曲さえ決まったらもうこっちのもの、というわけには行かなかったけれど、とにかく時間は過ぎていった。
パルも田村も、結局残って、男十一人、女十一人の二十二人がコンクールのステージに乗ることになった。
合宿に行った人行かなかった人。毎日練習に来れた人来れなかった人。いろんな人がいるけれど、俺らの音楽が、日に日に出来上がっていった。
俺らの、この三年間のすべてをかけて作る音楽。もう逃げは許されない。
言い訳したい奴は、俺の目の届かないところでしてくれ。俺は必死にやったんだ。
あとはもう、本番を残すだけとなった前日の夜と当日の朝、俺らは氷川神社にお参りに行った。