄る危機、けれどもまだそれに気づいている人は少ない、ってな「学園ものジュブナイルSF」の王道を行く展開は、まるで往年の「少年ドラマシリーズ」を見ているよーだけど、女子高生たちがパーティーで知り合った代理店の人に会社のペンションを借りて遊びに行こーよーと相談するシチュエーションは、およそ20年前では考えられない現代ならではのもの。泡吹きながら暴れる花キャベツ頭の少年がピアスしていた(よーに見えたけど未確認)り、男子生徒のパンツがみんなダブダブだったりするあたりも、今のトレンドを存分にしっかり取り入れている。もちろん女子構成のミニスカートにルーズソックスも、ね。

 たぶん現在絶賛好評貸し出し中な劇場版の「ねらわれた学園」を見た生徒たちと同世代の人だと、実に真面目な高校生たちの姿にあるいは違和感を覚えたかもしれないけれど、テレビ版の方はそのあたりがちゃんと修正されている、ってもこーした「女子高生=ルーズソックス」的連想が大人の偏見なのかもしれないので、両方とも見ている現役の学生さんたちに感想を聞いてみたいところですね。僕はどちらも好きです、真面目でおどおどとした和美もきゃらきゃらして明るい和美も。あと響子役の三輪ひとみさんがとーってもいーです注目してます唾つけます。

 次回「響焉(きょうえん)」(このサブタイトルも格好いーんだよね、第1話の「序象(じょしょう)と第2話の「響騒(きょうそう)」も)はいよいよ高見沢みちる様がご登場。劇場版の佐伯日菜子さんもおどろ可愛いかったけど、テレビ版の馬渕英里何さんも目が怖いそーなんで、ちょっち注目。それから再来週の第4回からは劇場版を撮った清水厚さんが監督を務めるので、どんな映像を見せてくれるのかすっげー注目してる。「キネマ旬報」8月下旬号に劇場版「ねらわれが学園」のレビューが出ていて、「スローモーションの扱いや間の扱いが佐藤嗣麻子監督に、そしてカメラアングルが師匠に当たる実相時昭雄監督と類似していようが」、その映像から作り手としてのやる気が感じられたと評されているだけあって、きっとテレビ版でもすっげー”炸裂した”映像を見せてくれるだろー。そーですよね、板谷健一@ギャガ・プロダクションさん。

 エンディングテーマを聞いて「どっかで聞いたことある声だなー」と思ってスタッフロールを見ていて吃驚「おー、飯島真理さんだ」。久しぶりにテレビで聞くその「粒だちのよい」(by難波弘之さんin大昔のSFマガジン)澄んだお声は昔といささかも変わっておらず、むしろ歳を重ねるに従ってどんどんと「歌」としての純度を増しているよーな気がさえする。今年はマクロス15周年で「リン・ミンメイ」としての飯島真理が思い出される年かもしれないけれど、デビューアルバムの「ロゼ」(坂本龍一プロデュースだぜ)以来続けて来たアーティストとしての活動も、継続しかつ進歩し続けているんだってことを忘れちゃいけない。

 ってんで秋葉原に行ってディスクマップで10日(つまり今日だ)発売のニューアルバム「Europe」(イースト・ウエスト・ジャパン)を買う。久しぶりだなあ前に買ったのは確かMMGの頃の「イッツ・ア・ラヴ・シング」だったけか。ピアノのイントロがテンポ良く心地よい(ちょっとコムロっぽい)「Brand New Day」から始まって、2曲目が注目の「ねらわれた学園」エンディングテーマ「三日月のカヌー」。「ねら学」のエンディングで歌詞を聞いた時にはいったい「三日月のカヌーってなんだろー、月のことかなー」なんて思ってたけど、ライナーに「皆既日食の起こっているその空を見上げながら書きました」と書いてでポンと手を叩いた。なるほどねえ。

 この「三日月のカヌー」、飯島さん自身がが「とびきりユニークな作品」と書いているように、歌詞もメロディーもアレンジもとっても不思議な感じの作品で、トローンとしたAパートからサビとなるBパートへと移った時の、パッと眼前が開かれるような感じが凄く良い。”まいふぇいばりっと飯島真理”な「ブルーベリージャム」(「ロゼ」収録)を思い出した、うんあの「いっつ、ぶーべーりじゃーむ、ぶるべーりじゃーむ」って変わるあありの雰囲気。Bパートのメロディーのバックで流れるアコっぽいギターの旋律も気持ち良いし、Cパート部分の盛り上がりもクライマックスの達成感を感じさせてくれる。割と標準的な曲が多いなかで、どーしてこんな「ユニーク」な曲をシングルカットしてテレビ版「ねらわれた学園」のエンディングにしたのか事情は解らないけれど、僕は1番好きです。選んだ人エライ!

 ついでだ毒を喰らわば机の脚までだ石丸電気でテレビ版「エコエコアザラク」のLD−BOX「エコエコアザラク THE SERIES」を予約する。前半までを収録したシリーズは多分半分以上をテレビで見ているけれど、肝心の最初の清水厚さん監督のパートを見逃しちゃったんだよねなんせ「エヴァ」の再放送と重なってたんでビデオで撮れなくって。それと今日までに予約をすると8月30日に開かれる佐伯日菜子さんご来臨のスペシャルイベントに参加できるんだーい。30分の上映会と佐伯日菜子さんのトークショウとプレゼント抽選会があるそーで、きっと佐伯さん、会場では真夏なのにちゃんとシリーズで着ていた冬服のセーラー服姿で上目遣いに周囲を睨みながら「エコエコアザラクエコエコザメラク」なんて唱えてくれるでしょー期待しています。

 しかしいよいよ出る金も省みずLD−BOXを予約するよーになってしまったかこの僕も。冬にビデオ買って夏にDVD&LD買ってその間に買ったビデオとLDは確実に10万円は越えた。それだけあればたくさんの本と超たくさんの漫画が買えたのにい。だからこの歳まで映像系には手を出してこなかったんだ。あーあもう破滅だな、車を買うプランもマンションを買うプランも。なお結婚は相手様のおられることなので除外させていただきます悪しからず(泣っ)。

 お盆前の朝日新聞はつまらない。だって求人広告がグッと減ってしまうんですもの。あれ見ていると結構仕事のネタが見つかるんですよ、意外な会社が意外な分野で人材を募集したりして、次はそっちほ方に乗り出すのかってことが解かって。ってな理由をいったい誰が信じるか! それはさておき唯一興味を引いたのがドリカムに逃げられたソニー・ミュージックエンタテイメントのグループ会社大募集。本体の募集がないのが応募者には引っかかるところだろーけど、こまめに見ていくと例えば「SPE・ビジュアルワークス」なんて映像プロデューサーを募集しているから、これからの多チャンネル時代に一旗あげたいってな人には、乗ってみる価値のある話かもしれない。

 えっ、「SPE・ビジュアルワークス」なんて会社知らない? ごもっとも、だって今年の1月に設立されたばっかりの会社なんだもん。でも実績はすごいよ、なんてったって「はれときどきぶた」を製作してる。あのオタキング岡田斗司夫さんが今一番のお気に入りが「ポケモン」とそして「はれぶた」。「るろうに剣心」でビギナーズラックを引き当てた会社が、満を持して送り出した分社後初の作品だけに、社長の人も放映前から結構自身ありげに話していたけど、まさか本当に人気が出るとは思わなかった。社長の人は結構アニメ好きそーだし、会社もしばらくはアニメ主体で行くそーなので、大SONYをバックにアニメで名を上げたいってな人は一考の価値あり。さあ履歴書を買いに行こー(爆っ)。


【8月9日】 「噂の真相」9月号を買う。「ロフトプラスワン」のスケジュールでは、「創」ではバツ印が付いていた9月7日は別の企画が入っていて、たぶんこっちの方が後から印刷所に回ったんだろーと推測できる。締め切りが遅いと取材の時間も長く取れるのか、「ガロ」休刊に関する記事は内容のディープさで「噂真」の勝利。「創」では経営側が売却先として考えた「O」なる人物の記述がすっぽりと抜けていたし、赤瀬川源平さん、南伸坊さん、唐沢俊一さんといった面々のコメントを抑えて、長井勝一さん亡き後の「ガロ」という雑誌がおかれていた状況を清濁あわせて記している。

 僕自身について言えば、今までに読んだことがないからといって、決して「ガロ」なんか存在していなくっても良いとは思っていない。憧れも尊敬も崇拝もしていないけれど、メジャーな週刊誌とは対局に位置して、漫画という表現形式の多様性を表す存在として、「ガロ」という雑誌が持っていた価値は十分に認識している。いみじくも同じ号の「噂真」所収「メディア裏最前線」で山崎京次さんが書いている言葉「マンガ状況にはそれほどの大きな影響を与えはしないだろうが、マンガにとってこれは事件である」が、決して主体的にその存在意義を理解してはいなくても、同じような漫画ばかりが世にあふれている状況、そしてじわじわと広がる漫画離れにぼんやりとした危機感を感じている薄い漫画ファンの気持ちを、端的に代弁してくれていると思う。

 「ガロ」は「ガロ」だからこそ「ガロ」なのであって、「ガロ」の作家が大挙して移籍して「ゴロ」あるいは「ガポ」という雑誌を慣行しても、それはたぶん「続ガロ」とも「新ガロ」とも見られることはないような気がする。ブランドというポジティブな言葉で表すにしろ、レッテルというネガティブな言葉で表すにしろ、それだけ「ガロ」という題字に染み着いたイメージというか固定観念というか価値というものは濃く強く大きい。可能ならば守り伝えていって頂きたい。もっとも同じようなブランドなりレッテルを持っていた「朝日ジャーナル」が、廃刊となって幾年も経っていない今現在においてその存在を懐かしむ声の一切も聞こえて来ないことを考えると、「言論」あるいは「報道」と「漫画」の表現形式こそ違え、雑誌にブランドやレッテルなど似合わない時代になってしまったのかもしれない。必要なのはただ中身だけ、それもセンセーショナルでエキサイティングでファンタスティックな。

 例えば「フライデー」8月22日・29日合併号なんてセンセーショナルさといいエキサイティングさといいファンタスティックさといいもう最高。なんてったってあの「SPEED」1の美少女・上原多香子ちゃんのタワワなタニマがカラーでばっちり撮られてる。お台場で開かれたファースト・ライブの最中、腰をかがめた瞬間を正面からパッチリやられた写真のようで、タンクトップの開いた襟刳りから重力に逆らえず釣り鐘状に垂れ下がった双球が、深々とした立派なタニマを構築してくれている。もう「タニマニア」にはタマりません、きっとガラパゴス諸島でゾウガメ撃ちを楽しんでいるのかジブラルタル海峡を泳いで横断しているのかサウスダコタでマウントラシュモアを刻んでいるのか解らないけどとにかく行方不明中の某助教授も、買ってパウチッコして下敷きに挟んで講義の時に持ち歩いて生徒に自慢したくなるでしょう。でもたぶん行方不明だから買えないんだよね。よね。

 休刊日前の土曜日はクジ引きで順番に電話番が回ってくることになっていて、8月のお盆前の1番ヒマな時に運悪く順番が当たってしまい、昼前から4時頃まで会社でウダウダと過ごす。彩文館出版から届いていた小包を開けると中から「ノストラダまス」(952円)が出てきたので、読みながら時間を潰す。要するにノストラダムスの予言はどうにでも解釈できるんだってことを示した本で、例えば「ミニスカポリス」が始まって人気になることとか、碇シンジが映画の中で青春の滴を迸(ほとばし)らせたこととか、香取慎吾が「赤ずきんチャチャ」でリーヤを演じたこととか、「ときめきメモリアル」の人気が凋落し代わりに「トゥルーラブストーリー」に「ときメモ」ファンが群がることとか、これ全部ノストラダムスによって予言されていたことなんだとか。実写版の藤崎詩織は実は男ってことも予言されている、ってことは吹石一恵は男なのか?

 巻末は例の「恐怖の大王」に関する解釈を総特集していて、本の中で明らかにされた解釈の方法その他を駆使して、幾通りもの解釈を列挙して遊んでいる。「恐怖の大王」が「理不尽大王」の冬木だとする説などまだおとなしい方で、たとえばF1界きっての壊し屋チェザリスこそが「恐怖の大王」で近くF1に復帰するとか、ミト王子登場の「最強ロボ・ダイオージャ」こそが「恐怖の大王」であるとかいった具合。「聖飢魔2」とか「王様」あたりを持って来ているところに、考えた人たちの薄さ弱さを感じるけれど、それまでが結構笑えたので見逃してあげる。でもこんな本、工業新聞にどうせいちゅうんじゃ。いっそ「ノストラダまス企業編」でも作りますか。

 留守番も終わったのでアベックで沸き立つ原宿に1人降りたちムットーニの製作した自動人形の展覧会をラフォーレミュージアムで観賞する。なんともレトロでけれどもモダンな、ちょうど「メトロポリス」に出てきた未来都市を想起する造形物の中で、やっぱりレトロでモダンな格好をした人形が踊ったり歌ったりする「機械」が幾つも展示されてい。「15分ごとに動かします」とかいった表示を頼りに、こっちの人形、あっちの人形と動き出す度に移動して回り、派手じゃないけれど幻想的な動きを見せる人形たちのアヤシサに嘆息する。会場が暗く人形も小さいためイメージが今1つつかめなかったのがちょっと残念。でも機械仕掛けの人形って、なんともいえないエロティックさがあって見ているだけでゾクゾクします。あるいは自由に振る舞っているよーで、実は操られ踊らされている我が身を写しているよーで心が騒ぐのかも。しかし世界にはあんなにアベックがいるのにどーして自分と悩みは尽きず、家に帰って酒飲んでひっくり返る。てやんでえ。ういうい。


【8月8日】 「創」九月号を買う。目次裏に付いている「ロフトプラスワン」の今月の出し物一覧を見て、13日の「アニパンク」とか21日の「まんだらけ風雲録」とか23日の「杉作J太郎の東京ボンクラ学園」とか9月1日の「かなり変なオモチャ」とか9月4日の「ガロ休刊?噂の真相」なんかが面白そーだなー、行ってみたいなーと思った。けど多分行かない。人がたくさん集まる場所っておっくうだし、それが同じよーな趣味嗜好の人たちばかりってことになると、なんだか鏡の部屋に迷い込んだよーな気になって、「人のふり見て我が身を直せ」的圧迫感から、たらーりたらーり赤城山麓しろくのガマの油汗、1枚が2枚が4枚が8枚が16枚が32枚と、とにかく自意識過剰が支離滅裂に自己嫌悪となって鬱ってしまうのです。

 「ガロ休刊?」に関しては、買った号の「創」でも特集を組んでいて、大挙して辞めた側の代表者みたいな人と、残った側で休刊の遠因ともなった「デジタルガロ」を編集した人がそれぞれにそれぞれの立場から手記を寄せていたのが面白かった。双方の意見をそれぞれ載せるなんて贅沢な作りだなー、と思う雑誌の人たちもきっと多いと思うけど、事情が事情だけにあちらを立てればこちらが立たずな所も多々あるため、こーゆー方式が最善だと考えたんだろー。うらやましい。しかしホント立場の数だけ真実はあるで、一読しただけではどちらの言い分に荷担していーものか正直言って解らない。まーどっちにしたって「ガロ」なんて生まれてこの方1度も買ったことがないからあんまり自分的に影響はないんだけどね、「休刊」したって。

 それにしても9月のイベントはどっち側の人が出てくるんだろーか。両方出てきて取っ組み合いでもしたら絵的には楽しいけど不毛だから止めましょう、むしろディベートかプレゼンテーションかって演出にして、来場者に札挙げてもらって勝ち負け決めるとか。休憩時間には裏のトイレで「内に1票」なんて実弾が飛び交うんだ、「ガロに漫画載せてアゲル権」とか「デジタルガロ」1年分とか。あと「プラスワン」のイベント・ラインアップで、9月7日の「あなたも今日から”L”オタク」ってゆーサッカー女子リーグに関連したイベントが中止になっているのが気になった。公序良俗に反するオタクなイベントばっかりやってるいかがわしい会場だからって、お堅いサッカー協会あたりから横ヤリでも入ったのかなー? 謎。

 「アニメージュ」九月号を買う。マシュマロとゆーかマッシュルームとゆーか花キャベツとゆーかとにかくそっち系の髪型顔かたちをした大森望さんが、「機械どもの荒野 メタルダム」を上梓したばかりの森岡浩之さんと「夏エヴァ」について対談している。SFとの関連を話しているあたりは流石にSF翻訳家とSF作家の対談だなーって感じで、SF者たる自分との近さを感じたけど、ラストシーンのアスカの包帯については、「レイとの同化説」をとなえる大森さんに森岡さんが「それだと綾波とアスカの距離が異常に近い」と否定のニュアンスを含んだコメントを出していて、単にウナゲリオンとのバトルん時に神経接続を通して痛めた(と思った)手と目を治療しただけちゃうのんなどとしか解釈してなかった自分の薄さをちょっとだけ反省する。まあどっちでもいーんだけどね。その後のセリフの方がインパクト強すぎるもんで。

 秋の新番組情報が一挙掲載、でも「逮捕しちゃうぞ」の後番組がさくらももこさんの「コジコジ」ってのはねーよなー。別に悪くはないんだけど、でも折角ならもうちょい濃い内容の奴をやって欲しかったぜ。「大運動会」のTVシリーズ化はパイオニアLDCの人から聞いていたから驚かない。「エルハザード」のテレビ版続編は載ってないからやっぱり深夜枠で来年からの放映になるのかな。DVDでの発売も間近な「マスターモスキートン」も、はやTVシリーズ化で秋からの放映予定とか。しかし決して好評とは言えなかったOVA版の後を受けて、尺で何倍・何十倍もあるTV版を作ったところで、途中ダレずに最後まで保つのかすごく心配。「VIRUS」はいけるかな。「夢のクレヨン王国」は王道行ってるみたいだからきっと大丈夫。朝早いからたぶん見ないけどね。

 GAGAで「病院へ行こう3」の試写を見る。すごいぞ今度の「病院へ行こう」は全編海外ロケで主演は「スピード3」のサンドラ・ブロックと「バットマン&ロビン」のクリス・オドネル、おまけに監督なんか「ガンジー」のリチャード・アッテンボローだ・・・ってちがーう「病院へ行こう3」なんかじゃなーい「ラブ・アンド・ウォー」だーっ。でもどう見ても「病院へ行こう3」としか思えなかったんだよね。あるいは「大病人」か。

 第1次世界大戦の末期、志願してイタリアにやって来たまだ若い頃のアーネスト・ヘミングウェイが、出しゃばって前線で負傷して病院にかつぎ込まれたところからドラマがスタート。献身的に看護してくれた看護婦のアグネスといい仲になって、けれどもアグネスには言い寄って来るナポリ貴族でヴェネツィアにでっかい邸宅を持つ中年の医者がいて、いっしょに入院している若い青年も絡まって3角やら4角やらの恋のバトルがしばし演じられる。

 最初の40分は、アーネストの被弾した脚を切るの切らないのってだけでドラマが進むし、それから後もほとんどが病院の中で治っていくアーネストがアグネスに言い寄って、一方貴族の医者もアグネスに色目を使ってもう大変ってなストーリー。目の前でさっきまで喋っていた相手が肉団子になってしまったり、全身火傷を負って同じ大部屋にかつぎ込まれた戦友が死んでしまったりと、戦争の悲惨さを伝える描写がまったく無いわけじゃないけれど、それよりも重点は2人の男性から好かれる従軍看護婦の喜び悩み浮かれ悲しむ姿の描写に置かれていて、2兎を追うものは的教訓を示唆しつつ幕を閉じる。

 こんな話にいまどき感動なんかするものかいと、見る前は思っていたけれど、ひたむきなロビン君、じゃなかったアーネストの姿勢には結構心打たれるものがあったし、隣に座っていた女性がエンディング近くで鼻をすすっていたよーに、思い当たる節があれば結構ハマれる映画かも。たぶんセットじゃない(セットだったらそれはそれで凄い)イタリアの街並みの美しさに惹かれるところあり。アグネスほかの看護婦の格好が昔風でゆったりたっぷりしている点は、ナース服フェチにとっては大いに残念なところだろーけど、今風だったらそれこそキシリシュのキャンペーンガールです1つどうぞありがとうになってしまうから仕方がない。同じ試写に中野裕通さんにそっくりな人がいたけれど、もしかして本物だったんだろーか。やっぱり謎。


【8月7日】 ぶっちゃけてしまえば昨日の「タニマニア」の記事、実は「フラッシュ」の「胸の谷間生つば厳選集」にインスパイアされて書いたってゆーのが正直なところ。そのことを即座に指摘して来た某助教授などは、まさに「タニマニア」の鏡とゆーところでしょーか。ちなみに某助教授はバースデーケーキの蝋燭を消すために体を傾けた大河内奈々子姫にいたくご満悦の様子ですが、その説に僕も乗ります乗せて下さいお願いします。水着ショウのページに載っている大磯ロングビーチな山田まりや嬢もいーんですけど、彼女の場合は駅張りの巨大ポスターでカラーな谷間を披露あそばされておられるので、「フラッシュ」の小さなグラビアではピクリとも来ないのである(いやピッくらいは来たかな)。

 しかしこの号の「フラッシュ」は、表紙からして「りょんりょん」広末涼子の谷間が、レーザービームさながらに男の目を焼き付かせずにはおかないし、中程のグラビアでも辺見えみりが、クッションにうつ伏せになった写真で極太マジックだって挟み込めそうな立派な谷間を披露している。「幻のお宝テレカ」特集じゃーあの「野菜が真ん中」な大塚寧々が、「プレイボーイ」のテレカではタンクトップからのぞく谷間、カネボウのテレカでは黒い水着姿で前に手を突くあのスタイルで、これも量感たっぷりに垂れ下がる釣り鐘の間に、深々とした黒い谷間を見せてくれている。雑誌は買ったら捨てるのが部屋の秩序を守るぎりぎりの条件だけど、さすがにこの「フラッシュ」は捨てられない。困ったなあ。でも嬉しいなあ。

 訴えたと聞いて回収・絶版になる恐れがあると思い、エール出版から発売中の「内部告発 ソフトバンク・歪んだ経営」(吉田晃一、1400円)を本屋を回って探し出す。ホントいつも行く本屋でとんと見かけなかったものだから、てっきり秘密部隊によって買い占められてしまったんじゃないかって心配もしたけれど、嬉しいことに、とゆーか当人にとっては腹立たしいことに、ようやく見つけた本屋には、まだまだ何冊かしっかり積んであった。内容の是非については恐ろしいのでとても記述が出来ないけれど、新聞記者とゆー立場でいえばなかなか勉強になる本です、とくに財務諸表の深読みの仕方を覚えるとゆー意味で。

 土台新聞記者なんて会社の経営の実態を財務諸表から調べる知識なんてほとんど持ち合わせていない。勉強したところで財務のプロがお化粧を施した財務諸表をペラペラな損益計算書とバランスシートから読みとることなんで絶対に出来ない。もうダマされっ放しって訳で、そんな勉強不足の記者を手玉に取ることなんて簡単だよって告発本では言っていているようで、腹も立つけれど関心もさせられる。しかし本書で描写されているよーに、新聞記者ならいざしらず、山のように集まった証券会社のアナリストにすら実態を読むことができなかったのだとしたら、日本の証券会社の実力を図る意味で、これはこれで相当に問題があるんじゃなかろーか。まああっちもバブルで文学部当たりからも社員を集めたからなー。新聞記者と大差はないか。

 ついでに文庫本をあれやこれや買い込む。角川ホラー文庫からは書き下ろしとかゆー栗本薫さんの「町」(520円)と村田基さんの短編集「夢魔の通り道」(640円)、それと普通の角川文庫で「魔女の鉄槌」(ジェーン・S・ヒッチコック、880円)を購入、いったいいつ読めるのかも解らずに買い込むあたりは、見逃すと今度いつ買えるのか解らない文庫だからこその判断ですね。積み残しのフェイ・ケラーマン「購いの日」(創元推理文庫、900円)もあるから週末は文庫三昧の日々にせざるを得ないんだけど、一方で新しい漫画本やら雑誌やらLDやらを買い込むことも目に見えているので、あれやこれやと迷いながらも結局何もできない無為な週末を過ごすことになりそー。あー自己嫌悪。

 「みすてないでデイジー」を初めて見る。ただいま勉強中な声優のこなれていないセリフと、OVAのよーな間延びしたテンポがほのぼのとした雰囲気を醸し出し、真夜中の六畳間に不思議なフィールドを作り出した。オープニングのキレ方は尋常じゃなく、逆にエンディングの抜けかたも最高にすっぽこで、これが真夜中とはいえテレビで放映されているという事実に、飽食ニッポンの幸せを見た思いがした。ってなんだか酷い書きようだけど、絵とか動きとかにちょっぴりピクっと来た部分があるのもまた事実。現代編に突入した「MAZE 爆熱時空」をビデオに撮って翌日見るよりもいち早くリアルタイムで見たいと思う心が、もしかしたらビデオに取るのもためらわれる「みすてないでデイジー」を流れで見せるかもしれず、そのままあのムードにからめ取られて、やがて会う女性をすべて「デイジーちゃん」と読んで自転車の荷台に縛りつけて運び去る、なんてテクノな人間になっているかもしれない。可能性は薄いけどね。


【8月6日】 真夜中過ぎの隣室から、なにやら耳慣れた音楽が流れて来た。音楽に続いて男性がぼそぼそと喋る声が薄い壁越しに伝わって来る。テレビかと思ってチャンネルをザップしても隣室の音楽や音声とシンクロする番組は見あたらない。うーん、としばらく考えて、音楽が先週末、幾度も聞いた「リアルサウンド 風のリグレット」のテーマミュージックだったことに気が付いた。

 なるほど隣室の兄ちゃんは「セガ・サターン」ユーザーだったのかと、妙な親近感を覚えることしばし、なれど隣室では時に真夜中の1時頃、大音響のロックやヘビメタが響きわたり、またベースの練習なのかボン、ボボボンと下腹にこたえる重低音のサウンドが聞こえることもある。ミュージシャンにしてサターン・ユーザーというのは、果たして全世界的に高い比率で存在するのかと、頭を悩ませる今日この頃、である。あんまりやかましー時には、ホント怒鳴り込んでやろーかって思うんだけど、パンクな兄ちゃんだったら鎖で縛られトゲトゲ手袋で殴られるかもしんないから、対抗してパイオニアLDCからガメたアニメと声優のCDをガン鳴らすだけでカンベンしてやってるんだけどね。

 朝のワイドショーを見ていたら「SPEED」の初ライブに密着する企画が始まり、出勤間際の緊迫した時間であるにも関わらず、山積みにビデオテープから空きテープを掘り出してレコーダーにセット、スイッチを押して録画してしまった。もともとは小学生のリードボーカルがいるってゆー不純な動機(どんな動機だ)から関心を持った「SPEED」だけど、曲を聴くうちに唄のうまさダンスの上手さに惹かれて真っ当な音楽グループとして見るよーになり、以来出演する番組は極力チェックするよーにし、アルバムはもちろん速攻で買ってこれまでに20回以上は聴き直した。だいたいの唄ならカラオケれるけど、決して見栄えの良いものじゃないから頼まないよーに。

 番組は密着取材の方が大半で肝心のライブはチラチラとしか映らず、秋とかゆービデオの発売を今はとにかく心待ちに待っている。意外だったのは、いつもは後ろでダンスだけ踊っているお姉さん組の仁絵ちゃんにちょっとした絵心があったこと。なんでもライブのバックに流れていた映像のデザインは、全部仁絵ちゃんが手がけたものだそーで、言ってしまえばヘタウマ系とゆーかサイケ調になったメンバーの似てない似顔絵なんだけど、素人の手慰みとは決して言えないレベルにお世辞じゃなくって達していて、そのままTシャツなんかに張り付けて売れば、結構イケるんじゃないかと思った。今は無心で描いているからいーんであって、図に乗ったり意識したとたんにグズグズと崩れる可能性も無いわけじゃないから、あんまりおだてない方がいーんだけどね。二科展に出すなんてもってのほか、出すんならあの竹熊健太郎さんが画家としてデビュウした「PICOPICOショウ」にしときなさい。

 女性自身だか週刊女性だかに、「SPEED」のお台場ライブの模様をレポートした記事が載っているよーなので本屋で立ち読み、「SPEED」で一番美人な多香子ちゃんの写真で、かがみ込んだTシャツの襟ぐりからのぞく胸の谷間にクラクラッと来る。っておいおい「SPEED」は音楽で評価してるんじゃないかって言われれば確かに音楽はとっても評価してるけど、ルックスだってやっぱりしっかり評価しているのだよ。写真集だって買ったんだから。まあ比率は音楽4にルックス6、くらいかな。しかし多香子ちゃん、若い身空でホント立派な胸の谷間をしておられる。もータニマニア(=谷間狂)にはたまらない構図です。

 タニマニア的に許せない写真が「ぴあ」最新号に2枚も載っていて怒り心頭に達する。1枚は裏表紙の「フィリップモリス」の広告写真。胸元がえぐれたワンピースらしき衣裳の女性が正面を向いて寝そべっているポーズは、普通だったらしっかりと胸の谷間が写っているはずなのに、あろうことかタバコを持った手を胸の前に出すことで、後ろにのぞいているはずの胸の谷間を腕の向こう側に隠してしまっている。うおーっ。もう1枚は裏表紙をペロリとめくったところに掲載されているDDIの広告写真。出演しているのは胸が意外に大きいことで知られる芸能人ランキングでは1、2を争う小泉キョンキョンで、やっぱり胸元の開いたワンピースを着てちょっと腰をかがめているのに、こちらは隣の女の子がキョンキョンの胸の前に腕を伸ばして、後ろを隠してしまっている。どわーっ。

 CMじゃあ古くは(古くもないが)内田有紀の「年賀状ソフトもサービスサービスゥ」な胸の谷間(とゆーかいしかわじゅんさん的には胸のシワ)から、最近ではIDOで常盤貴子が多分インチキじゃないグランドキャニオン級の胸の谷間を披露し、西田ひかるもなんかのCMで四つん這いになって歩きながらしっかりとタニマニアの欲望に応えてくれている。それなのに、ああそれなのに。こーゆー仕打ちをされた以上、DDIには絶対に加入するもんか。フィリップモリスなんて絶対に吸うもんか。タニマニアの恨みは恐ろしいんだぞ、でも他にいるのかここまでしつこいタニマニアなんて。


【8月5日】 銀座の「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」で、日本のILMともリズム&ヒューズとも自称(?)するポリゴン・ピクチュアズが誇る人気アイドル、スーパーハードHGな「ロッキー」の展覧会が始まった。4日のオープニングパーティーをのぞいたら、1階のフロアの半分を大小さまざまなイワトビペンギンのヌイグルミと様々なグッズ類が埋め尽くしていて、さながらファンシー・ショップの様相を呈していた。

 値段が付いているところを見ると、グッズ類は売り物のよーで、ヌイグルミは会場の隅でぶん回っている空気三角クジ(ケースの中でクジが風に吹き上げられて回ってるってあれね)で当たった人がもらえるものらしー。1等賞はだいたい80センチくらいはありそーな超巨大なペンギンで、当たっても持って帰るのに一苦労しそー、でも銀座の街をペンギン抱えて歩くのもなんか楽しそー。スーツ姿でやるのががいーですね、お父さん。

 オープニングパーティーにはポリゴン率いる河原敏文さんと企画をプロデュースした榎本了壱さんも出席して来場者に愛想を振りまいていたけど、一番驚いたのはゲーム業界にその人ありなキング中村雅哉・ナムコ社長がてこてこと歩いてヌイグルミを見たり三角クジを眺めたりポップコーンを頬張っていたこと。まあポリゴンとナムコは、いっしょに会社まで作って日本で初めてのフルCGアニメを作るんだって頑張ってるから、中村社長が激励のために訪れていても不思議じゃないんだけど、しかし銀座の一角の小さなギャラリーのオープニングにもこまめに出席するあたり、相当な気配り家なんじゃなかろーか。でも中村社長ご来臨の会場に「プリクラ」置いちゃダメだよー、いくらイワトビペンギンフレームだからって言ってもさ。

 せっかくなので挨拶、でも一番言ってやりたかった「『MISTY』つまんなかったですねー」って言葉は、本人を前にすると恐ろしくてとても言えなかったので、とりあえずは「映画の方はどーですか」って当たり障りのない会話からはいって、「ポリゴンとのCG映画はいつごろできますかー」とか、「『もののけ姫』みたいなの作りませんかー」とか、散々っぱら愛想を振りまいて場をナゴませ、それでも「やっぱ『MISTY』は難しすぎましたかねー」と及び腰な問いかけに、自分の気の弱さを実感する。聞くと「MISTY」はボロボロ(とは言わなかったけどまあそんあもの)だったけど、日活の方で作った第1弾映画は韓国の釜山の映画祭に出典することになったみたい。出資しているGAGAよりも、手に入れた日活の方にこれから期待を勢力を傾けることになるんでしょーかどーする藤村哲哉。

 といっても藤村哲哉、テレビシリーズとかVシネマっぽい佳品の映画作品はちゃんと作っているよーで、大作はコケても地道なソフト作りには余念がない。GAGAプロダクションの人から届いたメールによると、放映中止になってしまった「エコエコアザラク」はあらかじめ7月中に終了することになっていて、後番組の「ねらわれた学園」も、ちゃんと8月2日から始まることが決まっていたとか。9月末までの放映だから8回か9回といったところでしょーか。それからテレビ版「エコエコ」で好演していた佐伯日菜子さんを起用した劇場版も製作が進行中。来年公開なので全世界の佐伯ファンは乞うご期待だー。

 思うにいくら費用をかけた大作でも、映画の場合はビデオは1本しか出せないけど、テレビシリーズは映画に比べて安上がり(といってもシリーズ通せば結構かかるんだけど)に製作できて、おまけにビデオ化した時に2クールなら全24話で2話づつ収録で12巻、4話でづつでも6巻は出せるから、ビジネスの幅が広いと思うんだけどなー。大作映画づくりは日活&ポリゴン・ピクチュアズ&中村社長にまかせて、GAGAさんにはVシネマ系のトンデモに面白い映画とか、「エコエコ」「ねら学」的な「裏少年ドラマシリーズ」っぽい佳作をどんどん作っていって欲しいなー。その方がオタク歴史に残るから。ねっ。

 ポリゴンの展覧会を見て思うところが2つ、1つはいったん確実なキャラクターを作ってしまえば、あとはいろいろとビジネスとして広がりを見せていくんだなーってことを、会場を埋め尽くす大小様々なイワトビペンギングッズを見て実感できたこと。もとが映像のキャラクターだから、地階で名がしている様々なCG映像がしっかりしている(面白いかとゆーとそれは別)のは当然として、ヌイグルミや時計なんかの立体作品でもその雰囲気がしっかり出ていて、さすがポリゴン、キャラクター・マーチャンダイジングに当たっても妥協がないと感じた次第。時計なんてあの頭のトゲトゲがツンツンしてて気持ちいーんだよなー。

 もう1つは、さっきの理由と裏腹な関係にあって、それはたった1つのキャラクターを作り出すのに膨大な手間暇がかかるんだなーっ、そしてそれを維持していくことは大変なんだなーってこと。会場を埋め尽くしているキャラクターはイワトビペンギンただ1つ。今は流行って人気があるけど、来年も人気が続くかとゆーと解らない、じゃあ次のキャラってことになるんだけど、そうは簡単にいかないことくらい、サンリオが毎年山のよーにキャラクターを送り出しても、なかなかキティちゃんを越えられないことを見れば明々白々なんだよね。まあディズニーだってネズミから始まって今あれだけの帝国を築き上げたんだし、サンリオだってキティちゃん一発で世界へと進出したんだから、ここはポリゴン、イワトビペンギンを引っ提げて、本場アメリカにどいーんと進出してみやがれってんだい。

 「週刊読売」の「もののけ姫」と「夏エヴァ」を比べた記事を読んで大笑いする。といっても記事の内容に大笑いしたんじゃなく、掲載された「夏エヴァ」のスチール写真に笑ったんだけどね。だって「週読」、ポスターの写真を上下逆さに掲載しているんだもん、あの海の中でミサトさんほか出演キャラクターがユラユラと漂っている構図のポスターの写真をさ。月が下の方に来ているから逆さだってことが一目瞭然、全国で発売しているとはいえ大半は大手町界隈の企業が買っている某工業新聞でも一番読まれていない面に掲載された「夏エヴァ」のレビュー記事とまったく同じ間違いを、世界でも有数の販売部数を誇る新聞社が発行している全国的も全国的な週刊誌がやっている。これで抗議が「週読」にだけ行って某工業新聞には行かなかったら、とっても哀しいものがあるけどね、仕方がないとはいえ。しくしくしくしく。


【8月4日】 「週刊アスキー」にはやリニューアルの兆し。といっても売れてないからテコ入れをするんだって雰囲気じゃなく、コラムの部分のレイアウトをいじったり、新譜新作新人紹介の部分を強化するってイメージで、よくよく見ていないと気が付かない程度のリニューアル、けれども確実に効果のあるリニューアルとなっている。例えば「CULTURE」のページなど、手塚るみ子さんに藤原伊織さんと軽めのインタビューが2本も載っていて、作品を作った人送り出す人といった人物に興味のある人の感心をそそるし、新譜紹介は昔は3枚が限度だったものが一気に6枚に拡大、映画は「今週の必見!映画」と「今週のロードショー」が加わって強化され、ブックもトップ書評とさっきの藤原さんのよーな著者インタビューが加わって、全体にメリハリが出で来た。舞台もメインとサブが2本といった具合にやっぱりメリハリを持たせてあり、BSとCSの番組紹介も拡大されて多チャンネル時代のツボを抑えた企画になっている。

 とまあ、とりあえずは誉めていー部分を挙げておいて、今度は苦言を少々。リニューアルの結果なのか、アートのコラムと飯沢耕太郎さんの「デジタルイメージ航海記」のコラムが消えてしまっているのが美術好き、写真好き、デジタル好きな僕にとってちょっと残念。マイナーシーンだからといってCD−ROMの世界とか、アートの世界ってのはこれで結構見捨てておけない分野だから、仮に1週置きとか月イチとかになっていたのだとしても、適宜新鮮な情報を提供して欲しいなお願いしますよ編集長。無理ならせめて、メジャー一歩手前のアーティストを大々的にフィーチャーしてメジャーシーンへと押し上げるとか、流行の画期的なCD−ROMタイトルの特集をするとかいったフォローを、やっぱり是非ともお願いします。

 雨宮早希さんの「エンバーミング」に続く第2作「遺体処理」(幻冬舎ノベルズ、781円)を読了、覆面だった正体がノンフィクション作家の松田美智子さんだったと明かされていたのも驚きだったけど、小説としてのまとまりが格段に上がっていたことにも正直驚かされた。全体に流れるトーンは人の死への慈しみとゆーか尊厳とゆーか、なんでまたたかだか死体にそれほどまでに気を使うのってあたりの、未だ身内の死を知らない世代にとって疑問に思っていることを、エンバーミングという仕事を通して少しだけ教えてくれている。ラスト近くのド派手な展開など、そこまでやらんでもとゆー気がないでもなかったけど、それが主人公の恋人の、優しさと厳しさ入り交じった複雑な行為につながる訳だから、あながち無駄とも無理とも言えない。まあともかくも続編を読みたいと思わせる作家として、完全にその地位を昇格させた雨宮さん。でもいくら人気が出てもテレビ化は難しーかも、なんせストーリーになくてはならないモティーフとして登場するのが、がこれでもかってな山ほどの死体だから、ね。

 漫画を軸にしたイベント企画とか広告企画を手がけているアコワークから届いたリリースを処理。なんでも岩手県にある「銀河高原」とかゆーところで大々的なイベントが開かれから、是非とも紙面で紹介してやって欲しいと頼まれて、苦しい紙面繰りに「喜んで」と答えて送ってもらったリリース、いったいなんだろーと眺めて読んで、あまりの嬉しさにガックンと顎が落ちた。その名も「銀河鉄道999フェスティバルin銀河高原」。平成9年9月9日と9が3つ並ぶ日を記念して、あの松本零士さんの大ヒット漫画「銀河鉄道999」に関連すするイベントを繰り広げようって内容で、まずはお約束ともいえる企画として、9月9日から10月10日までの期間中のうち3日間だけ、JR盛岡駅からほっとゆだ駅まで臨時列車の「銀河鉄道999」が走るとゆー。

 ほかにも松本さんのサイン会とか「999」のオリジナルムービーの上映会とか盛りだくさんの内容で、加えて臨時列車の乗れる各回120人づつの計360人と、展覧会か上映会に参加した人のなかから抽選で選ばれた人に、永遠のアニメグッズとして名高い「銀河鉄道999」のパスが贈られるらしー。おっと忘れちゃいけない、イベントの主催者である銀河高原ビールをレストランとか居酒屋で注文した人にも、抽選で本皮パスケース入りで「地球−アンドロメダ無期限」の「999パス」がプレゼントされる。これはもうオタク必ゲットのグッズだね。

 正直言って今の10代20代に「銀河鉄道999」及び「松本零士」の名前がどれだけの威力を誇っているのか疑問だけど、少なくとも20代後半から30代前半の、少年キング連載の「999」をリアルタイムで読んでいたか、テレビアニメ若しくは劇場版アニメを見ていた世代の人にとって、心動かされる企画じゃないかってそう思う。ちなみに僕が初めて買ったコミックスが「銀河鉄道999」の第2巻。なんで第1巻じゃないのかってそれはトロかっただけだけど、それがきっかけとなって「男おいどん」とか「ワタリ」とか「マシンナーズシティ」といった具合に次々と松本作品を読破して、まんまSFファンへと歩むきっかけとなった訳だから、松本さんと「999パス」は、いわば自分にとってのSFへのパスでもあった。とゆー訳で2000枚限定の「999パス」、9月は盛岡に出かけるか、それともビアホールで銀河高原ビールを飲みまくるか。悩ましい悩ましい。

 西原理恵子さんの「ぼくんち2」(小学館)や森雅裕さんの「幻コレクション1 モーツァルトは子守唄を歌わない」(KKベストセラーズ)と太田忠司さんの「新宿少年探偵団4 紅天蛾(べにすずめ)」(講談社)をまとめて購入。しかし森さんそこまで書かんでもとゆーぐらいにあとがきの部分で悲惨な境遇への怒りをぶちまけていて、絶版となったハードカバーもしくは文庫を読んでいる人でも、買って損はさせない内容になっている、ってあんまり嬉しくはないんだけどね、これでまたまた絶版が増えては、ますます森さんの本が読めなくなってしまうから。ワニブックスからの復刊はこの「モーツァルト」とあと「画狂人ラプソディ」に「マン島物語」の3冊だけらしく、仮に続刊がないのだとしたら、過去に諍いを起こした出版社でも、謝って再刊を果たしてやって頂きたい。まあ無理だけど。無理だよな。「うやましね」(「推理小説常習犯」より)だからな。


【8月3日】 「エコエコアザラク」を放映中止にしたまま結局再開できなかった弱腰なテレビ東京なのに、「エコエコ」と同じGAGAプロダクション製作のテレビシリーズでも、「ねらわれた学園」なら放映できるんだから不思議ふしぎ。本当だったら多分まだ続いているはずだった「エコエコ」なのに、どーして次の作品を用意できたのかってのもまー不思議だけど。もっとも、とりあえずは始まったテレビシリーズを見てみると、「エコエコ」のよーなグチャグチャな描写もオドロオドロしたセリフも一切なく、かわいい女子高生がミニスカートだったりブルマー姿でわんさと出てくる話らしーから、どこに気兼ねするこもなく放映できるんだろーね。

 第1回目はとりあえず学園になにものか不思議な力が作用し始めた場面で引きが入り、次回も見ねばとゆー気にさせられた。劇場版「ねらわれた学園」と同じ村田和美と柏原収史が出演していて、音楽も映画版と同じのが使われているみたいで馴染みやすい。けれども劇場版では真面目で純情可憐な役柄だった村田和美が、テレビ版では今風の女子高生になっていたのがちょっと残念、でもちょっと嬉しいかな。女子高生もほとんど全員ルーズソックスになってたし、スカートも短くなってたし、その当たりずいぶんと劇場版から進歩しているって印象を受けた。柏原収史もぎこちなかった演技がだんだんとこなれて来ていて、兄貴の柏原崇に声も見かけに似てきたから、将来性は十分ではないでしょうか。青田買いにはまだ間に合うよ。

 弟と違ってすでに人気抜群の柏原崇が出演している「リアルサウンド 風のリグレット」をとろとろとプレイする。無駄に良いSEとスタジオで録音していることがバレバレなセリフとが乖離している感じがして最初はハマれなかったけど、ストーリーを追っているうちにそれほど気にならなくなり、深夜のアパートに突如出現する夏の田舎や台風の丘や山手線のホームやらに圧倒されつつ、次から次へとディスクを変えては夜を徹して最後の最後まで聞いてしまった。そう「聞いて」しまった。

 ときどき選択をうながすサウンドが入るけど、さあ選べやれ選べってな押しつけがましいところがなく、右と左と時には上に選択ボタンを押して次の展開を考えて、それからその時の「気分」に合致した選択肢を選んで進んでいくスタイルからは、アクションとかRPGとかいったゲームにありものの「プレイ」するという感じを受けない。強いていえば雑誌の見開き企画とかになっている「チャート式恋愛タイプ講座」の長大バージョンを、エンディングをカンニングすることなしに気の向くままに辿っているって雰囲気でしょうか。インタラクティブなソフトに特徴的な能動性よりは、昔ながらのラジオやテレビといった受動的なメディアに近い。

 それにしても4時間は長い。次にプレイしてみようと考えた時に、同じイントロを経て4時間とゆー貴重な時間をそそぎ込むにはいささかの躊躇がある。それに「気分」でたどった第1回目のシナリオは、ありのままの自分自身が1番繁栄されたシナリオ、自分にとって唯一絶対のシナリオであり、1度聞いたからといってわざと「気分」とは違う選択肢を選んだ段階で、再生され進んでいくドラマはもはや取り繕ったり取り澄ましたり仮面を被った、自分とは別の何者かがだどっているドラマと化すんじゃないか、そしてそのエンディングに素直に感動することは出来ないんじゃないかと感じてしまった。

 例えばさっきの「チャート式恋愛タイプ講座」を2度目にやって、わざと自分とは違う選択肢を選んで、最初とは違うタイプに無理矢理だどりついてほくそ笑むってイメージ。もとが疑似人格に仮想現実での成功を託すアクションとかPRGに対して、そこが「風のリグレット」のリアルさが買っている部分であり、負けている部分だと思う。もっともまあ、そこは多様性に富みいくつもの仮面を被ってせちがらい世の中を渡っている現代人たちのこと。客観的に自分を見つめて「気分」によってさらけ出された自分自身を肯定しつつも否定して、リセットの果てに現実とは異なる別のお気に入りのエンディングを見つけに、幾度も幾度もプレイすることを厭わないんだろう。しゃーねーなー、僕も「気分」を別のバージョンに切り替えて、第2回目を始めるか。

 佐藤藍子のフォトエッセイ集を買う・・・・・(無言)。ちょっと自己嫌悪。でも写真的には加納典明さんの撮った「SPEED」の写真集よりは素材に対して真っ当なアプローチをしていて、佐藤藍子の目の大きさとか唇の厚さとか足の細さとか胸の薄さとかがいっぱいいっぱい出ているので、とりあえずは満足ですね。1点気になったのは佐藤藍子最大の特徴である巨大な耳が髪に隠れていることかな。長い髪の隙間からのぞくあの巨大な耳があって、初めて佐藤藍子だと解るのであって、耳を隠しているとそこらへんのただの綺麗な(そこらへんにはいない、けどね)姉ちゃんとしか思えない。逆に髪をアップにして耳をモロだしにしてもヘン(所収のセピアカラーなヘップバーン風写真のなんとも珍妙なことか)なので、そこいら当たりこれから佐藤藍子を撮る人使う人は、よくよく考えて頂きたいですお願いします。


【8月2日】 薄いオタクであることが判明したので勉強せねばと川崎市市民ミュージアムまで行く。暑い中を総武線から地下鉄東西線を経て地下鉄銀座線、東急東横線と乗り換え、武蔵小杉の駅からバスに載って1時間半ほどでよーやく川崎市市民ミュージアムにたどり着く。暑い最中の移動に途中で何度も気を失いそーになるが、学問のためには晴耕雨読、じゃない臥薪嘗胆、ちょっとちかい心頭滅却、まあこんなところかな、とにかくあらゆる気象条件財政状態艱難辛苦を乗り越えなくてはならないのだ。そんな努力をお勉強とお仕事に向けていれば、今頃僕だって一流新聞社・雑誌社の一流記者・編集者になっていた、かもしれんなあ。まあしゃーないや、面白いんだから、薄くてもオタクな仕事がさ。

 川崎市市民ミュージアムでは小松崎茂なきあと(まだ死んでない、と思う)プラモデルのボックスアートの第一人者として活躍を続ける開田裕治さんの展覧会「怪獣ミュージアム 開田裕治の世界」を絶賛好評開催中。入り口を入るといきなりな伊福部昭さんの音楽が鳴り響き、その中をゴジラやモスラやガメラといった特撮怪獣のアートが出迎えてくれてくれる。その後「ウルトラQ」から「怪奇大作戦」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」と、ウルトラマンシリーズのポスターやLDのジャケットやプラモデルのボックスに使われた作品が続き、やがて「ガンダム」や「パトレイバー」や「ダンバイン」といったアニメを題材にした作品が現れる。迫力のゴジラに精悍なウルトラマンと、わりかし生物的な素材の後に無機物であるロボット物が続くわけだけど、どちらにもなんとゆーか生命感とゆーものが感じられて、そこは開田さん特撮ロボットアニメを問わず惜しみなく愛をそそぎ込んでいるんだなーと感じた。

 見終わってロビーをうろうろしながらガシャポンしたり売り物のガレキをショウケース越しに眺めていたら、会場限定発売とかゆー「怪獣ミュージアム」と書かれたTシャツを来た年輩だけどとっても濃ゆい夫婦が登場、いったい誰なんだろー、どっかで見たことのある顔だぞと、買ったばかりのリーフレットを取り出して見たらおおなんと、展覧会の主である開田裕治さんその人であった。ってことはいっしょにいる人は元コスプレな奥さんってことか。今でもコスプレしてるとしたらちょっとなんとも以下自粛。しかしそろって自分の展覧会のTシャツを着て歩くなんて、濃ゆい夫婦は雰囲気もやっぱりな濃さでした。濃度強化を目指す上で見習うところ多し。商売物ではパソコンから出力したオリジナルCG出力アートとか、カネゴンやゴジラのイラストのリトグラフとかにちょっぴり惹かれるものがあったけど、流石にフトコロに余裕がなくあきらめる。あと「開」「田」「裕」「治」とぞれぞれ描かれた絵皿ってのは価値がどんな価値があるのか? 会場で一番謎なグッズだったね。

 SF系のイラストといえば世代的には「SFマガジン」の表紙を描いていた加藤直之さんと、小松左京さんや平井和正さんの文庫なんかを手がけていた生頼範義さんあたりが一番記憶に残っている。とくに生頼さんのイラストは、「ウルフガイ」シリーズで平井さんが描いいる主人公のパワーと情念をそのままカンバスに定着させたよーな印象があって、作品世界をビジュアルによって補完する役割を果たしてくれていた。最近では大原まり子さんの「アルカイック・ステイツ」で表紙を描いているけれど、平井さん小松さんの文庫が角川から一掃されてしまった現在は、あの「復活の日」の傑作イラストも目にできず、できればアートワークをCD−ROMかなんかにまとめて、後世に残してやって頂きたいと心の底から願っている。画集、買っておけばよかったかなあ。

 一部に「牛」として若い女性たちに高い人気を誇る(ホントか)「ゲートウェイ2000」が、さらに女性を意識したのかパソコンを買った人に「たまごっちCD−ROM」をプレゼントする夏キャンに出た。加えてパソコン購入者のなかから10人(たった10人)に本物のた「たまごっち」をプレゼントしてくれるとあって、取引先の部長さんから探してくれと頼まれた営業マンや最近反抗的になった娘のごきげん取りをしたお父さんが、どうせパソコンを買うならおまけつきがいーと、「牛買い」に走る姿が目に浮かぶ。半分は妄想だけどね。「牛」のなかですくすくと育った「たまごっち」が、ミルクをたっぷり飲んで「巨乳っち」になるとかすればちょっとは楽しいんだけど、入っているのはそんな特別バージョンじゃないみたいだから、次に同じキャンペーンする時はぜひぜひ考えてやって下さいな。

 「逮捕しちゃうぞ」で墨東署の日常を写したホームページとゆーのが番組内に登場、ページに写真が出てくる時に、ちゃんとインターレース仕様になっていたのちょっとリアルだったなー。ホームページの写真に写り込んでしまった銀行強盗犯が、「写真をよこせ」とホームページの制作者たちに迫った時に、制作者の中学生たちが「デジタルカメラだがらネガなんてないんだ」って説明するあたりにも、多少は状況を勉強したってことがうかがえる。もっともそうしたリアルなディティールを、ヘリコプターを使って空撮していた3人組の中学生を演じていた、およそ素人な声優(子役か?)がすべてブチ壊しにしてくれたのがとても残念。絵の方はすっかり安定して来たみたいでとりあえずは善哉。しかしビーチバレーの時みたいな絵の良さと動きの良さとストーリーの良さが完全にかみ合った作品には、また巡り会うことができるんだろーか。やっぱ最終回くらいかなー。


【8月1日】 仲間由紀恵が歌手として(歌手なんだけど)テレビに出ていたのでビデオに撮って朝から見る。確か沖縄出身だと思ったそのお顔立ちは目がぱっちりとして頬はふっくらとして体むっちりとしてなかなかよろしい。細いのが好きだったり超若いのが好きだったりと、ふれやすい僕の好みが今はどーやらむっちり系に傾いているみたいで、だから大磯ロングビーチの駅張りポスターなんかにでっかくでている山田まりやなんかにも惹かれてポスター前で立ちどまってはPHSかけてるふりをしながら何分も眺めてしまうんだろーなー。

 あと地下鉄のドアとシートの隙間に立って、ロングシートの一番端っこに座っている襟刳(ぐ)りの開いたTシャツだかタンクトップだかを着ている女性の胸の谷間を上からそっとのぞき込むとか。それから前ボタンのブラウスを着た巨乳な人の横にたってボタンとボタンの間の隙間からチラチラと中の半分ブラで包まれた胸を覗くとか。っと、いかんいかん話がずれた、そうそう肝心の仲間由紀恵だが、歌はさして凄いとゆー感じは受けなかったので、多分CDは買わないでしょう。ライナーの写真が全部水着だったら話は別だけど。さてどーなんだろーか。

 朝から濃い妄想をしてしまった、いかん遅れてしまうと電車に飛び乗って会社に向かい、適当に原稿をやっつけて(おおなんとお手軽な)、東映に行って「ときめきメモリアル」の試写を見る・・・・・・・・・っといかん気を失ってしまった、えーっとなんだったかな、そうそう「ときめきメモリアル」だ。あー、赤面するほど青春映画でした、マル。なんだよそれだけかって、それだけで十分すぎる感想だと思うけどね、好意的とゆー意味では。

 正直に言えばいわゆる「ときメモ」ファンが期待する世紀のヴァーチャル・アイドル「藤崎詩織」の実体化は果たされていません、とゆーよりそもそも映画版「ときメモ」では藤崎詩織はただのゲストキャラに過ぎません。従って藤崎ファンは藤崎詩織が主人公になるであろー続編を期待する意味で、とりあえず劇場に足を運びましょう。それでも続編が作られる期待は薄いけど。

 「ときめきメモリアル」とゆータイトルがついていないと考えれば、まあ普通の青春映画、なんでしょーね。中山エミリと山口紗弥加と榎本加奈子と矢田亜希子の仲良し美人4人組ともう1人坊主頭のライフセーバーな池内博之を合わせた5人が毎年夏にバイトしている海の家に、なんとはなしに女の子とたちと仲良くなりたいとゆー、不純かつ曖昧な動機でバイトに潜り込んだひょろひょろくんな岡田義徳が、だんだんと人とコミュニケーションすることを覚え、力強さを増し、最後は仲間の一員として認められてもう馬鹿にされなくなりましたって感じの、いわゆる「ビルトゥングロマンス」。シナリオがポン酢で最初がどーにもダレるけど、海の家編に突入すればむちむちぴちぴちな女性軍の肢体を存分に堪能できるから、決して劇場から出ちゃだめだよ。藤崎詩織役の吹石一恵の青い水着にも結構そそられるから、ファンの人は(いるのかファンが)そこだけは要注目ね。

 「ルパン3世 ワルサーP38」を見る。テレビ映画のルパンにはがっかりさせられることが多いけど、途中から見てヒロインの造形の良さ(胸がね、大きいんだよね)にハマり、アクションのカッコよさに痺れ、ワープロをいじる手を止めてそのままテレビの前に座り込んで見入ってしまった。次元も五右衛門も銭形のとっつぁんもカッコ良いし、悪役も徹底的にワルで気持ち良い。監督も脚本も絵コンテも誰が誰だか解らないけれど、久しぶりにビデオかLDを買って手元に置いておきたいと思える作品だった。

 去年だかの劇場版「DEAD OR ALIVE」で、栗田貫一さんのルパン声への違和感が払拭されたと思ったのに、その後に見たテレビ映画でがっかりした覚えがあるけれど、今回またまた見直した。ヒロインを演じていた篠原恵美さんてちょっと知らない。エンディングの歌も歌っていたからきっとこれから売り出すアイドルなんでしょう。制作がキョクイチ東京ムービーになっていて、知らない人がみたらギョっとしたでしょうね、おいおいキョクイチっていったいなんだって。ただの繊維問屋です(半分嘘、半分本当)。

 と書いておいたら篠原恵美さんはー「セーラームーン」で「木野まこと」ちゃんをやっているけっこうベテランの声優さんとのご指摘を頂き感謝。自分が薄いオタクであることをさらけ出しているようで赤面することしきりですが、まあ新聞屋なんてその程度の知識で天下国家を我がことのよーに大仰に語る人種、許して下さいまこちゃんファンの方々。すんぢさんについても情報を頂き、専業漫画家ではどうやらないとゆーことが解る。もったいないなあ。けれどもメジャーに行って疲弊してしまうよりも、ゆっくりでいいから読み続けていきたいので、ゆっくりでもしっかりな漫画を描いてやって下さいな。そうこうしているうちに士郎正宗さんくらいカルトな人気が出れば、週刊誌で隔週連載とかやってもファンも編集者も許すよーになるから。今週買った「ヤングマガジン」に「攻殻機動隊」が載っていなかった時にはちょっと「騙したな、僕を騙したなぁ」と心の中で叫んだけどね。

 「ワルサーP38」が印象的に使われるルパンシリーズと言えば、やっぱり第1作の「七番目の橋が落ちる時」がベストでしょうね。オープニングのシーンにも使われていた、桟橋を水上スキーの板代わりにしてモーターボートを追いかけならが(とゆーか引っ張られながら)、手錠をはめられた手にワルサーを握って口でスライドアクションを行って薬室に弾を送り込み、ボートを操船する悪役に狙いをつけてバンッ。滅多に人を殺さないルパンが、はっきりと人殺しをするシーンだったことも、強く記憶に残る要因になっている。

 今回のテレビ映画「ワルサーP38」は、タイトルほどにはワルサーは活躍しておらず、その点アニメおたKにあるまじき銃器ファン(詳しくは「おたくのVIDEO−CD」収録「おたくの肖像を参照)としてちょっと残念。とにかく打ちまくる次元大介のリボルバーも不思議といえば不思議だけど、早撃ちの名人は弾替えもきっと名人なんだろーからこれでいーのだ。しかし50年以上も昔の武器を未だに使っているなんて、物持ちのいー人だねえ、ルパンってばさ、お金持ちなのに。


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