BANZAI! TAE


今世紀最後の冬、なのだそうだ。

 そう、NAGANOオリンピック。
 時差のないオリンピックって、寝不足にならなくていいよね。もちろん昼間はみられないから、リアルタイム、っていうことではちょっと残念だけど。
 
 ところで、いつからなのかなあ。オリンピックって、かわったと思わない?
 とくに冬、なのかどうかわからないけど、なんか明るくなったよね。あるいは、痛々しくなくなった。
 
 それは橋本聖子や伊藤みどりに代表されてた、全身プレッシャーです、みたいなちょっと固い雰囲気がいなくなったことや、スノーボードやモーグルなんかの、楽しそうな選手たちや。
 それから、個人的には、開会式の前日にテレビでやっていた「クールラニング」のせいだろうなと思うのだけれど。
 
 冬季オリンピックってさ、なんかとおい世界だったよね。
 たとえばさ、いままでオリンピックにあるような種目を、趣味でやってたひとって、まわりにいる? 夏のオリンピックの種目なら、陸上だって水泳だって、体操だって野球だって、一応中学高校の部活動でやってるひとがまわりにはいて、なじんでたじゃない。体の動かし方からルールだって、みんな知ってるものばかり。
 でもさ、ジャンプにしろ大回転にしろ、フィギアスケートでもいいけど、そういう選手じゃなくって、好きだからやってるってひと、いないよね、あんまり。だから、オリンピック直前に持ち前のミーハーを発揮して、選手の名前とか競技とかを覚えるのだけれど、ああ、こんなひとががんばってるんだ、っていうくらいで、あんまり近くない。
 オリンピックはショウだから、いいんだけれども。「おれたちにはできないレベルのことをやっている」というよりは、「おれたちにはできないことをやっている」という感じの見せ物みたいなショウ。
 だからいままで、あんまりなじみのない世界だった。
 
 それがさ、今回はちょっと違うよね。
 モーグルだってスノボだって、おんなじスキー場で滑ってるじゃん。ちょっとかじろうと思えば、簡単にかじれるじゃん。だから、オリンピックのために練習してるんじゃなくって、楽しんでるんだなって、思えるじゃん。って、ほんとにそうかは知らないけど。それに、彼らみんな、楽しそうじゃん。
 
 別に、彼らのおかげにするつもりはないけれど、開会式の行進も、いままでよりみんな、素直に楽しそうだった気がするし。

 それから。

 リュージュっていう競技があって。氷上のF1といわれながらも、四年に一回しか名前も聞かないんだけど。あれさ、その場でとかテレビでとか、とにかくみたあとって、ちょっとやりたくならない? 本格的なのはこわいけど、ふつうのそりで滑る、お手軽体験版。そういうの、気軽にできたら、もっと競技人口、ひろがるのになあ。
 
 そしたら、いまよりもっと楽しく、ショウを観れるのにって、おもいません?
 
 

 遅ればせながら、おめでとう! TAE SATOYA!!

 

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