縮刷版97年1月下旬号


【1月31日】 朝起きると悪寒がする。昨年末にも悪寒がして翌日から3日3晩寝込む羽目になったことを思い出して、早めに治療しよーと診療所に行って薬をもらう。医者の人に「お好みの薬はありますか」と聞かれたが、精神安定剤はいくつか知っていても(「デパス」とか「メイラックス」とか)風邪薬にはあまり詳しくないので答えよーがなく、適当に包んで下さいとお願いする。あるいは「コンタック下さい」とか「ルル下さい」とか行ったら出てきたのかも。でも「改源」はちょっと頼みづらいなー。

 恵比寿ガーデンルームで開かれたヤマハの会見。インターネットのホームページ上で音楽を利用できるよーにする画期的なソフト「MIDPLUG」の新しいバージョンの発表で、何でもマイクロソフトの「アクティブX」に対応するよーになり、いろいろなモジュール群を1つのホームページ上で動かすことが出来るらしー。画像をぱちぱち切り替えながら歌詞の色を音楽に追随して変化させ、それから肝心の音楽を高い品質で流すといった具合に、まるでもう普通の通信カラオケなみのことをインターネット上でやっていて驚く。

 急ぎ立ち寄ったとゆーマイクロソフトの古川亨会長が、そのすごさを熱弁してついでに「アクティブX」の宣伝もしてあっとゆー間に立ち去る。その間喋るわ喋るわまるで速射砲。次に出てきた向谷実さんも「古川さんの後で何をしゃべればいいだろーか」と言うほどに喋り倒していった。しかし様々なプラグイン・ソフトが米国発で日本にやってくる中で、音楽とゆーコンテンツをネット上で再現させる技術を、日本が開発できたとゆーのは驚きであり喜びでもある。MIDI楽器で圧倒的なヤマハ故になせる技とはいっても、ことソフトの世界ではそれほど抽んでた会社とは思っていなかっただけに、改めてニッポンのそこぢからを見直す。

 恵比寿ではアミューズビデオに寄って新作ソフトの資料を貰う。2月7日に発売されるビデオ「キッズ」の資料で、持ち帰って来週の「ニューリリース」の記事に仕立て上げる。写真家のラリー・クラークが撮ったこの映画は、夏のニューヨークを舞台に少年・少女の性と暴力とドラッグに溢れた日常を描いた内容で、もらったジャケット写真にも「SEX」の文字が踊っている。果たしてこんな写真が掲載できるんだろーかと心配するが、きょうびコンビニで売ってる写真にも「毛」が出ている時代、工業新聞が「SEX」の文字を載せたくらいで、誰も驚かないよね。

 会社に戻るとアスキー脱藩組が設立した会社、アクセラからプレスリリースが届いていた。内容は新雑誌創刊で、前々から意向を示していたゲーム情報誌が、ようやく3月21日に発売されることになったらしー。編集長は「サラブレ」を経て「クリゲ」を立ち上げた人で、今は創刊準備編集長と「クリゲ」の編集長を兼務する形となっている。

 発行部数60万部をは剛毅だが、ゲームに限らず例えばアイドルとかスポーツとかの情報も載せ、さらに週間のテレビ番組表も載せて、全体としては総合エンターテインメント情報誌を目指すらしー。ならば60万も可能かとは思うが、ゲーム雑誌の売り上げはある種新作ゲームの動向とも関わるから、「ファイナルファンタジー」発売から2か月近く経過してしまった時期に、読者の興味を惹くよーな新作ゲームの情報を載せられるかどーか当たりに、成否の鍵がありそー。でもそんなゲームソフトなんてあるのかなー。

 高千穂遥さんの「ダーティーペアFLASH2 天使の微笑」(早川文庫、1000円)を読み終える。キャラクターもストーリーもどこを取っても旨さが光る内容だか、しかし決して深くはない。1000円も出した本があっとゆー間に読めてしまうと、ちょっともったいない気がする。せめてあと2−3枚、「るりあ064」さんのイラストを載せて欲しかった。前のダーティーペアは何かと人を殺しまくり(間接的に、だけど)、星を壊し撒くって顰蹙を買ったが、新しいダーティーペアはまだそこまでの域に達していない。次巻あたりで盛大に殺しまくりの壊しまくりをやってくれると有り難いのだが、さていったいいつの刊行となるのやら。


【1月30日】 産経新聞社がこだわって発行し続けている超タカ派雑誌の「正論」に、何故か池上冬樹さんが「ミステリ玉石評」とゆーコラムを持っている。最新号のお題はズバリ「直木賞大予想」。といってもすでに直木賞は決まっているので、今さら大予想なんてとおっしゃる向きもあるだろーが、実はこの原稿、受賞者が発表される前には入稿が終わっていて、実際に発表になった後で掲載号が刊行された時に、当たっているか大ハズレなのかを確認するとゆー、書き手にとっては予想家生命を左右しかねない、恐怖の企画なのであった。ちょっと大げさ。

 候補作への分析は辛辣を極めており、例えば黒川博行さんの「カウント・プラン」については「問題外」とばっさり。篠田節子さんの「ゴサインタン」は「明らかに前半と後半が乖離し、主題の追求が曖昧なまま。惜しい失敗作だろう」と残念がる。下馬評の高かった2作、馳星周さんの「不夜城」と宮部みゆきさんの「蒲生邸事件」についてはそれぞれに「本命」「対抗」としながらも、「不夜城」については「旧世代には絶望的な犯罪小説は肌にあわない」と書き、「蒲生邸事件」については「宮部作品に対しては異常なまでに点数の辛い選考委員がいる」と裏事情を暴露する。

 で結局は「問題はあるものの過去の実績と描写力」がある坂東眞砂子さんの「山姥」が「受賞、ないしは受賞作なしに終わるかと」結んでいて、結果は見事に予想どーりとなった。しかし「宮部作品に異常なまでに辛い」選考委員て誰だろー。いつか宮部さん版「大いなる助走」で殺されるんだろーか。

 池上冬樹さんと言えば発売中の「ミステリマガジン」でエリザベス・バウワーズさんの「レディーズ・ナイト」(佐伯晴子訳、新樹社、1000円)のことを取り上げていて、「ちょっとのぞいて見たくなったけど、本がないのだ」と繰り返し書いている。出てすぐに買った口として、どーして見つからないんだろーと不思議に思ったが、よくよく考えれば、購入した銀座阪急ビルの旭屋書店以外の本屋で、この「レディーズ・ナイト」を見かけた記憶がない。

 アーティストの作場知生さんがキノトロープ制作のインターネット・タロットのために描きおろしたデッキの絵が表紙に使われていて、そこそこ目立つ本なのに、見つからないとゆーことは、やっぱりあんまり売れなかったんだろーね。ちなみに今日のぞいた銀座の旭屋書店には、1冊だけこの「レディーズ・ナイト」の在庫があった。池上さんのコラム「隔離戦線」を読んで気になっていた人は銀座へ走れ。

 旭屋書店ではリチャード・コールダーの「デッドボーイズ」(トレヴィル、2472円)と高千穂遥さんの「ダーティーペアFLASH2 天使の微笑」(早川文庫、1000円)を購入。別の本屋ではグレッグ・ベアの「女王天使」(ハヤカワ文庫SF、上・下各720円)、ナンシー・A・コリンズ「ミッドナイト・ブルー」(ハヤカワ文庫FT、680円)を買い込む。SFとファンタジーばっかの週末が迎えられるなんて、とっても幸せ。でもまだ「大暴風」を読んでいない・・・。やっぱり安易に漫画に走るのがいかんのかなー。


【1月29日】 フジオンラインシステムが主催した、矢野徹さんの小説の後を書き嗣ぐコンテストで優秀賞を受賞した1929年生まれのお医者さんは、やっぱりSFの世界では結構名前の知られた方だったみたい。『 ベストSF ’96』に投票してご返事を頂いた際に、その御礼といっしょに受賞者の「嬉野泉」さんの事を森下一仁さんに伺ったところ、昔から活発に創作活動をしておられるファンで、「1980年代のなかばには、双葉社の「小説推理」にショートショートが何度も掲載されたりしていた」人との情報を頂いた。主催者に聞くと、矢野さんの方ではオンラインだけでなく、紙の本としても出版したい意向だそうで、実現すれば嬉野さん「初」の出版とゆーことになるだろー。応募しとけば良かったかなー。

 ビクターからDVDタイトルのラインアップが発表。サザンオールスターズのほかに映画タイトルも結構あって、たとえば「ニキータ」「レオン完全版」「サブエイ」などのリュック・ベンソン監督作品や、「白い嵐」「サブウェイ」なんかのリリースが予定されている。口火を切るのは「ハートブルー」「不法侵入」「ゲッタウェイ」の3本。3800円とゆー価格はワーナーと同じでお買い得といえる値段だけど、あっちの「ブレードダンナー」とは違って、とりたててコレクションしたい作品ではない。どっちかとゆーと「青空少女隊」のDVD化の方が嬉しかったりする。でもやっぱり買わないね。もう少しソフトが増えないと。

 アニメといったらやっぱりのディズニー、ってことで浦安のシェラトンホテルで開かれた「ブエナビスタホームエンタテインメント」のコンベンションに行く。もらった資料によれば、「アラジン完結編 盗賊王の伝説」「おしゃれキャット」「くまのプーさん」「ノートルダムの鐘」が長編クラッシックスとしてのリリース作品。「くまのプーさん」は確かに知名度抜群だけど、ほかは昔の後悔作品だったり、公開されなかったり、公開されても爆発的なヒットとはならなかった作品だけど、それでも見せてもらった映像は綺麗で楽しく、流石ディズニーと感心することしきり。「アラジン完結編」なんかと同じく劇場公開されなかった「ゴールデンイーグルを探せ」が60万本を達成したことを考えると、第1作で220万本を売り切った「アラジン」の続編とゆー立場にある「アラジン完結編」は、おそらく100万は堅いだろーね。

 しかし悲しいかな日本人、楽しい楽しいディズニー作品の映像を見た後でも、いや後だからこそ、宮崎駿&高畑勲の「スタジオジブリ」の作品に強く惹かれてしまう。去年夏のディズニーと徳間書店の合同記者会見で発表された、ブエナビスタによる「ジブリ」作品のビデオ化第1弾として、「となりのトトロ」が6月に4500円で発売されることになっていて、会場にその映像が久石譲さんの音楽といっしょに流れた瞬間、「やっぱりいーなー宮崎アニメ」ってな感慨に囚われて震えが来た。ディズニーに対抗すると10月に合併する某社がいくら訴えても、ディズニーに匹敵するソフト作品と胸を張れるだけのモノを持ってない以上、説得力はないね。

 新しくディズニー・インタラクティブの日本代表に就任した伊藤裕太さんが歩いていて、いろいろと話を聞く。もはやリンゴ模様のネクタイではなく、しっかりとディズニー模様のネクタイをして歩いている様はまさに「ディズニー人」。口を開いても「5億円投資して絵も全部新しく書き起こしたディズニーのCD−ROMタイトルが日本の子供たちに届かないのはいけない」と、童顔を紅潮させて説く様は骨の髄からの「ディズニー人」で、なるほどこーゆー自分たちのキャラクターを信じ愛する人たちに支えられて、ブエナビスタの快進撃はあるのかと納得する。


【1月28日】 ギャガ・コミュニケーションズの発表会に行く。なんとかいった映画の出演者が記者会見するとゆー内容で、行くとすでに開場は満杯の状況。そんなに人気のある映画なのかと行って初めて気がつくが、別に映画評論家ではないので監督とか出演者のコメントをぼーっとしながら聞いていた。そんな会見に何故行ったかとゆーと、史上初めてインターネットで映画の記者発表会を中継すると聞いていたからで、だったら会社でネットに繋いでみれば良さそーなものを、きっと会場でも場内のあちこちにパソコンを置いて、中継されている模様を見せてくれるかと思っていた。なのにそんな気配はいっさいなし。従って果たして世界初の映画記者会見実況中継がどんな感じ、どんなクオリティーで流れていたのかは知らない。見ていた人はいるのかな。

 帰ってからもギャガの記事。映像ソフトの製作を増やしているとゆー話で、具体例として2月1日からテレビ東京系で放映が始まる「エコエコアザラク」と、ゴールデンウイークに上映される予定の天海祐希出演映画「MISTY」のことを入れる。「エコエコアザラク」は佐藤麻嗣子監督で2作作られた映画をテレビ向けにリメイクしたもので、スタッフ・キャストは映画版とまるっきり違ってる。果たしてどんな内容になったのか確かめなくてはならないが、何せ放送時間が午前2時10分からとあっては、リアルタイムで見るのはちょっと辛い。

 とまあ、先だってリリースが送られて来た時はそう思っていたが、「エコエコアザラク」を30分間に渡って放送したテレビ東京は、その後に続けて「新世紀エヴァンゲリオン」を再放送するみたいで、ならば意地でも起きていよーと決心する。意志薄弱なのでビデオのタイマーはしっかりセットしておくけどね。面白いことにギャガのこの2本、とことん「エヴァ」と縁があるみたいで、「MISTY」の方は上映される映画館の直前のプログラムが、予定では「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」となっている。競合して客を奪われるとゆー心配はないが、製作の遅れが心配される作品だけに、ちゃんと完成するのか、予定どおりに封切りとなって予定どおりに終了するのか、今はそれだけが気がかりらしー。

 夕方から恵比寿ガーデンプレイスにあるガーデンホールへ。マルチメディア・タイトル製作者連盟(AMD)が主催しているマルチメディア・コンテンツの表彰式があって、会場に着くといつも元気なオラシオンの菊池哲栄社長や、羽織袴でキメたデジタローグの江並直美プロデューサー、前回に引き続いてチャイナ服姿のボイジャーの萩野正昭代表取締役らが歩いている姿をみかける。理事たちは「正装」が決まりとはいっても、このヒネクレよーはタダモノではない。デジタローグ、ボイジャーと並んで、国内3大電子出版社の1つとして津野海太郎さんが挙げていたシナジー幾何学の粟田政憲代表取締役だけは、ちゃんとタキシード姿だった。

 前回は愛があれば大丈夫が「ファンタスマゴリア」で受賞した「AMDアウォード郵政大臣賞」は、今回は任天堂が「スーパーマリオ64」で受賞、対抗しているマルチメディア・コンテンツ振興協会(MMCA)の「マルチメディアグランプリ」と並んで2冠を達成した。もっとも会社に授与する「マルチメディアグランプリ」と違って、開発者・制作者に与えるのが「AMDアウォード」の特徴で、会場に来ていた「世界の」宮本茂さんも、愛があれば大丈夫の潮永プロデューサーから手渡された「旗」(一見パッチワークのムシロ旗、しかして実体は日比野克彦さんの作品)を、壇上で2度、3度嬉しそーに振り回していた。

 AMDの理事長は「時の人」山科誠・バンダイ社長。最初は誰もなかなか質問できず、当たり障りのない話でお茶を濁していたが、祝宴の終わりがけになってお祭り大好きな某社長が音頭をとって「セガ・バンダイの山科社長に挨拶を」と呼びかけると、仕方なしに山科さんも登壇して、冗談まじりで近況を語っていた。パソコン向けCD−ROMが中心だった前回の「アウォード」に比べて、今回は「スーパーマリオ64」をはじめ「バイオハザード」に「パラッパラッパー」と、コンシューマー系が賞に絡んで来たのが大きな変化。実際にいずれも良い作品で、セールスもケタ違いだから仕方がないとはいえ、パソコン系CD−ROMタイトルがこのまま寂れていくのは業腹なので、「ジャングルパーク」で食い込んだ松本玄人さんには、もっともっとデジタルで頑張って欲しいなー。と思っていたら、サルは次は64に行くとか。良いものはプラットホームを選ばないんですねー。

 帰って録画しておいた「機動戦艦ナデシコ」を見るが、正直言っていらない話。前回もストーリーの展開上ではほとんど意味がなかったし、来週もやっぱりたいした話ではなさそーなので、そろそろネタが尽きてきたのかと心配になる。1年4クールぶっとーしで放送するアニメだったら手抜き息抜きは許されても、2クール26話程度であんまり息抜きの場面を作るのは感心しない。あるいは何かの伏線かと勘ぐっても見るが、やっぱり意味はないんだろーなー。


【1月27日】 東京国際ブックフェアで見つけたフォーカスシステムズの「debutant」の記事を書く。サンミュージックのオーディションで合格した新人アイドルの情報を、CD−ROMとCDエキストラに入れて見てもらい、そこから専用のホームページに飛んで気に入ったアイドルを投票してもらうって仕組みの、いわば「マルチメディア・オーディション」。投票数が多い人から順に雑誌とかラジオとかでデビューしていくとゆーから、2月末の発売以降は入っているアイドルの卵たちもきっと気が気じゃないだろーね。

 あっ増えた、えーんぜんぜん増えないって、アクセスログなんか見ながら、毎日一喜一憂してるに違いない。中には自分でCD−ROM買ってホームページにアクセスして、投票数を稼ぐって「自腹切りアイドル」が登場するかも。これじゃーCDを自分で買って親戚に配る演歌歌手と変わんないね。3弾目までは実施が決まっているけど、果たして1人くらいはテレビに登場できるアイドルが登場するか。けどCD−ROMにCDエキストラじゃー売れて1万ってとこだからなー。いくらアクセスあっても一般の認知度は低いよなー。

 日本映画製作者連盟の新年恒例合同記者会見。映画会社の重鎮たちがそろって会見するとゆー豪華なもので、百戦錬磨の映画人がずらり居並ぶ様は戦慄すら感じる。順に今年の予定なんかを喋っていったけど、去年ダイアナ后を映画に起用したいといって話題を読んだ徳間康快・大映社長の発言がやっぱり今年も大注目で、いったいなにを喋るんだろーと、やっぱり百戦錬磨の映画記者達が固唾を呑んで見守っていた。

 去年ほどのインパクトはなく、例えば中国の映画監督・田荘荘に2本ばかり映画を撮ってもらうとか、ガメラ3は金子監督の体が空く来年までは撮らないとか、まーそんな話をしていた程度。1番びっくりしたのが永田ラッパの時代から大映が誇っているハイパー特撮映画「大魔神」を、来年いよいよリメイクするとゆー話で、「ガメラ」を復活させて当たりを撮った大映だけに、いったいどんな「再生」をもくろんでいるのかと、会見終了後も徳間社長を取り囲んで記者たちがあれこれ聞いていた。

 曰く「日本では撮らない」。なぜって日本でとるとやっぱりチャンバラっぽくなってつまんないからで、となればハリウッドかというとさにあらず。何と「メキシコ」で撮る計画なんだとか。白人に虐げられたインディオの祈りによって、メキシコの遺跡に埋もれた大魔神が復活して、メキシカンやカウボーイらをなぎ倒して快進撃を続け、インディオたちを守るって、そんな話になるんだろーか。ディズニーに協力してもらいたいとか、ケビン・コスナーにお金を出してもらいたいとか、とにかく発言が雄大で、たとえ日本映画が全般に低調でも、永田雅一にまけないラッパぶりを見せてくれる徳間さんがいる限り、新聞紙面に話題は尽きない。

 富士通の子会社が実施していた、矢野徹さんの小説の続きを募集するって企画が終了。告知媒体が弱かったためか、書き手が少なくなっているためか、応募がわずか5本しか集まらなかったとか。けれども入賞となった作品は、矢野さんも誉めるほどの面白さだそーで、31日には入賞者の名前とともに、オンライン上で作品の販売が始まることになっている。聞けば入賞者は1929年生まれのお医者さんで、古くからのSFファンらしー。もしかしたらとても有名な人なのかも。こーゆー人に比べれば、自分なんてまだまだ洟垂れ、だねー。


【1月26日】 前日午後7時半に起きてからそのまま眠らず、効かない暖房に手を悴(かじか)ませながらしこしこと読書感想文を書き継ぐ。BGMとゆーかBGVにアメリカから持ち帰った「新世紀エヴァンゲリオン」の英語版を流していると、なんだかまだアメリカにいるよーな気がしてくるが、書いている文章は日本語だし、横のベッドにはしっかり布団が敷いてあるから、たちまちのうちに狭くておまけに汚いわが家と気づく。それにしても寒いなあ。

 寒さの理由はエアコンのリモコンが壊れて温度調節が出来なくなってしまっている為で、夏だろうと冬だろうと25度から上にも下にも動かない。夏は冷えすぎで冬は寒すぎ、おまけに暖気が首から上にしか溜まらないとあって、まったく役に立たっていない。仕方がないので夜が明けて店が開いた頃合を見計らって、近所のスーパーに補助暖房装置を買いに出かける。ホットカーペットがいーのか電気ストーブがいいのかあれこれ迷った挙げ句、1番安かった電気ファンヒーターを購入。とりあえずこれで靴下を3枚重ねにして腰に毛布を撒いて手に手袋をはめて、ワープロを打たなくてよくなるぞ。でも電気代がなあ。

 本屋に回って新刊を物色。「SFマガジン」は苦手なJ・G・バラードの特集だが、これを機会に幾つか手を出してみたいと瞬間思う。次の瞬間漫画の新刊の山を見てそっちに目を奪われ、さっきの決心はたちまちのうちに覆る。目を奪われた漫画とは水樹和佳さんの「月虹」(創美社コミックス、1000円)。ぶーけコミックスでの初刊時に読もうかどうしようか迷って結局読まず、永く悔やんでいた本が大判の単行本で再刊となった。先月の「樹魔・伝説」といー今月の「月虹」といー、昔の傑作が蘇る、それもちんまい文庫サイズじゃなくって大判でってところが嬉しい。このまま「エリオットひとり遊び」と行って欲しーところだがどーもそーにはなりそーもなく、そーなるとせめて文庫でもと思ってしまう。いー加減だなあ。

 「動画王」という巫山戯(ふざけ)たタイトルのムックを発見してゲットする。どーせ宝島社あたりのムックだろーと表紙をよくみて吃驚。宝島グループとはおそらく今もって仇敵のキネマ旬報社が、別冊として刊行したものだった。「VOL.1」とあるところを見ると、どーやら定期的に刊行していくらしー。映画ジャーナリズムの頂点にまさしく君臨する雑誌がどーしてアニメなんぞのムックをと訝(いぶか)るが、実際最近のキネマ旬報、「天地無用!」のフィルムブックをばしばし刊行して結構な実績を上げ、雑誌サイズでも押井守さんや宮崎駿さん、高畑勲さんの研究本を出しているから、アニメにはそこそこ傾注していた。

 しかし季刊誌として始めた「動画王」が、第1弾として取り上げた特集が「決戦!巨大ロボットアニメ」とあっては、押井守さんや宮崎駿さんとは違って、古参の映画ジャーナリズムや真っ当な映画ファンにはなかなか理解され得ないだろーなー。もちろん僕は大いに支持するけど。今だったら「新世紀エヴァンゲリオン」を巻頭特集にして表紙にも綾波レイあたりを使っておけば、結構な売り上げを稼げるところを、金田伊功作画の原画を白抜きで掲載するあたりにも拘りが感じられてよろしい。ちなみに4月刊行の次号は「魔法少女アニメ研究」が特集のテーマ。入っている広告が「スーパーロボット大戦」のバンプレストに「プリティサミー」のパイオニアLDCとあっては、当然すぎる流れと言えるね。


【1月25日】 眠くて眠くて仕方がなかった1日。たぶん時差ボケの最終局面に来ているのだろうか、午前11時にいったん目覚めただけで、後は午後の7半時まで、体内時間と現実の時間とのズレを埋め合わせるべく、日中をベッドの中でひたすら眠って過ごす。

 午前11時にいったん起きたのは、滅多に鳴らない呼び鈴がでっかくピンポンと鳴ったためで、束ねずぼさぼざの髪、薄汚れたトレーナーとパジャマの格好でドアを開けると、どっひゃーな警察官が立って作り笑いを浮かべていた。なんでも駅前交番からアパートの住人を偵察に来たようで、胡乱な間借り人はいないか、もしかしたら悪い教団の逃亡犯や左翼の過激派なんかが潜んでいないかを調べにきたらしい。

 となればぼさぼさの髪と薄汚れたトレーナーは悪い教団の一派と見間違われて必定の格好で、ためか警察官、薄笑いが真顔をなって部屋のなかをじろじろとのぞき込み、台所を部屋を仕切るのれんの舌からのぞく10本あまりの酒ビンと、台所に山とつまれた麦酒の空き缶を見て、いっそう不信感を強めたらしい。白い紙切れを差し出す指もこわばって、表面的には優しく、しかし内面には疑念をはらんだ作り声で名前と緊急連作先をかき込むように指示を出す。

 ふだんなら「義務なんですか」と抵抗の1つも見せるところを、惚けた頭ではなかなかに難しく、また相手の疑念をいや増す行為も慎むべきと考えて、素直に紙を受け取って、なんらやましいとろこのない勤務先と職業、そして実家の連絡先を記入して渡す。「新聞記者」と職業欄に書けば、多少は相手もひるむかと思ったが、何せマイナーの究極にある新聞社だ。ふふんと鼻をピクつかせたぐらいであとは動じるところなく、新聞社勤務なんですねとか紙を受け取り、そのまま立ち去っていった。

 ここで筒井康隆なら、3枚におろされた警察官が明日は3人になってドアのまえに佇んでいたと各ところだが、現実にはおそらく、明日は3人の刑事がめいめいに縄と手錠と拳銃を持ってドアの前に居並び、「抵抗は止めて素直に出てこい。おかあさんは泣いているぞ」とか叫んでいることだろう。テレビの中継も始まって、窓からのぞく無様で間抜けな自分の顔が画面いっぱいにクローズアップされるのだ。といったあたりは、警察官が帰った後でベッドに入って見た妄想。しかし日本中を監視下におく警察国家のスゴミを見せつけられた気がした。

 再び起きたのは午後7時半で、テニスの「全豪オープン」も久方ぶりの「逮捕しちゃうぞ」も「YAO安心!宇宙旅行」も「セーラースターズ」もすべて見逃してしまった。何も食べていない胃はぐうぐうと音をたてて鳴り響き、しかたなく起きあがって近所のデパートへ行ってパンを買い込んでむしゃむしゃと喰う。珈琲を飲んで無理矢理眼を醒まして眠る前に読んでいた神林長平「ライトジーンの遺産」(朝日ソノラマ、1800円)の続きを読む。

 ほぼ1年ぶりの神林長平は相変わらずの神林長平で、軽妙な会話と洒脱な登場人物たちのおりなすエピソードの数々から、人間が生来備えていると信じている感覚への疑念を惹起させ、生きていることの不思議さを想起させる。沢蟹まけるじゃないが、「意志の力」で女性になって若返ったMJと言う人造人間にも惹かれるが、やはり読書と酒の怠惰な日々に溺れるもう1人の人造人間、菊月虹に強く共感する。

 朝令暮改な会社生活から足を洗って、読書と酒の日々に溺れたいと思っていても、「意志の力」がとことん弱い自分には、とうてい出来ない芸当。後は日々痛めつけられる神経が切れ、あるいは破壊されて、爆発するか自爆するか、いずれにしても正常ではない終末を迎えることになるのだろう。よく寝ると頭が冴えるねえ。


【1月24日】 体内時計と現実の時間とのズレがなかなか修正できず、ふだんは絶対に起きるはずのない朝の午前4時に目が覚めてしまう。再び寝付こうとして果たせず、仕方がないので神林長平さんの「ライトジーンの遺産」(朝日ソノラマ、1800円)を読んだりしながら出勤する時間が来るまでを過ごす。空が白み始めてからはテレビをつけ、テレビ朝日の「やじ馬ワイド」で昨日のセガ・エンタープライゼスとバンダイとの合併のニュースを、新聞がどれくらいの規模で扱っているかを確認する。産経新聞と東京新聞がトップ。エンターテインメント業界への関心の高さが現れたものとは言っても、これほどまでの扱いをされるとは、セガ、バンダイとも世の中にインパクトを与える会社になったんだねー。でもトップとはねー。騒ぎすぎじゃない。

 新聞に目を通して読んでいくと、バンダイのことをキャラクターをたくさん保有した企業とかいった認識にぶち当たって悩む。「ウルトラマン」にしたって「セーラームーン」にしたって、バンダイが持っているのは版権とゆーか商品化権みたいなものであって、絶対にキャラクターそのものじゃないと思う。合併したからといって、そう簡単にいろいろなキャラクター商品を作って売り出すなんてことも、元の著作権者抜きには語れない話であって、そのあたりを突き詰めずに(自分だって突き詰めてないけど)、「バンダイのキャラクターがセガの技術を結び付くからすっげー製品が出来るぞ」なんて結論を、安易に導き出して今回の合併劇を「大競争時代の始まり」なんて持ち上げないで欲しー。しかし1日開けても結論の見えない合併劇って、やっぱり無理筋、なんじゃない。

 今年から臨海副都心の東京ビッグサイトに移った「東京国際ブックフェア」をのぞく。西船橋から新木場まで京葉線で行ってそこから地下鉄みたいな電車で展示場前へ行き、てくてくと歩いて展示場へと入る。左へ廊下をどんどんどんどんと歩いて行くとようやく会場にたどり着き、プレスセンターで受け付けをすませて会場内へと足を踏み入れる。何年か前の「ブックフェア」がユーザー向けのイベントになってしまって、本来の目的である出展者や来場者たちの商談が出来なかった反動から、幕張に移ってからは関係者向けの公開日と一般公開日に分けて開催することになった。東京に戻ってもそれは変わらず、関係者向けの2日目でゆったりとした場内を、ゆっくりと見て回ることができた。

 電子出版の普及を繁栄してか、奥まった一角のほとんどが電子出版関連の展示になっていて、珍しいCD−ROMが出ていないかを観察しながら鵜の目鷹の目で各のブースを嗅ぎ回る。彩文館出版のブースで都筑和彦さんのCGアート集のサンプルを配っていたのをめざとく見つけて、名刺を渡して1枚もらう。別のブースでは「未来都市の考古学」のCGのCD−ROMも売っていて、東京都現代美術館ではジョイスティックにとまどってろくすっぽ進めなかった未来都市のCGの中を、マウスでポインタ合わせてずいずいと進む快感を味わう。

 洋書バーゲンはどこに何があるのか解らず早々に撤退。去年ブース内で1割引きだかで本を売っていたみすず書房が今回は出展しておらず、いろいろと買いたい本があったのにと残念に思うも、いざ実物を目にすると、1割引きとはいえ結構なお値段にびびって買わずに通り過ぎたんじゃねーかと思い直して納得する。中国とか台湾とかの出版社の本に結構面白そーなものが混じっていたよーだけど、近寄ると商談持ちかけられそーだったからやっぱりびびって近寄れない。1時間余りぶら付いてゆりかもめ乗って退散。あんまり見るものなかったなー。


【1月23日】 時差ボケなのか旅行中の強行軍で慣れたのか午前6時には目が覚める。2度寝も出来そーにないのでもそもそと起き出して11日ぶりに出社。フロリダで貰った資料を抱えていかねばならず、ダッフルバッグに資料をお土産の類を詰め込んで、満員電車でひんしゅくを買いながら大手町へと向かう。混んだ電車に乗るのも久しぶりなら、日本語の雑誌を読むのも久しぶり。「週刊文春」と「週刊新潮」の両週刊誌を買って読むと、どちらもエニックスの「ドラゴンクエスト」の新作が任天堂の「NINTENDO64」ではなく「プレイステーション」向けに開発されることが決まったニュースを、多くのページを割いて特集していたのに驚いた。

 ゲームのニュースが伝統ある週刊誌の話題に、それも特集並の扱いで記事になるなんてこと、ほんの1年前ですら考えられなかった。それだけ業界への関心、とゆーか「ファミコン」「スーファミ」で世界を席巻した任天堂の行く末に人々の関心が高いってことで、よーやくゲームも一般的なゴシップのタネになるだけの業界になったんだとゆー実感を抱く。あっと「ジョンベネ」ちゃんの記事もどちらにも載っていた。タブロイド紙の中には遺体の写真を掲載したところもあったとかで、しまった米国で探して買っておくんだったと悔やむことしきり。ネクロフィリアじゃないですただの好奇心です、よ。あっ、信じてないね。

 そんなこんなで会社に行って記事を書き、午後3時頃になって出始めた時差ボケで朦朧する頭を一発で覚ますニュースが飛び込んで来た。曰く「セガ・エンタープライゼスとバンダイが合併」。「嘘だろう」と一瞬思ったが、すでに証券取引所での発表も決まっているとあって、これはマジだと戦慄が走る。しかし同時に解せない思いにとらわれる。「いったい何が目的なの」。根本的な合併の理由がすぐに浮かばないほど、セガとバンダイとゆー会社の持つインパクトが、かつてほど強くないことに思い至る。

 まずはセガ。「バーチャファイター」も「バーチャロン」も「サクラ大戦」も売れているけど、ハードは「プレステーション」に押されっぱなしで回復への決め手がない。エニックスはライバル「プレステーション」に行ってしまい、1年先でも2年先でもいいから確実に起死回生を計れる1発とゆービジョンを打ち出せないままで、しばらくは低空飛行を余儀なくされるだろー。施設運営があるってゆーけど、オーランド帰りの目で見れば「ジョイポリス」なんて小さい小さい。

 いっぽうのバンダイも所詮は人様の作ったキャラクターで商売させて頂いている「流通事業者」であって、純粋なクリエーターとは言い難い。「夢クリエイション」なんて言ったことろでテレビや漫画の中の「夢」を3次元の形にする力に長けているだけで、テレビや漫画が「夢」を生み出せなくなった時、バンダイのキャラクター戦略は行き詰まることは必然だったと思う。もちろん今朝の一般紙がそろって話題にした「たまごっち」のよーなスマッシュヒットもあるが、「たまごっち」からバンダイ得意のキャラクター・マーチャンダイジングはちょっと出づらい。

 彼らが合併によって近づいたと標榜した「ディズニー」は、決して「夢」の「流通事業者」ではない。彼らはまさしく「夢のクリエーター」だった。だったというのは近年、彼らの作り出すキャラクターにかつてほどの魅力を感じないからだが、「101匹わんちゃん」と「プーさん」と「ダンボ」とそして「ミッキーマウス」に「ドナルドダック」、ほかにも星の数ほどのキャラクター資産が「ディズニー」にはあり、未だ圧倒的な人気で世界中の子供と元子供の上に君臨している。セガに何がある? それからバンダイに?

 オーランド帰りで「ディズニー」にかぶれているのは認めよう。たとえ「ウォルト・ディズニー・ワールド」に1歩も足を踏み入れなかったとしても、スーパーや衣料品店やビデオショップ等など、街のそこかしこにあふれた「ディズニー」のキャラクターたちを見ていれば、その人気のほどは解る。「ディズニーは別格」というのなら、「バックスバニー」に「トゥイーティー」の「ワーナー・ブラザーズ」を見て欲しい。「原始家族」に「宇宙家族」に「ブラック魔王」「ケンケン」の「ハンナ・アンド・バーベラ」を見て欲しい。何10年も前に生み出されたキャラクターが、現役の子供と引退した子供を惹きつけて止まない。「鉄腕アトム」や「リボンの騎士」を「ノスタルジック」にしか受けとめることのできない日本との、この違いはなんなんだ。

 さてセガとバンダイ。それぞれにハードで失敗したといっても、それぞれに力のある会社だけに、合併によって何かが変わることを認めるのはやぶさかでない。バンダイのグループにはキャラクターを生み出す能力を持った映像会社や音楽会社があるし、セガだって前述のゲームたちと、それにソニック・ザ・ヘッジホッグのよーな全米でも知られたキャラクターを持っている。願わくは今回の合併が、お互いの失敗を固塗せんがための無定見なものではなく、お互いの潜在力をお互いに引き出しあって、「ディズニー」が目指した「夢」を生み出す「ワールド」(決して「ファクトリー」などではない。ましてや「ブローカー」などでも)を、この日本に作って欲しい。でも無理かなー、あのギラギラとした経営陣ではなー。

 神林長平さんの久方ぶりの新刊「ライトジーンの遺産」(朝日ソノラマ、1800円)を買う。すっかり早川書房と切れてしまったのか、ここのところ新刊は中央公論に波書房といった文芸系出版社から出ていたけど、朝日ソノラマはかの梅原克文さんの「ソリトンの悪魔」を刊行した新本格SFの牙城。ならば神林さんの新刊も相当に期待できると踏んでおり、実際に表紙とコシマキの文句だけで中身の面白さが伝わって来る。ページをめくる日がまちどーしー。っても今晩のこと、だけどね。


【1月22日】 (続き)日付が変わっていた。ダグラスDC−11のビジネスクラスは快適だけど接客は外国人でなにを言ってんだか解らない。お茶もろくに飲めずに成田へつくと、順番待ちだとかで房総半島の上空を3度ばかり旋回、気流が悪く機体がガタガタと揺れて、ここまで来て落ちるのはイヤだと恐怖心にかられる。でも無事着陸。入国して電車に乗って久方ぶりの自宅へ帰ると、その狭さその汚さに嫌気がさす。ついでに寒い。聞けば今年最大級の冷え込みで、結局暑さには縁のない身と普段からの行いの悪さを反省する。

 録画しておいた「機動戦艦ナデシコ」を2話分見ると、話がどんどんと進んでいてまるで訳が分からない。えーっ、提督がってな感じで来週いったいどーなるとやらと楽しみがいや増す。しかし昨日放映の分、艦長の胸がやたら強調されてない? ついでに買って来た英語版「新世紀エヴァンゲリオン」のビデオをデッキにかけると、いきなり「ガンスミスキャッツ」の映像が出てきて、アメリカ人やっぱり中身を取り違えたかと怒りにかられる。

 結局は予告編が10分くらい入っていて、ちゃんと英語の吹き替えになった本編が始まったけど、しかしシンジ君の声をあてた男の声が結構陽気で、屈折した少年って感じじゃなかったなー。ミサトさんとリツコはまあまあの出来。でもマヤちゃんの声がノースウエストのスチュワーデスみたく野太くて、あんまり感じじゃなかった。映像のクオリティーは日本語版を見ていないから解らない。どっかで英語版の上映会でも開かれないかなー。何巻まで出ているのかは知らないけど。

 冒頭にプロモーション映像を入れるのは「攻殻機動隊」でもいっしょで、ええっと思っているうつに見慣れた本編が始まった。こちらは流石に声の雰囲気もぴったりで、映像のクオリティーも決して悪くはない。だからこそ同じ品物であるにも関わらず、日本で買えば1万円で、アメリカじゃー2000円なんだとゆー気になる。物流コストか製造コストか単に製作会社のわがままか。値下げしたからビルボードでトップになったんだなんてクサしている暇があったら、こっちでももっと値段を下げてどんどんと売ってみろってんだいっ。


【1月21日】 午前5時に宿屋を出てオーランド国際空港へ。そこから飛行機でユタ州のソルトレークシティーへと向かう。トランジットで2時間待ちの間に、売店でゴシップ紙の「スター」と「エンクワイアー」を買う。大の大人が読む新聞じゃねーのか、店員の見る目が冷たい。どちらの新聞もトップニュースは「美少女スター殺人事件」の話題で、どちらも表紙は殺害された6歳の美少女「ジョンベネちゃん」の笑顔の写真になっていた。

 ふわふわ巻き毛の金髪に、ぱっちりおめめの顔立ちは「ビューティークイーン」の称号も相応しい整いよーで、新聞を開くとそんなジョンベネッちゃんのポーズとゆーか媚態を写したポートレートの数々が、どこから集めたのかズラリ掲載されてた。英語なので中身は読めなかったけど、聞くとベネットちゃん、自宅で失踪して自宅で遺体が発見されて、なのに親族は犯人じゃないと言われているとかいないとか。いったい日本ではどの位話題になっているんだろーかと、帰ってから雑誌とスポーツ紙を漁ってみよーと考える。

 モルモン教とNBA「ユタ・ジャズ」しか知らない「ソルトレークシティ」を飛んで今度はポートランドへ。そこで大きな飛行機に乗り換えて成田へと向かうことになる。免税で酒を探すが値段は日本とたいして変わらず、けれどもどーせ買うならと海外旅行では自分にとって定番の「IWはーパー12年」を購入して飛行機に乗り込む。うとうとしていると・・・(続く)


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